シニアカーとはどんな乗り物?
ドリームリンクが販売する「電動シニアカー」
シニアカーとは高齢者向けに製造・開発された、座りながら移動できる電動車椅子のことです。三輪および四輪の一人乗り構造が主体であり、ハンドルで操作できるのが大きな特徴となっています。
ちなみに遊園地にある子どもが乗れる車の形状をしたものを電動カートと呼びます。バッテリー駆動であるシニアカーも、同じく電気の力で動くため電動カートの一部です。
一方似た名称にシルバーカーがありますが、手押し車でありシニアカーとは別物となります。
■シニアカーの歴史
シニアカーの歴史は、高齢者の間でゲートボールが流行し始めた時期にまでさかのぼります。これまで電動車椅子を開発していたスズキが、コートまでの移動手段として発売したモデルがきっかけとなります。
運転免許証が不要なこと、車の運転経験がなくても容易に扱えることが多くの高齢者の好評を得ました。
製造メーカーや販売店によっては、電動カートや電動車椅子と呼ばれているケースもあります。
特徴的なのは福祉用具に指定されていることで、購入の際に車両本体(附属品込み)は消費税が課税されることはありませんが、別途附属品を購入する際は消費税がかかります。
■シニアカーに乗るには免許は必要?
法的には歩行者扱いとなるため、シニアカーの操作や搭乗については運転免許証は不要となっています。
操作はハンドルで方向を決めてアクセルレバーで進み、ブレーキはレバーを離すだけで止まることができ、スピードは速度ダイヤルで調整することができます。
誰にでも簡単に運転できる上に、成人の早歩き並みのスピードが出るため注意が必要でもあります。加えて前後や左右にかなり幅をもった設計となっているため、基本的な交通法規を把握しておきましょう。
■シニアカーで公道は走っていいの?
ハンドルやアクセルレバーが付随しているため、車やバイクと同じように車両と思われがちですが、道路交通法上では歩行者と同じ扱いとなり、道を走る際は歩道を走行することとなります。
手元のスティック・レバー類で操作する、ジョイスティック型電動車椅子と同じ規定で製造されています。
歩道がない道路においては、通常の歩行者と同じように右側の路側帯を走行してください。なお歩道も路側帯もない道路においては、こちらも歩行者の時と同じく道路の右側を走ることとなります。
シニアカーと介護保険
スズキ・セニアカー
原則要介護度2〜5の人(または特別に必要と認められた人)が自己負担1割、月額数千円で利用できます。
65歳以上(第1号被保険者)の方、または40歳~65歳未満で医療保険に加入しており、加齢による16種の特定疾病により支援や介護が必要となった方(第2号被保険者)が、介護保険サービスの対象となります。
介護保険サービスを利用するには、各市町村に要介護認定の申請をした後、調査員の方が自宅などを訪問し本人の日常の生活状況・心身の状況などについて聞き取りを行う訪問調査があり、かかりつけの医者(主治医)に意見書を作成してもらいます。
訪問調査の結果とかかりつけの医者の意見書をもとに、介護認定審査会(福祉・医療・保護の専門家で構成)でどの程度の介護が必要か、審査・認定をします。それに基づき各市町村は要介護度の認定をします。要介護度は、介護の必要な程度によって区分・決定されます。
決定後は、利用できるサービスの限度額・生活の状況・本人や家族の要望などを考慮し、目的・サービスをいつどれくらい使用するかをまとめた介護サービス計画を作ります。作成された計画にのっとり指定された事業所からのサービス提供を受けることができます。
シニアカーはレンタルと購入のどっちがいい!?
