愛車のブレーキランプが点かない、消えない?トラブルは突然に
フォルクスワーゲン ゴルフ
近年の自動車は信頼性が非常に向上しているため、毎日の運転でなんらかの故障を経験することも減っているように感じられます。とはいえ自動車は交換が必要な消耗部品も多く、問題なく作動していることをしっかりチェックしておかないと、気づかないうちにトラブルに発展してしまっているおそれもあります。
車に装着されている多くのランプの中でも、ブレーキランプやテールランプは、不点灯状態では交通違反として罰則の対象になってしまう重要度の高い部品です。とはいえ、日々ブレーキランプとテールランプの点灯を確認してから運転するという方は極めて稀かもしれませんね。
この記事では、突然やってくる球切れなどによってブレーキランプやテールランプが不点灯となってしまった場合の罰則の詳細や、点灯しないブレーキランプやテールランプの交換ができるかどうかの判断方法、交換のやり方など、お役立ち情報をまとめてご紹介していきます。
■ブレーキランプやテールランプは、1箇所の球切れでも罰則対象
ブレーキランプとテールランプの構成は車種によっても大きく異なり、1つの電球で兼用している車種もあれば、それぞれ別の電球で点灯させる車種もあります。どんな点灯構成であれ、正しい点灯状態から電球が1つ切れてしまっただけでも車検には合格できないとされ、整備不良として罰則対象となる可能性があります。
厳しいようですが、近年採用が進んでいるLEDタイプのテールランプやブレーキランプでは複数のLEDを並べて配置しているものも多く、それらのうちのLED1つだけが不点灯の状態でも、車検不適合と判断される場合もあるほどです。
また、不点灯だけではなく、規定の明るさまで達しないような暗い状態でしか点灯しないなどの場合でも、車検には合格できません。
車検に合格しないランプの状態で車を運転することは「整備不良(尾灯等)」という違反にあたり、違反点数1点と、反則金として普通車で7,000円、二輪車で6,000円、原付で5,000円などの対象となる場合があります。
普段の運転では、片方のブレーキランプやテールランプが点灯していなくても、もう片方が点灯しているとなかなか気づきにくい場合もありそう。とはいえランプが正しく点灯していないと、特に夜間では後続車などへ正しく自車を認識してもらえないなど、重大な交通事故にもつながりかねませんので、厳しく取り締まられるのも無理はないでしょう。
整備不良(尾灯等)による反則金額まとめ表
車種 | 反則金額 |
---|---|
大型車 | 9,000円 |
普通車 | 7,000円 |
二輪車 | 6,000円 |
小型特殊車・原付車 | 5,000円 |
■点かないだけでなく、点きっぱなしトラブルもありうる!こちらも違反
自動車のテールランプは、ブレーキランプと比べて暗めの光でポジションランプの点灯中は常時点灯しています。その状態でブレーキペダルを踏むと、ブレーキランプからより強い光が発せられるので、テールランプが点灯した状態でもブレーキ操作が後続車にしっかり伝わるようになっています。
しかし、ブレーキペダルのスイッチ部の不具合や故障などによって、ブレーキペダルを踏んでいなくてもブレーキランプが点灯し続けてしまう故障が発生する場合もあります。
当然ながら、自車のブレーキ操作を周囲に正しく伝えられなくなってしまうこの状態は、やはり整備不良として罰則対象になる可能性がありますし、ブレーキランプはエンジンがかかっていなくても点灯するため、駐車中などに点灯しっぱなし状態で放置してしまうとバッテリー上がりの原因にもなります。
ブレーキペダルのスイッチ部が劣化しがちな低年式車などでは、このような故障にも心の準備をしておく必要があります。
【どうチェックする?】日常に取り入れたいブレーキランプ点検法
■車種によって構成が違う!白熱電球とLED、愛車はどっち?
