もはや見ない日はない?! 大ヒットSUV、トヨタ RAV4
トヨタ RAV4
SUVがはやっているとはいえ、それにしても街中で「RAV4」を見かける頻度が高めな気がしませんか?
実際に、2020年の販売実績を確認してみると、SUV系車種での単独トップはライズが約12.6万台で首位に立つものの、2位のハリアーに続くRAV4は、比較的大柄なボディサイズながら1年間で約5.5万台を販売し、3位につけています。
ライズのようなコンパクトボディではなく、存在感のあるデザインがゆえに記憶に残りやすいのかもしれませんが、街中で見かけることが多いのも納得の大ヒット車種となっているようですね。
■帰ってきてくれてありがとう!海外で成長したRAV4
トヨタ RAV4(初代)
RAV4は元々1994年に初代が発売された比較的歴史の深いSUVで、オフロードの走破性だけでなく、オンロードでの快適性を当初から追求していたモデルでもありました。
初代は5ナンバーサイズの扱いやすさでも好評を博しましたが、人気が出たのは日本国内だけでなく、程なくして世界中で販売台数を伸ばす世界戦略車に成長。
海外市場の要求と、日本市場でももう少し広さが欲しいという声もあって、2代目ではボディサイズを拡大。その後の世代でも、そのまま拡大傾向が続いています。
また初代モデルでは気楽に付き合えるラフなイメージもあったのですが、代を重ねるごとに乗用車的な上質感を追求したモデルに進化。都市部とアウトドアシーン、両方に似合うスタイルは、RAV4のトレードマークとなっていきました。
この大型化と高級化の流れの最先端にあるモデルこそ、現在発売されている5代目。
4代目モデルでは当時の日本市場で同じプラットフォームを用いるハリアーがヒットしていたこともあり、ややキャラが近くなっていたRAV4は日本導入がされませんでしたが、さらなる魅力をひっさげて、5代目モデルでの凱旋帰国となりました。
RAV4ならではの魅力、TOP 5をご紹介!
■ラギッドかつ都会的?!相反する要素が合わさったスタイル
トヨタ RAV4
先ほども歴代RAV4にアクティブさとエレガントさが備わっているとご紹介したばかりですが、現行の5代目モデルでもその特徴は健在。
一見ゴツゴツとしたプロテクター風のディテールや大きめのフロントグリルでSUVらしく力強さが感じられるものの、ヘッドライトの造形やルーフラインなど、どこかフォーマルでエレガントさまで感じさせるような複雑なデザインこそ、RAV4の特徴であり魅力です。
また異なるグレード間で大きく差別化を図ったのも現行モデルの特徴で、都会派な印象もある標準ラインに対し、よりクロカン車のようなラギッドな印象を強めた「アドベンチャー」グレードを新たに設定したことで、さらに幅広いユーザーニーズに応えることに成功しています。
■どデカく積める!人も荷物もしっかり飲み込む大容量キャビン
《画像提供:Response 》トヨタ RAV4 インテリア
全長約4.6m、全幅約1.86mという大柄なボディだけあって、室内空間は余裕そのもの。最近ではクーペルックなルーフラインで室内をわざとタイトな印象に仕立てるSUVなども登場していますが、RAV4は各ウィンドウが比較的立てられて配置されていることもあって、乗り込めば見た目通りの広々感が感じられます。
小型SUVの人気もどんどん増してきてはいるものの、やはりたっぷりとしたサイズの後席空間はこのクラスならではの魅力。大人5人でゆったりとくつろぎながらロングドライブにも出かけられそうですね。
また、荷室の余裕もRAV4の魅力のひとつです。クラストップレベルとなる荷室容量は、VDA法による計測で最大580Lものたっぷりしたサイズ。定員乗車時でも1m以上の奥行きがある荷室は、後席を格納すれば1,880mmもの長さになるなど、大人でも横になれるほどの長さも備わります。
■道なき道もなんのその!先進の四輪駆動は3バリエーション
トヨタ RAV4 アドベンチャー
SUVのマッチョなルックスを持ちつつ、実は前輪駆動しかラインナップしていませんでした、なんて車種も近頃では珍しくありませんが、RAV4は二輪駆動だけでなく、しっかり四輪駆動をラインナップしています。
さらに、四輪駆動だけで3パターンもあるという点もRAV4の面白いところ。ハイブリッド車の電気式4WD「E-Four」、ノーマルグレードに搭載される「ダイナミックトルクコントロール4WD」も魅力的な使い勝手ですが、注目はアドベンチャーなどに搭載される「ダイナミックトルクベクタリングAWD」でしょう。
前後輪だけでなく後輪左右でトルク配分を可変できるこのシステムは、オフロードだけでなく高速コーナーでの安定性も向上させる優れもの。必要がないときには高効率な二輪駆動になれる点もあり、現行のRAV4随一の先進的な駆動方式となっています。
■上級車もタジタジな豪華装備満載、コスパ良すぎ!
