思わぬところでガリッ!車の擦り傷は精神的ダメージ「大」
《画像提供:Response 》ボディへのダメージ イメージ
車を運転する方なら誰しも、遅かれ早かれ車を擦ってしまうことがあるのではないでしょうか。
愛車に擦り傷を付けてしまった時の心のダメージはかなり大きなもの。体験したくはないものの、気をつけて運転していても判断ミスや確認不足などで、擦り傷をつけてしまうことがあります。
近年は車両前後方向にはコーナーセンサーなどが標準装備されているモデルも多いですが、それでも左右方向の巻き込みや壁との接触など、センサーが感知しきれない方向で擦ってしまうことも。
ご自宅の駐車スペースで、近くの狭い道で、慣れない旅先でと、さまざまなタイミングが想定される擦り傷。この記事では、すでに擦り傷を作ってしまった方向けに、どう対処するべきか、ご自分でキレイにする方法はあるかなど、擦り傷に関する情報を詳しくまとめていきます。
■【擦ってしまったら】焦りは禁物!まずは落ち着いて停車
車を運転中に「ガリッ」と音がすると、どうしてもパニックになってしまいがち。しかし、ダメージを最小限に抑えるためにも、一度擦ってしまった際には焦らないで対処することが大事です。
ガリッと擦ってしまった場合、ありがちなのはそのままアクセルを踏んでしまい、進行方向に無理に脱出してしまうこと。
不必要にダメージを拡大しないためにも、擦った時点で落ち着いて車を停車させ、周囲の安全を確認してから逆方向に一度車を動かして、切り返して擦り傷を最小限に通り抜けられると理想的でしょう。
安全に降車ができる状況なら、一度車を停車させてから車外に降りて、周辺の状況や脱出方法を検討してみるとより確実です。
車は力がある乗り物なので、軽い擦り傷だけで済むはずだった事故でもアクセル操作だけで周辺の部品に大きくダメージを与えることも。また周囲の歩行者や車両への二次被害があってもいけませんので、できるだけ落ち着いて、しっかり安全を確保しながら対処することが賢明です。
■擦り傷を放置は思わぬダメージも!長く乗りたいなら早めの対処が吉
街中を走っている車を観察していると、ボディの擦り傷や凹みが残ったままの車を運転されている方も意外と多数見受けられます。車を修理に出すのは時間的な都合や予算的な都合で面倒も重なるほか、軽い傷だけだし、直してもまたこするかもしれないから、と思ってしまいがちですよね。
しかし実は、擦り傷でも早めに対処しておくことが肝心。外観のキレイさの問題ではなく、擦り傷によって塗装の下の鉄でできた車体に長期的なダメージを与えてしまう可能性があるからです。
自動車の塗装は、オーナーの個性を発揮したりその車のキャラクター性を引き立てたりする目的もあるものの、鉄でできた車体を汚れや錆などから守るという役目も負っています。そのため、擦り傷などで塗装が剥がれてしまうと、その部分の車体が錆びてしまうこともあります。
錆は、発生した箇所が小さくても、時間が経つと周辺にまでダメージが広がってしまうもの。車体の強度を下げてしまう可能性もあるので、お乗りの車を長く使いたいなら、擦り傷などのダメージは早めに修正しておきたいところです。
どんなシーンで擦り傷がつきやすい?よくあるポイントまとめ
《画像提供:Response 》レクサス IS イメージ
■狭い道の曲がり角やカーブ:左右どちらかに気を取られがち
擦り傷を作りやすいシーンといえば、狭い道は外せません。特に狭い道へ入っていく曲がり角や、道幅が広くないカーブなどでは、車両の四隅を擦ってしまう可能性が高まります。
車両の右側方向は目視もしやすくわかりやすいものの、左側は運転席から遠いので感覚が掴みにくい場合も。車両左側の見込み違いで障害物と接触してしまったり、逆に左側だけに意識が集中してしまって右側の障害物を見落としてしまったりする可能性もあります。
■対向車とのすれ違い時:塀も怖いが、対向車との接触も怖い!
こちらも狭い道で起こりがちですが、対向車とのすれ違い時も擦り傷を作りやすいシーン。車両左側の壁や障害物などだけでなく、右側を対向車と接触させてしまう場合もあるかもしれません。
歩道の縁石など高さが低い障害物は運転席から意外と分かりにくい場合もあり、車を左側に寄せていった先で擦ってしまうことも。タイヤやホイールへのダメージにも発展しかねませんので、注意しておきたいところです。
■道路脇の枝や草などと接触:山道あるある!ボディを貫く線キズ
比較的道幅の広い場面であっても、木の枝や草と接触してしまうことで、ボディに擦り傷ができてしまう場合もあります。普段車通りが少ない場所などでは、道路脇の整備があまりされておらず、枝や草が車道方向に飛び出してしまっていることも。
草程度でボディが傷つくの?とお考えかもしれませんが、意外と硬い葉を持つ草もあり、接触しながら走行すると車両前後方向に長い線状の傷が残ってしまう場合も。対向車とのすれ違い時など道路左寄りに寄せなければならないシーンでは、枝や草の確認もしておくとベストですね。
■アクセサリーやバッグが車体と接触:金属製アクセサリーは要注意
走行中以外にも車体に擦り傷がついてしまうシーンも。例えば駐車場などで、車を降りて歩き出す際に、身につけたアクセサリーやお持ちのバッグ類が車体と接触して、傷がついてしまう場合もあります。
ご自分の車ならまだ気持ちの整理もつけやすいですが、駐車場などで他の車に擦り傷をつけてしまうと大変です。金属製のアクセサリーや、柔らかな素材のバッグでもバックルや底鋲などが車体と接触しないよう、しっかり気をつけておく必要があるでしょう。
擦り傷の直し方は?傷の種類別に対処法をチェック
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なるべく作りたくない擦り傷ですが、できてしまったものは早めに直してしまいたいものですよね。
ここからは、擦り傷の種類別に、どのような対処法があるかを解説していきます。
■浅い傷:軽く磨いてやることで目立たなくなる場合も!
