縁石とは?
《写真提供:response》晴海BRTターミナルの歩道縁石
縁石は、歩道と車道の部分、さらに路面電車などで乗降者の安全を確保するためのエリアを区画する境界線に設置されたもの。コンクリートでできているので、縁石ブロックとも呼ばれます。
縁石があることで、車道と歩道の境界線や植樹部分がはっきりしており、交通の整理や区画の整理にも利用されます。
路肩に敷かれているので、日常的に目にすることも多いでしょう。境界に使われるものや、車両の乗り入れ用の縁石ブロックなどがあります。
■縁石のサイズ
縁石は歩道と車道の境界に設置されるもので、サイズにも規定があります。歩道と車道を安全に分けるために、車道に対して15cm以上の高さが必要とされます。また橋やトンネルの区間では、さらに25cmまで高くできるのが特徴です。
並木や柵などで歩行者の安全が確保されている、また雨水などの排水が確保されていると、5cmまで低くできます。縁石ブロックは、様々な形状が用意されており、設置する場所に合わせて適したものを選択できるのです。
縁石に乗り上げてしまったときの対処法
《写真提供:response》新橋バス停の歩道縁石
駐車場などで縁石が見えづらくて、乗り上げてしまったという場合にはどうすればよいでしょうか?
ロードサービスなどに依頼できますが、場合によっては警察に連絡する必要があります。
■車に異常がないかを確認する
縁石に乗り上げてしまった状態では、タイヤや車体に傷が入ってしまっている可能性があります。乗り上げた状態から動かす前に、パンクしていないか、オイル漏れがないか、ホイールが歪んでいないかを確認しておきましょう。
目視で確認している状態で、異常が見つかったのであれば、運転を続けることはできません。レッカーサービスに依頼をして、修理工場まで運んでもらいましょう。
異常が見当たらない場合には、周囲の安全を確保したうえで脱出できます。しかしバックしたときに縁石に再度ぶつかることも考えられます。さらに急に車が動き出してしまう場合もあるので、慎重な操作が求められます。周囲の状況や、車のバランスに注意しながら脱出します。
■脱出後にタイヤのずれを確認
乗り上げてしまった状態から脱出できた場合でも、タイヤのアライメントのずれを確認しておきましょう。車がまっすぐ走るためには、タイヤの取り付け角度が適切でなければいけません。
アライメントがずれていると、車に異常がないと思えても、まっすぐに走ることができずコントロールが難しくなります。ゆっくりと車を走行させてみて、左右にずれていかないか確認してみましょう。
この際に、左右のどちらかに曲がっていくのであればアライメントがずれている可能性があります。動きに違和感があるなら、ホイールが変形していることも考えられます。すぐに車を停止させて、レッカー車を依頼しましょう。
■傷があるなら警察に連絡
車に傷がなくても、縁石に傷が入っていることもあるでしょう。また車に大きな傷が入っており、修理が必要となるケースも考えられます。いずれにしても、傷が入っていると警察に連絡しなければいけません。
まず縁石に傷が入ってしまった場合には、物損事故となります。傷がついただけと感じるかもしれませんが、報告をしないならば道路交通法違反です。物損事故では違反点数の加算もないのですが、報告しないなら当て逃げと判断されることも考えられます。縁石を確認してみて、傷が入っているなら警察に連絡をして手続きを行いましょう。
車に傷ついてしまった場合でも、交通事故証明書がないなら自動車保険を使えません。交通事故が起きた段階で届けないと取り扱ってもらえない可能性があります。
縁石に乗り上げて修理が必要と判断されるなら、物損事故になる可能性もあるので必ず警察に連絡しておきましょう。
■車両保険を使うのか判断する
縁石に乗り上げたときに自分の車が傷ついたのであれば、車両保険を使うことができます。
しかしエコノミー型で保証範囲が狭いなら、車両保険を使えないことがあります。また車両保険を使えたとしても、自腹で費用を支払った方が、等級ダウンに伴う保険料増額より安いことも。
保険会社に連絡したときに、車両保険を使った場合の保険料の値上がりを試算してもらいましょう。判断に迷っているなら、保険会社に確認してみることをおすすめします。
縁石の切り下げを行う場合
《写真提供:response》道路工事
敷地によっては、歩道と車道の間に縁石ブロックがあるので乗り上げできないこともあるでしょう。駐車場と道路の段差を小さくしないなら、私有地に入ることができない場所もあります。
しかし敷地は私有地でも道路は公道なので、勝手に工事することはできません。道路に私有物を置いたり、形状の変更もできないので、工事やスロープを置くこともできません。
縁石を低くすることを「切り下げ工事」と呼びますが、図面の作成や官公庁との協議が必要になります。
条件も細かく定められているので、対応できる会社に工事を依頼するとよいでしょう。
まとめ
縁石は歩道と車道の境界をはっきりさせる役割があります。万が一乗り上げてしまったときに、傷が入っているなら警察に連絡しておきましょう。縁石に傷がついてしまったときには、物損事故となりますし、そうでなくても車両保険を使うのに事故証明書が必要になることもあります。
いずれにしても、乗り上げてしまったなら車の状態をよく確認しておき、警察やロードサービスに依頼して対処していきましょう。