高級車ブランド「レクサス」と「安い」は両立ができるのか?!
レクサス LF-30 エレクトリファイド(東京モーターショー2019 出展車両)
北米で1989年に先行して展開され、日本でも2005年から高級車ブランドとしての歩みをスタートさせたレクサス。
高級セダンや高級SUVを主軸に、洗練された車作りと贅沢な購入体験、充実のアフターサービスを揃えており、今や国内でも高級車ブランドとしての知名度はかなり高いですよね。
そんなレクサス、新車で買うとなると、なかなかのお値段になることはやはりご想像の通り。
輸入車ブランドとライバルたち比べるとやや安めになっている場合もあるほか、そのライバルたちではオプション設定となっている機能がレクサスでは標準装備されている場合も多いことは考慮が必要ですが、純粋な国産車としてみれば、価格帯は頭ひとつ飛び抜けている印象があります。
たとえば、ブランドフラッグシップたるLSでは、3.5リッターターボ仕様のエントリー価格でも約1,000万円から、ハイブリッドの最高級仕様ではオプション次第で支払い総額2,000万円超えも見えてくるなど、高品質な車作りとはいえかなり高価。
そんなレクサス車を、安く手に入れることなんてできるのでしょうか?
選び方さえ気をつければ、新車でも中古車でも、レクサスらしいおもてなしに満ちた車をかなりおトクに手に入れられることが判明しましたので、ご紹介していきます。
■高いレクサスの特徴
年式が新しい
レクサス IS500 Fスポーツ・パフォーマンス(海外仕様車)
レクサスに限った話ではありませんが、自動車は技術革新のペースも早く、さまざまな安全装備が加わり続けていることもあって、やはり年式が新しいものほど価格が高くなっています。
またこれは中古車市場でも同じ。モデルチェンジを受けて顔つきが変わったモデルなどはそこを起点に高値を維持しますし、年式が古くなってくると税金の負担額が変わってくるなど維持費にも影響してきます。
これらのことから、年式が新しいものの方が価格は高めというのが大前提でしょう。
また、国内のレクサス開業当時のラインナップと現在のラインナップのデザインを見比べてみると、当初はかなり控えめでエレガントなデザインが採用されていたのに、最近ではかなりアグレッシブで挑戦的なデザインに変化していることがわかりますよね。
どちらがお好みかは人それぞれではありますが、高級車らしいインパクトや押し出し感のある最近のデザインを好む方も多く、いまやアイデンティティのひとつである「スピンドルグリル」を採用しはじめた2010年代半ばからのモデルが人気となっているようです。
人気のSUVは中古でも高値安定
レクサス UX300e
1989年当初はLSとESというセダンの2本だてでブランドとしての歩みをはじめたレクサスですが、日本国内でもトヨタ ハリアーとして大ヒットしたRXが発売されて以降はSUVにも強みを持っており、現在ではラインナップ中、セダンが3車種に対してSUVが4車種と、SUVの方が車種数が多くなっているほどです。
ステーションワゴンやミニバンを現在持たない国内のレクサスにおいて、SUV系はユーティリティ性能も高く、多用途に使いこなせる点も人気の理由かもしれませんね。街中でも見かけるレクサスは意外とSUVが多いのではないでしょうか。
特に上級なLXやRXでは、人気を反映してか近年では自動車盗難の多発まで報道されるなど、全世界的な高い需要が窺えます。
売れているだけあって、レクサスのSUVは中古車市場でも高値安定。かっこよくて憧れますが、おトクにレクサス選びをしたいなら、候補からは外れてしまいそうです。
■安いレクサスの特徴
年式が古い、モデルチェンジ前の型である
レクサス RX350
レクサスは、特に国内では2005年開業とまだまだ歴史の浅いブランドではありますが、それでも当時の車はすでに15年落ちと、結構古い年式のものも中古車市場では見受けられます。
もちろん、信頼性の高さなども影響してか、年式が古かったり過走行気味であったりしても一定の人気は保たれていますが、やはり年式が古くなればなるほど価格は下がるというのは、中古車選びの原則でしょう。
また先ほどもご紹介した通り、2010年代半ばからはよりアグレッシブな内外装デザインを備えたラインナップへと変化してきているレクサス。そのため、同じ車種であっても改良でスピンドルグリルが採用される前と後では価格が大きく異なる場合も見受けられます。
また、顧客ニーズの変化からか販売不振でモデル廃止となってしまった車種などは、なかなか衝撃的な価格設定がされているものもあり、要注目です。
高級感のセダンは人気低迷で安め
レクサス LS
あまり車に詳しくない方が「レクサス」と言われてイメージされるのは、やはり黒塗りのセダンではないかと思うほど、高級セダンの印象も強いレクサス。しかし、ライバルの輸入高級車ブランドたちと同様に、今では販売の主戦場はSUVに移っており、セダンの新車販売台数は伸びていません。
このセダンの不人気さは中古車市場にも影響しており、レクサスセダンの相場はやや下がり気味。
しかし、室内の広々感や荷室の使い勝手などではやはりSUVには敵わないものの、セダンの売りはそのフォーマルな印象。サイズとしてもミドル〜ラージクラスの大きさのセダンが多く、伸びやかなそのデザインは素直にかっこいいと思えるのでは。
お買い得なレクサス車を探している人にとっては、セダンがお得になっているというのはなかなかの棚ボタなのかもしれません。
