軽だから…の言い訳無用!最新軽の快適性は普通車顔負け
日産 ルークス インテリア
車両価格や税金の安さがイメージされやすい軽自動車。もちろんコストパフォーマンスに優れていることも軽自動車の大きな魅力ではありますが、なんとなく安かろう悪かろうのイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、2021年の今、軽といえばベーシックさが第一で、豪華装備や快適性は二の次、安さの妥協の結果に軽自動車を選ぶ、なんて考えはもはや遠い過去の考え方。お手頃なお値段は維持しつつ、普通車クラスを脅かすような装備や乗り心地を備えた軽自動車がたくさん登場しているからです。
消極的にではなく、積極的に選びたくなる魅力いっぱいの最新軽自動車たち。その中でも、乗り心地が良くておすすめな車種を4台ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
■乗り心地って、そもそも何だろう?
《画像提供:Response 》三菱 eKスペース
「乗り心地がいい車」という言葉に、具体的な定義がある訳ではありません。そもそも自動車が走る路面はうねっていたりデコボコだったりと平坦ではない場合がほとんどで、普段のドライブでは、車の乗り心地が悪いのか、路面の乗り心地が悪いのかを切り分けるのが難しいという面もあります。
強引ではありますが、「乗り心地のいい」という言葉は、乗っていて快適でリラックスできる感覚を示す、とまとめてしまうこともできるかもしれません。
サスペンションが路面の不整を全て吸収できなくても、車の挙動が落ち着いていて、運転するたびに安心感を感じられるような車があります。そのような車は、同乗者にとっても快適である場合も多く、きっと多くの人が「乗り心地がいい」と感じることでしょう。
あなたにとっての「乗り心地」とは何か、少し考えてみると、次の愛車選びの参考になりそうですね。
■プレミアム化が進む軽自動車、乗り心地もさらに高級志向に
ダイハツ タント
先述したように、2021年の軽自動車は、コスパは気にしつつもあらゆる装備が備わる豪華さ重視のモデルが多くなっている印象もあります。
スーパーハイトワゴンなどのように、同等装備の普通車と比べても車両価格の差がなくなってきている軽自動車も見られるなど、全体的に高級志向なモデルが人気です。
その結果、軽自動車に求められる乗り心地性能も大きく変化しており、軽自動車の主戦場とされてきた街中だけではなく、流れのいい高速道路やワインディングロードでまで総合的に優れた乗り心地を持つことは、人気の車種にとっては必須事項になっています。
この結果、走行性能や快適性でも普通車を超えたと評されるモデルも登場しているなど、技術の革新が非常に早いスピードで進んでいることがわかります。
乗り心地のいいおすすめ軽自動車3選
■ホンダ N-BOX:ドライバーもパッセンジャーも納得の乗り心地
ホンダ N-BOX(左)、N-BOXカスタム(右)
軽自動車というくくりだけではなく、普通車まで含めた国内新車販売台数で2017年から2020年まで4年連続No.1という圧倒的な人気を誇るのがホンダ N-BOXです。
高性能な二輪車で名声を広げたのち、四輪車市場へ進出した際は軽トラだったなど、軽自動車との関わりも深いホンダ。とはいえ近代では、販売成績面では奮わない軽自動車も多く、2011年にデビューした初代N-BOXのヒットは、起死回生のホームランとなりました。
《画像提供:Response 》ホンダ N-BOXカスタム インテリア
ブランニューで登場した初代が大きく成功したのだから、2代目は細かな修正のみの安定路線での登場を誰もが期待していましたが、2017年に登場した2代目は、なんとプラットフォームから車体、エンジンに至るまでを新造し、先代からほとんどの部品をリニューアルするという、異例のフルモデルチェンジを実施しました。
その結果、N-BOXはロングホイールベースの安定感と、全高が高めなのにカーブでもグラっとこない安心感を実現。軽自動車の常識を超えた性能を実現して、人気をさらに確立しました。シート形状にも定評があり、長時間乗っても疲れにくいところも乗り心地に大きく貢献しています。
ホンダ N-BOXのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,790mm | |
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ホイールベース | 2,520mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 940kg | |
燃費 | WLTCモード:20.2km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリンターボ 658cc | |
エンジン最高出力 | 47kW(64PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 104N・m(10.6kgf・m)/2,600rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 1,645,000円(消費税抜) |
