【本格派クロカンSUVの迫力】長い歴史のランドクルーザープラド
トヨタ ランドクルーザープラド
1985年に、70シリーズのランドクルーザーに設定された「ワゴン」を皮切りに、1990年にはプラドの名前が登場し、それ以降ランドクルーザーファミリーの中でラインナップが続けられてきたランドクルーザープラド。
既に30年以上続くその名前は、2009年発売の現行型、150系で4代目のプラドとして、歴史が続いています。
より高級化が進められている「ステーションワゴン系」のランドクルーザーと趣が異なり、プラドは現代的でありながらもより実直なオフローダーとして「ライトデューティ系」のキャラクター付けをされ、市場によってはプラドをランドクルーザーとして販売している地域もあるほどです。
世界中で走破性と堅牢製に絶大な信頼を受けるランドクルーザーファミリーの一つとして、ランドクルーザーシリーズの世界累計販売台数1,000万台突破に大いに貢献しました。
本記事ではこれ以降、ランドクルーザープラドのことをプラドと呼称しますので、ご了承ください。
■ランドクルーザーの歴史はもっと長い!
トヨタ ランドクルーザー
もちろん、本流の名前を引き継ぐランドクルーザーの歴史は、プラドよりも長いもの。
現行の200系は走行性能だけでなく高級感や居住性をも重視した「ステーションワゴン系」として進化を重ねてきた系統ですが、元を辿れば1951年に登場したBJ型まで遡れる系譜は、ランドクルーザーが現在販売されている日本車の中でも最も長い歴史を持つ車名となっているほど歴史が深いものです。
ステーションワゴン系は、55、60、80、100、200とシリーズが進むごとに大型化と上級化が進行。現在では世界でもトップクラスの走破性と高級感を併せ持つ高級クロカンSUVとして、トヨタSUVラインナップの頂点に君臨しています。
プラドとランクルはどこが違う? 徹底比較!
トヨタ ランドクルーザープラド
さて、そんなプラドとランドクルーザーですが、傍目に見ると、どうしてトヨタは似たような大型SUVを2台もラインナップしているのだろう、とお思いになるのでは。
実はプラドとランクルではさまざまな部分が異なり、ユーザー想定も異なるゆえに並行してラインナップされているのですが、外見だけではその違いがわかりにくいもの。
2台の主な違いをまとめましたので、ご紹介します。
■【プラド vs ランクル】ボディサイズが違う
トヨタ ランドクルーザープラド
プラドとランドクルーザー、2台ともに全幅は1.8mオーバー、全長は5mに迫ろうかという大型な車なのですが、実は、プラドは、全長で125mm、全幅で95mm、全高で35〜20mmほど小さくなっています。
ご紹介している画像ではわかりにくいかと思いますが、プラドが19インチアルミホイール、ランドクルーザーが20インチアルミホイールを履いていますので、その点も留意いただければ、プラドがなんとなく小さく見えてくるように思います。
トヨタ ランドクルーザー
もちろんどちらもかなり大柄なサイズであることに変わりはありませんが、特に全長で大きく違うので、プラドの方が駐車場への収まり方などは気にならないことも多そう。
ランドクルーザーでは、全幅1,980mmともはや2m級なので、狭い道はもちろん、一般道でも車線の維持にちょっと気を遣ってしまいそうですね。
■【プラド vs ランクル】エンジンが違う
トヨタ ランドクルーザープラド エンジンルーム
ランドクルーザーは、4.6リッターという大きめのV型8気筒エンジンのみのラインナップとなっていますが、プラドはどちらも直列4気筒ながら、2.8リッターディーゼルと2.7リッターガソリンの2種類から選ぶことができます。
直列4気筒よりも気筒数で言えば単純に倍となるV型8気筒エンジンは、パワフルなことはいいのですが、スペースを取るだけでなく重量もかなり嵩みます。
車両重量の重さや排気量の大きさが悪影響してか、ランドクルーザーのWLTCモードによるカタログ燃費は、最高でも6.9km/Lと、悪く言えばかなり前時代的。
プラドは、ガソリン車でも8.3km/L、重量級ボディと相性の良いディーゼル車なら11.2km/Lと、比較するとかなり低燃費を実現しています。
トヨタ ランドクルーザー エンジンルーム
また、車を所有すると頭が痛いのが毎年の自動車税。ランドクルーザーはかなり4.6リッターと大排気量ですし、ハイブリッドなどの燃費向上策も取られていませんので、税額は8.7万円と、だいぶインパクトのある金額になってしまいます。
プラドは、それでもかなり大きな負担ではありますが、ガソリン車では5.0万円、ディーゼル車はグリーン化特例対象に認定されるので購入翌年度は約1.3万円にまで減税されるなど、ランドクルーザーに比べればかなりの節約が可能です。
■【プラド vs ランクル】お値段が違う
トヨタ ランドクルーザープラド ダッシュボード
