人気の軽自動車は?
人気がある軽自動車のタイプを見ていきましょう。軽自動車という限られたサイズの中で、車内空間が広いモデルが人気ですが、SUVタイプもラインナップが増えてくるなど注目です。
■軽スーパーハイトワゴン
ホンダ N-BOX・N-BOXカスタム スズキ・スペーシア ダイハツ・タント
2020年も人気があるのはスーパーハイト系のモデルです。車高が十分高く、車両価格も200万円近くする高価なモデルです。コンパクトカーやエントリーグレードのハイブリッドカーが狙えるほどの価格になります。
しかし内装の質感が高められていること、またスライドドアを採用していてコンパクトカーよりも広々と使えることなどがファミリー層にも人気です。子どもがいる家庭から、大きな荷物を載せたい方までぴったりのジャンルです。
■軽SUV
ダイハツ タフト
SUV人気は軽自動車まで来ています。スポーツ・ユーティリティ・ビークルの略であるSUVはオフロードでの走破性を高めているモデルです。普通自動車であれば、SUVとミニバンを組み合わせたようなモデルもあります。
軽自動車の場合には、車体サイズに制限がありますが、アウトドアでも使いやすいように機能性が高められています。スズキのスペーシアギアやekクロススペースのように軽スーパーハイトワゴンとSUVが組み合わされたモデルも人気です。
【2020年】の人気軽自動車ランキング!
2020年4月から9月までの販売台数ランキングを見ていきましょう。
■1位 ホンダ N-BOX
ホンダ N-BOX カスタム
N-BOXは変わらない人気を集めているモデルです。販売台数は9万612台でした。
2011年に発売を開始してから、毎年連続で販売台数でトップクラスにランクインする人気があります。販売台数でも2位に大差を付けてトップをキープしています。
現行モデルは2017年に登場した2代目モデルで、エンジンルームが小型化されていること、またテールゲートが薄くなっていることで車内空間を広くしています。初代モデルのデザインは踏襲しながらもライトがLED化されたり、細部のデザインが洗練されているなど、魅力が増しています。
ホンダセンシングが搭載されている
N-BOX 単眼カメラ
ホンダの得意としている安全装備のホンダセンシングが採用されており、全グレードに標準装備されているので万が一の被害を軽減するのも魅力です。
自動ブレーキでは、衝突軽減が主な機能になりますが、ホンダセンシングでは速度差が5km/h以上ある車両や歩行者に対して作動するだけでなく、100km/h以下で走行しているときに車両や歩行者との衝突の危険があるときに作動します。
他社の安全装備と比較したときに、ホンダセンシングの作動条件は良いものになっているので、安全装備の機能が優れています。
シートアレンジが豊富
ホンダ N-BOX
N-BOXの魅力の1つに、シートアレンジが豊富なことがあります。助手席が57cmも前後に移動させられる仕様が選べるのはN-BOXの魅力です。シートのスライド幅が広くなっているので、子ども用のチャイルドシートにも手が届きやすいですし、どのシートでも操作がしやすいです。
チップアップやダイブダウン機構を持っているリアシートをアレンジすることで、積載物に合わせたシートアレンジができます。運転席と助手席をフラットにすれば、大人の男性でも快適に身体を伸ばせるほど広い空間が表れます。
底床設計なので、後ろのシートを倒すと、大きな荷物も簡単に積載できるのも嬉しいポイント。27インチの自転車も難なく積載できたり、ベビーカーの収納も問題なく行なえます。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,790mm | |
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ホイールベース | 2,520mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 890kg | |
燃費 | WLTCモード:21.8km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列3気筒 | |
最高出力 | 43kW(58PS) /7,300rpm | |
最大トルク | 65N・m (6.6kgf・m) /4,800rpm | |
駆動方式 | FF | |
トランスミッション | 自動無段変速機(CVT) |
■2位 スズキ スペーシア
スズキ スペーシア
2位のスペーシアは6万2,399台でした。現行モデルのスペーシアが発売されているのは、2017年12月からです。初代スペーシアは2013年にパレットの後継車種として発売されていましたが、パレットはそれほど販売台数を伸ばすことはできませんでした。
そこでモデルチェンジしたときに、内装や外装など細部に至るまで徹底的に見直しが図られています。結果として、販売台数でも上位にランクインするほどの人気です。
スーツケースがモチーフ
スズキ スペーシア
スペーシアの特徴は、スーツケースというデザインコンセプトでしょう。厚みがあるフロント部や切り立ったフロントガラス、さらにボディサイドにはスーツケースを感じさせる凹凸がデザインされています。
ホイールキャップはスーツケースのキャスターを、メッキグリルはスーツケースのバックルがイメージされているなど、遊び心も満載です。モチーフとなっているスーツケースらしさがエクステリアのデザインにはっきりと出ているので、ワクワクするような楽しさを感じさせてくれます。
インテリアにもスーツケースがモチーフのカラーパネルが採用され、エクステリアと一体感のあるデザインになっています。開放感のある車内と遊び心があるインテリアも魅力です。