■スズキ ハスラー:意外?!ストロークが長い「猫足」感覚
《画像提供:Response 》スズキ ハスラー
世界的なSUV人気の波は軽自動車にも波及しており、軽クロスオーバーSUVのハスラーの人気も高まっています。丸いヘッドランプなど愛嬌のあるエクステリアデザインもハスラーの大きな魅力ではあるものの、実は乗り心地でも非常に高い評価を得ており、こちらも軽の枠を超えていると話題になっています。
最低地上高をしっかりめに取ったSUVらしいスタンスは、悪路走破性だけでなく、オンロードでのしなやかな乗り心地にも貢献。全高がそこそこの高さに抑えられており、軽量・高剛性なボディを持つハスラーはサスペンションをガチガチに固める必要がなく、細かな路面のデコボコをきれいにいなしてくれます。
《画像提供:Response 》スズキ ハスラー インテリア
このサスペンションがよく動く感覚は、サスペンションセッティングの妙だけで実現したものではありません。
ハスラーは、スズキの新プラットフォーム「ハーテクト」によるアンダーボディの強さに、左右のピラーやハッチゲート開口部などの骨格を輪のようにつなげる環状骨格構造を用いたアッパーボディの強さ、その上でスズキ初採用となる構造用接着剤の使用などによって、サスペンションの動きを邪魔しない骨太なボディを実現。
軽自動車の未来を感じさせるような、優れた乗り心地を実現しています。
スズキ ハスラーのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,680mm | |
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ホイールベース | 2,460mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 820kg | |
燃費 | WLTCモード:25.0km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリンハイブリッド 657cc | |
エンジン最高出力 | 36kW(49PS)/6,500rpm | |
エンジン最大トルク | 58N・m(5.9kg・m)/5,000rpm | |
モーター種類 | 直流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 1.9kW(2.6PS)/1,500rpm | |
モーター最大トルク | 40N・m(4.1kg・m)/100rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 1,380,000円(消費税抜) |
■ダイハツ コペン:スポーティな乗り心地が気持ちいい
《画像提供:Response 》ダイハツ コペン セロ
2022年3月でホンダ S660が生産終了となることが発表されており、それ以降は市場唯一の軽2シータースポーツカーとなる見込みのダイハツ コペン。電動開閉式ルーフ「アクティブトップ」を備えるコペンは、軽自動車としてだけでなく、国産車としても貴重なフルオープンタイプの車でもあります。
ルーフのロックを手動で解除すれば、スイッチを操作するだけで約20秒後にはオープンエアドライブが楽しめるというコペンは、軽自動車で随一の贅沢な車かもしれません。
《画像提供:Response 》ダイハツ コペン セロ インテリア
2シータースポーツカーということで、乗り心地はガチガチで長距離は疲れるようなイメージもあるかもしれませんが、コペンの乗り心地はハードではあるものの、不快なほどではなく、スポーツカーらしさを味わえるちょうどいいバランス。
オープンカーながらボディ剛性が非常にガッチリとしているので、サスペンションが素直に動き、気持ちの良いドライビングフィールでドライバーを魅了すること間違いなしです。
サーキットなどでより攻めた走りをしたい方なら、ビルシュタイン製ダンパーでのより締まった乗り味の「S」グレードや、トヨタガズーレーシングとのメーカーの垣根を超えた異色コラボ「GRスポーツ」グレードを選んでみるのも楽しそうですね。
ダイハツ コペンのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,280mm | |
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ホイールベース | 2,230mm | |
最大乗車定員 | 2名 | |
車両重量 | 850kg | |
燃費 | WLTCモード:18.6km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリンターボ 658cc | |
エンジン最高出力 | 47kW(64PS)/6,400rpm | |
エンジン最大トルク | 92N・m(9.4kg・m)/3,200rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 5MT | |
新車価格 | 1,737,000円(消費税抜) |