【新車で探す、安いレクサス】シックなCT、アクティブなUX
ここからは、お安いレクサス車の実例をご紹介していきます。
まずは、新車でもお買い得なレクサス車として、5ドアハッチバックのCTと、SUVラインナップの末っ子にあたるUXを見ていきましょう。
■レクサス CT:ハイブリッドと充実安全装備で侮れない最廉価車
《画像提供:Response 》レクサス CT200h
ハッチバック車ながらしっかり存在感のあるボンネットとロー&ワイドな印象で、高級感を感じさせるCT。フロント側から見れば、まるで高級セダンのような端正さが際立ちます。
なんとそのデビューは2011年と、すでに登場10周年を迎えているという長寿な車。しかし、売りっぱなしではなく細やかな改良が続けられており、最近では2020年8月にも安全装備の充実など改良を受けています。
CTには、レクサスブランドとしてのエントリーカーという役目があり、レクサスで新車価格が最も廉価なのはCT200hの約350万円(税抜)となっています。5ドアハッチバック車として考えると、この価格はなかなか高額ではありますが、CTの魅力を知れば納得してしまうことでしょう。
《画像提供:Response 》レクサス CT200h バージョンL インテリア(サンフレアブラウン/ノーブルブラウン)
パワートレインは1.8リッター ハイブリッドのみの設定で、WLTCモード燃費で最高23.9km/Lという低燃費は、まだまだ最新のエコカーとして通用する高効率なもの。
レクサスらしい洗練のインテリアは、ボタンの多いデザインこそやや古さを感じさせますが、10.3インチのワイドディスプレイは先進感がありますし、なんと11パターンという豊富なカラーバリエーションなど、サイズは小さくても高級車らしい隙のない仕上がり。
全車で予防安全・運転支援パッケージの「レクサスセーフティシステム+」やパーキングサポートブレーキが標準装備される点も含め、プレミアムコンパクトの名に相応しい、侮れない実力の持ち主です。
レクサス CTのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,355mm×1,765mm×1,450mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,600mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,380kg | |
燃費 | WLTCモード:23.9km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンハイブリッド 1,797cc | |
エンジン最高出力 | 73kW(99PS)/5,200rpm | |
エンジン最大トルク | 142N・m(14.5kgf・m)/4,000rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 60kW(82PS) | |
モーター最大トルク | 207N・m(21.1kgf・m) | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 3,517,273円(消費税抜) |
■レクサス UX:都市型SUV!ハジけた内外装デザインに注目
レクサス UX250h
CTよりもやや大きいながら、レクサスSUVラインナップの中では最小級に位置するUXは、サイズだけでなく性格づけも特徴的です。
SUV風の力強いボディを持ちながらキャビンは絞り込まれており、全高はなんと1,540mmと、立体駐車場でも安心のスポーティなフォルムとなっており、大柄で持て余しそうな様子ではなく、街中でも扱いやすいハッチバックのような印象すら受けます。
また、L字型のデイライト機能付クリアランスランプを備えたヘッドライトや、車両幅いっぱいまで広がる精緻な印象のLEDテールランプ、まるで彫刻のようなボディサイドの造形など、モーターショーのコンセプトカーのような特徴的なディテールがいっぱいなUXは、エクステリアからも若々しさを感じさせます。
《画像提供:Response 》レクサス UX250h アーバンエレガンス インテリア
さらに圧巻はインテリア。水平基調のラインが重なっていくレクサスらしいインテリアデザインながら、和紙調シボをダッシュボードの広い面積に用いたり、9パターンものカラフルなインテリアカラーの用意があったりと、乗り込んだ瞬間からプレミアムSUVであることを実感できることでしょう。
もちろん、最も廉価な2.0リッター ガソリンエンジン車も含めた全車で「レクサスセーフティシステム+」が標準装備ですし、ハイブリッドならAWD仕様の設定もあります。
ガソリン仕様のスタート価格で税込約400万円からと、決してお安くはないですが、価格に見合った満足感はしっかり得られることでしょう。
レクサス UXのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,495mm×1,840mm×1,540mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,640mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,470kg | |
