ホンダ オデッセイとは?
《写真提供:response》《写真提供 本田技研工業》ホンダ オデッセイ 改良新型
ホンダとしては初のワンボックスカーで、ミニバンモデルとなるホンダ オデッセイは1994年10月にデビューしました。
ホンダ アコードのプラットフォームをベースに、従来のワンボックス・ミニバンにはなかった低床フロア・低重心・低ルーフが作り出すフォルムは、乗用車のような高い走行性能を保ちながらワンボックス・ミニバンのような室内空間を実現しています。
ワンボックスらしからぬ乗り心地や動力性能に加えて、三列シートや広い室内空間から、ファミリー層に定評のあるクルマとなっています。2009年には国内累計販売台数約100万台を達成するなど、人気の高さをうかがえます。
現行モデル(ABSOLUTE)のボディサイズは、全長4,855mm、全幅1,820mm、全高1,695mm-1725mmとなり、ホンダの「フリード/フリード+」、「ステップワゴン」より上のクラスになります。
メインの購入者層はファミリー世帯ですが、「ミニバンでありながら高速走行なども楽しめる、ドライブ好きな人向けの車種」としての側面もあり、スタイルにこだわっていることも特徴の1つになっています。
歴代オデッセイのご紹介
《写真提供:response》ホンダ・オデッセイ初代
ホンダ オデッセイの誕生には、いくつかの偶然と必然が重なり合って成り立っています。オデッセイは当初、アメリカ向けのミニバンとして1990年代から開発が進められていました。ホンダ開発チームの提案では、アメリカ向けの大きなV6エンジン搭載モデルが候補として挙げられていました。
時代は高級志向から実用性を求めるものに変わりつつあり、開発チームの提案したクルマは実用車としては価格が高すぎるとして、一時開発がストップした経緯があります。
しかし、その後も低予算のなか開発は続くことになり、開発チームは苦肉の策としてアコードのプラットフォームを基本に開発が行われました。このことが後に人気を博すオデッセイの誕生に結びつきました。
アコードのプラットフォームを利用したことで、従来のミニバンの背が高くスライドドアという概念から脱却し、車高が低くヒンジ付きの4枚ドアという新しい形のクルマが誕生しました。
この低車高の4枚ヒンジドアというオデッセイの特徴は、アコードという車のプラットフォームを使った結果といえるかも知れません。このように、それまでのミニバンと一線を画すクルマ、クリエイティブ・ムーバー(生活創造車)としてオデッセイは誕生しました。
二代目モデルは1999年に発表されました。エンジンは先代の後期型と同様のF23A型とJ30A型の2種類でしたが、エンジン出力などはパワーアップされ、より走行性能の向上が図られています。
初代のヒットを受け、二代目モデルにもデザインやコンセプトは引き継がれました。三列シートというレイアウトも引き継がれ、6人乗りと7人乗りの設定もまた引き継がれていきます。
先代までは北米地域でも販売されていましたが、この代になって国内仕様よりも大型のモデルがオデッセイの名で販売されました。その後、このモデルは日本でも「ラグレイト」の名で販売されました。
《写真提供:response》ホンダ オデッセイ 3代目
三代目オデッセイは、2003年にフルモデルチェンジで発売され、7人乗り仕様の三列シートのみ設定となり、全高を2WD車で1,550mmに抑えたモデルとなっています。これは国内のほとんどの立体駐車場に入れる高さとなっています。
エンジンはアコードなどと共通のK24A型でしたが、先代まで続いたV6エンジンは廃止されました。ホンダはこのモデルを「ミニバン・イノベーション」と銘打ち、早い・広い・美しいを高次元で融合させたと述べています。
確かに前モデルより車高は80mm下がったのに対して、低床化の効果により室内の高さは5mm高くなり、スタイリングはよりロー&ワイドな物となり、見た目の美しさや広さを実現しています。
安全性能もこのモデルで大幅に進化しているのも特徴となっています。アダプティブ・フロントライティングシステムの採用によって、ステアリングの舵角に連動してヘッドライトの向きが変わるほか、ブレーキ性能の向上などが図られています。
4代目オデッセイは2008年から発売が開始され、「感性クオリティ」をコンセプトに先代モデルまでの骨格を継承しつつ、感性面に磨きがかかるものとなりました。
スピード感・精悍さ・伸びやかな力強さを持つエクステリアに生まれ変わり、ワンボックスカーの広さとセダンの持つ走行性能などをあわせもつミニバンとして、初代から受け継がれたホンダのミニバンの完成形に近づいたモデルと言えるでしょう。
現行型オデッセイは初代から数えて5代目にあたるモデルになります。2020年に大幅なマイナーチェンジが行われ、現在も販売が継続しているホンダのミニバン・オデッセイは、進化の歩みを止めていません。
ホンダ オデッセイのグレード
《写真提供:response》《撮影 中野英幸》ホンダ オデッセイ 改良新型
現行のホンダオデッセイは大きく分けると2種類になります。主なタイプとしてはABSOLUTEとe:HEV ABSOLUTEに分けられます。
ABSOLUTEは、ガソリン車としていまだ多くのファンに愛され続けています、e:HEV ABSOLUTEは、2モーターハイブリッドシステムとして、より新しいABSOLUTEとして売れ続けています。
この2つのモデルは、エンジンに違いがあります。
ホンダ オデッセイの動力性能
《写真提供:response》《写真提供 本田技研工業》ホンダ オデッセイ 改良新型
オデッセイはミニバンながら走行性能が高いのが特徴になります。特にABSOLUTEは走行性能にこだわって作られています。ボディの横揺れが抑えられた設計になっており、アルミホイールなどを搭載していることから、セダンのように走れるよう走行性能が高くなっています。
■ホンダ オデッセイのインテリア
マイナーチェンジを受けたオデッセイのインテリアで、まず目につくのがインパネ周りではないでしょうか。7インチのカラー液晶パネルとアナログ表示のスピードメーターを組み合わせたメーターシステムは、見やすいものに仕上がっています。
