マクラーレンという名の市販車
マクラーレン P1
モータースポーツに興味がある方であれば、マクラーレンと聞くとF1チームを思い浮かべるかもしれません。マクラーレンはモータースポーツに加えてロードカー(市販車)部門も存在し、公道を走行可能なスーパーカーの製造・販売も行っています。
最新モデルであれば、2019年1月にサーキット走行を最も重視したロードカーであるマクラーレン・セナが発売されて販売中です。マクラーレンP1もそのひとつで、2013年から2015年にかけて生産されました。
いくつかの自動車メーカーがスーパーカーを製造・販売していますが、マクラーレンのロードカーは他社の車とは比較にならないほどの高性能で値段も高価です。マクラーレンP1は最高出力が916馬力というモンスター級の性能を誇り、新車販売価格は約1億円でした。
他社のスーパーカーのほとんどは、最高出力が400馬力から500馬力程度で新車販売価格は2千万円台前半から3千万円くらいに設定されていることを考慮すると、マクラーレンは別格です。
いくらお金を持ってしても買えない車
マクラーレン P1(ジュネーブモーターショー13)
一般的に市販車は、どんなに高くてもお金を払えば誰でも購入できます。マクラーレンに関しては、購入できるほどのお金を持っていたとしても売ってもらえない場合があります。
マクラーレンの新車を購入するためには、英国の本社で行われる審査に通過しなければなりません。他社でも新車購入時に審査が実施されるケースがありますが、十分な資金と社会的地位があって犯罪歴がない人であれば問題なくパスできます。
マクラーレンはお金や社会的地位があったとしても、審査に通過するためには過去に同社の乗用車を購入したことがあることなどが求められます。
マクラーレンは“一見さんお断り”で、新車の購入を希望する場合は非常に敷居が高いということを覚悟しておく必要があります。
マクラーレンのP1ってどんな車?
マクラーレン P1 アラン・プロスト仕様
マクラーレンP1は2013年~2015年の3年間にわたり、全世界で375台が限定生産されたスーパーカーです。
搭載している3.8LV8気筒ツインターボエンジンの最高出力は737馬力ですが、ハイブリッドシステムによるモーターアシストを加えると、最高916馬力・最大トルク900Nmのモンスターカーです。
■マクラーレンP1の実力
気になるマクラーレンP1の実力ですが、カタログスペックによると最高速度は時速350kmで、0-100km/h加速性能は2.8秒です。これだけ見ても他のスーパーカーよりもワンランク上の性能を誇り、世界最速のハイブリッドカーの1台であることがわかります。
マクラーレンP1もサーキット走行で培われた技術が盛り込まれていて安定性に優れており、横方向の加速度は最大2Gにも及びます。
マクラーレンP1はサーキット走行では時速300kmを超える走りを楽しめますが、公道での走行が可能なロードカーなので一般道を走行するためのモードも用意されています。
ハンドルの右側にはeモードボタンがあり、このモードに入れると静かな電気走行に切り替わります。住宅地を走行する際に電気走行にすることで、ご近所に配慮することができます。
■マクラーレンP1のライバル
モンスター級の性能を誇るマクラーレンP1でも、ライバル車が存在します。マクラーレンのライバルになりそうな自動車メーカーとして、フェラーリとアストンマーティンの2社が考えられます。
マクラーレンP1の強力なライバルになりそうな車は、アストンマーティン・ヴァルキリーです。6.5LV型12気筒エンジンを搭載し、最高出力は1160馬力で最大トルクは900Nmとされています。最高出力ではマクラーレンP1と比べて200馬力以上も上回っていますが、最大トルクは同じです。
ヴァルキリーは、世界で初めて排ガス規制に適合する自然吸気エンジンで、最高出力が1000馬力を超える高出力エンジンを搭載したロードカーです。ちなみにヴァルキリーの生産台数は150台で、国内での販売価格は3億円以上とされていますが、既に完売済みとなっています。
2020年4月時点において、性能面で比較した場合のマクラーレンP1のライバルはアストンマーティン・ヴァルキリーですが、近い将来にフェラーリがこれらの車を上回る高性能の車を開発する可能性も否定できません。
■マクラーレンP1の系譜
マクラーレンF1
マクラーレンP1は2013年に誕生しましたが、それまでに“先代モデル”に相当する車が存在していました。P1の先代モデルというのは、1993年に発売されたマクラーレンF1というスーパーカーです。
この車は1993年から1998年にかけて生産・販売された市販車で、F1世界選手権などでのマクラーレンの経験が活かされ、現代にも通用する性能を持つスーパーカーです。マクラーレンF1は6.1LV12気筒エンジンを搭載し、最高出力は636馬力で最大トルクは650Nmでした。
最高速度は時速391kmで、レーシングカーに匹敵するほどの性能を持つ市販車といえるでしょう。マクラーレンP1はF1の性能を向上させた後継車種であり、公道を走れるレーシングカーです。
■マクラーレンP1の価格は?中古価格は?
