日産の新型デイズとは
日産 デイズ
日産 デイズは日産が生産・販売している軽自動車の1つです。カテゴリーとしては軽トールワゴンに含まれる車種となっています。
現行で日産から販売されている軽自動車は、デイズ、ルークス、NV100クリッパー リオの3車種となっており、決して軽自動車のラインアップが多いとは言えません。
さらに言えばNV100クリッパー リオに関してはスズキ エブリイワゴンのOEMですから、実質的に日産の軽自動車は2車種と考えても良いでしょう。
日産 デイズの初代モデルが発売されたのは2013年です。この2013年に発売された初代モデルがB21W(AA0)型、2019年に発表されて現在まで販売が続いている2代目モデルがB40W(AA1)型と呼ばれています。
2013年に発売されてから実に7年ほど経過しているデイズ、2代目モデルのプレスリリース発表時点で販売台数が累計約43万台を達成、さらにオートカラーアウォード2019特別賞を受賞するなど、日産のカーラインアップの中でも注目の1台です。
新型デイズ 最新情報 フルモデルチェンジでどこが変わった?
1.先進技術の充実化
日産 デイズ
新型デイズでは先進技術が積極的に採用されています。
その1つが「プロパイロット機能」です。新型デイズには日産の軽自動車で初となる「プロパイロット」が搭載されました。
プロパイロットは日産独自の先進安全技術の1つです。高速道路での運転手の負担軽減を目的として掲げるシステムで、高速道路上でのアクセス・ブレーキペダルならびにステアリング操作のアシストを行います。
前走車を検知、アクセス操作とブレーキ操作を自動で行って車間距離を保つことができれば、道路上の白線を直線・カーブどちらも検知することが可能です。
プロパイロットはグレード別での用意となっています。
参考:日産デイズのプロパイロット動画はこちらから
さらに、先進事故自動通報システムである「SOSコール」システムが搭載されました。
SOSコールとは緊急時に専用オペレーターへデータ通信や音声通話を行うことができるシステムです。交通事故や疾患などの緊急時における円滑な対応に貢献するとして期待されています。
新型デイズは軽自動車では初となるSOSコールの搭載車となりました。
なお通報方法には、手動でスイッチを押して通報する手段、およびエアバック作動時に自動的に通報する2つの方法があります。
その他、インテリジェント エマージェンシーブレーキを全車標準装備とし、踏み間違い衝突アシストやインテリジェント アラウンドビューモニターなどの先進技術も採用するグレードも用意。
より安全な運転に貢献する先進装備が充実した軽自動車となっています。
2.新型プラットフォームおよび新開発パワートレインの採用
新型デイズでは新型プラットフォームと新開発エンジンが採用されました。
新開発プラットフォームによって軽自動車としての規格を維持しながらも広々とした空間とする工夫が施されました。具体的には前席ショルダールームの確保、および後席のニールーム長さが710mm確保されています。
パワートレインにはエンジンおよびトランスミッションどちらも新開発されたものを採用、さらにはリチウムイオンバッテリーを搭載するスマートシンプルハイブリッドモデルも用意するなど、現代の軽自動車らしくなりました。
3.デザインの変化
日産 デイズ
先代のデイズと比較して大きく変化したデザインはフロントフェイスデザインです。2代目デイズから、日産を象徴するデザインとなったVモーショングリルが採用されました。
通常グレードとハイウェイスターのどちらにもVモーショングリルが採用されており、ハイウェイスターのほうがVモーショングリルのサイズが大きく、存在感が強いです。
また、2代目デイズではヘッドライトとVモーショングリルの統一感が絶妙で、初代デイズよりもスタイリッシュでエッジの効いたものとなっており、近未来感も感じさせられます。
■デイズルークスとの違いは?
デイズルークス
同じ日産の軽自動車ということで比較対象となるのがルークスです。
ルークスという自動車は歴史が少し複雑なため補足しますと、まず現行で発売されているルークスはシリーズ全体の中で3代目に該当します。
初代モデルは2009年に登場し2013年まで販売、2014年に発売された2代目モデルはデイズ ルークスの車名で展開され、2020年に3代目ルークス(現行モデル)が発売された、という歴史があります。
2代目モデルはデイズルークスというように名前にデイズが入っているので、新型デイズとの違いが気になるところです。
ボディサイズに注目すると、全長3,395mm x 全幅1,475mm x 全高1,775mm、全長と全幅については以下のデイズ基本情報で紹介しているように同じ数値で、全高だけデイズ ルークスのほうが高いです。
ルークスが気になる方はこの動画をチェック!