燃費性能に優れている
スズキ スペーシア
燃費性能にも優れているのがスペーシアの特徴で、マイルドハイブリッドを搭載していることから、トップクラスのWLTCモードで22.2km/Lを記録しています。クリープでモーター走行をすることができ、モーターアシストも可能となりました。
マイルドハイブリッドでは、減速時のエネルギーを利用しバッテリーに充電して、走行時のエンジンアシストやエアコンなどの電装品に電力を使用します。電力を発電するエネルギーを抑えるためのシステムです。
またブレーキペダルを踏んで10km/h以下になるとエンジンが停止するアイドリングストップ機能も低燃費に寄与しています。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,785mm | |
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ホイールベース | 2,460mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 870kg | |
燃費 | WLTCモード:21.2km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒 | |
最高出力 | 38kW(52PS) /6,500rpm | |
最大トルク | 60N・m (6.1kg・m) /4,000rpm | |
電動機種類 | 直流同期電動機 | |
最高出力 | 2.3kW(3.1PS) /1,000rpm | |
最大トルク | 50N・m (5.1kg・m) /100rpm | |
駆動方式 | 前2輪駆動 | |
トランスミッション | CVT |
■3位 ダイハツ タント
ダイハツ・タントX
3位のタントは、販売台数が5万2,210台でした。軽トールワゴンの中で2003年の初代モデルが発売されてから、車内高が高く乗り降りしやすい車として人気を集めています。ダイハツを代表するモデルでもあります。
ボディサイズに制約がある軽自動車ですが、広い車内空間と2007年以降の2代目から採用されたピラーレスの「ミラクルオープンドア」は他のモデルにはない魅力です。
2019年にはプラットフォームからエンジン、さらに足回りとすべてが新しくなった新型モデルが発売されています。運転席を大きくスライドさせることができ、運転席から後席への移動が容易になりました。
軽初のウェルカムオープン機能
ダイハツ タント
車内のスイッチを押しておくと、車に戻ってきたときに自動でスライドドアが開くようになる「ウェルカムオープン機能」も搭載されています。買い物をしたり、子どもを抱きかかえているときに非常に便利です。
パワースライドドアを使用していると、完全に閉まるまで待つ時間が長く感じることがあります。そこで、ドアハンドルのセンサー操作で施錠予約できる「パワースライドドア タッチ&ゴーロック機能」があるので、車を降りた後に簡単に施錠できます。
充実した安全装備
ダイハツ タント 安全装備
もちろん安全装備も充実しており、まるで高級車のような装備が「次世代スマートアシスト」として用意されています。衝突回避支援機能だけでなく、運転負荷軽減につながる全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールや、カスタム全車に軽初となる部分的遮光機能付ハイビーム「アダプティブドライビングビーム」を装備するなど、先進的な仕上がりとなっています。
また軽自動車初となる、スマートパノラマパーキングアシストは注目です。カメラが駐車枠を検知してステアリングアシストをしてくれるので、簡単に駐車できます。駐車が苦手な方の場合、縦列駐車が難しいと感じることも多いでしょう。この機能は縦列駐車にも対応しているので、どのような状況での駐車でも問題ありません。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,755mm | |
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ホイールベース | 2,460mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 900kg | |
燃費 | WLTCモード:21.2km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列3気筒 | |
最高出力 | 38kW(52PS) /6,900rpm | |
最大トルク | 60N・m (6.1kg・m) /3,600rpm | |
駆動方式 | FF | |
トランスミッション | CVT |
■4位 日産 ルークス
日産ルークス
日産のルークスは、4万1,112台で4位になっています。2020年3月にはフルモデルチェンジを受け、デイズという名前が取り除かれ「ルークス」となりました。デイズと共用のプラットフォームながら室内のゆとりはさらに拡大され、大人4人がゆったりと過ごせるほどの広い車内空間を実現しています。
スーパーハイトワゴンは荷室が狭いことが懸念点ですが、現行モデルのルークスは荷室を確保しているので48Lのスーツケースを4個積載できます。新しいデザインのエクステリアも良いですが、機能性を向上させているのも見逃せません。
室内を広くして機能性を向上
日産ルークス
ホイールベースが長くなっていることから、車内空間を広くできました。先代のデイズルークスよりも65mmホイールベースが延長されているので、前席を前に出してスライドドアの開口部を拡大させることができました。
