SUVの販売は絶好調なのに、ホンダSUVの選択肢は少なすぎ?
《画像提供:Response 》ホンダ ヴェゼル
SUVは、今やどの自動車メーカーも必ず1台はラインアップしていると思われ、世界的な人気が続いています。悪路でも安心感のある実用性や、使い勝手のよい室内空間といった機能面の魅力も人気ながら、ゴツめでアクティブなスタイルに既存の乗用車とは異なるワクワク感を覚える方も多いようで、日本市場でもSUVの売れ行きは非常に好調です。
そんな中、国産車メーカーの中でも独特な車づくりでファンも多い「ホンダ」の2022年1月時点での販売ラインアップを確認してみると、SUVはコンパクトクラスの「ヴェゼル」、ミドルクラスの「CR-V」の2台のみ。
とくにヴェゼルは登場直後ということもあり非常に高い人気を誇ってはいるものの、SUVだけで10車種もラインアップされているトヨタと比べると、寂しい印象を受けますよね。
しかし、実は海外市場向けのホンダ車の中に、日本での発売も期待したくなるような魅力的なSUVが多数存在しているのです。
この記事では、多数存在するホンダの海外専売SUVの中でも、注目の最新モデル「ZR-V」と「BR-V」に注目して紹介していきます。
昔のホンダは個性派SUVが勢揃い!今こそ欲しいモデルたち
■ホンダ クロスロード:今こそ爆売れ間違いなしのカクカク3列SUV
《画像提供:Response 》ホンダ クロスロード
クロカンSUVを思わせる角張ったデザインながら、どこか親しみやすさも感じさせるのが「ホンダ クロスロード」。海外市場向けに大型化が続いたCR-Vの弟分として2007年に登場したモデルで、全長約4.3mとコンパクトなサイズながら3列シート仕様を設定している点が特徴的でした。
1.8リッターと2.0リッターのガソリンエンジン2種類に5速ATを組み合わせるクロスロード。デザインや機能性など、2022年の今でこそヒットしそうな魅力が満載ですが、販売当時は良好な販売成績を残せず、4年足らずで販売終了となってしまいました。
最上位グレードでは当時まだまだ最新装備だったアダプティブクルーズコントロールや自動ブレーキまで標準装備だったなど、先進的な面も持ち合わせていたクロスロード。現在でもオフローダー風カスタムのベース車として隠れた人気がある名車です。
■ホンダ エレメント:国内販売2年のみ!カリフォルニアの遊び心SUV
《画像提供:Response 》ホンダ エレメント(海外仕様車)
見るからにアクティブで楽しいカーライフが送れそうな「ホンダ エレメント」は、ホンダのアメリカ法人が設計生産を担当したモデルで、国内市場では2003年から2005年までアメリカから輸入して販売されていました。
SUVとバンを融合させたようなフォルムに、無塗装樹脂を積極的に活用した無骨なエクステリアは、かなり独特な印象。全高が高めなので一見コンパクトに見えるものの、全幅は1.8mオーバーと意外と大柄なので、室内も広々としていて開放感があります。
SUVのバリエーションがさまざまに広がっている現代の目線では違和感のないスタイルですが、当時の国内市場では不評で販売成績が低迷。大ヒットして2010年まで販売が続けられたアメリカ市場とは異なり、短期間で販売終了してしまったものの、アメ車の魅力を気軽に味わえるモデルとして現在でも根強い人気があり、程度のよいいモデルは中古車相場が高騰しています。
2022年のホンダSUVは、海外市場に注目かも!
