パワーウェイトレシオとは?
車を評価する場合、馬力、回転数、最大トルク、排気量などを参考にする方は多くいらっしゃるかと思います。
その際に注視していただきたい判断材料の一つが「パワーウェイトレシオ」です。
パワーウェイトレシオとは、車の速さの判断基準の一つで「車体重量に対する馬力の大きさ」という表現が適切です。
車体重量以外が同じ条件であれば、重量が軽い方が加速力が高いという判断基準になります。
エンジンの出力1馬力に対して何kgの重量がかかるのかという数字になるので、数字が小さいほど優秀という事になります。
存在する車の中でも最もパワーウェイトレシオが最も小さい車がF1などのフォーミュラカーにあたり0.5〜0.6kg/馬力程度になります。
極端な例ですが、最もパワーウェイトレシオが悪いとされる車両が戦車です。馬力は1500馬力もありますが車体重量が50t以上もあるため30kg/馬力以上となってしまいます。
乗用を目的とした車であれば、パワーウェイトレシオは小さい方が良いとされています。
■パワーウェイトレシオの計算方法は?
先述しましたように、「パワーウェイトレシオ」とは、1馬力あたりにかかる車体重量です。
ですので、算出するための計算式は
車体重量 ÷ 馬力
で求める事が出来ます。
例えば、日産のセレナは車体重量1,700kg 馬力が150とします。
その場合のパワーウェイトレシオは、11.33kg/PS(1700kg ÷ 150PS)となります。
加速に優れるパワーウェイトレシオランキング!
数値が小さいほど加速性能が優れているとされるパワーウェイトレシオ。
ここでは世界中の車の中でもトップクラスにパワーウェイトレシオが優れている車をご紹介いたします。
【 シボレー コルベット Z06 】
最先端のテクノロジーを搭載したコルベット史上最強のレーシングカーが「シボレー コルベット Z06」です。
車両重量1610kgに対して、出力659PS。
パワーウェイトレシオは2.44kg/PSという数値をマークしています。
(車両価格:1,442万円)
【 フェラーリ 488GTB 】
名門フェラーリから「フェラーリ 488TB」。
既存モデルより空力特性を向上させ更なる進化を遂げた、このモデルは出力670PS、車両重量1370kg。
パワーウェイトレシオは、2.0kg/PSという驚愕の数値です。
わずか3.0秒で時速100kmという加速を叩き出します。
(車両価格:3,070万円)
【 ランボルギーニ アヴェンタドール LP750-4 スーパーベローチェ 】
スーパーカーの中でも頂点に君臨するランボルギーニから「アヴェンタドール LP750-4 スーパーベローチェ」。
「スーパーベローチェ」は「とても早い」という意味を持ち、その名前通りの世界トップレベルの加速性能です。
出力750PSに対して車体重量1,525kg。
フェラーリと同様、驚異の2.0kg/PSという数値です。
(車体価格:4,317万円)
■コンパクトカー部門
【 トヨタ Vitz GRMN 】
「TOYOTA GAZOORacingCompany」から「桁違いの究極のVitz」と銘打って限定150台で発売されたモデルです。
本来、街中を走る乗用車というイメージのVitzですが、こちらのモデルはサーキットでのスポーツ走行を想定としたチューニングを施された特別なモデルです。
燃費は提示されておらず定かではありませんが、他のモデルのVitzが20km/Lとかなり低燃費な車なので、おそらくVitz GRMNに関しても低燃費なのかと推測しております。
出力は212PS、車体重量は1,140kg。
パワーウェイトレシオは5.4kg/PSです。この数値はレクサスRC350F-SportやスカイラインGT-RV スペックⅡに匹敵します。
【 スズキ スイフトスポーツ 】
スイフトスポーツは日本内外にて、とても高い評価を得ているコンパクトカーです。
2017年にモデルチェンジが行われ、エンジンはターボエンジンに、車体重量は軽量化されました。
燃費はカタログ値は16.4km/L、実燃費は13km/L前後となっています。
出力140PS、車体重量990kg。
パワーウェイトレシオ7.0kg/PS。
先代より軽量化された車体による、軽快な走りが人気の理由の1つです。
■ミニバン部門
【 トヨタ ヴェルファイア 3.5Z 】
ミニバンといえば、トヨタのアルファードとヴェルファイアを想像する方も多いかと思います。
ここではヴェルファイア 3.5Zのご紹介をいたします。
燃費はカタログ値で9.4km/L、実燃費もあまり変わらず9.4km/L前後の数値のようです。
出力301PSに対して、車両重量2,090kg。
パワーウェイトレシオは6.9kg/PSです。
【 日産 エルグランド 350ハイウェイスター 】
日産から発売されている大型ミニバン エルグランド。
1997年に発売が始まってから、長く愛され続けています。
燃費はカタログ値で9.2km/L、実測値も変わらず9.0km/L前後となっています。
出力は280PS、車体重量2,060kg。
パワーウェイトレシオは、7.3kg/PSとなります。
【 ホンダ ステップワゴンスパーダ 】
ホンダからステップワゴンスパーダ。
快適な車内空間とスポーティで迫力のあるフォルムが特徴的です。
燃費はカタログ値で16km/L、実燃費はおおよそ10km/Lといったところです。
出力は150PS、車体重量は1,680kg。
パワーウェイトレシオは11.2kg/PSとなります。
■大注目はロードスター!
2016年にニューヨークで行われた国際自動車ショーにて、マツダのロードスターが「2016年世界カー・オブ・ザ・イヤー」と「世界カーデザイン・オブ・ザ・イヤー」を同時受賞という日本の自動車史にも残る快挙を遂げました。
世界で認められ、そして愛されるマツダのロードスターに関して、パワーウェイトレシオを中心に基本スペックをご紹介いたします。
ロードスターは日本では1.5Lモデルのみの販売となっております。
燃費はカタログ数値で16.8km/L、実燃費もあまり違わない16.0km/Lをマークしてしまいます。
各モデルにおいて車体重量990kg、出力132PS。
パワーウェイトレシオは7.5kg/PS。
発信から時速100kmまで加速するまでにかかる時間は8.3秒。
一般的な乗用車の場合は10秒前後が目安となるので、ロードスターはなかなか加速性能に優れていると判断できます。
まとめ
「パワーウェイトレシオ」に関して、ご理解いただけましたでしょうか?
車を選ぶ時、馬力は?エンジンは?回転数は?といった部分に目が向きがちではありますが、それらはエンジン単体の性能でしかありません。
パワーウェイトレシオもあくまで判断材料においては目安の一つでしかありませんが、車全体の性能を把握するためにとても有効な情報になります。
実際に乗ってみたら、思っていたほどの加速力がなかった。という事がないよう、諸元表から車全体の性能を判断できるようになると良いですね。