スズキ、セニアカー
利用する際の目安の費用として、レンタルの場合は保険なしで月額2万円台となります。介護保険を適用できた場合においては、1割~3割負担となるため月額は2,000〜3,000円程度となります。
購入する場合は、15万円前後から40万円近くのものまで製品によって大きく価格が異なります。
ここからはシニアカーをレンタルする際と、購入する際に生じるメリット・デメリットを見ていきましょう。
■シニアカーをレンタルするメリットとデメリット
メリット
レンタルで利用する場合として、短期間の使用であれば購入よりも安いという点が挙げられます。旅行先や退院後など、1ヶ月〜半年くらいの期間であればレンタル利用の方が安く済みます。
故障やトラブルが発生した際、レンタル期間内であれば修理費・メンテナンス費は無料というのも強みとなります。
新車・中古を買うよりも安く、介護保険サービスを利用できればさらに安くなります。
デメリット
借り物であるため勝手に改造や修理ができないという点が挙げられます。
また、保険適用させる際においては、ケアマネージャーと自治体の手続き・協力が必要となります。
なお、審査に受かって利用できても、利用中に健康体とみなされると回収される可能性があることも忘れてはいけません。
■シニアカーを購入するメリットとデメリット
メリット
長期利用の場合は、自費でシニアカーをレンタルするよりも購入した方が金額がお得になり、半年以上使用することにより継続してレンタルするよりも月ごとの費用は安くすみます。
新品だけでなく中古品も近年は多く出回っているため、以前よりも導入しやすくなっています。
中古でもメンテナンス・保証がしっかりしていれば安心できます。新品なら最新機種を購入することができ、1年間メーカー保証が付いてきます。
介護保険に左右されないため、認定度の見直しや施設入居などによる返却を回避できる点も利点となります。
デメリット
レンタル利用とは違いメンテナンスを自身で行う、もしくはメーカーに依頼する必要があります。定期的に消耗品であるバッテリーや、タイヤの交換も必要となる他の、各部の点検も必須となります。
ほとんどの最新機種が30万を超え簡単に購入することは難しく、家族とよく話し合うことをお勧めします。
おすすめのシニアカー
大津市西教寺でのWHILL利用イメージ
ここからは大手企業からリリースされている、定番かつおすすめのシニアカーを紹介していきます。
いずれも利用者が多く、新品・中古品およびレンタルで利用できるため選ぶ際の参考にしてください。
■スズキのセニアカー
スズキ セニアカー ET4D
自動車メーカーのスズキが製造するシニアカーは、電動車椅子の草創期から支えて来た存在になります。適度な重量感を持ち、走行する際の安定性も抜群であるため安心して運転することができます。
前後のウインカー兼ポジションランプや反射板が大きいため、遠くの車からも見えやすく安全となっています。
初めてシニアカーに搭乗される方で、このモデルから始める方は非常に多くおすすめ機種となっています。
■WHILLのシニアカー
WHILL Model C
ウィルは誰もが乗りたくなるデザインをモットーに、洗練された機能性を持つシニアカーを販売しています。
最先端技術をふんだんに注ぎ込んでおり、屋内・屋外やレジャー用など使い分ける必要がありません。
専用アプリをインストールすることで、降りた後からもリモートで操作することも可能となっています。
■atexのシニアカー
安定した乗り心地と、余裕のある運転性能で快適に日常走行ができるモデルを製造しています。
ハンドルの下に充電用プラグが内蔵されており、家庭用のコンセントに差し込むだけで充電可能となります。
引き上げ式アクセルレバーを採用しており、意図せず触れてしまった際の誤発進を防止してくれます。大型バスケットを標準搭載しているため、日常の買い物にも快適に利用することができます。
万が一の緊急事態のために、押すと音声が流れる緊急コールボタンが付いているのも安心できる要素になります。
まとめ
折りたたみ式電動カート
高齢になって疲れやすくなったり、足の自由がきかなくなると外出が億劫になってしまいます。自転車は危ないけれど歩きの移動も辛い、という方にとって気軽に利用できるのがシニアカーになります。
運転免許や特別な技術も必要なく、道路を走る際も歩道を走行できるため安全となります。レンタルを利用する際は、保険制度を適用できるかどうかケアマネジャーに相談してみましょう。
利用する際の負担額が1割~3割程度となり、月額が安くなるため可能な限り活用したい制度です。もし購入を検討しているのであれば、レンタルサービスを試しに利用してから判断するのも1つの方法となります。