燃費 | WLTCモード:16.4km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリン 1,986cc | |
エンジン最高出力 | 128kW(174PS)/6,600rpm | |
エンジン最大トルク | 209N・m(21.3kgf・m)/4,000-5,200rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 3,611,818円(消費税抜) |
【中古車で探す、安いレクサス】高級感ムンムン!セダンに大注目
新車でお安いレクサスを2台ご紹介してきましたが、ここからは中古車の価格相場が安めのレクサス車をご紹介していきます。
どれも高級感あふれる見た目で、価格を聞けばびっくりしてしまうこと間違いなし。在庫のあるうちにお早めにお問い合わせしてみることをおすすめいたします。
■レクサス HS:室内広々、走れるハイブリッドが50万円から?!
レクサス HS250h
レクサスのセダンの中で、駆動方式にFFを採用する珍しい存在のひとつが、HSでした。
2009年に登場し、2018年まで販売が続けられていたHSはレクサスとして初、トヨタブランドも含めてもプリウスに次ぐ2車種目というハイブリッド専用車で、さらに搭載していたガソリンエンジンは2.4リッターとハイブリッド車としては大きめのもの。
出力の大きいモーターを組み合わせられたハイブリッドシステムは、シックな外観の印象からは想像のつかないほどパンチのある加速と、FFならではの室内の広さがHSならではの世界でした。
新車時には約400万円スタートだったHSは、なんと現在中古車平均価格で約100万円となっており、車両によってはコミコミで50万円以下から在庫されている中古車も確認できます。性能と高級感を考えれば、もはや価格破壊といえるでしょう。
また、レクサス認定中古車であるCPOであっても200万円台から在庫されており、こちらなら充実の保証が備わるほか、満足感の高いレクサスオーナー体験ができることでしょう。
レクサス HSのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,710mm×1,785mm×1,495mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,700mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,640kg | |
燃費 | JC08モード:20.6km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンハイブリッド 2,362cc | |
エンジン最高出力 | 110kW(150PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 187N・m(19.1kgf・m)/4,400rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 105kW(143PS) | |
モーター最大トルク | 270N・m(27.5kgf・m) | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 4,025,000円(消費税抜) |
■レクサス GS:後輪駆動に大排気量エンジン、これぞ高級車の実力派
《画像提供:Response 》レクサス GS350 Fスポーツ
伸びやかなデザインでこれぞ高級車といった印象のGSは、前史であるトヨタ アリストの時代から「走りの高級車」を標榜してきた人気の車。
残念ながら2020年に販売終了してしまい、国内では新規投入されたESが後継車扱いとなっていますが、後輪駆動にハイパワーエンジンを備えるGSを惜しむ声は少なくありませんでした。
まだまだ新しいこともあってか、最終型のGSはやや高めとなっていますが、初期型のモデルなどでは本体価格で100万円切りの在庫車も確認できるようになってきているほか、先代モデルでは平均価格で60万円台とかなりお買い得に。
先代モデルでは4.6リッターという大排気量V8エンジンもラインナップされたほか、最終型では2.0リッターターボの軽快なハンドリングも選べるなど、パワートレインの選択肢が多いことも選びやすさに貢献していますね。
レクサス GSのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,880mm×1,840mm×1,455mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,850mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,650kg | |
燃費 | JC08モード:10.8km/L | |
エンジン種類 | V型6気筒ガソリン 3,456cc | |
エンジン最高出力 | 234kW(318PS)/6,600rpm | |
エンジン最大トルク | 380N・m(38.7kgf・m)/4,800rpm | |
駆動方式 | 後輪駆動(FR) | |
トランスミッション | 8速AT | |
新車価格 | 5,963,889円(消費税抜) |
■レクサス IS:改良型登場で100万円台続出!走りのFも激安?!
