レクサスSCのヒストリー
初代・二代目のソアラは、あくまでクラウン2ドアハードトップをベースに、よりスポーティで華麗に仕上げられたラグジュアリースポーツカーでした。
その証拠にクラウン2ドアハードトップは、ソアラの成功により生産を中止したほどです。
このまま人気を独占するかと思われたソアラでしたが、90年代初めのバブル崩壊とともにその販売台数を急激に落とすことになったのは残念な出来事でした。
そしてその中で、三代目ソアラはレクサスSCの名前を与えられることとなります。ソアラは車格もワンランク上の物に、クラウンクーペからLSクーペとなりここにレクサスクーペの誕生を迎えたのでした。
その後順調に業績も反響も伸ばしていったソアラですが、米国内での評価は高かったものの、国内での爆発的な勢いになるのはもう少し時間と景気の回復を待たなければならない状況になりました。
■ソアラからレクサスへ
ソアラは1981年に2ドアクーペとして発売が開始されました。ヨーロッパの高級GTを強く意識して造られ、エンジンには2.8リッター直列6気筒DOHCエンジンを搭載したモデルもありました。
インテリアにはこの当時としては珍しい、タッチパネル・オートエアコン、メーター類もデジタル式を採用。1983年のマイナーチェンジではTEMS(電子制御式サスペンション)の搭載により現代の高級車の原点となる装備はほぼ網羅したのです。
こうして初代・二代目と順調に販売台数も伸び、三代目の時代から欧米での人気は衰えることもなく順調でしたが、国内ではバブルの崩壊で高級車の販売台数は急激に下落することとなりました。高級車暗黒の時代の到来です。
しかしながら1991年から登場した三代目ソアラは、北米などで1989年から展開を始めたレクサスブランドとなり正式にレクサスSCとして販売が始まりました。
売れ行きは北米などでは相変わらずの好調をキープしていましたが、国内の販売台数は惨憺たるものとなって来ました。
2001年に登場した四代目ソアラは当初はソアラの名称で販売されましたが、2005年の国内でのレクサス開業に伴いレクサスSCとして新たに販売が始まり、国内でのレクサスSCの登場となったのです。
■レクサスSC430のスペック
2代目レクサス SC430は、初代レクサスSC400とは趣を一変させるクーペ・カブリオへと変貌してゆきます。装備された全自動電動格納式アルミトップは世界で初めて取り入られた技術でも有りました。
全長4535mm
全幅1825mm
全高1355mm
排気量は4292cc
と、一見すると高級クラスとしては、コンパクトなボディサイズですが、ボディの割に大きなエンジンを積むスタイルは、当時欧州などで、はやっていたスタイルです。駆動方式もFRとドライビングを楽しみたい、人達からはこちらも絶賛されていました。
走行メカニック&エンジンスペックは以下の通りです。
・変速機 6速AT
・ステアリング パワーアシスト・ラック&ピニオン
・サスペンション 4輪ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング
・ブレーキ(後) ディスク
・ブレーキ(前) ベンチレーテッドディスク
・タイヤサイズ 245/40R18 93Y
・エンジン型式 3UZ-FE V型8気筒DOHC
・使用燃料 無鉛プレミアムガソリン
・内径 91.0mm
・行程 82.5mm
・総排気量 4292cc
・圧縮比 10.5
・最高出力 280PS/5.600rpm
・最大トルク 43.8kgf・m/3.400rpm
・燃料タンク容量 75L
ラグジュアリースポーツカー
レクサスSC430の華麗なるGTカーへの転身。スーパーGTレーシングマシンは、大幅な改造が許されているのが特徴ですがレクサスSC430もこのクラスに参戦していました。
フォミラー・ニッポン用に開発されたRV8Kエンジンをベースとし、改良されたRV8KGエンジンを搭載し最大馬力500馬力を搭載し実践デビューを果たしています。