安全装備関係ですと、プロパイロットやSOSコール、車線逸脱防止支援システムはデイズ ルークスには用意されていなかったことがわかります(2014年当時のカタログバックナンバーを参照)。
ちなみに、当時デイズ ルークスではエマージェンシーブレーキと踏み間違い衝突防止アシストが先進安全装備として当時売り出されていました。
ボディサイズに関しては全高が異なり、安全装備に関してはデイズ ルークスよりも向上している、というふうに考えて良いでしょう。
現行モデルのルークスのほうが2代目のデイズ ルークスよりも安全装備も充実してスタイリッシュになっています。
しかし、現行デイズやルークスほど先進安全装備を求めていない方や昔のデザインのほうが好み、中古車で十分という方であれば、デイズ ルークスを選択肢の1つとしてもよいのではないでしょうか。
日産新型デイズ基本情報
新型デイズ
■基本スペック(ボディサイズ・燃費・エンジンほか)
駆動方式 | FF・4WD | |
---|---|---|
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm x 1,475mm x 1,640mm | |
ホイールベース | 2,495mm | |
室内寸法(長さ×幅×高さ) | 2,065mm x 1,340mm x 1,270mm | |
最低地上高 | 155mm | |
車両重量 | 830〜940kg | |
最大乗車定員 | 4名 | |
燃費(ガソリン車) | 24.6〜29.4km/L(JC08モード) 18.2〜21.2km/L(WLTCモード) |
|
燃費(ハイブリッド車) | 22.8〜29.8km/L(JC08モード) 16.8〜21.2km(WLTCモード) |
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最小回転半径 | 4.5〜4.8m | |
エンジン種類 | BR06型(DOHC水冷直列3気筒) BR06-SM21型インタークーラーターボ(DOHC水冷直列3気筒インタークーラーターボ付 + マイルドハイブリッド) BR06-SM21型(DOHC水冷直列3気筒 + マイルドハイブリッド) |
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エンジン総排気量 | 659cc | |
エンジン最高出力(kW(PS)/rpm) | BR06型:38(52)/6,400 BR06-SM21型ターボ:47(64)/5,600 |
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エンジン最大トルク(N・m(kgf)/rpm) | BR06型:60(6.1)/3,600 BR06-SM21型ターボ:100(10.2)/2,400~4,000 |
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モーターのスペック(SM21型) | 最高出力:2.0kW/1,200rpm 最大トルク:40N・m/100rpm |
|
エンジンの使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | |
燃料タンク容量 | 27L |
■新型デイズの燃費は良い?悪い?
