初めにETCとは?
三菱電機三菱電機 EP-E216SB
高速道路や有料道路の料金は、以前まで料金所の職員が通行券を元に出発地(インターチェンジ)と車種を確認し料金を割り出していました。現在では、これらの入出場情報を通信によって完全自動化しています。
この自動化システムが「ETC」(Electronic Toll Collection Systemの略)です。車やバイクなどに搭載された車載器と無線通信を行い、車両の情報・ETCカードの番号・出入りした料金所・通行料金などの必要な情報をチェックし通信情報に問題がなければ一瞬で料金所のバーが開く事になります。
このシステムによって、料金所での通行券の受取や料金の支払いで一時停止をする事がなく通行できるため利用者の利便性が高くなり、さらに停車が不要になる事から渋滞の緩和にも役立っています。
ETCでの領収書発行
高速道路の料金所
高速道路などを利用した際、例えば会社の経費や立替金として支払った場合に領収書が必要になってきます。ETCを利用するとシステム上、当然ですが領収書をその場で受取る事ができません。
料金所でETCカードを渡して、料金の精算をすれば領収書を発行してもらえる事もありますが、一時停止をして精算するとなると本末転倒。
では、ETCを利用した際に領収書を受取る方法はどのような物があるのでしょうか?次項でご紹介していきましょう。
領収書の代わりになる物
ETC履歴プリンター
領収書の代替えになる物として挙げられるのは以下の通りです。
〇出口において一般レーンを利用し、その場で「利用証明書」を発行してもらう。
〇クレジットカード会社の「ETCカード利用明細書」を利用する。
〇サービスエリアやパーキングエリアで「利用証明書」を印刷する。
〇ETCの「利用証明書」を自宅や会社で印刷する。
〇コンビニやその他、取扱いがある場所で「利用証明書」を印刷する。(その他に関しては、後ほど詳しく記載します)
■ETC利用証明書
ETCを使用した場合になぜ領収書ではなく、「利用証明書」となるのか?という疑問が出てきます。その理由は、基本的に領収書は現金のやり取りがあった場合に発行されます。
ETCを利用した場合は、利用者とクレジットカード会社との間での料金のやり取りになります。
道路事業者はこの時点では金銭を受取っていない事になります。したがって、領収書を発行する事ができません。そのため、その代わりに利用証明書を発行する事になります。基本的には、発行された利用証明書が領収書の役割を果たす事になります。
すぐに欲しい時は係員がいる料金所で
どうしても、すぐに必要な場合はどうすればいいのか?その際は、高速道路の入口では「ETCレーン」からの通行ですが、出る時に「一般レーン」から通る事で職員にETCカードで精算してもらう事になります。
精算をする際に、職員に「利用証明書を発行して下さい。」と伝えてETCカードを渡します。気を付けなければならないのは、スマートICでは職員がいないためこの方法は利用できません。
また、ETC無線走行が条件となっている割引を受ける事ができない事があります。
パーキングエリア・サービスエリアで申請
主なパーキングエリアやサービスエリアでは、「ETC利用履歴発行プリンター」が設置されています。このプリンターでは、ETCカードに記録されている情報(利用履歴)を読み取り「ETC利用証明書」をプリントアウトする事ができます。
また、設置されている場所はサービスエリア検索などで確認する事が可能です。注意事項としては下記の通りです。
〇出口料金所(均一料金の場合は入口)を通過後の料金が確定した分だけ、プリントアウトする事ができます。
〇カードの種類によって異なりますが、履歴は最大で100件程度となっています。それ以前の分はプリントアウトできません。
〇通信エラーになどが起こった場合の走行は、印字されない事があります。
〇利用証明書に記載されている金額は、割引適用前の金額になっている事があります。
インターネットで申請
ウェブサイトから利用できる「ETC利用照会サービス」を使って、利用証明書のPDFファイルをダウンロードする事が可能です。このサービスは事前に登録をする必要がありますが、最大で15ヶ月まで遡って利用する事ができます。
「ETC利用照会サービス」に新規登録する際には、パソコン・メールアドレス・ETCカード番号・ETC無線通行した車のETC車載器管理番号と車両番号下4ケタ・登録するETCカードでETC無線通行した利用年月日の情報が必要です。
新規登録から利用明細が表示されるまでには、4時間ほどの時間を要します。あらかじめ、登録を済ませておく方が良いでしょう。
■クレジット会社の明細書
そもそも、クレジットカードの明細書が領収書の代わりになるのか?という疑問が生じるわけですが、基本的に下記の事項が記載されていれば領収書の代わりとなります。
〇使用したお店などの名前(この場合は高速道路の会社名)
〇使用した日付
〇商品名やサービスの内容(この場合は区間など)
〇金額
〇使用した人の氏名または社名
会社などの業務で使用した場合は、それぞれ会社の経理によって取扱いが異なりますので確認が必要です。
意外な場所でも発行できる
ETCイメージ
パーキングやサービスエリア以外でも利用証明書が発行可能です。例えば、コンビニやオートバックスなどが挙げられます。どちらも、登録が必要となりますが気軽に行く事ができるコンビニなどはとても便利といえるでしょう。
オートバックスの場合は、現在のところ残念ながら全店舗での取扱いはされていませんが、発行が可能な店舗がお近くにある方やオートバックスをよくご利用される方には便利です。
■オートバックス
現在のところETC利用履歴等の発行が可能な店舗は、全国で10件と数自体は少ないのですが関東地区に6件、関西地区に4件となっています。
これから増えるかもしれませんが、対応している店舗が近所にあれば、便利なサービスをご利用できます。
使用方法
①ETCカードを挿入します。
②液晶に履歴件数・利用金額が表示されます。
③ボタンでプリントアウトしたい履歴を選びます。
④「印」ボタンで目的の履歴をプリントアウトします。
⑤ETCカードを抜き取ります。
■コンビニ
コンビニでの利用に関しては事前の二つの登録が必要です。
まず、ETC利用照会サービスの登録と店舗によってプリントサービスが異なりますので、利用するコンビニのプリントサービスの登録をします。
コンビニのプリントサービスは、「ネットワークプリントサービス(サークルK)」・「ネットプリント(セブンイレブン)」・「おきがるプリント(ミニストップ)」・「ネットワークプリントサービス(ローソンとセイコーマート)」などとなります。ご利用の店舗の登録をして下さい。
事前に準備する物としては、ネットワーク環境下にあるスマホやタブレット端末などが必要になります。ETC利用照会サービスから証明書のダウンロードしファイルをプリントサービスへアップロードするためです。
使用方法
①ETC利用紹介サービスからプリントアウトしたい明細を確認し「利用証明書PDF」をダウンロードします。
②利用するプリントサービスへアクセスし、コンビニで印刷する利用証明書をアップロードします。
③アップロードが完了すると「ファイルの登録を受け付けました」と表示されます。その後は、コンビニで各マルチコピー機のプリントサービスより「ネットワークプリント」を選択し印刷します。
まとめ
ETC2.0
ETCの領収書をどのように入手するかについてご紹介してきました。いくつかの方法がありますのでその都度、ご自分の利用しやすいサービスを選択して頂きご活用ください。