プリウスαってどんな車?
《画像提供:Response》プリウスαってどんな車?
プリウスαは、2011年5月にトヨタから発売されたプリウスのワゴンモデルです。プリウス初の派生車として3代目のプリウスをベースに作られ人気を博しました。コンパクトなボディに高いスペースユーティリティ性を備えることで、低燃費と多彩な使い方が楽しめるのが特徴です。
人気のモデルではありましたが、惜しくも発売から約10年が経過する2021年3月末をもって生産終了となりました。
プリウスαの魅力
《画像提供:Response》〈写真提供 トヨタ自動車〉プリウスαの魅力
プリウスαは、ミニバンの要素を盛り込んだ人気モデルで、5人乗りや7人乗り、スポーツ性に富んだGRスポーツなどバリエーションは豊富でさまざまです。
衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」が装備されており、運転に自信のない方にもおすすめ。また、メーカーオプションにはインテリジェントパーキングアシストなどの用意もされていて、安全装備で安心のドライブができる魅力的な車といえるでしょう。
本家プリウスの課題であった荷室の狭さも飛躍的に改善され、多彩なシートアレンジが可能になったプリウスαは、ゴルフバッグやベビーカーなどの大きな荷物も問題なく積載可能なので、旅行にもぴったり。釣り竿やスキー・スノーボードの板など、長尺ものでも楽々載せられるのは、プリウスαの最大の魅力です。
■室内空間の広さ
プリウスαがプリウスより大きいのはわかりますが、実際にどれくらいのサイズ差があるのかみていきましょう。
プリウスα | プリウス | |
---|---|---|
室内長 | 1,910mm | 2,110mm |
室内幅 | 1,520mm | 1,490mm |
室内高 | 1,220mm | 1,195mm |
プリウスαは荷室と乗員席が分かれているため、室内長は短くなりますが、シートを折り畳むことにより長い荷物や、大きな荷物をつみ込めるようになるのが特徴です。7人乗りもあり、ファミリー層にも人気があります。
■シートアレンジが豊富で使い勝手良し
《画像提供:Response》〈撮影:宮崎壮人〉シートアレンジが豊富で使い勝手良し
プリウスαは、シートアレンジが豊富なのも人気の理由です。休憩したいときには運転席をリクライニングしたり、助手席を倒すだけでリラックスモードになります。
7人乗りの場合は、サードシートを倒せばゴルフバックを4つほど積める「サードシートチルトダウンモード」、旅行や大きい荷物を積むときには、セカンドシートをたたみ「フルラゲージモード」に変化します。
さらに、長尺のものを積みたいときには、片方のシートをすべて倒した「ロングラゲージモード」など、さまざまなシートの形とアレンジ方法があるためシーンに合わせた使い方が可能です。
■5人乗り・7人乗りで異なるバッテリー
5人乗りと7人乗りでは、バッテリーが異なりますが、それぞれの特徴はあるのでしょうか。
5人乗りはニッケル水素電池が使用され、荷室の下に駆動用バッテリーとして設置されています。一方7人乗りはリチウムイオン電池が使用され、前席中央下に設置されています。
ニッケル水素電池よりも、リチウムイオン電池の方が小さく性能も高いのが特徴です。
■人気モデルなので中古車在庫が豊富
残念ながら生産終了しているプリウスαですが、いまでも愛されている人気モデルです。その分需要もあるため、どの中古車販売サイトを見てもプリウスαの中古車在庫が豊富です。
プリウスαの燃費が悪いって本当?
プリウスαの燃費が悪いって本当?
プリウスαの燃費はカタログ達成率を6割を超える数値を出していますが、中にはプリウスαの燃費は悪いという声もあります。という声を聞くことがあります。実際に燃費が悪いのでしょうか?走り方によって変わるのでしょうか。
■プリウスαの燃費
プリウスαの燃費は、カタログ燃費をみてみると、JC08モードで26.2km/Lです。プリウスαのパワートレインは、1.8Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステムを搭載した1種類のみになります。グレードは2種類あり、グレードによるカタログ燃費の差はなく、駆動方式は2WDのみです。
■燃費悪化で考えられる要因
低燃費のハイブリッド車であるプリウスαですが、乗り続けると、どうしても燃費は悪くなっていってしまいます。プリウスαの燃費が悪くなってしまう要因を3つ紹介します。
バッテリーの劣化が原因
プリウスαの燃費悪化の原因のひとつに、バッテリーの劣化が考えられます。
プリウスには、ハイブリッド車専用の駆動用バッテリーと、一般的なガソリン車と同じような補機バッテリーの2つが搭載されています。新型プリウスαなどの車は、技術の進歩により普通に乗っても10年程度は問題ないといわれていますが、バッテリーの経年劣化は燃費が悪くなる原因のひとつです。
バッテリーの劣化を防ぐために大切なこととして、ガソリンを極力使わないようにするということがいえます。
ハイブリッド車はバッテリーを用いて電力を生み出すことで、極力ガソリンの使用量を控えるよう開発されていますが、バッテリーが劣化すると電気を生み出す力も弱くなり、ガソリン走行が増えるため、燃費が悪くなってしまうのです。
とくに、プリウスの場合には、乗っている間のEVモードの使い方が燃費に大きく影響します。
EVモードはモーターの力だけで加速するため、燃費が上がるイメージを持たれがちです。しかし、最初からEVモードにしてしまうと、発進時にエンジンを利用しないため、バッテリーに大きな負担がかかり、劣化の原因につながります。
そこで、発進時にはエンジンを用い、加速がついて巡航モードになってから、EVモードにするようにしましょう。燃費も上がり、さらにバッテリーの負担も軽減できます。
冬場の暖房の使いすぎが原因
プリウスαは、冬場になると燃費が悪くなると感じる人が多いようです。これは、冬場によく使われる暖房が原因といわれています。
真冬は外気温も低く、エアコンも温まっていない状態です。暖房は冷却水を温めて、その熱を利用して温風を車内に送る仕組みなので、その冷却水を温めるために、ガソリンエンジンを稼働させることによって燃費が悪くなってしまう、というわけです。
冬場は車内を温めるのにも時間がかかるので、さらに暖房を強めてしまう…という悪循環もあり、さらに燃費は悪くなってしまいます。どうしても燃費を上げたいのであれば、冬場でも暖房を控えたり、渋滞時にはバッテリーレベルを参考にしながらEVモードをうまく取り入れるなどしてみましょう。
夏の冷房も原因?