そして2台の間では、ボディサイズの違い以上に、2020年9月現在の税抜き新車価格でも差が大きくなっています。
プラドでは最も廉価なTX ガソリン 5人乗り仕様で3,291,819円、最も高価なTZ-G クリーンディーゼルで5,027,273円となっていますが、ランドクルーザーでは最も廉価なGXでも4,388,000円、最も高価なZXでは6,340,000万円、価格帯には約100万円以上の差があります。
トヨタ ランドクルーザー ダッシュボード
無論、ランドクルーザーは、最上級のZX限定とはいえ4輪エアサスペンションやプレミアムナッパ本革のシート表皮など、特別な装備が多いことも事実。オフロード走行をされる方には、ランドクルーザー全車に標準装備されるマルチテレインセレクトなども魅力的でしょう。
しかし、もはや700万円の高級車となるランドクルーザーでオフロードに分け入るオーナーはそうそういないのも実情と思われますので、ランドクルーザーに追加された装備に対価を払う価値があるのか、考慮が必要です。
■【プラド vs ランクル 結論】あなたにピッタリなのはどっち?
トヨタ ランドクルーザープラド
2台の中からご自分にぴったりの車を選ぶ方法としては、ドライバー以外の乗員をどこまで快適にさせたいか、という部分があります。
ランドクルーザーの上級グレードでは、前席だけでなく後席左右も独立式のフルオートエアコンが装備されるほか、3列目シートの座り心地も上々です。最上級のZX限定にはなりますが、走行状態に応じてサスペンションの減衰力を自動制御するAVSが装備されるなど、乗り心地もより高級なものとなっています。
対するプラドは、スペースとしてはランドクルーザー同様に余裕たっぷりですが、乗員の快適性はやや割り切った印象。3列目シートは床下にフラットに収納できるので、収納時の荷室の使いやすさは跳ね上げ収納式のランドクルーザーを上回りますが、収納可能にするためかかなり薄め、小さめのシートとなっています。
オフロードでの走破性では、一般に遭遇しそうなシチュエーションでは違いが出にくそうなほどどちらも高度ですので、ボディサイズをどこまで許容できるかや、車両価格をどこまで許容できるかも、2台の間で選ぶポイントとなりますね。
トヨタ ランドクルーザープラドのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,825mm×1,885mm×1,835mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,790mm | |
最大乗車定員 | 7名 | |
車両重量 | 2,330kg | |
燃費 | WLTCモード:11.2km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ディーゼル 2,754cc | |
エンジン最高出力 | 150kW(204PS)/3,000-3,400rpm | |
エンジン最大トルク | 500N・m(51.0kgf・m)/1,600-2,800rpm | |
駆動方式 | 四輪駆動(フルタイム4WD) | |
トランスミッション | 6速AT | |
新車価格 | 5,027,273円(消費税抜き) |
トヨタ ランドクルーザーのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,950mm×1,980mm×1,870mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,850mm | |
最大乗車定員 | 8名 | |
車両重量 | 2,690kg | |
燃費 | WLTCモード:6.7km/L | |
エンジン種類 | V型8気筒 4,608cc | |
エンジン最高出力 | 234kW(318PS)/5,600rpm | |
エンジン最大トルク | 460N・m(46.9kgf・m)/3,400rpm | |
駆動方式 | 四輪駆動(フルタイム4WD) | |
トランスミッション | 6速AT | |
新車価格 | 6,340,000円(消費税抜き) |
トヨタ ランドクルーザープラド
トヨタ ランドクルーザー(北米仕様)
まとめ
トヨタ ランドクルーザープラド
プラドのランドクルーザーとの違いをご紹介してきました。知ってみると、意外とターゲット層をきちんと分けて作られているんだなということが分かりますよね。
その究極の走破性を活かす機会はあまりなさそうなプラドとランドクルーザーですが、どちらも本物の道具が持つ迫力と余裕を感じさせますよね。
特別な日のためにランドクルーザー、普段使いにプラドと、2台ともを保有できれば選ばなくても済むのですが、なかなか難しいと思いますので、どちらがご自分にぴったりの車か、じっくり悩んでみてくださいね。