マツダ6とは?
さまざまな自動車メーカーがもっとも力を入れるモデルといえば、やはりフラッグシップです。もちろん時期によって変化することはありますが、フラッグシップモデルはメーカーの顔でもあります。
それだけに自信を持って世に送り出されることになるのです。トヨタならクラウン、ホンダならレジェンドといった形で、メーカー名とフラッグシップモデルの名前がすぐに一致するという方も多いでしょう。
マツダのフラッグシップモデルとして長年にわたってメーカーの顔役を果たしてきたモデルが、アテンザです。
そんなアテンザが新たな名前で生まれ変わりました。それがマツダ6です。もともと、マツダは海外ではモデル名ではなくナンバー表記でさまざまな車を販売してきました。そこで、国内市場のモデル名も統一したという形になります。
慣れ親しんだ名称が変更することに違和感を覚える方も多いでしょう。そこにはどのような意図があるのでしょうか?
今回は、マツダのフラッグシップモデルであるマツダ6について詳しく紹介するとともに、名前の変更が行われた理由などについてもご紹介します。
■マツダのフラッグシップモデル
マツダ6は前述の通り、もともともはアテンザとして2002年に市場にデビューしました。最ミドルクラスのモデルではありましたが、5ドアハッチバックの「スポーツ」とワゴンタイプの「スポーツワゴン」に加えて、高級感のある「セダン」もラインナップされていました。
その後モデルチェンジを経て、2012年に発売された3代目モデルでマツダ独自の新世代技術である「スカイアクティブテクノロジー」を全面採用したモデルとして、フラッグシップという位置づけになりました。
その後、2019年からマツダ6という名称に変更されています。
マツダはこれまでにも多くの名車を生み出してきました。アテンザのデビュー当時もRX7やロードスターといった顔的なモデルが存在しています。しかし、それでも新しい技術を投入したこのモデルをフラッグシップに押し上げたことに、マツダのこだわりを感じます。
これまでもマツダはロータリーエンジンをはじめとしてさまざまな新技術を生み出し、市場に投入してきました。アテンザにおけるスカイアクティブテクノロジーも過去の素晴らしい技術と並ぶものとして世に送り出されたのです。
■マツダ6セダン
マツダ6にはいくつかのモデルが展開されており、中でもベースとなるのがこのマツダ6セダンです。近年のマツダらしいヨーロピアンな雰囲気を感じさせる、スタイリッシュなセダンに仕上がっています。
もちろんアテンザ時代から導入されているスカイアクティブテクノロジーは健在で、非常に高い走行性能を誇ります。純粋なスポーツモデルという立ち位置ではなくなりましたが、まだまだデビュー当時のアテンザの遺伝子はしっかりと残されていることを感じさせてくれます。
■マツダ6ワゴン
アテンザにも2代目モデルまではハッチバックモデルが存在しましたが、現在の3代目になって廃止されました。それと同時にワゴンタイプのモデルは「アテンザワゴン(2019年以降はマツダ6ワゴン)」に名称が変更されています。
ステーションワゴンは近年の日本では市場規模が縮小され、存在感が薄れつつありますが、ヨーロッパなどでは依然として高い人気を誇ります。海外市場で高い評価を受けているマツダらしいラインナップであるといえるでしょう。
マツダ6セダンとは共通する部分が多いように思えますが、実はホイールベースの長さなども異なっています。加えて車内空間の広さや使い勝手を高めるためのさまざまな工夫が施されており、非常に完成度の高いワゴンに仕上がっています。
■アテンザ=マツダ6?
