SVUって、どんなクルマ?
VW Tクロス
SUVは、「Sport Utility Vehicle」の頭文字をとって略した自動車用語となります。
最近は、発売されるクルマの多くがSUVとなり、従来主役だったセダンやハッチバック、ステーションワゴンのようなボディタイプをすっかり駆逐してしまいそうな雰囲気です。
実は、SUVには明確な定義がありません。「Sport Utility Vehicle」を無理やり日本語訳すると、「スポーティーで使い勝手抜群な乗り物」となりますでしょうか。なんとなく意味はわかりますが、実際にはどんなクルマなのかをイメージするのは難しいですよね。
でも、そんな「曖昧さ」がSUVの魅力でもあるのです。言い方を変えれば、SUVはセダンやハッチバックなどの伝統的なボディタイプの呪縛から開放された、自由なクルマと言えます。
そのため、SUVには様々なタイプがあります。
従来は、クロスカントリーと呼ばれていた、トヨタ・ランドクルーザーやジープ・ラングラーのような本格的なオフロード走行が可能なクルマから、アストンマーチン DBXのように、オフロードを走るところが想像できないような、ほとんどスポーツカーみたいなクルマもあります。
そう、SUVの魅力は、その多様性なのです。今回は、そんな多様なSUVのなかから、いつかは欲しい!と思えるようなモデルを紹介して参りましょう!
いつかは手に入れたい、憧れのSUV 6選!
■メルセデス ベンツ・GLB|日本で乗るにはドンズバの最新SUV!
《写真提供:response》メルセデス ベンツ・GLB
GLBは、最近巨大化が著しい欧州製SUVにおいて、サイズ的に日本で使うにはドンズバなモデルとなっています。しかも、比較的コンパクトなサイズなのにも関わらず、なんと7人乗りという、ファミリーで使うにはこれ以上無い!という仕様になっているのが嬉しいですね!
GLBのボディサイズは、全長4634mm、全幅1834mm、全高1658mm。日本の道路環境で使うには、本当に丁度いいサイズとなっています。しかし、兄貴分のGLEとそっくりのフロントフェイスはなかなかの迫力で、押し出しは十分強力!ベンツに乗る!という満足感を味わせてくれるでしょう。
《写真提供:response》メルセデス ベンツ・GLB
GLBの特徴は、メルセデスベンツの小型SUVとしては初めて、オプションで7人乗り(3列シート)が選択できる事。普段使う事は無いかもしれないけど、イザという時には沢山人を載せるかもしれないドライバーには、嬉しい装備ですね!3列目シートにもUSBポートを装備してているのは、さすがメルセデスベンツな気遣いです。
インテリアは、最新のメルセデスベンツのテイストで仕上げられ、タービンデザインの空調吹き出し口が3個並んでいるのが印象的。巨大な液晶ディスプレイは、「MBUX」(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)によって、制御や表示が行えます。MBUXは、「ハイ、メルセデス!」のキーワードで起動し、音声コントロールでエアコン等、様々な操作が可能です。
《写真提供:response》メルセデス ベンツ・GLB
GLBのエンジンは、2Lのガソリンターボ(224ps/350Nm)と、2L ディーゼルターボ(150ps/320Nm)の2種類。パフォーマンスを求める方はガソリンエンジン、ランニングコストを重視する方はディーゼルエンジンを、それぞれ選択すると良いでしょう。
《写真提供:response》メルセデス ベンツ・GLB
比較的コンパクトながら、7人乗車と広大なラゲッジスペースを持つメルセデス ベンツは、あなたの生活をより楽しくしてくれる、うってつけのパートナーとなるでしょう!
■ポルシェ・マカン|ポルシェの作るSUV=激速の法則!
《写真提供:response》ポルシェ・マカン GTS
ポルシェは、誰もが知っているスポーツカーメーカーですが、そんなポルシェがSUVを作ったらどうなるのでしょうか。その答えが、ポルシェ・マカンです。
マカンのハイパフォーマンスバージョンのGTSに搭載される、2.9L V6 ツインターボエンジンの最高出力は、なんと380ps!もう、本格スポーツカーのポルシェ911ですかと?言いたくなるようなハイパワー!