国内市場向けには「ヴェゼル」と「CR-V」の2モデルしかSUVのラインアップがないホンダ。ですが、世界的に人気のあるホンダだけに、現地のニーズを緻密に分析した海外市場向けSUVが多数存在しており、国内でも乗りやすそうなそれらのモデルに注目が集まっています。
その中から、国内市場で人気が出そうなコンパクトSUVの最新モデル「ZR-V」と「BR-V」を紹介していきます。
■コンパクトでも使い勝手良さそう!ホンダ ZR-Vがデビュー間近
《画像提供:Response 》ホンダ SUV RSコンセプト(ガイキンドインドネシア国際オートショー2021 出展車両)
「ホンダ ZR-V」は、2022年中ごろの発売が見込まれているコンパクトSUVの最新モデル。ホンダとしては公式発表をしていませんが、インドネシアで2021年11月に開催されたガイキンドインドネシア国際オートショー2021において、「SUV RSコンセプト」としてワールドプレミアされたモデルが、市販時には「ZR-V」と名付けられる見込みとなっています。
「RS」の名を持つことからもわかる通り、SUV RSコンセプトはかなりシャープでスポーティな印象。現行ヴェゼルのように、存在感をやや薄めたフロントグリルがモダンな印象なほか、リヤセクションは大胆に絞り込まれ、短い前後オーバーハングと合わせて若々しいイメージが演出されています。
日本国内ではN-ONEにのみ設定されている「RS」ですが、インドネシア市場ではブリオやシティハッチバックなど複数のモデルに設定されていて人気だそう。ZR-Vの発売時にRSグレードが設定されれば、SUVとしてはじめてRSグレードが設定されることになります。
《画像提供:Response 》ホンダ SUV RSコンセプト(ガイキンドインドネシア国際オートショー2021 出展車両)
ZR-Vのボディサイズは全長4.0m程度と、5ナンバークラスのコンパクトなものとなる見込みで、日本市場で大ヒット中のトヨタ ライズ/ダイハツ ロッキーなど同等のサイズ感覚になりそう。エレガントさをアピールする方向に進化したヴェゼルよりも、さらにコンパクトかつスポーティな仕上げとすることで、販売時の棲み分けが図られるものと思われます。
タイに本部を持つホンダR&Dアジアパシフィックとインドネシア現地法人のコラボレーションで生まれたというSUV RSコンセプト。コンセプトと銘打たれているものの、その完成度は非常に高く、市販化が近いことが感じられます。
インドネシアをはじめとした東南アジア市場やインド市場への投入が見込まれているZR-V。日本国内市場でもヴェゼルより小さいサイズのSUVにニーズはありそうですが、現時点では日本国内市場への導入予定などは発表されていません。
■今こそ欲しい3列コンパクトSUV!2代目ホンダ BR-Vが颯爽登場
《画像提供:Response 》ホンダ BR-V
最新ホンダ車のハンサムな表情を持つSUV的なスタイルで室内は3列7人乗りと、ユーティリティ性抜群のモデルが「ホンダ BR-V」です。
2代目モデルが2022年1月にインドネシア市場で発売開始された直後で、今後も新型モデルが東南アジア圏やインド市場などに投入されていく見込みのBR-V。好評を博した初代の特徴を活かしつつ、さらに装備を充実させている点もポイントです。
BR-Vは1.5リッター直列4気筒エンジンにCVTまたは6速MTを組み合わせたモデルで、ボディサイズ的にはヴェゼルよりも全長で160mm長く、CR-Vよりも115mm短い、ちょうど2台の中間程度。前輪駆動仕様のみの設定ながら220mmの最低地上高を持ち、荒れた道路環境でも安心感のあるドライブができそうです。
《画像提供:Response 》ホンダ BR-V
日本市場では、兄貴分のCR-Vには3列シート仕様が設定されていますが、コンパクトSUVへの3列シートの設定は稀。しかしアジア圏ではコンパクト3列SUVの人気が過熱しており、ライバルの多さもあってBR-Vは装備が非常に充実。ディスプレイオーディオが全車標準装備されるほか、Honda SENSINGを備えるグレードもあるなど、そのまま日本市場で発売してほしいほどです。
2022年1月現在のインドネシア市場現地価格では、もっとも廉価な「S」グレードが約220万円、17インチアルミホイールやホンダセンシングなどの先進装備が備わるトップグレード「プレステージ」では270万円台と、3列シートSUVとしてはかなりのお買い得価格となっています。
日本市場への導入は残念ながら今のところ予定されておらず、希望薄でしょう。
ホンダ BR-Vのスペックはこちら
