N-BOXの燃費
《写真提供:response》N-BOX N-BOXカスタム
ホンダのスーパーハイトワゴンのN-BOXは、2011年に初代が登場すると一気に人気車種へとなりました。2017年にフルモデルチェンジをして、2代目になってからも人気が衰えることなく、2020年の軽自動車の年間販売台数でもトップになっています。
先代モデルと現行モデル共に、マイルドハイブリッドなどは搭載していませんが、特に現行モデルはエンジンが燃費性能が高いものが搭載されており、走りと燃費のバランスが優れています。
N-BOXのカタログ燃費や実燃費を見ていきましょう。
■N-BOXのカタログ燃費
N-BOXのWLTCモードのカタログ燃費は以下の通りとなっています。
カタログ燃費を表すのに使用されているWLTCモードは、従来主に使用されていたJC08モードよりもカタログ燃費と実燃費の差が少なくなりました。それもWLTCモードの測定試験は、車種ごとに「市街地モード」、「郊外モード」、「高速道路モード」が設定されおり、従来の計測方法よりも実際の走行シーンに近い方法で測定されているからです。
N-BOXのカタログ燃費はそれほど良くないと感じるかもしれませんが、このWLTCモードで測定されているので、カタログ燃費と実燃費の差が少なくなるのです。
■N-BOXの実燃費
N-BOXの実燃費を見ていきましょう。
2021年4月時点でのe燃費のデータでは、以下の通りとなっています。
カタログ燃費と大きな差が出ているモデルもありますが、N-BOXに限った話ではないので軽自動車としては平均的といえるでしょう。軽自動車の規格内では大きなスーパーハイトワゴンですので、ミライースなどのような燃費にはなっていません。
しかしFF車ならNAエンジンとターボエンジン共に低燃費を実現しています。特にターボエンジンはNA車よりも大きく燃費を落とす傾向がありますが、4WDでもそれほど燃費が落ちていないのは注目に値します。
N-BOXのパワーユニット
《写真提供:response》N-BOX エンジン(2017年)
N-BOXのパワーユニットを見てみましょう。
搭載されているのは、S07Bというエンジン。先代のエンジンと比較して、ロングストロークになり、燃焼効率が高められています。ロングストロークにすることで、冷却損失が少なくなり、熱効率を高められるというメリットがあります。
NAエンジンはi-VTECエンジンになっているので、低速での力強さと高速での伸びが両立されています。NAエンジンでは軽自動車は力不足を感じることがありましたが、スムーズでトルクがあるエンジンなので市街地では十分なパワーを絞り出してくれるエンジンです。
果たして前を行くNA車がどの程度一生懸命だったかは定かではないが、まあ普通の道を普通に走る分には正直なところ、NAもターボもそれほど大きな差はないなぁ…と感じた。しかし、いざ首都高速に乗ってみると、その差は歴然。やはりターボの威力は大きかった。
ターボエンジンは、街中でならアクセルを踏み込む量が少なくても十分に加速するだけのスペックがあります。高速道路や幹線道路の合流などのNAエンジンで力不足を感じるシーンでも、エンジン回転数を上げることなく加速できます。
ターボが効き始めるのも低回転なので、街中でも力強く走ることができます。
「ターボ付き」であれば高速道路に乗り入れても動力性能的に全く不足はない。僕が矢田部のテストコースで「ターボ付き」と「NA」と両方試したが、ターボ付きは140km/hで巡航しても音が静かでまだ余裕を感じられるほどだった。
N-BOXの乗り心地は?
《写真提供:response》N-BOX
N-BOXの乗り心地を見ていきましょう。
NAエンジンとターボエンジンの両方で、安定した走行性能を見せてくれるので、普通自動車からダウンサイジングさせたい方にもおすすめです。
通常普通自動車から軽自動車に乗り換えると、質感を含めてどうしても物足りなさを感じてしまうものですが、N-BOXなら普通自動車から乗り換えた方でも満足できる仕上がりになっています。
これ、ホントに軽か?という疑問符が頭の中にパッパッと点灯するほどで、過去に試乗したどの軽よりも快適でスムーズな乗り心地を持っていることは疑いもない。
快適でスムーズに乗りたい方におすすめのモデルですね。
N-BOXとライバル車種との比較
N-BOXのライバル車種の比較を見てみましょう。軽自動車のスーパーハイトワゴンでは、スペーシア、タント、さらにルークスが直接的なライバルとなるでしょう。
N-BOXと比較した実燃費の違いを見ていきます。
■スズキ スペーシア
スペーシア
スペーシアはマイルドハイブリッドを搭載しているので、実燃費もよいものになっています。FFモデルのe燃費のデータでは、ハイブリッドのNAエンジンで実燃費は18.79km/Lとなっていました。ターボモデルで14.94km/Lです。
平均燃費ですので、郊外を中心として走行する場合には、さらに低燃費な場合も報告されています。走行シーンによって異なるものの、マイルドハイブリッドを搭載している分、N-BOXよりも低燃費といえるでしょう。
■ダイハツ タント
タント
タントのe燃費による実燃費はFFのNAモデルで16.95km/Lとなっています。ターボモデルの場合には15.78km/Lです。
タントはマイルドハイブリッドなどを搭載しておらず、一部グレードに装備されるエコドライブアシスト照明付のドライブアシストイルミネーションによって、エコ運転をサポートします。
※e燃費より
■日産 ルークス
ルークス
日産のルークスは、スマートシンプルハイブリッドが搭載されており、モーターによるアシストがあるので低燃費を実現しています。
e燃費のデータによる実燃費は、FFのNAモデルで17.04km/L、ターボモデルになると16.06km/Lになります。ルークスも郊外を走行するシーンが多いなら、さらに低燃費になる可能性もあるでしょう。優劣が付けづらいほど低燃費ですね。
※e燃費より
まとめ
N-BOXの燃費情報を見てきましたが、現行モデルはNAエンジン、ターボエンジン共に低燃費になっています。走り方によって左右されるものですが、どちらのパワーユニットでも力強く走ることができますし、カタログ燃費に近い数値が出ています。郊外の道や高速道路の走行シーンが多いのであればターボ、市街地がメインならNAエンジンを選択するとよいでしょう。