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トヨタ メガクルーザー|日本最強のオフローダーの正体に迫る!

トヨタ メガクルーザー|日本最強のオフローダーの正体に迫る!

かつて発売されていた日本最強のオフローダー「メガクルーザー」。今回は、そんな伝説の四駆の正体を探ります!

⏳この記事は約3~4分で読めます。


メガクルーザーは、超高性能なオフロード車!

《写真提供:response》トヨタ・メガクルーザー JAF仕様

トヨタ・メガクルーザーは、トヨタが1996年に発売した高性能オフロード車両です。全長:5,090mm 、全幅:2,170mm、全高:2,075mmと言う巨大なボディサイズを誇り、ホイールベースは3,395mmに達しました。

メガクルーザーは、主に災害救助や人命救助などの過酷なミッションに投入される事を想定して販売されました。そのため、警察・消防のような公的機関や、地方自治体が主な販売先となりました。

メガクルーザーの技術的なトピックは、多岐に渡ります。メガクルーザーのホイールベースは3,395mmに達しますが、最小回転半径は小型車並みの5.6mと、非常に小回りの効くクルマとなっています。これは、一般道での実用性を向上させるためにリアタイヤに油圧作動の4WSシステムを備えているためで、フロントタイヤの操舵とは逆相違にリアタイアを動かす事により、小回り性能を大幅に向上させています。

シャシー関連のユニークな技術は4WSだけにとどまらず、驚異的な最低地上高420mm!を達成するために、ハブリダクションドライブと呼ばれる特殊な機構を装備しています。これは、ハブの内部に二組の歯車を内蔵する事によって、通常は車軸の中心に位置するドライブシャフトの地上高を大幅に高くする事が出来るシステムで、オフロードの走破性を最重要視する軍用車両に多く採用される仕組みとなっています。

同じく、最低地上高を稼ぐために、ハブリダクションによって持ち上げたドライブシャフトを駆動するためのミッションやプロペラシャフトを、キャビンに食い込むようにレイアウトしています。

そのため、運転席と助手席に間には、ミッションやドライブシャフトを収める幅の広いセンタートンネルが広がり、全幅が2,170mmもあるにも関わらず、前後のシートの寸法は最小限のサイズが確保されるのみとなっていました。

トヨタ・メガクルーザー

4WDシステムは、トルクセンシングセンターデフを備えるフルタイム4WDで、別途、マニュアル操作でデフロックも可能となっており、420mmの最低地上高と相まって、驚異的な悪路走破性を誇りました。

サスペンションは、オフロード車としては一般的なリジットアクスルではなく、トーションバースプリングで支えられる4輪ダブルウイッシュボーン形式で、長大なサスペンショントラベルを確保しています。

パワートレインは、後期型で中型トラック用の15B-FTE型 4.1L 直列ターボディーゼルエンジンを搭載し、最高出力170ps/最大トルク43.0kgmを発揮しました。トランスミッションは、トルコン式4速ATとなっています。

1996年の発表当時の新車価格は962万円で、ボディカラーは白と紺が選択できました。

乗車定員は6名とされていましたが、ちゃんとしたフットスペースが確保されているのは、前席と後席の窓側席の4席のみでした。広大なセンタートンネルには、いかにも簡易式とひと目でわかる平坦なシートが2名分用意されていますが、シートとセンタートンネルの間隔が非常に近いため、大人が座ると膝が浮いてしまう体育座りのような格好になってしまい、長時間の乗車には耐えない設計となっています。

メガクルーザーは、1996年の発売後、1999年にマイナーチェンジを受け、2001年まで生産が続けられました。生産を担当したのは、トヨタの関連会社でトラック等の商用車の生産を担当していた岐阜車体工業株式会社でした。

メガクルーザー誕生の秘密に迫る!