《画像提供:Response 》コンパウンド イメージ
ボディの表面にうっすらと跡が残っている程度の擦り傷なら、ご自分での対処も比較的チャレンジしやすいです。
ごく浅い傷は、ボディカラーのクリア層にしか到達していないこともあります。傷はエッジ部分に光が反射して白っぽく見えることで目立ちますが、エッジ部分を磨いて落としてやると目立たなくできたり、クリア層を残したまま傷を消し去ってしまうことができます。
目安としては、擦り傷を水で濡らしてみた時に、傷が見えなくなってしまう程度なら、傷が浅めなので対処がしやすいでしょう。
浅い傷への対処には、コンパウンドと呼ばれる磨き剤で対処しましょう。ペーストの中に研磨粒子が無数に含まれているので、スポンジにとって軽くこすることでボディ表面を磨くことが可能です。
コンパウンドには磨き剤の粒子の粗さで種類がたくさんあります。浅めの擦り傷に対処するなら、車体の汚れをしっかり落とし、はじめは細目、続いて極細目と順に粒子径を細かくしていきながら傷の入った部分を磨きます。
トライアルセットなどとして、複数種類のコンパウンドが揃っている商品なども用意されていますので、それらを入手すると簡単ですね。
■深い傷:塗装が必要、DIY作業のハードルは高め
《画像提供:Response 》長野県自動車鈑金塗装技能競技大会2019の様子
塗装表面だけでなく、下地が見えてしまっているような深い擦り傷の場合は、専門の塗装業者や修理業者などに修理を依頼するほうが確実です。
とはいえ、修理費用は安くはありません。カー用品店やホームセンターなどで、スプレーペイントタッチアップペイント、パテなど、補修用の部材を揃え、DIYで補修にチャレンジすることも可能です。DIYでの補修は、慣れた方でないと傷部分だけを綺麗に修正するのは難易度が高く、事前にしっかりと補修方法やコツをリサーチしておきましょう。
DIYで簡単に補修するなら、線上の傷ならタッチアップペンで塗料をのせます。表面がささくれだっていたりサビや汚れが残っていてはいけませんので、サンドペーパーで研磨し、傷表面を脱脂、ちょっぴり厚めに重ね塗りして完全に乾燥させ、サンドペーパーとコンパウンドで周囲の塗装と馴染ませると、深めの擦り傷でもかなり目立たなくすることができるでしょう。
擦り傷を修理に出す先はどこがおすすめ?
《画像提供:Response 》板金塗装 イメージ
擦り傷をプロに修理してほしいなら、カーディーラーや自動車販売店、傷修理専門ショップ、板金塗装業者のいずれかに依頼します。
カーディーラーや自動車販売店は、自社や自店舗での板金修理は行わない場合も多く、提携している板金塗装業者に修理を委託している場合も。そのこともあって修理費用がやや高めになることもあるので、付き合いのある店舗での修理という安心感とコスパとのバランスをしっかり検討しておきたいところです。
傷修理専門ショップは、フランチャイズ形式で出店している店舗も多く、傷の状態に応じて明確な定額制を採用しているところも。お近くに店舗があるなら、WEBサイトや電話などで相談してみたり、店舗に車を持ち込んで見積もりをとってもらうなどしてみるとよいでしょう。
お近くに板金塗装業者がある場合は、カーディーラーや自動車販売店を介さずに直接修理依頼ができれば、短時間で格安に修理が可能な場合もあるかもしれません。
■擦り傷の修理、車両保険は使えるの?
車両保険のプランにもよりますが、擦り傷の修理でも車両保険が使える場合もあります。
ただし、プランによって車以外の物との接触や衝突による事故でできた傷や、当て逃げなど相手の車と運転者がわからない事故でできた傷などは車両保険の対象外としているものあるので、ご契約の車両保険がどのようなタイプなのか確認しておきましょう。
また、車両保険は使用すると保険等級が下がってしまい、次年度の保険料が上がってしまいます。必要な修理の費用によっては、自費で修理費を負担した方が長期的にはコストメリットが出る場合もあるので、修理代金の見積もりを取るなどした後で、契約している自動車保険会社に相談してみるのがよいでしょう。
まとめ
《画像提供:Response 》レストア イメージ
擦り傷を起こしやすいケースや、いざ擦り傷がついてしまった場合の直し方などを紹介してきました。
できればつけたくない擦り傷ですが、ついた後にを悔やんでも仕方ありません。大事な愛車だからこそ早めに修理して、教訓としてこれまで以上に気をつけて安全運転を心がけるようにしましょう。
よくある質問
■車の擦り傷、自分でも直せるの?
傷の深さにもよります。浅めの傷なら軽く磨くだけでも傷を目立たなくすることも可能ですが、一定以上深い傷になると、専門業者に修理してもらうのが仕上がりがキレイでおすすめです。とはいえ、カー用品店やホームセンターで傷補修に必要な部材を購入し、DIYで傷埋めや塗装をしたりすることももちろんできます。
■車の擦り傷は放置しても大丈夫?
ボディが大きくへこんだり部品が外れてしまったような状態では正常に走行できない可能性もあるものの、ボディ表面の塗装が剥げた程度だとあまり問題はなさそうに思いがち。しかしボディの塗装は、塗装の下の鉄をサビから守る役目もあるので、剥がれてしまうとサビが進行して周辺のパネルにまで被害が拡大するおそれもあります。早めに修理することがおすすめです。
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