新型デイズの燃費性能はカタログ値で次のようになっています。
【ガソリン車】
24.6〜29.4km/L(JC08モード)
18.2〜21.2km/L(WLTCモード)
【ハイブリッド車】
22.8〜29.8km/L(JC08モード)
16.8〜21.2km(WLTCモード)
駆動方式の違いによる燃費性能の違いや、NAエンジンとターボエンジンの違いがあるとしても、自動車全体で見れば燃費性能は総じて良い方だと言えるでしょう。
とはいえカタログ値でもリッター30kmを達成しておらず、軽自動車の中では特別燃費が良いというわけではありませんから、その点は理解しておいた方が良いですね。
e燃費サイトで実燃費も併せてチェックすると、S/XグレードのFFモデルで実燃費が19.35km/Lの記録を出しています。
20km/Lを達成はしていないようですが、走り方や走行シーンによっては20km/Lを超えると期待しても良いでしょう(2020年3月時点)。
■デイズの外装・エクステリア
デイズ 外装
軽トールワゴンらしいボディフォルムです。丸みと角みの両方を兼ね備え、柔和性と洗練性の両方を兼ね備えた1台となっています。
LEDヘッドライトのキラッとしたスタイリッシュなデザインもボディデザイン全体とうまくマッチングしており、Vモーショングリルとのコンビネーションも絶妙です。
デイズ 外装
フェンダーデザインとタイヤサイズは少しアンバランスに感じられますが、軽トールワゴンで善行がそもそも高いこと、およびタイヤサイズは14インチあるいは15インチとサイズが小さいことを鑑みると、致し方ないでしょう。逆に愛嬌を感じさせられます。
カラーバリエーションも充実しており、モノトーンと2トーンカラーあわせて17種類のカラーリングからボディカラーを選択することができます。シンプルなモノトーンと個性が滲み出るツートンカラー、どちらもオススメです。
■デイズの内装・インテリア
デイズ 内装
デイズ 前席
上記はハイウェイスターの内装になります。暖色系のシックなカラーリングで、ステアリングからデジタルメーター、カーナビからシートそしてトリムなどに至るまでカラーリングの統一感が絶妙です。
ハイウェイスターでは本革巻ステアリングホイールが標準装備されています。さらにメーカーオプションでブラウンカラーの本革巻ステアリングを装備することも可能です。
デイズ S/X 内装
この写真はSとXの内装になります。ハイウェイスターと比較するとシンプルでオーソドックスな印象を感じさせられるカラーリングです。スタイリッシュというよりもファンシーで中性的なものとなっています。スズキ ラパンやハスラーに通じるものがあります。
SとXでは本革巻ステアリングが採用されず、その代わりにウレタンステアリングが標準装備という仕様です。
■新型デイズの新車価格と中古車価格
デイズの新車価格と中古車価格は次のようになっています。
【新車価格】(消費税10%込み)
S:1,296,900〜1,431,100円
X:1,349,700〜1,437,700円
ハイウェイスターX:1,497,100〜1,631,300円
ハイウェイスターGターボ:1,578,500〜1,712,700円
ハイウェイスターX プロパイロットエディション:1,596,100〜1,730,300円
ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション:1,677,500〜1,811,700円
ボレロ:1,437,700〜1,571,900円
【中古車価格】
85.9万円〜190.0万円
※新車情報は公式サイト調べ(2020年3月現在)
※中古車相場はレスポンス中古車検索より(2020年3月現在)
グレード全体の中で価格の安いグレードとなるSで120万円台からのスタートとなっており、軽自動車の中では中堅どころのベース車両価格と考えて良いでしょう。
最上位グレードにあたるハイウェイスターGターボ プロパイロットエディションは1,677,500円から1,811,700円と、小型乗用車の中堅グレードが購入できるくらいの価格帯です。
軽自動車で200万円近い価格ですと、軽スポーツカー御三家(アルトワークス、S660、コペン)のような少し特殊な娯楽性の高い車種でないと、高額だと思うところですが、日産の先進安全技術が充実した軽自動車を200万円以下で購入できると考えると、リーズナブルという考え方もできます。
■新型デイズのおすすめグレードはハイウェイスター
このようにグレードバリエーションが充実しているデイズ、その中でもオススメしたいグレードはハイウェイスターです。
理由その1:スマートシンプルハイブリッドを標準装備
デイズのグレードラインアップの中で特におすすめのグレードがハイウェイスターです。
ハイウェイスターをお勧めする理由の1つとしてスマートシンプルハイブリッドを標準採用している点が挙げられます。