《写真提供:response》ポルシェ・マカン GTS
でも、マカン、速いのは直線だけじゃないの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、そこはポルシェ。コーナリングも鬼のように速いのです。
ノーマルのサスペンションでも十分にスゴいですが、オプションのアダプティブエアサスペンションを装着すれば、市内では快適性重視、高速道路では安定性重視、そして峠道ではコーナリング重視と、自由自在にサスペンションはのセッティングを変更できます。まさに、万能車ですね!
《写真提供:response》ポルシェ・マカン GTS
マカンのボディサイズは、最強のターボモデルで全長:4684×全幅:1926×全高:1624mmと、ちょっと全幅が広いのを我慢すれば、十分日本でも使えるサイズ。ポルシェ911と違って、リアシートも十分実用に使えます。
《写真提供:response》ポルシェ・マカン GTS
SUVには乗りたいけど、クルマは速くなきゃ嫌だ!というわがままなあなたに、ポルシェ・マカンは最適の相棒です!
■ジープ・ラングラー |元祖SUVと言えばジープ!
《写真提供:response》ジープ・ラングラー
丸いライトに7連グリル。誰もが知っているジープの顔ですね。元祖SUVメーカーのジープが作るSUVが、ラングラーです。
ラングラーの特徴は、何と言っても本格的なオフロード走行が可能なオフローダーである事。乗用車と同じモノコック構造のSUVが増えるなかで、ラングラーはラダーフレーム+リジッドアクスルという伝統的なオフローダーのメカニズムを搭載。やはり、ジープはオフロード性能には手を抜かないのです。
《写真提供:response》ジープ・ラングラー
アメリカ車というと、ものすごく大きいクルマを想像してしまいますが、ラングラーのボディサイズは、全長:4870×全幅:1895×全高:1850mmと、全高は非常に高いものの、全長と全幅は日本でもなんとか実用的に使えるサイズに収まっています。
さらに、アメリカ車というと、5L V8気筒エンジン!みたいな巨大なエンジンを積んでいるイメージがありますが、ラングラーのアンリミテッドに搭載されているエンジンは、なんと2L 直列4気筒ターボ(272ps/400Nm)。
えっ?こんな大きなクルマが、2Lのエンジンで動くの?と思ってしまいますが、そこは魔法の道具、ターボチャージャーで武装すれば、重さ1,960kgもあるラングラーを難なく走らせるのです。
でも、そんな小さなエンジンでは心配!という人には、自然吸気の3.6L V型6気筒エンジン(284ps/ 347Nm)も用意されています。ラングラー アンリミテッドの「サハラ」グレードであれば、直4ターボとV6のどちらかを選択できますから安心ですね。
《写真提供:response》ジープ・ラングラー
そして、4WDはジープの名に恥じない超本格的なシステムを搭載しており、手動でレンジの切り替えが可能なトランスファーレバーがコックピットに用意されています。
トランスファーレバーの操作で、システムが自動的に駆動力を配分してくれる「4H AUTO」モードから、雪道や砂利道などの未舗装路に有効な4×4レンジ「4H」、極悪路や岩登り時などに対応した最大の駆動力を発生するローギアードの「4L」など、路面に合わせた多彩な4WDのモードを走行中でも切り替える事が出来ます。
《写真提供:response》ジープ・ラングラー
ジープ・ラングラーだったら、どこにでもいけそうですね。アウトドアが大好きな人、日常的にオフロードを走る必要がある人のクルマは、もうラングラー一択です!
■レクサス LX|日本最高級のSUVと言えば、これ!
《写真提供:response》レクサス LX
日本最高級のSUV、それがレクサスLXです。
日本唯一のプレミアムブランドであるレクサスは、SUVのラインナップが非常に充実しています。そのレクサスSUVシリーズの頂点に立つのが、LXです。
LXのベースとなったのは、世界中の悪路で活躍しているトヨタ・ランドクルーザー。ラダーフレームを持つ本格的なクロスカントリー4WDを、レクサスの基準で仕立て直したのがLXとなります。
《写真提供:response》レクサス LX
ベースとなったランドクルーザーの最大の違いは、エンジンとトランスミッション。
ランドクルーザーの4.6リッターV8+6ATに対して、LXは5.7リッター V8+8ATと大幅にアップデートされています。今や貴重な大排気量V8エンジンは377psのハイパワーで、オンロードでもオフロードでもLXを優雅に走らせます。
LXの最大の特徴は、その押しの強さ!ボディサイズは、全長:5,080m ✗ 全幅: 1,980m、全高: 1,910mという堂々としたもの。やっぱり、最高級SUVとなれば、存在感が何よりも大事ですね!