室内を広くするために前席が前になったことにより、ドライバーの視界も向上しています。上下の視界と左右の見開きも改善されているので、ドライバーにとっても見晴らしが良いというメリットがあるのです。
日産のプロパイロットを搭載
日産 ルークス プロパイロット
ルークスに搭載されているのは、単眼カメラにミリ波レーダーを組み合わせた新しい方式の安全装備です。アダプティブクルーズコントロールにハンドル支援が組み合わされたものですが、ミリ波レーダーが組み合わされることで、2台先まで検知して制御を行います。
先行車への追従もスムーズに行うことができ、先行車との車間を一定に保ちます。急ブレーキや急加速することなく、スムーズに車間をキープしてくれるので、高速道路での走行が楽になるでしょう。
電動パーキングブレーキを採用しているので、渋滞時でも自動で停車状態を維持してくれます。N-BOXやタントなどもアダプティブクルーズコントロールを採用していますが、完全停車維持まで対応しているのはルークスだけです。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,780mm | |
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ホイールベース | 2,495mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 950kg | |
燃費 | WLTCモード:20.8km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列3気筒 | |
最高出力 | 38kW(52PS) /6,400rpm | |
最大トルク | 60N・m (6.1kgf・m) /3,600rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動 | |
トランスミッション | エクストロニックCVT |
■5位 ダイハツ ムーヴ
ダイハツ ムーヴ
5位のムーヴは4万398台となっていました。軽トールワゴンとして発売から人気があるモデルで、ダイハツの看板車種ともいえます。軽トールワゴンとして、タイヤをボディの隅に配置して、車内スペースを向上させています。
現行モデルはスマートアシストⅢを搭載していたり、軽量高剛性ボディ骨格構造を採用するなど、安全性能も高まっていることが特徴です。スタイリッシュなムーヴカスタムと合わせて軽の人気車種です。2017年にマイナーチェンジされてからは大きな刷新はないのですが、5位に食い込んでいます。
新開発のシャシーで安定した走行性と剛性
ダイハツ ムーヴ
全体の基本性能を向上させるように、軽量高剛性ボディ骨格構造のDモノコック構造を採用しています。サイドアウターパネルをハイテン化しているので、ボディの骨格全体で力を受け止めます。軽量化と高剛性化をしているのと同時に、衝突強度の確保が可能となりました。
さらに足回りを一新しているので、リアサスペンションの剛性が向上したこと、乗り心地の向上などの改善が見られます。カーブを曲がるときでも車のロールを抑制しているので、乗っている人も快適に過ごせます。
質感を向上させた内装
ダイハツ ムーヴ
内外装と共に質感を向上させていることも特徴です。特に内装部品の見直しをしているので、シックハウス症候群の一因となるホルムアルデヒドなどの放出量を抑えています。乗員の健康に配慮しながらも、しっかりしたサイズのシートで上質な内装を実現。シートのファブリックも手触りが良いもので、くつろぎを与えるものです。
上級グレードのX以上になると、ブラックインテリアパックが選択でき、落ち着いた室内空間になります。革巻きステアリングホイールが装備されて、スタイリッシュさが増します。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,396mm×1,475mm×1,630mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,455mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 820kg | |
燃費 | WLTCモード:20.7km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列3気筒 | |
最高出力 | 38kW(52PS) /6,800rpm | |
最大トルク | 60N・m (6.1kg・m) /5,200rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動 | |
トランスミッション | 自動無断変速 |
■6位 スズキ ハスラー
スズキ ハスラー ハイブリッドXターボ4WD
6位のハスラーは3万8,670台でした。スズキが発売する、軽SUVとトールワゴンが融合されたモデル。発売と同時に、アウトドアでも楽しめる装備などが人気を集めました。2020年1月には新型が発売されており、先代モデルからデザインを踏襲しながらも、車内空間が広くなっていたり、基本性能の向上が図られています。
エクステリアはよりアウトドアなタフさが強調されたものです。またよりスクエアな形状になることで、今まで以上にSUVテイストを感じさせるデザインです。
新技術で快適性が向上
スズキ ハスラー ハイブリッドXターボ4WD
ハーテクトと呼ばれるスズキのプラットフォームを採用しているだけでなく、環状骨格構造を採用して、優れた安定性や乗り心地、さらに静粛性も高めています。先代よりも快適性を高めるために構造用接着剤が用いられています。部品同士の隙間を接着剤で埋めてしまうので、車の剛性が高くなっているのです。