新型シビック タイプRは、ニュルブルクリンク最速FFの座を奪還できるか!?
《画像提供:Response》〈APOLLO NEWS SERVICE〉ホンダ シビックタイプR 新型プロトタイプ ニュルテスト模様
シビック タイプRには、特別なミッションがあります。それは、「ニュルブルクリンク世界最速FF車」のタイトル奪還です。
ニュルブルクリンク世界最速FF車のタイトル争いは、2014年に始まり、当時のルノー「メガーヌR.S.トロフィーR」が7分54秒36を記録して「世界最速FF車」のタイトルをゲットしました。
すかさず、2015年にはホンダがタイトル争いに殴り込み、先々代のシビック タイプRで7分50秒63を記録し、タイトルを奪取。すると、2016年にはVWがゴルフ GTIクラブスポーツSでタイトル争いに参入し、7分49秒21をマーク。
そうすると、2017年には先代のシビック タイプRが7分43秒80でタイトルを再奪取!これで決着がついたかと思いきや、2019年には5ドアハッチバックなのにリアシートを取り去ってまで130kg軽量化した、タイムアタックスペシャルの現行型メガーヌR.S.トロフィーRが7分40秒10のタイムをたたき出し、再び王座に就きました。
《画像提供:Response》〈画像:ルノー・ジャポン〉ルノー・メガーヌR.S.トロフィーRカーボンセラミックパック
ほとんど、チューニングショップが繰り広げる「筑波サーキット最速バトル」並みの大人げない「最速バトル」を、ホンダ、VW、ルノーという巨大自動車メーカーが総力をかけて行っているのが「ニュルブルクリンク世界最速FF車」のタイトル争いなのです。
ホンダは、2020年に先代シビック タイプRのマイナーチェンジを行い、「シビック タイプR リミテッドエディション」という新兵器を投入してファイティングポーズをとりましたが、残念なら、世界的な新型コロナウイルスの大流行で、シビック タイプR リミテッドエディションでのニュルブルクリンクタイムアタックは行われませんでした。
はたして、新型シビック タイプRはニュルブルクリンク世界最速FF車のタイトルを奪取できるのか?世界中の注目が集まっています。
目指すはFF世界最速!新型シビック タイプRの超過激スペック!
新型シビック タイプRは、世界最速FF車のタイトルを奪取するため、過激なスペックを与えられています。
実際、2022年の夏に行われたメディア向けの鈴鹿サーキット試乗会では、現役のトップレーシングドライバーが運転する先代シビック タイプRの先導車に、自動車ジャーナリストが運転する新型シビック タイプRがらくらく追いついてしまうというシーンが多発し、新型シビック タイプRのポテンシャルの高さを垣間見せました。
それでは、その過激なスペックを見ていきましょう!
《画像提供:Response》〈写真提供:本田技研工業〉ホンダ シビック タイプR
《画像提供:Response》〈写真提供:本田技研工業〉ホンダ シビックタイプR
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,595mm×1,890mm×1,405mm | |
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ホイールベース | 2,735mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 1,430kg | |
燃費 | WLTCモード:12.5km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列4気筒 1,995cc | |
エンジン最高出力 | 243kW(330ps)/6,500rpm | |
エンジン最大トルク | 420N・m(42.8kgf・m)/2,600-4,000rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 6速MT | |
新車価格 | 4,543,000円(消費税抜) |
■FF最強! エンジンは10psアップの330ps/420N・m!
《画像提供:Response》〈写真提供:本田技研工業〉2.0L VTEC TURBO
速さの源となるエンジンは、徹底的なブラッシュアップを受け、先代比で10ps/20N・m向上の330ps/420N・m!を発揮。ホンダは、FF車では世界最高の出力だと主張しています。
出力向上の秘訣は、新開発のモノスクロール・ターボチャージャーで、翼の外径・枚数・形状に至るまで新設計し、吸排気の流量をアップ。優れたターボ効率と低慣性を実現しています。
また、先代タイプRで指摘された、サーキット走行等でのエンジンの熱ダレを防ぐため、フロントグリル開口面積を大きくし、ラジエーターの有効開口面積を48%拡大するなど、ボディのエアロフローの改善で冷却効率を高める等の改良も施されています。
■さらば「ガンダムチック」!新型タイプRは流麗なデザインに!
《画像提供:Response》〈写真提供:本田技研工業〉ホンダ シビックタイプR
先々代、先代と、シビック タイプRには、拡大されたワイドなタイヤを収めるためのオーバーフェンダーがボディに張り付けられており、お世辞にも洗練されたデザインとはいえませんでした。しかし、そんな無骨さが「ガンダムチック」なボディを形作っていて、ガンダム世代のユーザーからは熱い支持を集めました。
《画像提供:Response》〈写真提供:本田技研工業〉ホンダ シビックタイプR
新型シビック タイプRでは、そのオーバーフェンダーが廃止され、ボディにフェンダーがビルトインされた流麗なデザインに。では迫力が無くなったのかというとそうではなく、前後ともにノーマルモデルよりも片側45mm、両方で90mmも拡大されたフェンダーは、新型シビック タイプRがただモノではないことを物語っています。
《画像提供:Response》〈写真提供:本田技研工業〉265/30ZR19 93Y スチールラジアルタイヤ(ミシュラン パイロットスポーツ 4S)
新型シビック タイプRでは、フェンダーに収まるタイヤのサイズも拡大され、先代よりも20mmも幅の広い、265/30ZR19のタイヤを採用。注目すべきは、タイヤのインチサイズが小さくなっていることで、先代の245/30ZR20よりも1インチ、タイヤがサイズダウンし、19インチタイヤとなっています。
タイヤ交換をする際、20インチタイヤよりも19インチタイヤのほうが種類も豊富で価格も安価なものが多いので、新型シビック タイプRのオーナーさんにはうれしいポイントかもしれませんね。
■6速MTはレブマッチシステムが2速→1速のシフトダウンにも対応!