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,490mm×1,780mm×1651-1685mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,700mm | |
最大乗車定員 | 7名 | |
車両重量 | - | |
燃費 | - | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリン i-VTEC | |
エンジン最高出力 | 121ps/6,600rpm | |
エンジン最大トルク | 14.8kgm/4,300rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車参考価格 | 342,900,000インドネシアルピア (約274.8万円) |
まだまだある!今こそ日本で乗りたいホンダ アキュラの海外SUV
《画像提供:Response 》アキュラ MDX タイプS
海外市場で展開されているSUVでは、コンパクトSUVだけでなく、現在販売されているCR-Vより大型なモデルにも注目モデルがあります。
まずは北米市場などで展開されている「アキュラ MDX」に注目。初代モデルが2003年から2006年まで国内で販売されていたこともあるMDXは、高級車ブランド「アキュラ」におけるフラッグシップSUVとなっています。
2021年に現行の4代目モデルが登場しており、全長5mを超えるボディに先鋭的なスタイルを持ち、その堂々とした存在感はフラッグシップならでは。どちらもV6の3.5リッター自然吸気エンジンと3.0リッターターボエンジンから選択できますが、日本では現在設定モデルのない「SH-AWD」設定車も用意されるなど、上質な走行性能も見どころです。
SUVやミニバンでは高価格帯モデルの人気が高まっていることもあり、アキュラ MDXが国内に導入されれば、レクサス RXの強力なライバルとして注目を集めることでしょう。
《画像提供:Response 》ホンダ アヴァンシア(北京モーターショー2016 出展車両)
また、懐かしい車名の「ホンダ アヴァンシア」にも注目が集まります。アヴァンシアは、日本市場では過去にステーションワゴンに用いられた車名ですが、現在では中国市場専用の大型SUVの車名となっており、現地法人の広汽ホンダによって2016年から販売されています。
現地ではCR-Vの上位モデルとして位置付けられているアヴァンシアは、CR-Vより大柄なボディもさることながら、大胆に傾けられたリヤウィンドウがスペシャルな印象。搭載されるエンジンは1.5リッター直列4気筒ターボだけでなく2.0リッター直列4気筒ターボをラインアップするなど、より上級な位置付けが強調されています。
兄弟車として東風ホンダから販売される「UR-V」もラインアップされるなど、中国市場では人気を博している様子。現行モデルはやや登場から時間が経っていますが、欧州輸入車で大型クーペSUVのラインアップが拡大中なこともあり、日本市場でも十分な需要がありそうです。
まとめ
《画像提供:Response 》ホンダ SUV RSコンセプト ティーザー画像
ホンダが海外市場向けに展開しているSUVのうち、ZR-VとBR-Vに注目してご紹介をしてきました。
ヴェゼルを下回るサイズのコンパクトSUVであるZR-Vや、お求めになりやすい価格帯の3列シートSUVのBR-Vは、どちらも魅力的なモデル。国内向けに安全装備を充実させれば、SUV人気だけでなく小型車人気も高まりを感じさせる日本市場だけに、ヒット間違いなしでしょう。
どちらも現時点では国内正規導入の見込みは薄いものの、今後の情勢にも注目していきたいところですね。
よくある質問
■ホンダ ZR-Vってどんな車?どこの国で売っているの?
ホンダ ZR-Vは、今後登場することが見込まれているコンパクトSUVで、2022年1月時点で市販仕様の公開はありませんが、東南アジア市場で2022年前半にも正式デビューすることが見込まれています。
■ホンダ BR-Vってどんな車?どこの国で売っているの?
ホンダ BR-Vは、2022年1月に2代目モデルが登場したばかりの最新コンパクトSUVです。スタイリッシュなSUVスタイルながら3列7人乗り仕様とユーティリティ性抜群なモデルとなっており、まずはインドネシア市場で発売されていますが、今後東南アジア域を中心に販売市場を拡大する見込みです。
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