またオプション設定とはなりますが、上質で上品な本革シートなども高級感があります。全体的に落ち着きのあるイメージで統一されたインテリアは、乗る楽しみを演出しています。
■ホンダ オデッセイのエクステリア
現行のエクステリアは以前のモデルから比べると、シャープなイメージから厚みをましたフロントグリルやバンパーは、精悍さの中にも重厚さを感じさせるものへと変貌しています。
車高は初代などから比べれば高くなりましたが、それでもやはり他社のミニバンと比較しても決して高すぎないことが分かります。オデッセイのボディサイズは、全長4,855mm・全幅1,820mm・全高1,695mmとなっています。
ホンダ オデッセイのスペック
走行時の安定性は車の重心が低いほど安定します。これは空力特性にも大きく影響を与えひいては燃費にも大きく影響を与えますが、オデッセイはその全てを兼ね備えているのではないでしょうか?燃費などはスペック表でご確認下さい。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,855mm×1,820mm×1,695mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,900mm | |
最大乗車定員 | 7名 | |
車両重量 | 1,820kg | |
燃費 | WLTCモード:12.8km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列4気筒横置 | |
最高出力 | 129kW(175PS)/6,200rpm | |
最大トルク | 225N・m(23.0kgf・m)/4,000rpm | |
駆動方式 | FF | |
トランスミッション | 無段変速オートマチック(トルクコンバーター付) |
ホンダ オデッセイ新車・中古車価格
新車価格は300万円を超えてしまいますが、エコカー減税の対象なのでお得となり、製造期間が長く年式の古い中古車だとお安く購入することができます。それでは新車・中古車情報を紹介します。
■ホンダ オデッセイの新車価格
【ガソリン車】
ABSOLUTE
FF/7人乗り | 3,257,273円 |
FF/8人乗り 4WD | 3,177,273円 3,377,273円 |
ABSOLUTE・EX
FF/7人乗り | 3,468,182円 |
4WD/8人乗り | 3,572,182円 |
【ハイブリッド車】
e:HEV ABSOLUTE
FF/7人乗り | 3,896,364円 |
FF/8人乗り | 3,816,364円 |
e:HEV ABSOLUTE・EX
FF/7人乗り | 4,163,637円 |
※価格はすべて税抜き価格となっています。
新型オデッセイの価格は、充実の装備と燃費性能などから考えてもお買い得と言え、ライバルとなるアルファードやヴェルファイアなどと比較すると、お求めやすい価格となっています。
同じオデッセイでガソリン車とハイブリッド車で比べてみても、驚くほどの価格差はなく、購入を検討する際の選択肢が増えます。
■ホンダ オデッセイの中古車価格
製造期間が長い車なので中古車では安く購入することが可能ですが、年式の新しいものやグレードの高いものは、人気車ゆえに400万円超となることもあります。言い換えれば、オデッセイの中古車は、ご自身のご予算に応じて幅広い選択肢が用意されています。
ここでは歴代車種の中古車平均価格をご紹介します。
税込中古車本体価格平均
初代:35.6万円
2代目:31.7万円
3代目:30.0万円
4代目:58.3万円
5代目:228.9万円
※情報は車情報サイトresponse中古車価格より(2021年3月現在)
ホンダ オデッセイの旧型が人気
ホンダ『オデッセイ』
オデッセイの旧型にも、今注目が集まっています。最新のオデッセイにはない魅力が旧型にはあるのでしょうか。特に3代目オデッセイの中古車の売れ行きが良いと評判になっています。低くワイドなボディ、セダン並みの乗り心地の良さはファミリー層だけにとどまらず広く支持を集めています。
また価格面でも大きな魅力となっています。大人数での移動や少人数での海や山への移動にも適していながら、スポーティに走る車を安く手に入れることができることは魅力の一つとなっています。
オデッセイのライバル
トヨタ エスティマハイブリッド
以前は、トヨタのエスティマやマツダのMPVが競合車となっていましたが、エスティマやMPVが生産終了になり、今は高級ミニバンという括りになると、アルファード、ヴェルファイアが競合車とされています。
オデッセイは競合車と呼べる車種がいないといえるくらい独特な車種になっていますが、あえて比較検討するなら、アルファードやヴェルファイアでは3列目に座ると床と座面の間隔が不足して足を前側に投げ出しますが、オデッセイなら自然な姿勢で座ることができます。
さらに、低重心なので走行安定性も良好です。豪華さで選ぶならアルファードかヴェルファイアに軍配が上がりますが、機能性ならオッデセイに注目したいものです。
まとめ
ホンダ オデッセイ 改良モデル(ハイブリッド アブソルート EX)
ホンダ オデッセイは、他の車種にはない独特な趣があります。運転のしやすさと、何よりも乗り降りにちょうどいい高さになっています。走行性能も備わっているので、ファミリーカーとしてバランスの良いクルマといえます。
よくある質問
■ホンダ オデッセイの評判は?
オデッセイは、ミニバンの概念を打ち破ったスタイリングと特に走行性能が良いという評価があり、高速道路を快適に走りたい・快適に街乗りしたいという人から好評を得ています。オデッセイならではのカスタマイズ性の高さを挙げる人も多いですが、燃費がさほど良くないのが難点であり、街乗りではリッターで10km程度との口コミもあります。
■現行型オデッセイは何代目?
初代から数えて5代目にあたるモデルです。2020年に大幅なマイナーチェンジが行われ、現在も販売が継続しているホンダのミニバン・オデッセイは、進化の歩みを止めていないようです。