《画像提供:Response 》トヨタ RAV4 パノラマムーンルーフ
大柄なボディの存在感でより上級のSUVを脅かすだけでなく、RAV4は豪華装備も満載。メーカーオプション設定となるパノラマムーンルーフなどは、まず設定自体がなかなか国産車では見られませんし、開口幅・長さの大きさもあって、乗り込んだ途端にインパクトのある開放感を実現してくれます。
また、トヨタブランドとして国内初搭載となるのが、リヤバンパー下に足を出し入れする動作で作動が可能なハンズフリーパワーバックドア。アウトドアなどアクティブな場面でもガンガン使いたくなるSUVだけに、手が塞がっていても開けられるこの高級装備を待ち望んでいた方も多いのでは。
幅広く装備されるシートヒーター機能「快適温熱シート」だけでなくベンチレーションの用意もある点も、もはやレクサスを思わせるような高級装備。これらを備えてもリーズナブルな価格を維持できる点も、RAV4の魅力です。
■最先端の予防安全・運転支援機能で楽々ロングドライブ
トヨタ RAV4 アドベンチャー
トヨタはラインナップ全体で安全機能の標準装備化が急速に進んでいますが、RAV4ももちろん例外ではありません。
全グレードでトヨタセーフティセンスを標準装備しているので、昼夜の歩行者、昼間の自転車まで検知が可能なプリクラッシュセーフティや、全車速追従機能付のレーダークルーズコントロール、前走車の軌跡まで利用してハンドル操作支援できるレーントレーシングアシストなど、最新の安全機能や運転支援機能がどのRAV4でも体感できます。
また上位モデルでは、パノラミックビューモニターが標準装備される点もうれしいポイント。やはり大柄なボディサイズだけあって気を使う場面も出てくることでしょうから、駐車時や狭い道でのすれ違い時に大いに役立つ同機能が備わっていれば、より安心感があることでしょう。
トヨタ RAV4のスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,610mm×1,865mm×1,690mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,690mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,630kg | |
燃費 | WLTCモード:15.2km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリン 1,986cc | |
エンジン最高出力 | 126kW(171PS)/6,600rpm | |
エンジン最大トルク | 207N・m(21.1kgf・m)/4,800rpm | |
駆動方式 | 四輪駆動(4WD) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 3,009,091円(消費税抜) |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,600mm×1,855mm×1,685mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,690mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,690kg | |
燃費 | WLTCモード:20.6km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンハイブリッド 2,487cc | |
エンジン最高出力 | 131kW(178PS)/5,700rpm | |
エンジン最大トルク | 221N・m(22.5kgf・m)/3,600-5,200rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | フロント88kW、リヤ40kW | |
モーター最大トルク | フロント202kW、リヤ121kW | |
駆動方式 | 電気式四輪駆動(E-Four) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 3,662,727円(消費税抜) |
スポーツカー超えのハイブリッド?!RAV4 PHVも受注再開!
トヨタ RAV4 PHV
現行のRAV4は、2019年に日本にカムバックしたことも話題になったものの、さらに話題を呼んだのが、プリウスPHVに次いで二車種目となるプラグインハイブリッド仕様「RAV4 PHV」が2020年6月に設定されたことでした。
ノーマルのRAV4ハイブリッドに比べ、動力用バッテリーの大幅な大容量化とフロントモーターのハイパワー化などが施されたRAV4 PHVは、電気式4WD「E-Four」のトラクション性能もあってか、なんとスポーツカーも真っ青な加速性能を獲得。
具体的には、現在のトヨタでフラッグシップスポーツであるGRスープラ、4WDラリーウェポンのGRヤリスに次ぐという、0-100km/h加速が6.0秒という俊足っぷりとなっています。
大柄なボディを持つSUVとしては驚異的なこの記録も驚きですが、その動力性能を隠してスマートに走れば、EVレンジが95kmも確保されている点もうれしい驚きでした。
参考までに、より車重が軽くコンパクトボディで空気抵抗も少ないプリウスPHVは、EVレンジが60km。プリウスPHVは2017年デビューとやや世代が違うとはいえ、技術の大幅な進歩を感じさせる部分ですね。
《画像提供:Response 》トヨタ RAV4 PHV
もちろん、RAV4らしい室内の使い勝手や、愛嬌のあるエクステリアデザインは共通。ボディ下部がグロスブラック仕上げとなるなど、知っている人だけが気づく標準RAV4との差異化に留まっている点もあって、なかなかPHVであることに気づいてもらえなさそうな点は、やや不満点としても挙げられるかもしれませんね。
登場当初からの爆発的な人気と、それに対して少なめに見積もられていたと思われる供給台数のアンバランスから、2020年6月の発売開始後早々に受注を停止していたRAV4 PHVですが、2021年3月に入って無事受注が再開されています。
とはいっても、前回のように需要があまりに高すぎて、再度の受注停止となってしまう可能性も考えられますので、気になった方はお早めに販売店に問い合わせてみてくださいね。
トヨタ RAV4 PHVのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,600mm×1,855mm×1,690mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,690mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,900kg | |
ハイブリッド燃費 | WLTCモード:22.2km/L | |
等価EVレンジ | 95km | |
電力量消費率 | WLTCモード:6.45km/kWh | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンプラグインハイブリッド 2,487cc | |
エンジン最高出力 | 130kW(177PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 219N・m(22.3kgf・m)/3,600rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター搭載数 | 2基(フロント1・リヤ1) | |
モーター最高出力 | フロント134kW、リヤ40kW | |
モーター最大トルク | フロント270N・m、リヤ121N・m | |
システム最高出力 | 225kW(306PS) | |
駆動方式 | 電気式四輪駆動(E-Four) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 4,536,364円(消費税抜) |
幅広いラインナップのRAV4、おすすめは結局どのグレード?