マクラーレン P1
マクラーレンP1は生産台数が少ない上に購入が可能な人が限られるので、欲しくても買えなかった人も少なくありません。新車で購入できない方でも、中古車を買える可能性があります。
ただしマクラーレンP1は希少性が高く、日本国内の一般向けの中古車販売店で流通することはありません。
ランボルギーニ・ガヤルドなどのように販売台数が多い車は国内の中古車店でも買えますが、マクラーレンP1の中古車は海外でオークションに出品された車両を探し出す必要があります。
マクラーレンP1の、過去に海外のオークションで出品されて落札された中古車の価格ですが、2019年に米フロリダ州で開かれたオークションでは、1億6千万円で落札されています。
生産台数が少ないので交換部品の入手が困難で、中古車だと購入後の修理に高額な費用が必要です。このため、マクラーレンP1の中古車の価格は少しずつ下がるとみられています。ただし、現時点では中古車の落札価格が新車販売価格を上回っているようです。
マクラーレンP1の後継車
マクラーレン・スピードテール
世界最速のハイブリッドカーと言われたマクラーレンP1は、既に生産が終了していますが、現在は性能面で上回る後継車が生産されています。P1の後継車はマクラーレン・スピードテールで、搭載するハイブリッド方式のエンジンの出力は1000馬力を越えます。
2019年に、米国のケネディ宇宙センターに設置されているスペースシャトルの着陸滑走路で実施されたスピードテストでは、時速403km(250マイル)を30回以上達成しました。
マクラーレン・スピードテールのボディは空力効率を考慮した形状をしており、大きな特徴はロングテールを採用した全長約5.14mにも達するボディです。乗車定員は3名で、中央部分にある運転席の左右にパッセンジャーシートが配置されています。
マクラーレン・スピードテールのお値段は175万ポンド(約2億4850万円)で2020年から納車が始まっていますが、全て売約済みです。
まとめ
マクラーレン P1
マクラーレンP1は発売時にはハイブリッドエンジンを搭載した世界最速スーパーカーと呼ばれ、現在でもオークションで1億円以上の高値で中古車が取引されています。
マクラーレンP1は、公道でレーシングカーを運転したい人におすすめの1台です。
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よくある質問
■マクラーレンP1の中古価格は?
マクラーレンP1は希少性が高く、日本国内の一般向けの中古車販売店で流通することはありません。海外のオークションでマクラーレンP1が出品された際の落札価格は、2019年に米フロリダ州で開かれたオークションでは、1億6千万円でした。
■マクラーレンP1、最高速度は?
カタログスペックによると最高速度は時速350kmで、0-100km/h加速性能は2.8秒です。これだけ見ても他のスーパーカーよりもワンランク上の性能を誇り、世界最速のハイブリッドカーの1台であることがわかります。マクラーレンP1はサーキット走行では時速300kmを超える走りを楽しめますが、公道での走行が可能なロードカーなので一般道を走行するためのモードも用意されています。