インテリアも、ランドクルーザーをレクサスブランドに仕立て直すにあたって、完全にデザインし直されていて、極めてラクシュリーなデザインとなっています。
LXには、3列シート7人乗りモデルも設定されていますので、ちょっとボディサイズは大きいですが、ミニバンのような使い方も可能です。
《写真提供:response》レクサス LX
見た目もインテリアも豪華なLXですが、オフロードの走破性はベースがランドクルーザーなので世界トップレベル!
4輪アクティブハイトコントロールサスペンションは、車高をノーマルモード、ローモード、ハイモードの3種類から選択可能。高速走行時には自動で車高を下げ、走行安定性を高め、オフロードで使用するL4モードを選択した時には、自動的にハイモードになって車高が上がるなと、きめ細かい制御をします。
また、オフロード走行において、トラクションやブレーキを最適に制御してAWD性能をより高めるマルチテレインセレクト機能も装備。路面状況に合わせて、5つのモードを選択すれば、ブレーキの油圧の油圧や4輪の駆動力を最適に制御して、悪路走破性を高めます。
さらに、アダプティブバリアブルサスペンションシステム(AVS)という減衰力の自動調整が可能なサスペンションを搭載。車体の状況をクルマが自動的に判断し、減衰力を切り替える事で、オンロードとオフロードの性能を両立させます。
実際に、高価で大型のLXでオフロードを走る人がどれくらい居るのだろう?というお話もありますが、SUVとしての機能も一切妥協していない事は、高級SUVでは大切なポイントですね!
《写真提供:response》レクサス LX
世界に誇るランドクルーザーのメカニズムを、豪華な内外装で包んだレクサスLX、国産最高級のSUVが欲しい!と言う人は、迷わずLXを選んで下さい!
■アストンマーティン DBX|SUVでも、スポーツカーの血筋は隠せない!
《写真提供:response》アストンマーティン DBX
イギリスのプレミアムスポーツカーブランド、アストンマーチンが手掛けた初めてのSUV、それがDBXです。DBXの発表で、ロールス・ロイス、ベントレー、アストンマーチンという、イギリスのプレミアムブランド全てがSUVモデルを持った事になります。やっぱり、SUVって世界的に大ブームなんですね!
最近は、多種多様なSUVが発売され、SUVはカクカクした無骨なデザインのクルマ、というイメージは完全に過去の物となりました。しかし、それでもDBXを見ると、このクルマって本当にSUVなんだろうか・・・、と思ってしまいます。DBXの流麗なフォルムは、SUVというよりもイギリス車伝統のボディタイプである、「シューティングブレーク」と言いたくなってしまいますね。
《写真提供:response》アストンマーティン DBX
スポーツカーメーカーが作るSUVの性能がハンパないのは、ポルシェのカイエンやマカンを見ていればよくわかりますが、DBXも例外ではありません。搭載している4L V8ツインターボエンジンは、最高出力550PS/6500rpm、最大トルク700N・m/2200-5000rpmと言う、スポーツカーそのもののハイパワーを誇ります。
でも、そんなハイパワーなエンジンを積んでます!アタシは速いんです!と、オラオラ系のどきついアピールをしないのが、イギリス流というもの。そう、普段はジェントルで。イザという時に本気を出せばいいんです。
タネ明かしをすれば、DBXが搭載している4L V8ツインターボエンジンは、メルセデスAMGからの供給によるもの。2013年から、メルセデスとアストンマーチンは戦略的な技術提携を行っており、2020年10月には、メルセデスがアストンマーチンに対する出資比率を20%にまで引き上げるという、資本関係の強化も打ち出しました。DBXへのAMG製V8ツインターボエンジンの供給は、そのアライアンスの成果でもあるのです。
《写真提供:response》アストンマーティン DBX
実はDBXは、全長:5,039mm x 全幅: 2,050mm x 全高:1,680mm、ホイールベースは3,060mmという巨大なクルマ。DBXが履いているホィールが、22インチ!という巨大サイズである事を知れば、えっ、このクルマ、そんなに大きいの!?とびっくりされるかもしれません。あえて大きく見せずに、流れるような美しいラインでSUVを作ってしまうのが、アストンマーチンのデザインマジックですね。