トヨタ RAV4 アドベンチャー オフロードパッケージ
RAV4の個性を都会派のスマートSUVととるなら、断然おすすめはハイブリッドモデルでしょう。さらに、電気式4WDの利点でもある燃費悪化がほとんどない点も魅力的ですので、ぜひE-Fourモデルを選びたいところ。
トップグレードであるハイブリッドGの豪華装備も魅力的ですが、ハイブリッドX E-Fourの約330万円という税抜価格も魅力的ですね。
RAV4ならアクティブに行かなきゃ!とお思いなら、もう選ぶべきはアドベンチャーグレード一択でしょう。先進のトルクベクタリングAWDを体感しつつ、シリーズでアドベンチャー専用となる内外装の特別意匠が雰囲気を盛り上げてくれます。
さらに、特別仕様車として設定されているアドベンチャー“オフロードパッケージ”も見逃せません。マットブラック塗装のアルミホイールにはゴツめの見た目がうれしいオールテレインタイヤが装着されますし、最低地上高は10mmアップ、なんとルーフレールは北米向け用のブリッジタイプを逆輸入して装着と、特別感あふれる仕様は、オーナーの所有欲を大いに満たしてくれることでしょう。
【2021年最新】トヨタ RAV4の新車・中古車価格まとめ
《画像提供:Response 》トヨタ RAV4
2021年3月現在、トヨタ RAV4は主に「X」、「G」、「G“Z”」、「アドベンチャー」の4本立てが基本となっており、税抜価格帯では約249.4万円から約368.1万円となっています。
やはりハイブリッドはやや高めの価格設定となっていますが、エンジン排気量が大きいなど動力性能面で差が大きいので、上級グレードとして見れば納得しやすそうです。
RAV4 PHVはシンプルな3グレードで、税抜価格帯としては約426.4万円から490.0万円。先進のプラグインハイブリッドシステムを備えるだけにこちらもジャンプアップが大きくなっていますが、ご紹介したようにGRスープラやGRヤリスに次ぐ加速性能を持つ実用車という稀有な存在ですので、人気となるのも当然かもしれません。
《画像提供:Response 》トヨタ RAV4 PHV
中古車市場では意外に台数は少なめとなっており、2021年3月現在では全世代合わせても800台足らずの在庫台数しか確認できません。これはまだヒットしている現行モデルの中古車があまり出揃っていないためとも考えられます。
現行モデルに限れば、税込中古車本体価格平均は328.7万円とまだまだ高騰中。人気車だけに引く手あまたで、価格が落ち着いてくるのは当分先になりそうですね。
RAV4 PHVにも少ないながらも中古車が確認できますが、こちらは平均で534.9万円とさらに高騰。税込で500万円超えというトップグレードのブラックトーンの人気が高く、価格を押し上げてしまっているようです。
まとめ
《画像提供:Response 》トヨタ RAV4 5D アドベンチャー(東京オートサロン2021 出展車両)
大柄なSUVながら大ヒットを続ける異色の存在、RAV4についてご紹介してきました。
魅力がたくさん備わっているだけでなく、ボディの大きさに対して割安な価格は相当なリーズナブル感があり、ライバル各社は対応に苦慮していることでしょう。
人気車だけにこれからも顧客を飽きさせない様々な新展開があることも期待されますし、RAV4の天下はまだまだ続きそうです。