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VWのDSGとは?DSGの種類や仕組みを詳しく解説!

VWのDSGとは?DSGの種類や仕組みを詳しく解説!

DSGとはフォルクスワーゲンが採用しているDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を指す言葉です。機構としては手動変速機(MT)を二枚のクラッチを使い自動化したものとなります。今回はこのDSGについて解説していきます。

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DSG現在は使われているのか?今後はどうなる?

フォルクスワーゲン エンブレム

フォルクスワーゲン エンブレム

優れたレスポンスで話題を集めたDSGは、現在でも幅広いフォルクスワーゲン車に採用されているようです。このDSGとはどのような仕組みなのでしょうか?

今回はフォルクスワーゲンの独自技術であるDSGとは何なのか、従来のATやCVT・DCTとの違いはどのような違いがあるのか見ていきましょう。

その前に少しDSGについて説明していきます。

DSGとはどの車にも搭載されている変速機の種類のひとつです。これは「デュアルクラッチトランスミッション」と呼ばれる事もあり、マニュアル車でありながらクラッチペダルがない2ペダルの車になります。

走行フィーリングは切れがあり、スポーツライクな走りを体現できると言われています。

また走行モードの切り替えで、静かな走行フィーリングから刺激的な走行モードまで実現した、注目度の高い技術と言われています。

ATやCVT・DCTとの違いは、伝導効率に大きな違いがあると言われており、この伝導効率が高ければ高いほどその車のパワーがスムーズにタイヤに伝えられると言われています。

この伝導効率が約90%といわれているのがDSGなります。したがってエンジンのパワーロスが少ないトランスミッションと言えます。このように良いことばかりのDSGですが、実は過去に大幅なリコールが実施され現在は改良されています。

DSGには2種類ある

7速乾式クラッチを採用した、フォルクスワーゲンのデュアルクラッチトランスミッション「DSG」(参考画像)

7速乾式クラッチを採用した、フォルクスワーゲンのデュアルクラッチトランスミッション「DSG」(参考画像)

大きく分けるとDSGには2種類あり、乾式DSGと湿式DSGになります。その違いとしてはその言葉通り乾式と湿式の違いです。

その主な例としてフォルクスワーゲンがあげられます。

フォルクスワーゲンでは2003年から湿式多板6速クラッチを採用しました。これはVWが世界で初めて量産車に採り入れた量産車用DSGです。それまでのシングルクラッチ式セミATが複雑で高価だったものに比べ、変速も瞬時に出来、変速ロスの少ないDSGはオーナーから歓迎されました。

しかしこの湿式DSGは大量のオイルが必要であるうえ、定期的なオイル交換が必要という問題がありました。その問題を解決する策として開発されたものが、低コストでオイルの必要量も大幅に抑えた乾式単板7速DSGとなります。

DSGの仕組み

original【VWゴルフ GTI詳報】 MTでは勝てないDSGの実力

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少し技術的な話になりますが、DSGとは一言でいうなら同心円状の二つのクラッチがそれぞれ別のギアに接続されていて、クラッチを切り替えることによりシフトチェンジを途切れることなく行うものです。

このクラッチを採用することにより、「キビキビした加速と操作感がダイレクトに伝わる」と、多くのユーザーから好評を得ました。

DSGのメリット

DSGの最大のメリットはなにをおいてもパワーの伝達効率が良いこと、燃費・ドライビングフィールが良いことでしょう。

二つのクラッチの持ち切れ目のないギア変速を可能にしたことで、トルコン式ATよりさらにスポーティな走行を実現しました。

それまでのデュアルクラッチトランスミッションは殆どの場合、高級車と呼ばれるモデルに多く採用されていました。しかし、フォルクスワーゲンでは大衆車と呼ばれるモデルにまでこのDSGを採用しています。

DSGのデメリット

良いことばかりのDSGのように受け取られてきましたが、実はフォルクスワーゲンジャパンでも、2008年から2016年までに輸入された「ポロ」など29車種について、DSGに不具合があるとし、リコールを国土交通省に届けています。

このリコールは7速DSGのパーツの不具合で、具体的にはDSGのアッパーハウジングのねじ切り加工が適正ではなく耐久性が不足し、そのため蓄圧器の継続的な疲労によりアッパーハウジングに亀裂が生じ油圧が低下、最悪の場合は走行不能になるというものでした。

しかし、幸いにもこのリコール対象車が事故を起こした報告はありません。その他のDSGのデメリットとしては、一般的に低速時の動作が若干もたついた感じを受ける事があるようです。従来のトルコン式ATやCVTに慣れた方にはストレスがたまることもあるかも知れません。