《写真提供:response》陸上自衛隊・高機動車

ベースは、自衛隊車両の「高機動車」

メガクルーザーのスペックを紹介して参りましたが、民間の用途に使うには、その性能は明らかにオーバースペックと思われた方も多いと思います。何故、メガクルーザーのような超高性能のオフロード車両が開発されたのでしょうか。

実は、メガクルーザーは最初から民間用として開発されたわけではなく、ベースとなったのは、陸上自衛隊用の「高機動車」でした。高機動車は、陸上自衛隊の輸送用車両として1990年代中盤から調達が開始されました。

高機動車の車体構成は、アメリカ陸軍が1980年代中盤から配備を開始したハンヴィー(HMMWV: High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle=高機動多用途装輪車両)の影響を強く受けています。車高を確保するためのハブリダクションドライブの採用や、キャビンに食い込むようにレイアウトされたドライブトレイン等のメカニズムは、ハンヴィーそのものとも言えます。

U.S.ARMY HMMWV

ハンヴィーがジープの後継車として、乗員数よりも兵器を搭載するウエポンキャリアとしてのミッションを重視したのに比べ、高機動車はより人員輸送に重きを置いたレイアウトとなっています。一般的な構成のハンヴィーの全長が4.7m程度に収まるのに比べ、高機動車の全長は5m弱となっており、フロントシート方向には広大なスペースが広がります。

人員輸送に使用する場合、高機動車にはベンチシートが設けられ、最大8人が乗車可能と言われています。最も、完全武装した隊員を実際に乗せられる人数は6名程度となるようです。高機動車はその車体の大きさから優れた輸送能力を持ちますが、装甲を全く施されておらず、戦闘の最前線での乗員への防御能力はありません。

また、自衛隊車両の常として、一部の車両を除きエアコンは装備されておらず、最近の酷暑下での運用では、隊員に非常な負荷がかかる事が懸念されます。

高機動車の社内

民間用のメガクルーザーでは、運転席と助手席の間の広大なセンタートンネルの上に、巨大なエアコンユニットを装備しています。また、オーディオを設置するための2DINのスペースも用意されています。

高機動車とメガクルーザーの差異は、特にメカニズム面では非常に小さく、高機動車を一般車両として公道を走行できるようにするため、必要最低限の改装を加えたのがメガクルーザーと言えます。

様々な用途に使われる高機動車

一方、高機動車はその優れた積載能力を買われ、様々な兵器を搭載するプラットフォームとして重宝されています。

陸上自衛隊の普通科では最大の火砲となる120mm重迫撃砲を牽引する「重迫撃砲牽引車」は、全国の陸上自衛隊の基地に配備されています。迫撃砲の牽引だけでなく、操作に必要な人員と迫撃砲弾を1台の車両で輸送出来ます。

120mm重迫撃砲牽引車

2009年から配備がはじまった中距離多目的誘導弾は、敵が海岸から上陸するための舟艇や、戦車、装甲車を撃破するための誘導ミサイルです。

高機動車1台に、ミサイル6発を搭載する発射機と、射撃用のレーダーなどのセンサー装置をコンパクトにまとめた構成となっており、高い攻撃力と機動性を兼ね備えています。

中距離多目的誘導弾搭載車

11式短距離地対空誘導弾車は、航空自衛隊で使用されている車両で、高性能の11式短距離地対空誘導弾の発射機を、高機動車に搭載しています。11式短距離地対空誘導弾の搭載数は4発で、主に航空自衛隊の航空基地の防衛用に使用されます。

11式短距離地対空誘導弾搭載車

衛星通信装置搭載車は、陸上自衛隊の通信科に配備されている車両で、衛星通信を行うための装置一式を、高機動車に搭載しています。衛星通信装置を高機動車に搭載する事により、道路状況が厳しい地形に置いても、衛星通信を実施する事が出来ます。

衛星通信装置搭載車

まとめ

自衛隊用車両がベースの異色の超高性能オフローダー「メガクルーザー」、いかがでしたか?

メガクルーザーの販売台数は百数十台と言われており、3,000両以上が陸上自衛隊に納入されている高機動車に比べても、極めて希少なクルマとなっています。

メガクルーザーは巨大なクルマですので、実際に欲しい!と思う方はごく少数と思います。でも、本気で欲しいと思う方は、是非チャレンジしてみて下さい。

メガクルーザー以外の国産車では絶対に味わえない世界が、そこに広がるハズです!

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