日産 GT-R LEDテール/ブレーキランプ
ブレーキランプやテールランプは、車種によって点灯させている部品も異なります。近年ではLEDを用いたタイプが広まりを見せており、白熱電球タイプはだんだん少なくなってきています。とはいえ世の中には白熱電球を用いている車も多数存在しますので、ご自分の愛車がどちらのタイプを使っているか確認する必要があります。
わかりやすい判断方法としては、小さめな点灯部が複数並んでいる場合はLEDタイプのことが多く、またほんの少しボヤっと時間をかけて点灯し、ほんの少しボヤっと時間をかけて消灯するタイプは白熱電球タイプのことが多いです。
とはいえ、これらの判断基準は車種によってランプの構成や光らせ方が異なる場合もあり、あてにはならない時もあります。もっとも確実な方法としては、車両の取扱説明書などで使用されている電球やLEDの種類を確認するのがよいでしょう。
このうち、白熱電球を用いたブレーキランプやテールランプは、ユーザーがDIYで交換可能なものがほとんどです。
■切れやすいのは白熱電球タイプ、純正LEDタイプが切れると高いかも…
白熱電球は、電球内部にフィラメントと呼ばれる細い金属線を持っていて、電気が通るとフィラメントが加熱されることで発光する光を利用しています。そのため、内部のフィラメントが劣化したりちぎれたりしてしまうと、光が弱くなったり点灯しなくなったりしてしまいます。
白熱電球の点灯時間には限界があるほか、車体から伝わってくる振動などによってもダメージを受けてしまうこともあるので、不点灯状態になってしまって交換する頻度は比較的高めといえるでしょう。
対するLEDタイプは、基本的には交換の必要なし。非常に長時間にわたって点灯が可能なので、一般的にはメンテナンスフリーとなっており、そもそもLED部分が交換できるような構造になっていない車もしばしばみられます。
しかし、LEDも無敵ではなく、なんらかの原因で点灯しなくなってしまうことも。単体のLEDとして交換ができない構造のブレーキランプやテールランプなどでは、たとえLED1つが点灯しないだけでもランプ筐体ごとの交換が求められる場合も。メンテナンスフリーで楽なLEDタイプは、いざ故障した時に金銭的ダメージが大きめになりがちです。
白熱電球やLEDには問題がなく、テールランプの配線やコネクターなどに不具合が発生している場合もあります。たとえば白熱電球を交換してもまだ点灯しない場合は、カーディーラーや整備工場などで状況を確認してもらうことが必要です。
■【ひとりでできる?】ブレーキランプの点検方法
ランプ類は日常点検として頻繁に確認することをおすすめしましたが、他のランプと違って一人での確認が難しいのがブレーキランプです。ヘッドランプやウィンカーなどは、操作をした後は点灯が続くので、車外に出て自分で確認がしやすいですが、ブレーキランプはブレーキペダルを踏む必要があるので、確認が難しくなっています。
簡単な方法としては、車両の後部の壁などを使って、反射で確認する方法があります。窓ガラスなどの光沢のある面を利用すると、はっきりと確認がしやすいです。また近年ではスマートフォンをお持ちの方も多いですので、車両後ろに置いたスマートフォンのカメラで動画撮影をしておき、ブレーキペダルを操作することでも、確実な確認ができるでしょう。
また、ちょうどよい長さの棒状のものでブレーキペダルを踏んだ状態に固定するなどすれば、自分で車外に出て確認することができますね。
もっとも確実なのは、誰か別の人に点灯状態を確認してもらうこと。不安な時は、カー用品点などで確認を依頼してみてもよいかもしれませんね。
どの方法で確認するにしても、ブレーキランプの点検は安全のためにエンジンを切った状態で行うのがベストです。不意に車が動き出したりしないよう、注意しながら確認してみてください。
バルブタイプなら自分でカンタン交換!注意ポイントや手順
《画像提供:Response 》ホンダ ブリオ(海外仕様車)
■まずは、どの規格の電球が使われているかをチェック!
先ほどブレーキランプやテールランプには白熱電球を使用したタイプとLEDを使用したタイプがあることをお伝えしましたが、白熱電球を使用したタイプなら、球切れなどで点灯しなくなってしまった場合にDIYで電球を交換することができます。
車のブレーキランプやテールランプに用いられている電球には規格が定められており、ご自分の愛車がどの規格の電球を使っているのかをしっかり確認しておかないと、交換用の電球を手配することができませんし、違う規格の電球では交換しても正しく点灯しなかったり、そもそも交換自体ができなかったりします。
カー用品店などでは、車種ごとの電球の規格適合情報が一覧になった適合表なども利用できますので、愛車の車種や年式、グレードなどを参照してチェックすることもできます。また近年では自動車メーカーや電球メーカーのWebサイトで適合する電球規格を検索できるサービスも展開されていますので、それらを利用してもよいでしょう。
確実な方法としては、車両の取扱説明書を参照することでも確認ができます。
■DIYで交換!ブレーキランプ・テールランプの交換方法
《画像提供:Response 》リヤコンビネーションランプ構造 イメージ