レクサス IS350 Fスポーツ
前史たるトヨタ アルテッツァの時代からコンパクトFRスポーツセダンとして走りを追求してきた、レクサスセダンのエントリークラスを担うIS。大きめのセダンのようなゆとりはなくとも、キビキビと走れる軽快感が人気で、中古車市場での在庫台数もレクサス車で1、2を争うほどです。
現行型は2013年デビューと実はこちらもなかなか長寿車なのですが、2020年11月に大幅改良が発表されたこともまだまだ記憶に新しいですね。
その改良モデル、傍目にはフルモデルチェンジとしか思えないほどかなり大規模に手が入れられたこともあって、中古車市場では前期型・中期型の価格がやや下がり気味となっており、もとよりレクサスのセダンの中ではお求めやすい価格のISが、さらにお買い得になっています。
改良前モデルとはいえフレッシュな印象のエクステリアをもつハイブリッド仕様や2.5リッター V6エンジン仕様では100万円台で充分に探せるほか、先代モデルではなんとコミコミ価格で50万円以下から潤沢に在庫が見られるなど、セダンデビューにももってこいの低廉な相場となっています。
レクサス IS F
また変わり種では、先代モデルに設定されていたFモデルもそろそろ狙いやすい価格帯になってきています。レクサス車に幅広く設定されているFスポーツとは違う本格派のIS Fは、なんと400馬力オーバーの5.0リッター V型8気筒というハイパワーエンジンを搭載した本気のスポーツセダン。
新車価格では1,000万円超えまでしていたIS Fですが、現在では中古車平均価格で200万円台、なんと100万円台から探せてしまうなど、性能を考えればバーゲン価格。
Fモデルは頂点にスーパーカーのLFA、現在も販売が続くRC F、すでに販売終了済のGS FとIS Fとまだ4種類しかない特別な存在ですので、IS Fの場合は年式は古くなってきていますが、その特別感は格別なものですね。
レクサス ISのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,680mm×1,810mm×1,430mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,800mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,680kg | |
燃費 | JC08モード:23.2km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンハイブリッド 2,493cc | |
エンジン最高出力 | 131kW(178PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 221N・m(22.5kgf・m)/4,200-4,800rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 105kW(143PS) | |
モーター最大トルク | 300N・m(30.6kgf・m) | |
駆動方式 | 後輪駆動(FR) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 4,781,481円(消費税抜) |
まとめ
《画像提供:Response 》レクサス UX250h アーバンエレガンス
お安めのレクサス車の特徴、お得なレクサス車の実例をご紹介してきました。
やっぱり流行はSUVでしょ、とお思いの方はあまりうまみがないかもしれませんが、レクサスブランドの車をお得に体験してみたい、とお思いの方なら、セダンの中古車が非常におすすめなことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
室内空間はタイトでも、格別の走行性能とよりフォーマルな印象のあるセダンで、お得なレクサスライフを始めてみては。