勿論改造箇所はエンジンに留まらず、オーバーフェンダー・エアースポイラーは勿論ですが、ボンネットなどは、カーボンファイバー製に変えられた車からマシンに変身していました。
ドリフトで86と共演
2012年にアメリカ・ニュージャージー州で行われた、2012フォーミュラドリフトでトヨタの新型86と共演という豪華なイベントが行われたのは、車好きにはたまらないニュースとして伝えられました。
もうもうと白煙を上げて二台のSC430と86のドリフトは圧巻の一言につきます。今でもYouTubeなどでも見ることが出来るので、興味のある方は一度覗いてみるのも楽しいかも知れません。
レクサスSC430生産終了間際の特別限定車
レクサスSC430の生産終了に伴い200台限定のモデル”The Eternal Jewel“を販売しました。The Eternal Jewelの大きな特徴は、大胆なツートンのコンビネーションのカラーリングが一番に目を引くモデルとなっていました。
この配色のコンビネーションはエクステリアだけにとどまらず、インテリアにも適応されました。このカラーバリエーションの設定で同じ車が存在しないほどの組み合わせになります。
この他にも専用オーナメントには貝殻文字の装飾が施されていることや、シリアルナンバー・プレートなどの特別装備が満載でした。
レクサスSCの維持費と実燃費を紹介
維持費で大きな比重を占める自動車の税金ですが、レクサスSC430の場合は自動車税76.500円・重量税32.800円(2年間)これだけで10万円を超えます。
これにガソリン代と保険料なども加えますとどうなるのか計算してみました。
カタログ値ではなく、実際のレクサスの燃費ですが多くの口コミなどを見てみますと、どうやらリッターで7Kmが平均の様です(あくまで状態の良いエンジンの場合です)これを基に年間10000Km走るとすれば、レクサスにハイオクを毎回入れると想定した場合、2019年現在のガソリン価格を平均150円で換算すると約214000円です。最低でもこの金額はかかりそうです。
後は保険料ですが、これは自賠責と任意保険がありますが。任意保険で車両保険まで加えますと10万円近くなるかも知れません。
クラシックカーの宿命かも知れません、しかし、それでも乗りたいという気持ちにさせてくれる車ではあります。
街で見かけるSC430の内装
レクサスの内装で一番目を引くのが、やはりウォールナットと本革の使用箇所の多さでなはいでしょうか、そのカラーバリエーションは内装色だけで13通り外装塗装との組み合わせでは149通りの組み合わせになります。
レクサスSCの評価
生産終了してもうすぐ10年になろうとしていますが、その人気はまだまだ衰えを知りません、中古市場でもまだ高額で取引されている車です。
その人気の秘密は、今でも人の目を引くエクステリアと、2ドアオープンの快適さなど数え上げればきりがありません。真冬の都会の喧騒をオープンにしてシートヒーターからの暖かな温もりを感じつつ走る、まさに大人のおしゃれを楽しみませんか。
気になる中古車価格は
勿論、年式や無事故で有ったり、ワン・オーナーで有ったりとで、かなり金額には開きがあるのが中古車の価格ですが、平均すると120万から200万前後と開きは有ります。価格帯はこのあたりに落ち着いていると思います。
そしてあまり中古車では頻繁に見かけることのない車なのは確かです。一度は乗りたい車のランクがあるとすれば、やはり上位にランクされる車ではないでしょうか。
まとめ
憧れの車というものは、幾つになっても、何台所有していてもあるものです。
レクサスSC430とはそういう性能以外にも大きな魅力がある憧れの車ではないでしょうか。見られる嬉しさ、所有する満足感、走る楽しみ。
その全てを与えてくれる車というものは、なかなか出会えない物です、それは国産では最上級に位置する車である証拠でしょう。
贅をつくした車、ハイソカー全盛時のきらきらした輝きを纏った車、一度はそのオーナーになってみたい車でなないでしょうか。