フォルクスワーゲンの「DSG」

original【VWゴルフ GTI詳報】 MTでは勝てないDSGの実力

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フォルクスワーゲンDSGの大きな特徴はクラッチペダルはないものの、これまでのATのようなトルクコンバーターが装備されておらず、トルクコンバーターの代わりに二組のクラッチが採用され、デュアルクラッチとなっている点です。

これは奇数段と偶数段にそれぞれクラッチが接続され、あたかもマニュアルミッションが二つ組み合わさった構造を持ち合わせています。そのクラッチ操作をオート化する事により、クラッチペダルがなくとも車が自動でクラッチを操作することでギアチェンジを行う方式になります。

走行中には一方のクラッチが必ず繋がっていることになり、エンジンの動力が常に伝えられています。そのときもう片方のクラッチは次のギアに繋がっており、一方のクラッチが切られた瞬間次のクラッチにミートされるという仕組みになります。

この方式により変速に要する時間は0.03秒から0.04秒と素早いシフト操作が可能で、トルクの中断を感じることはほぼありません。

DSGと似た機構は?

アウディ 7速Sトロニックと制御ユニット

アウディ 7速Sトロニックと制御ユニット

少し前まではトランスミッションといえばMT(マニュアル)か、AT(オートマティック)の二種類でしたが、ATの多様化で現在は多くのATが存在します。そのなかのDCTと呼ばれるATがDSGといえます。

そのDCTにもいくつかの種類が存在しますが、殆ど同等の仕組みを、各メーカーが呼称を変えて発表していると言っていいでしょう。フォルクスワーゲンのDSGと並び有名なのがアウディのSトロニックがあります。

DSGの将来は?

VW ゴルフGTE 6速DSGトランスミッション

VW ゴルフGTE 6速DSGトランスミッション

その画期的な思想で開発されたDSGでしたが、現在ではよりオーソドックスなトルクコンバーター式オートマチックのほうが世界的に勢いがあるように見えます。それはなぜでしょうか?

それはDCTが国内のメーカーでも搭載する車種が少なく、マイナーな存在であることにも理由があります。日本市場にこのDCTが登場したのは2005年のゴルフGTXからでしたが、当時その反響は衝撃といえるほどのものでした。

その機構は、シフトチェンジの際に次のギアを常に用意し瞬時に切り替えるというものでした。これを実現するためにクラッチ制御やシフト操作も全て電子制御の油圧作動で行うという、いかにもドイツ好みの繊細な仕組みでした。

それ以前のATは操作時にトルコンの存在がゆえに、レスポンスの悪さや駆動系のルーズさを感じずにはいられませんでした。そのようなATに対する先入観を払拭したのがDSGでした。

DSGの出現は従来のATの不備を全て解消出来る画期的な技術と思われました。これによりATは燃費重視のCVT、スムーズさを押し出したトルコン式、キビキビした走りのDCTと分かれることになりました。

この勢いはDCTで決着がつくかに見えましたが、ベンツやBMWのAT戦略により大きく変化しました。ドイツ勢の戦略はハイエンドスポーツモデルにはDCTを、主力モデルにはトルコンステップATの採用を堅持する方向でした。

国内メーカーでは、DCTの採用は日産スカイラインGT-Rや、三菱ランサーエボリューションと限られたスポーツモデルのみという事になりました。そしてこれらの勢力はトルコンステップATのメカニズム改良に邁進していきました。

その結果トルコンステップATは短期間でDCTと大差のないレベルまで技術を邁進させてきました。それはDCTの弱点でもあったクラッチという問題を解消し、遜色のないレベルにまで発展させてきたのです。

日本などのアジア圏では欧州ほど道路の整備が行き届いていないものが多く、渋滞や交差点が多くストップ&ゴーの頻発する環境ではDCTは向いていないこともあり、思うほど普及しませんでした。

しかし、これでDCTが終焉を迎えたのかといえば、やはりスポーツ走行の分野では現在でもDCTが実力を発揮しています。ポルシェのPDKなどに使われているZF製のハイエンドスポーツ用DCTは、DCTならではのすっきりした加速を見せています。

今後もDCTはこの分野では依然として威力を発揮していくのではないでしょうか。

まとめ

《photo by VW》フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI

《photo by VW》フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI

進化が顕著なATの技術は、今後も改良や新しい技術がどんどん加わり発展していくことと思いますが、その方向は車の性格により多岐にわたるでしょう。それは各メーカーの競争を生み私達ユーザーにフィードバックされることになります。

進化した技術はメーカーや車好きのユーザー、そうでないユーザーにとっても喜ばしいことと言えるでしょう。

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