■ホンダ N-ONE:気分は高級セダンのリラックスドライブ
《画像提供:Response 》ホンダ N-ONE プレミアムツアラー
軽自動車の中でも特にベーシックなキャラクター扱いを受けるのが、全高が低めのセダンタイプ。スズキ アルトやダイハツ ミラなど、歴史の深い車名が現在まで続いているタイプではありますが、それらの車種の存在感は、よりユーティリティ性に優れたハイトワゴン系などによってかなり薄れているように感じられます。
そんなセダン系で、プレミアムコンパクトとしてのキャラクターを存分に発揮しているのがホンダ N-ONE。ホンダの軽「Nシリーズ」でもっとも全高の低い車種でありながら、なんとエントリー価格はシリーズでもっとも高くなっており、スーパーハイトワゴンのN-BOX以上に高級志向なことがうかがえます。
《画像提供:Response 》ホンダ N-ONE プレミアム インテリア
N-ONEは、Nシリーズならではのロングホイールベースによる落ち着いた挙動や、優しい乗り心地だけでなく、静粛性にまで気を遣ったまさにプレミアム軽。N-ONEが軽自動車初採用だった「遮音機能付フロントウィンドウガラス」をほとんどのグレードで装備するなど、乗り込んで、走り出して実感できる静けさは、まるで高級セダンを思わせます。
最新プラットフォームの採用による、広い速度域で落ち着いた乗り味は、ドライバーだけでなく同乗者にも好評間違いなしです。
ホンダ N-ONEのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,545mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,520mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 840kg | |
燃費 | WLTCモード:23.0km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリン 658cc | |
エンジン最高出力 | 43kW(58PS)/7,300rpm | |
エンジン最大トルク | 65N・m(6.6kgf・m)/4,800rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 1,618,000円(消費税抜) |
乗り心地を改善するなら、タイヤにもこだわってみて
ブリヂストン REGNO GRレジェーラ(軽自動車専用タイヤ)
これからご購入予定の軽自動車や、今お乗りの軽自動車の乗り心地に満足できていないという方なら、ぜひこだわってみてほしいのがタイヤの銘柄です。
近年の軽自動車は、過熱する燃費競争の影響もあって多くのモデルが低燃費タイヤを標準装着しています。それらの低燃費タイヤは、往々にしてタイヤのサイドウォール部が硬めに作られていることが多いなど、乗り心地面ではマイナスの要因となりがちです。
軽自動車のタイヤサイズは14〜15インチが主流で、交換用タイヤも意外とリーズナブル。少し奮発してこだわりの軽専用高級タイヤなどを装着すれば、愛車が見違えるような乗り心地位に変貌するかもしれませんよ。
また、高級タイヤを装着するメリットとして、静粛性の向上も挙げられます。車両重量やスペース的に余裕のある普通車とは違い、軽自動車では遮音材などが十分に備わっておらず、タイヤの唸りが聞こえてきやすい車種もあります。
静粛性にも考慮されたタイヤを選ぶことで、同乗者との会話も弾む、ロードノイズの少ない静かな室内を実現できることでしょう。
まとめ
ホンダ N-BOX
乗り心地がよくおすすめな4台の軽自動車をご紹介してきました。
軽自動車は普通車と比べると乗り心地に劣るというのが定説でしたが、電子制御サスペンションやエアサスペンションなどの飛び道具を持たない軽自動車であっても、セッティングの妙やボディ剛性の向上で、ヘタな普通車より優れた乗り心地を実現している軽自動車も存在します。
今や軽自動車は、都市部だけでなく高速道路を使っての遠出や、オフロードの先のキャンプ場などへの移動にも用いられる時代。次の愛車を検討中なら、乗り心地重視でしっかりと吟味して、快適なカーライフを送りたいところですね。
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よくある質問
■乗り心地はどんな要素が影響するの?
自動車の乗り心地の良し悪しに関して、軽視できないのがボディの剛性です。しっかりとした骨格を持っていないと、サスペンションが路面の不整を吸収しきれなかったり、ボディ自体が細かく揺れたりして「乗り心地が悪い」と感じるシーンが増えてしまいます。また、ホイールベースの長い車は車体の揺れがマイルドに感じられ、乗り心地に優れていると評されることが多いです。
■軽自動車で乗り心地を重視するなら何をチェックすべき?
パッセンジャーにとって乗り心地がいい軽を探すなら、シート、特に後席に関して、座面の分厚さや柔らかさ、コシがあるかどうかなどをチェックしておくとよいでしょう。軽自動車は、格納時の使い勝手を優先して後席は薄めに作られている場合もあるためです。