《画像提供:Response》〈写真提供:本田技研工業〉アルミ製シフトノブ
新型シビック タイプRは、当然6速MTのトランスミッションを搭載。こちらも様々な改良を受け、大幅に進化しています。新型シビック タイプRのMTには、シフトダウン時、最適なエンジン回転数にブリッピングを自動でしてくれる、レブマッチシステム機能が搭載されています。今回のモデルチェンジでは、エンジン回転数差が最も大きい2速から1速へのシフトダウンでも適用可能になりました。
《画像提供:Response》〈写真提供:本田技研工業〉インパネ
従来、MTモデルのシフトダウンには、右足のつま先でブレーキを踏みながら、踵でアクセルを踏んでエンジンをブリッピングさせるヒールアンドトウというテクニックが必要でした。しかし、レブマッチシステムのおかげで、MTとエンジンが協調制御で最適なブリッピングを自動的に実行してくれるように。そのおかげで、ドライバーはブレーキングの作業に集中でき、安全性の向上とともに、ラップタイムの向上にも期待ができます。
■本格的データロガー搭載!スマホアプリで自分の走りを解析できる!
《画像提供:Response》〈写真提供:本田技研工業〉ホンダログR デジタル計器表示
新型シビック タイプRでは、走る・曲がる・止まるというスポーツドライビング以外にも、新たな楽しみをユーザーに提供しています。それは、車載ナビに搭載されている本格的データロガーで、エンジンの水温・油温など車両自体の情報だけでなく、ステアリング舵角やブレーキ圧、アクセル開度、ヨーレートなどドライバーの操作や、それによりつくり出された車両の状態を記録し、閲覧できます。
《画像提供:Response》〈写真提供:本田技研工業〉ホンダログR タイヤ摩擦円/3Dモーション
また、「タイヤ摩擦円」機能ではドライバーのタイヤの使い方を詳細に解析でき、より有効なタイヤの使い方を模索できます。「3Dモーション」機能では、その瞬間瞬間のクルマの挙動がどのようになっているかを確認でき、ドライバーは記録と記憶でドライビングを振り返ることが可能に。このような画期的な高機能データロガーの採用で、ドライバーは自分の走りを細かく分析でき、スポーツドライビングで更なる高みを目指すことができるのです。
《画像提供:Response》〈写真提供:本田技研工業〉ホンダログR スマートフォンアプリ
さらに、データロガーで記録された各種情報はクラウドサーバーにアップロードされ、走行後に専用アプリ「ホンダ ログR」で確認できます。スマホで撮影したオンボード映像とデータロガーの情報を合成したり、走行データを他のシビック タイプRユーザーと比較したりと、従来には無かった使い方も!他のドライバーとの走行データ比較なんて、まるでF-1みたいで燃えますよね。
過激シビック タイプRをさらにチューニング!純正パーツも発売!
■素材はなんとドライカーボン!テールゲートスポイラー
《画像提供:Response》〈写真撮影:雪岡直樹〉ホンダ シビックタイプR 純正アクセサリー装着車
標準装着のテールゲートスポイラーも、スポイラー下部に負圧を発生させダウンフォースを獲得するなど、空力的に煮詰めたものになっていますが、素材は通常の樹脂。その点、純正オプションのホンダアクセス製テールゲートスポイラーは、素材がなんとドライカーボン!約1kgの軽量化を実現しています。
そして、スポイラーの裏面には特徴的なギザギザ形状の空力デバイスが装着され、高速域でははっきりとリアダウンフォースの増加によるリアタイヤの接地感の向上が体感できるとのこと。
■タイプR気分をさらにアゲる!深紅のフロアマット
タイプRの象徴は、赤!ホンダのエンブレムも赤!シートカラーも赤!そして、ホンダアクセス製のフロアマットも赤!このオプションを装着する事で、室内を深紅に染めることができるのです!
しかも、このフロアマットには「TYPE R」のエンブレムがバッチリと縫い込まれ、シビック タイプRのオーナーだけが味わえるプレミアム感も。運転席に座るだけで熱いタイプRの走りを感じられます!
《画像提供:Response》〈写真撮影:雪岡直樹〉ホンダ シビックタイプR 純正アクセサリー装着車
まとめ
《画像提供:Response》〈写真提供:本田技研工業〉ホンダ シビックタイプR
新型シビック タイプR、いかがでしたか?ニュルブルクリンク世界最速FF車のタイトルを奪還するため、各部にホンダの最新技術を詰め込んだ熱い熱いクルマに仕上がっています。
すでに発売前から人気が盛り上がっていて、今から買おうとすれば、納車まで数年待ちともいわれています。この記事を読んでいただいて、新型シビック タイプRが欲しい!と思われた方は、まずディーラーに走ってください!