スマートシンプルハイブリッドはエンジンに加えてECOモーターとリチウムイオンバッテリーを搭載するシステムです。エンジンの補助駆動力とてECOモーターが活用されることで、ガソリンの燃料消費を抑える役割を果たす仕組みとなっています。
ECOモーターを使うために必要となる電力は減速時の運動エネルギーを用いた発電によってリチウムイオンバッテリーに充電することで確保するシステムです。
燃費性能を見るとSやXと比べて特別優れているというわけではありませんが、乗り方を工夫することでさらなる燃費性能向上が期待できます。
理由その2:ハイウェイスター専用装備が充実
2つ目の理由はハイウェイスター専用の装備が充実していることです。
例えば視界に関係する装備を見ただけでも、LEDヘッドランプ(ハイ/ロービーム、マニュアルレベライザー付)やシグネチャーLEDポジションランプ、サイドターンランプ付電動格納式リモコンカラードドアミラー、フォグランプなどがハイウェイスターには標準装備されています。
理由その3:内装がより洗練されている
セレナ ハイウェイスター内装
すでに紹介したように、ハイウェイスターの内装はスタイリッシュでシックなデザインとなっていて、SやXと比べてより大人の雰囲気が強く醸し出されています。
メーカーオプションの内装カラーであるプレミアムコンビネーションインテリアになるとブラウン系のカラーリングでまたイメージは変わってきますが、ハイウェイスターの標準色とS/Xの標準色であれば、スタイリッシュで洗練されているハイウェイスターは大人でクールな世界観が好きな方にオススメです。
理由その4:ターボチャージャー搭載車が選択肢に増える
ハイウェイスターをオススメする4つ目の理由はターボチャージャー搭載車が選択肢にあるということです。
ハイウェイスターのGターボとGターボ プロパイロットエディションにはインタークーラー付ターボチャージャーが搭載されています。これら2つのグレードは、デイズのグレードラインアップにおいて唯一の過給機付きグレードです。
ハイウェイスターGターボあるいはGターボ プロパイロットエディションを選択することで、最大トルク100N・m(10.2kgf)という、NAエンジンのデイズにはない加速や力強い走りを体感することができます。
ターボ付きモデルだと150万円を超える価格となりますが、より快適に軽自動車を走らせたいとお考えの方には、Gターボ以上のグレードがオススメです。
日産新型デイズ 発売後はどうなの?
■新型デイズの売れ行きは?
一般社団法人 全国軽自動車協会連合会が発表している軽四輪車通称名別新車販売確報の2020年2月最新版を確認すると、15,495台を記録して乗用車ベスト15の第2位にランクインしています(ちなみにに第1位はホンダ N-BOXの19,177台)。
発売からほぼ1年を経過した現在でも軽自動車の販売台数の中で2位に位置していますので、他の車種と相対的に見ても売れていると考えて良いでしょう。
ちなみに、15位はスズキ エブリイワゴンの1,718台となっています。
■試乗記、口コミ、評価は?
レスポンスの試乗記
デイズはコンパクトカーでもまだ装着車が少ない全速域追従制御のACCを装備したことが、商品力の大きな魅力につながっている。プロパイロットの操作方法は『セレナ』や『エクストレイル』などと同じで、ステアリングスイッチだけで簡単に操作可能。行楽地へのドライブやお盆などの帰省時のロングドライブで、ドライバーの負担を軽減してくれる頼もしいアシスト機能だ。
軽自動車やコンパクトカーの中でプロパイロット(つまりACC、オートクルーズコントロール)を採用した点が高く評価されています。
ステアリングスイッチを操作するだけの簡単な操作性で扱いやすいところも好印象です。
デイズ エンジンルーム
デイズのプロパイロットはそれだけではなく、カーブに合わせてステアリング操作をアシストしてくれるレーンキープ機能も備えている。実際の高速道路とカーブがややきつい首都高速を走ると、その実力の高さがわかる。緩いカーブならステアリングに手を添えているだけでクルマは曲がっていってくれ、そのときのステアリングの動きはスムーズ。
レーンキープ機能を搭載したクルマの中には、操だがスムーズではなくソーイング気味の制御が気になるモデルもあるが、デイズはスムーズで違和感がほとんどない。ただし、アシスト機能のため首都高速のようなカーブがきついところでは制御がキャンセルされるし、車線をカメラで認識できない場合も当然キャンセルされる。
先代デイズのNAエンジン車は、低回転域のトルクが細いため加速がいま一歩だったが、新型はパワートレーン系を含むすべてを一新したために走りがいい。ルノーが基本設計した800ccエンジンを660ccにスケールダウンさせたわけだが、開発と生産は日産が担当。日本の道路環境に合わせて設計開発した。
余談だが日産は新規の軽自動車開発が初めてだったため、開発目標を決めるため日産と三菱の合弁会社であるNMKVに当時の軽自動車全種類を購入してもらったという。その軽自動車を日産が調査して目標を定めたというから、日産の本気度がわかる。