マツダ6の旧名称であるアテンザは、長く日本市場で愛され続けた名称です。その他にもマツダではアクセラやデミオといった非常に高い知名度を誇ったモデル名を、ブランド名+数字へと変更しました。
世間に浸透した名前を変更することには、当然ながらリスクがあります。これまで、広告戦略などを行って知名度を高めてきた名前をリセットすることになるのです。では、どうしてマツダはモデル名の変更を行ったのでしょうか。
そこには、マツダというブランドを強化したいという意図があるとされています。モデル名ではなく、ブランドで選ばれるメーカーになりたいという想いが込められているのです。
実際、このコンセプトは近年のデザインなどにも見られます。多くのモデルでフロントグリルデザインのモチーフを統一したりカタログ上のすべてのモデルのカラーを統一したりするなど、モデルよりもブランドを全面に押し出す形になっています。
長年マツダ車に慣れ親しんできた方にとっては、慣れるまで少し違和感が残るかもしれませんが、これがこれからのマツダのスタンダードとなるのかもしれません。
マツダ6の魅力
マツダ6というモデルに興味を抱いているものの、具体的にはどんな車なのかわからないという方も多いかもしれません。
続いては、マツダ6というモデルの魅力について詳しくご紹介します。
■高級車と呼ぶに相応しい質感
マツダ6の実車を見ると、最初に驚くのが質感です。近年のマツダでは多くのモデルでエクステリア、インテリアの両方の質感を高めています。そんな中マツダ6はフラッグシップと呼ぶに相応しい、最上級クラスの高い質感を備えています。その質感を見るだけでも、マツダが本気で作った高級車だということを感じることができるでしょう。
ただ、高級車とはいっても極端にラグジュアリーなスタイルを選択しているわけではありません。どちらかというと落ち着いた雰囲気を身にまとっています。このあたりの質感の高さと落ち着きのバランスが絶妙といえるでしょう。
■スタイリッシュかつエレガントなデザイン
デザインもマツダ6の大きな魅力のひとつとなっています。全体的にスタイリッシュなシェイプにまとめられていますが、フロントグリルは大きめでとても迫力があります。加えてボディサイドの曲線がエレガントさを与えており、このモデルならではの大きな魅力となっています。
フロントグリルやボディサイド周りのデザインなど、他のモデルにも共通するデザインとなっていますが、やはりマツダ6はその頂点に立つフラッグシップモデルだけあって、より強い存在感を放っています。「このモデルをベースとして他のマツダ車がデザインされていったのでは?」と錯覚してしまうほどに、完成度の高いデザインです。
■アテンザから受け継がれたマツダの遺伝子
前述の通り、マツダ6の前身モデルであるアテンザは、もともとスポーティさをアピールしたモデルとして開発されました。現在のマツダ6にもその遺伝子はしっかりと受け継がれており、パワートレイン、足周り、空力性能などが非常に高いレベルで設計されており、非常に安定した走行を楽しむことができます。
マツダ6へと名前は変わりましたが、アテンザはしっかりと生きていると感じさせてくれるポイントです。
■スポーティな走行も楽しめるパワー
マツダ6には最新のスカイアクティブテクノロジーが投入されており、非常にパワフルな走行を楽しむことができます。本格的なスポーツ走行を楽しみたいという方も満足することができるでしょう。
さまざまなシーンにおいて安定した走行が可能なので、ロングドライブでも疲れにくいという点も魅力的です。
マツダ6の価格
車の購入を検討する際に、大きなポイントとなるのが価格です。そこでここでは、マツダ6の新車価格や中古市場価格などについてご紹介します。
マツダ6の購入を検討している方は参考にしてみてください。
■マツダ6の新車価格
マツダ6はガソリンエンジンモデルとディーゼルエンジンモデルに分けられます。まず、ガソリンエンジンのベースモデルは2,630,000円(税抜)です。そしてディーゼルエンジンのベースモデルは2WDが3,010,000円(税抜)、4WDが3,230,000円(税抜)となっています。
ベースグレードのモデルで300万円近い価格となるという点は、さすがフラッグシップモデルといったところです。しかしデザインの素晴らしさやエクステリア、インテリアの質感の高さ、そしてスカイアクティブエンジンの性能を考えるとコストパフォーマンスは決して悪くありません。
フラッグシップモデルというと割高なイメージを抱いてしまう方も多いかもしれませんが、マツダ6はコスパにも優れたモデルとなっています。
■マツダ6の中古市場価格
マツダ6という名称に変更されたのは2019年のマイナーチェンジ後です。そのため、マツダ6という名称のモデルはそれほど中古市場には出回っていません。価格もそれほど安くはありませんので、中古車だからといってそれほどお買い得感はないでしょう。
新車価格と比較してもそれほど大きな差はありませんので、状態のいい中古車を探すのであれば、新車価格としっかりと比較した上で検討することをおすすめします。
■コスパ重視なら旧モデルのアテンザも視野に
コスパを重視するのであれば、名称が変更される前のアテンザもおすすめです。アテンザの3代目モデルは基本的にマツダ6とほぼ同じです。そのため名称にこだわらないのであれば、アテンザ時代の中古車を探してみましょう。
またマツダ6とはスタイルも異なりますが、初代、2代目アテンザはかなり安価なものも多いので、より安く購入したい場合は選択肢に加えてみましょう。
まとめ
マツダ6はマツダのフラッグシップモデルとして、メーカーの顔的な役割を担うモデルです。最新の技術が投入されているのみでなく、デザインなども非常に優れている魅力的な車に仕上がっています。
まだマツダ6という名称に変更されてから間もないことから、名前を聞いてもピンと来ないという方も多いかもしれません。しかし実は歴史も長く、信頼性も抜群なのでこれから車の購入を検討しているのであれば、候補に加えてみてください。