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車の安全システム┃トラクションコントロールを解説! 基本から故障時対応まで

車の安全システム┃トラクションコントロールを解説! 基本から故障時対応まで

トラクションコントロールとは車の安全システムのことです。このページでは、トラクションコントロールとはそもそも何かという基本的なことや、トラクションコントロールがついていることによるメリットやデメリットなどを紹介していきます。

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トラクションコントロールって何?

トラクションコントロールとはタイヤが横滑りしたり空転するのを防ぐためのシステムのことです。

トラクションは駆動力、コントロールは制御をそれぞれ意味します。

メーカーによってトラクションコントロールの表記方法にいくらかのバリエーションがあります。

トヨタの表記方法だとTRC、ホンダの表記方法だとTCSといった具合です。

エンジン出力制御とブレーキ制御

このトラクションコントロールは2つのシステムによって成り立っています。

エンジン出力制御とブレーキ制御です。

エンジン出力制御は、車が濡れた道などの悪路を走っていてスリップし、片輪が空転しそうになっているとき、エンジンの出力を落としてそれを防ぎます。

これはエンジン制御コンピューターがいくつかある気筒に信号を送り、該当する気筒への燃料噴射を停止させることで、出力を落とす仕組みになっています。

ブレーキ制御は、空転しそうになっている駆動輪のブレーキに油圧を送ることで、空転を抑え、もう片方の車輪の駆動力を確保しています。このシステムによって、車は悪路でも安定したコーナリングをすることができます。

どういう仕組みで働いているのか

まずはトラクションコントロールの仕組みを解説します。

速度センサー

トラクションコントロールには「速度センサー」が付いています。

これはタイヤの回転数を検知するシステムです。

車が通常の道を走る場合、4つのタイヤは全て同じ回転数です。

しかし、カーブを曲がったり、凍結した道などの悪路を走る際は、各タイヤの回転数が異なるものになります。

トラクションコントロールはドライバーが異変を察知する前に、これらを把握するのです。

速度センサーには2種類あり、「駆動輪速度センサー」と「従動輪速度センサー」です。

「駆動輪速度センサー」は駆動輪に装着されたもの、「従動輪速度センサー」はそれ以外の部分に装着されたものをいいます。

四輪駆動車には全て「駆動輪速度センサー」が搭載されています。

エンジンの出力を抑える

速度センサーが異変を察知した場合、エンジンの働きを抑制する信号を出します。
具体的にいうと、

・燃料供給を抑える

・点火を停める

・アクセルスロットルを絞る(電子制御スロットル搭載車の場合)

などといったことをしてくれます。

ABSを作動させる

トラクションコントロールはABSと一緒に搭載されることが多いです。

ABSの正式な意味は「アンチロックブレーキシステム」で、回転数の多いタイヤをコントロールしてくれるシステムです。

トラクションコントロールはABSに働きかけ、より車の安定性を高めることができるのです。

AT車の走行を安定させる

一部のAT車では、トラクションコントロールによってシフトスケジュールが変化することがあります。

トラクションコントロールが異常を感知したとき専用のシフトスケジュールに即座に変更し、車の走行を安定させます。

トラクションコントロールのメリットとデメリット

今までトラクションコントロールの機能を紹介してきましたが、ここからはメリットとデメリットの解説をしていきます。

メリット

トラクションコントロールのメリットといえば、安全性でしょう。

車が悪路を進むときにタイヤの片輪がはまってしまった場合なども安定した走行をサポートしてくれます。

また、ドライバーが間違えてアクセルを踏み過ぎたとき、それを抑えてくれます。

デメリット

トラクションコントロールのデメリットは、主に2つあります。

ぬかるみや深い雪道では機能しない

トラクションコントロールを使うと、エンジンの出力が抑えられます。

ですが、ぬかるみや深い雪にはまってしまったときなどはパワーが必要です。

そのようなときにエンジンの出力を抑えられてしまうと脱出できなくなります。

多くの場合ONとOFFのスイッチがあるので、これらを利用してトラクションコントロールが機能しないよう調整しましょう。

競技用自動車には向かない

ドリフト走行がしたい時、わざと駆動輪に対しトラクションを与え空転させたい、という時にトラクションコントロールはデメリットになってしまいます。

なぜONとOFFの機能が付いているのか

車の安全走行を強烈にサポートしてくれるトラクションコントロールですが、なぜONとOFFのスイッチが付いているのでしょうか。その理由について、詳しく見ていきます。

速く走ろうとする際

トラクションコントロールは常にONの状態であることが好ましいのですが、サーキット走行する際や、ドリフト走行したいという時にはOFFにしておいた方がよさそうです。

実際にサーキット走行でトラクションコントロールをOFFにすると、タイムは短くなります。

その代わり、走行時の車体が不安定になるというリスクもあります。

特に雨が降っているときは危険で、スピンを繰り返してしまう可能性もあるので注意してください。

悪路から抜ける際

もし車がぬかるみや深い雪にはまってしまった際、トラクションコントロールをONにしていると脱出ができません。

その場合はトラクションコントロールをOFFにして、タイヤを思いっきり駆動させましょう。

トラクションコントロールの中には、状況に応じて適切に作動するものもあります。

自動的にセンサーが作動し、ぬかるみなどにはまったときには、スイッチを切ったときのように駆動力をタイヤに伝えてくれるのです。

ただそういった優れ物はコストが高くなってしまうので、基本的にはスイッチで切り替えたほうが良いでしょう。

トラクションコントロールの警告灯はなぜ点く?

運転している最中に、メーターパネルの警告灯が付くことがあるでしょう。よく見るものでしたら半ドア、シートベルトの未着用を示す警告灯などがあります。その中でもブレーキについての警告灯は、トラクションコントロールも関係しています。これはどのような状態を表しているのでしょうか。

故障している可能性も?

ABSやブレーキアシストの警告灯が点いたら要注意です。

この警告灯は、横滑りを防止するABSやアシストブレーキに何らかの異常がある場合に表示されます。

トラクションコントロールにも何か異常がある可能性があります。

普段使うブレーキは正常に作動しますが、万が一のときに危険です。

通常の走行に問題がないからといって放置せず、メーカーのお店などに相談しましょう。

まとめ

ここまででトラクションコントロールの仕組みやメリット、デメリット、注意点などを紹介しました。

トラクションコントロールは安全走行をサポートしてくれますが、何事にも限度があります。

無茶な運転はせず、安全運転でドライブを楽しみましょう。

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