マツダ ベリーサは国内専用車として2004年に登場
マツダ ベリーサ
マツダのベリーサ。このベリーサの登場は、そもそもマツダの人気車種の「ファミリア」(北米では「プロテージュ」、欧州などでは「マツダ323」)の廃止に大きく関わっています。
マツダはファミリアに代わる世界戦略車として、ボディサイズを拡大し、あらゆる面での性能を引き上げて開発された「アクセラ」を後継車として考えました。
その中でファミリアと、1996年に登場した「デミオ」との中間帯の補完をすべく、2004年に日本国内専用車として発売されたのがマツダのコンパクトカー、「ベリーサ」なのです。
■マツダのベリーサは、高級志向のハッチバック
ベリーサは初代デミオをベースとした高級志向のハッチバックで、一度もモデルチェンジされることなく2016年3月末まで発売された息の長いモデルとなりました。
そしてデミオとの差別化を図るため、このクラスとしては異例となった本革シートをオプション採用するなど、「上質感」を感じさせる工夫が随所に施されています。
■マツダ ベリーサ 初代 DC型のスペックと特徴
マツダ・ベリーサ
ベリーサの初代 DC型モデルは、2004年6月から2015年12月まで製造・販売されていて、2代目モデルはなく初代の人気を維持したまま販売が終了されました。
ベリーサはナローボディー(全幅1695mm)とは思えないフェンダーデザインや、シンプルな造形のランプや、全体的に古さを感じさせないのにどこかクラシックなデザインになっていて、ずっと長く付き合えそうなデザインになっているのが特徴です。
またエンジンが『2代目デミオ』と同じ1.5Lでミッションが4ATという点では、当時のコンパクトカーとしては標準的なパワーユニットですが、アクセラと比較すると運転のしやすさが際立っているようです。
また後席の広さが広々としており、ベリーサに乗るすべての人が楽に過ごせる空間となっていました。
■マツダ ベリーサのスペック
スペックにつきましては、
ボディタイプ:5ドア ステーションワゴン、
エンジン:ZY-VE型 1.5L 直4 DOHC、
駆動方式:FF、4WD、
最高出力:83kW (113PS) /6,000rpm、
最大トルク:140N·m (14.3kgf·m) /4,000rpm、
変速機:4速AT、
全長3,975mm
全幅1,695mm
全高1,530mm、
ホイールベース:2,490mm
となっています。
■マツダ ベリーサ 2006年にマイナーチェンジ
マツダ ベリーサ特別仕様(2006)
ベリーサは2006年8月にマイナーチェンジをしました。
どこが変わったかと言いますと、特にインテリアの質感が向上され、シートなどを含む内装色、素材の変更、ブラックメタリック調パネルの採用、メッキ調パーツの追加などが挙げられます。
またブルーLEDの室内間接照明による「夜間の室内空間の雰囲気づくり」や、ドアミラー内蔵グラウンドイルミネーションランプによる乗降時の足もとの照明など、「夜間のドライブ」を楽しいものにする新装備も追加しています。
そしてエクステリア系では、ドレスアップパッケージ(「C」はメーカーオプション、「L」は標準装備)にブライトモールディングが追加になったことのほか、注目されたのはボディカラーに大幅な入れ替えが行われ、高輝度の「クリスタルホワイトパールマイカ」、鮮やかな「パッションオレンジマイカ」、深青色の「ストーミーブルーマイカ」などのファッショナブルなカラーを新設定するとともに、メッキパーツの追加や、アルミホイールのデザインも変更されました。
■マツダ ベリーサ 特別仕様車・マゼンタセレクションも発売
マゼンタ セレクション
マツダベリーサは2013年12月に特別仕様車「マゼンタセレクション」を発売しました。マゼンタセレクションは上級グレード「L」のFF車をベースに、ブラックの本革シートやマゼンタカラーのステッチなど、特別なインテリアの仕立てを採用したものとなっています。
またステアリング本革巻のステッチにマゼンタを、専用ドアトリムにブラックを、ドアミラーガーニッシュにメッキをそれぞれ採用し、ディスチャージヘッドランプ(ロービーム:オートレベリング〈光軸調整〉機構付)と、185/55R15 81Vタイヤ&15インチアルミホイール(高輝度塗装)が装備されたのも特徴となっています。
■マツダ ベリーサ 2015年に4代目デミオに統合
2015年12月にベリーサは販売を終了しましたが、後継車はなく販売終了前年にフルモデルチェンジした4代目デミオに統合されました。
デミオは1996年に誕生した、マツダのBセグメントコンパクトモデルで、2014年9月に発売された新型は4代目のモデルにあたり、「CX-5」「アテンザ」「アクセラ」に続いて、クリーンディーゼルエンジンに代表される「SKYACTIV(スカイアクティブ)技術」とデザインテーマ「魂動-Soul of Motion」が採用されました。
4代目デミオは旧型に比べてボディを少し拡大させ、全幅は5ナンバーサイズに収まる1695mmで同じ数値ですが、全長は160mm伸びて4060mmになり、4mの枠を超えています。
パワーユニットについては1.3Lのガソリンエンジンと1.5Lのディーゼルターボエンジンが採用され、前者は従来モデルのそれより全回転域でトルクを5~10%強化し、最高回転数を高めるなど、走行性能を大きく進化させると同時に、従来モデルと同じような低燃費を実現しています。
そして後者に関しましては、AT仕様は25.5kgmという2.5L自然吸気ガソリンエンジンに匹敵する最大トルクが、MT仕様では30.0km/Lという高い燃費性能が特徴となっています(JC08モード)。
マツダ2(旧デミオ)
マツダ ベリーサの燃費
ベリーサの燃費につきましては、年式が2004年のFF車が10・15燃費で16,8km/Lから18,2km/L、4WD車が16,0km/Lから17,2km/L。実燃費はFF車が12.66km/Lで4WD車が11,32km/Lとなっていて、年式が2013年のFF車がJC08燃費で16,4km/L,$WD車が15,2km/L。実燃費はFF車が12,95km/Lとなっています。
マツダ ベリーサの中古車価格
ベリーサの中古車価格は以下のようです。
平均価格:40.6万円
価格帯:3.8万円~125 万円
古いものはかなり安くで購入できるものもありますので、探してみましょう。
※車情報サイトResponse 中古車情報ページより(2019年8月現在)
マツダ ベリーサの評価や口コミは
インテリアではシルバーパネルの色合いを、落ち着いたダーク調に変更しシックな雰囲気に仕上げている。また、レザーパッケージで用意されている木目調パネルやハーフレザーのシートも落ち着いた色合いにまとめられており、肌触りもよい。
フロントウインドがデミオと比べ立ち気味になるので、室内の開放感も高く後席に乗っていても窮屈に感じられない。リアシートのスライドやアレンジではデミオのほうが優れているが、居住性はベリーサのほうに分がありそうだ。『ベリーサ』そういったクルマの本質部分にこだわり作られたコンパクトカーなのだ。
上品な雰囲気が漂っているだけでなく、快適なドライブが楽しめるようになっています。
おわりに
ベリーサは一代だけのモデルでしたが10年以上もの長きにわたって人気のあった車種でした。
もともとはファミリアの廃止に関連して生まれたのですが、ファミリアより知名度は低いものの、質の良さが際立っていて、他のコンパクトカーとは一線を画す車でもあったのです。
また特別仕様車の「マゼンタセレクション」も好評で、質の良かった部分にさらに磨きがかかったようでした。
新車では残念ながら購入できませんが、中古車なら数多く見られますし価格も比較的お得なものになっています。そういう意味では、今買い時の車と言えるかも知れません。