室内に目を移しても、そこに広がるのはエレガントそのものの空間。アストンマーチンらしい、落ち着いた意匠の高品質なインテリアに包まれれば、オーナーは、「ああ、このクルマを買ってよかった・・・」と、深い満足感に浸る事が出来るでしょう。
時々、メルセデスのクルマに付いてるようなスイッチが見え隠れるするのは、アストンマーチンとメルセデスの提携関係によるもので、12.3インチの巨大液晶スクリーン等、インフォティメント系のシステムは、基本、メルセデスから供給されています。
《写真提供:response》アストンマーティン DBX
絶対的な重量は2,245kgと重いものの、前後の重量配分は54:46とスポーツセダン並の良好さ。こういうところに、スポーツカーメーカーの意地が見え隠れしてますね。足回りは、モード変更が可能なエアサスペンションとアクティブ・アンチロールバーで武装していて、スポーツ+モードを選択肢すれば、スポーツカー顔負けのダイナミクスを楽しむ事が出来ます。
誰もが振り向くようなクルマには乗りたいけど、かと言って、オラオラ系にはちょっと・・・、と思っているあなたに、DBXは最高の1台となるでしょう!
■メルセデスAMG G63|The King of SUV !
《写真提供:response》メルセデスAMG G63
最近、高級SUVが熱い!と言われます。ロールス ロイス・カリナンや、ランボルギーニ・ウルス、アストンマーチン DBX等々、豪華で巨大なパワーを持ったSUVが多数登場しています。しかし、それらの「新参者」は、メルセデスAMG G63に道を開けなければなりません。
なぜなら、元祖ハイパワー高級SUVと言えば、なんと言ってもメルセデスAMG G63!だからです。
《写真提供:response》メルセデスAMG G63
もともとは軍用車だった、ハードコアなオフローダーである先代のメルセデス・ベンツ G クラスに、デカくてハイパワーなエンジン載せたらどうなるんだろう、という妄想を具現化したAMG Gクラスは、その押出の強さや迫力のエンジンサウンドで大人気となり、「ハイパフォーマンスSUV」とも言える新ジャンルを開拓しました。
ランボルギーニ・ウルスやアストンマーチン DBXは、そのフォロワーにしか過ぎない、とも言えます。
《写真提供:response》メルセデスAMG G63
そのメルセデスAMGのSUVモデルのフラグシップが、G63になります。2018年にモデルチェンジしたメルセデス・ベンツGクラスに、AMG製の4L V8 ツインターボエンジンを押し込んだ構成になっており、AMG製パワーユニットは怒涛の585psを発揮します。
現行型のGクラスは、4輪リジットアクスルだった先代にくらべ、フロントサスペンションがダブルウィッシュボーン式の独立懸架になって大部モダナイズされてはいますが、585psのパワーを吸収するには最適なシャシーレイアウトとは言い難い面があります。
また、全高が1975mmもありますから、AMG RIDE CONTROLスポーツサスペンションと称される電子制御可変ダンピングダンパーを搭載しているとは言え、コーナリングは得意とは言えません。
《写真提供:response》メルセデスAMG G63
という訳で、物理学的、機械工学的には矛盾の塊のようなAMG G63。でも、世の中、合理的なクルマが魅力的、という訳ではありません。クルマを移動の道具と考えれば、今どきの軽自動車で十分ですよね。
でも、それじゃ嫌な人がたくさんいるので、軽自動車からG63のような過剰に高性能なクルマまで、市場で販売されています。そう、G63は、大きなボディやスゴいパワー、それ自体が魅力なのです。
さらに、空気抵抗なんて考えてないような真四角なボディのG63が、スポーツカーを凌駕するようなスゴい加速してしまう、そのミスマッチ感もこのクルマの魅力なんですね。
元祖にしてキング。AMG G63は、ハイパフォーマンスSUVのアイコンとして、今後も大きな存在感を放ち続けるでしょう。