別世界に連れて行かれる乗り心地を体験せよ
その内装。さすがは超が付くブランドが渾身の一作として仕上げてきただけに、ここでも別世界感がビシバシと伝わる。3番目はボンネットに収まるW12という複雑な機構を持つパワーユニット。600psを超える(正確には608ps)最高出力は、少なくとも世界最強の一つであることは間違いなく、そこから湧き上がる途方もないパワーはこれも別世界感満載で、実は本当に別世界に連れて行かれる心境にさせてくれる。
もう一つおまけの話をすると、このクルマにはオプションでブライトリング社製のトゥールビヨンメカニカルウォッチが用意されるのだが、そのお値段はあちらの価格で何と15万ユーロ!ベントレーのホームページを見ても、お値段は書かれておらず、おおよそ2000万円ともいわれているが、とにかくこれも別世界のお話である。
ベンテイガの乗り心地とは
さて、その別世界感満載のベンテイガを、ほんのわずかな時間ながら、東京都内で満喫させてもらった。3サイズ5150mm×1995mm×1775mm、ホイールベース2995mmだから、都内で楽しむにはいささかというか、だいぶデカい。お値段考えるとさすがに踏み込む右足の力が少し抜ける。ただ、抜けようが抜けまいが、その走りは常にジェントルで、静々と。少なくとも都内の雑踏の中では、それが限界である。快適?言うまでもない。静か?同じく言うまでもない。
そして一度だけ、本当に一度だけ前が空いて、グッと踏み込める瞬間がやって来た時に、意を決してそれを試してみた。W12、608psと900Nmの最大トルクが目覚めた瞬間だったかもしれないが、それこそ底なし沼に引きずり込まれるような、とてつもない力がドライバーにも降りかかってくる。パフォーマンスとしてはこれと同様なものは過去にも体験したと思うのだが、車両重量2530kgのクルマでは、恐らくこれが初めてだったのではないかと思う。巨大なマスがとてつもない速さで加速を開始した時のフィーリングはまさに別世界。空前絶後である。
ところがそんなクルマでありながら、郊外を流した時の燃費は11.0km/リットルだという。まあ実際にやってみたわけではなく、あくまでもメーカー発表の値ではあるが、結構な優等生だ。
今、SUVの世界は上から下まで、つまり大きいモデルから小さいモデルまで、そして高価なモデルから安価なモデルまで世界的に大流行り。ベントレーに続いてロールスロイスもどうやらSUVを投入するようだし、ランボルギーニだって負けちゃいないとばかりにSUVを投入する。今や伝統的にスポーツカーメーカーだったり高級車メーカーだったりという不文律はなくなり、売れるものを作る時代になってきた。正直、何となくさもしい感じがするのだが、仕方ないのだろうか。
しかしベンテイガ!ボルトが緩む恐れがあるぞ!気を付けろ
英国の高級車メーカー、ベントレーが属するフォルクスワーゲングループジャパンは1月中旬、新型SUVのベントレー『ベンテイガ』のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出ました。
今回のリコールは、車両製造時の作業管理が不適切なため、サイドエアバッグ、助手席エアバッグ、前席シートベルトバックル、前席シート背もたれ、後席シートベルト、ステアリングコラム、ウィンカーおよびワイパー操作レバーユニット、アクセルペダルなどの取付ボルトが、規定のトルクで締め付けられていないものがあるのが原因とのこと。
そのために、走行振動などによって取付ボルトに緩みが生じ、そのままの状態で使用を続けると、ボルトが外れて、ウィンカー、ワイパー、ハンドル、アクセルが操作できなくなったり、衝突時に乗員を正しく拘束できなくなったり、エアバッグが正しく展開しないおそれがあるんだそうです。
リコールの対象となるのは、2015年12月21日から2016年9月24日までに輸入された41台。
同社は販売店において点検を行い、適切なトルクで締め付けられていない場合は、規定のトルクで締め付けるリコール作業を実施します。
ベンテイガを持っている方は、気を付けてくださいね。