LEDタイプのブレーキランプやテールランプが点灯しなくなった場合は、DIYで対処しようとせず、速やかにカーディーラーや整備工場などで点検を受けることがおすすめです。
電球タイプのブレーキランプやテールランプでは、ユーザーがDIYで交換することも比較的容易ですが、交換方法は車両の取扱説明書などの指示に従うことが大事です。
車種によっては、車内側からランプ裏側に手が届くメンテナンスホールが用意されていて、スムーズに電球交換ができるものもありますが、交換時にランプ筐体を丸ごと車体から取り外す必要があるものなどもあり、作業を間違えてしまうと電球以外の部分にまでダメージが広がってしまいかねないものもあります。
そのため、作業が不安な方は、カー用品店やカーディーラーなどで、交換作業を依頼するのもよいでしょう。
基本的な作業手順としては、正しい規格の交換用電球をあらかじめ用意しておき、エンジンを停止させた状態で切れてしまった電球のソケットをランプ筐体からひねって取り外し、点灯しなくなった電球と新しい電球を交換し、ソケットを元通りに戻せば交換完了。交換した電球が正しく点灯することを確認したら、作業は終了です。
ブレーキランプ以外にもこんなランプの不点灯に注意
ウィンカー 点灯イメージ
自動車に取り付けられているランプ類は、夜間でも前方視界をしっかり確保したり、右左折などの意思やバックギアに入っていることを伝えたり、ブレーキ操作を伝えたりと、どれも大事な役割を持つものばかり。そのため、正しく点灯していないランプ類があれば、ブレーキランプやテールランプに限らず整備不良として罰則対象となる可能性があります。
時折、ウィンカーを点灯させずに交差点を曲がる車や、異常に早い周期でウィンカーが点滅している車を見かけることがあるかと思います。ウィンカーが点灯していない場合はドライバーが操作をしていない可能性もあるものの、これらのケースでは前後どちらかのウィンカー球が切れてしまっているなどの故障の可能性も考えられます。
普段から安全運転を心がけていても、ウィンカーやブレーキランプなどが点灯しない状態では、相手に自分の意思がきちんと伝わらず大事故につながりかねません。自動車のランプ類は、日常点検として頻繁に点灯状態を確認しておきたいところですね。
まとめ
ブレーキランプやテールランプが点灯しない場合の罰則の内容や、確認の仕方などをご紹介してきました。
普段の運転中は、他の車のブレーキランプやテールランプは目に入るものの、自分の車のブレーキランプやテールランプは、意識しないと点灯・非点灯が判断できません。
ブレーキランプなどが点灯していないなどの不具合や故障で事故の危険性を高めてしまったり、違反点数や反則金を支払うハメになることのないよう、普段から点灯状態をしっかり確認しておきたいところですね。
よくある質問
■ブレーキランプが片側だけ点かなくなっちゃった。これでも違反?
整備不良にあたるため、違反です。車両のブレーキランプやテールランプは、車両の存在や減速の意思を示すだけでなく、左右に取り付けられていることで車両の幅を伝える意味も持っています。そのため、片側だけや1箇所だけ点灯していない状態でも、整備不良として罰金と減点の対象になる場合があります。
■点かなくなったブレーキランプって、自分で交換できるの?
車種にもよりますが、電球タイプのブレーキランプなら、DIYでも電球の交換ができる場合が多いです。純正でLEDタイプのブレーキランプでは、内部のLED部分だけでなくブレーキランプを丸ごと交換する必要がある場合もあります。まずは、愛車のブレーキランプがどんな構造か、しっかり確認してみるとよいでしょう。
車の日々点検はブレーキランプの確認を!罰則や確認方法・交換方法を解説|車買取・車査定のグー運営
https://www.goo-net.com/kaitori/kaitori-satei/tenken-syaken-gimon/4549/車を運転していて突如おこるブレーキランプの電球切れ。日常点検していても忘れがちです。今回はそんなブレーキランプの罰則や確認方法、交換方法などについて解説します。
ブレーキランプがつきっぱなしの時は要注意!原因や対処法を解説 | バイクライフをより楽しくさせる! グーバイクマガジン
https://www.goobike.com/magazine/maintenance/repair/169/ブレーキランプがつきっぱなしの状態で走行を続けると、事故の危険性が非常に高くなってしまいます。そのため、早めに対処を行なう必要があります。そもそも、なぜブレーキランプがつきっぱなしになってしまうのか、どのような異常でブレーキランプがつきっぱなしになるのかと疑問に思う方も多いでしょう。
ブレーキランプやテールランプの交換方法は?費用や対処法を紹介 | より良いカーライフのためならカルモマガジン
https://car-mo.jp/mag/category/tips/carlife/exchange/brakelamp/ブレーキランプやテールランプなど、車のライトが切れた状態での走行は整備不良とみなされてしまいます。これらのランプは片方だけ切れることも多く、日々の点検が重要です。そこで、ブレーキランプやテールランプが切れたときの交換方法や費用、切れたまま走ったときの罰則などについてご紹介します。