プリウスαの燃費は冷房には影響しないといわれることもありますが、実際には影響しています。一般的なガソリン車に比べれば影響は少ないものの、やはりまったく影響しないとはいえません。
暖房よりは冷房のほうが燃費への影響は少ないですが、駆動用バッテリーを使うため、毎日のように運転していれば、冷房でも燃費は低下してしまいます。
ハイブリッド車の場合には、モーターで走る際エンジンは停止します。エンジンが止まれば冷房も止まるため、電気用のバッテリーを利用し電動のエアコンコンプレッサーを駆動させるため燃費は悪くなります。
少しでも燃費を上げるためには、運転前に車内の温度を下げることが効果的です。夏場はエンジンをかける前に、すべてのドアを開けて、運転席のドアを勢いよく何度か開け閉めしてみましょう。勢いよく開け閉めすることで車内の空気が外に押し出され、2℃は車内の温度が下がるといわれています。
プリウス、ライバル車との燃費・実燃費比較
プリウス、ライバル車との燃費・実燃費比較
下記ではプリウスαとライバルとなる車種のカタログ燃費、実燃費を比較してみます。プリウスαの燃費にどのようなメリットがあるのか、気になるところですよね。
プリウスαの燃費は、プリウスよりは燃費は劣りますが、他ライバル車と比べると燃費が良いことがわかりましたので紹介します。
■プリウス
《画像提供:Response》プリウス
プリウスはグレードにより、燃料消費率が異なります。WLTCモードのカタログ燃費は以下のとおりです。
グレード | 燃費(WLTCモード) |
---|---|
E | 32.1km/L |
S | 30.8km/L |
Sツーリングセレクション | 27.2km/L |
A | 30.8km/L |
Aツーリングセレクション | 27.2km/L |
Aプレミアム | 30.8km/L |
Aプレミアムツーリングセレクション | 27.2km/L |
プリウスの実燃費は以下のとおりです。
駆動方式 | 実燃費 |
---|---|
FF | 22.61km/L |
4WD | 19.14km/L |
■トヨタ アクア
《画像提供:Response》トヨタ アクア
トヨタ アクアはハイブリッドで初となる快感ペダルを採用し、アクセルをオフした時の減速度が高くなり、アクセルペダルだけで速度調整がしやすくなり、ワンペダルでも自然に走行できる幅が広がったコンパクトカーです。
WLTCモードのカタログ燃費は以下のとおりです。
2WD/E-Four:グレード | 燃費(WLTCモード) |
---|---|
Z/G | 33.6m/L |
X | 34.6km/L |
B | 35.8km/L |
次にアクアの実燃費をみてみます。
アクアは2021年7月にモデルチェンジしていますが、データとして計測した実燃費は先代モデルのものが多く、先代モデルの実燃費を紹介します。
グレード | 実燃費 |
---|---|
L | 29.8m/L |
G | 27.2km/L |
S | 27.2km/L |
アクアとプリウスαの燃費を比べると、アクアの方が少しだけ燃費が良いことがわかりました。どちらも低燃費ですが、燃費を重視する場合はアクアの方が燃料消費を抑えられることが期待できます。
■ホンダ オデッセイ
《画像提供:Response》〈写真提供:ホンダ〉ホンダ オデッセイ
ホンダオデッセイは、燃費性能の高さと、安定した乗り心地を備えた上級ミニバンです。オデッセイのWLTCモードカタログ燃費は、やはりグレードによって違いがあります。1番燃費が良いとされているグレードはe:HEV ABSOLUTE 2WDで、20.0〜20.2km/Lです。
WLTCモードのカタログ燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(WLTCモード) |
---|---|---|
ABSOLUTE | 2WD | 12.8km/L |
4WD | 12.2km/L | |
ABSOLUTE・EX | 2WD | 12.4km/L |
4WD | 11.6km/L | |
e:HEV ABSOLUTE | 2WD | 20.0~20.2km/L |
e:HEV ABSOLUTE・EX | 2WD | 19.8km/L |
ホンダ オデッセイの実燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 実燃費 |
---|---|---|
ABSOLUTE ABSOLUTE・EX |
2WD | 10.5km/L |
4WD | 10.3km/L | |
e:HEV ABSOLUTE e:HEV ABSOLUTE・EX |
2WD | 16.5km/L |
オデッセイとプリウスαの燃費を比較すると、プリウスαの燃費が明らかに良いことがわかりました。プリウスαの方が比較的経済的ですね。
■スバル XV
《画像提供:Response》スバル XV
スバルには水平対向ガソリンエンジン「SUBARU BOXER」が存在し、これは、振動を抑制し滑らかなエンジンフィールと優れた運動性能を実現するエンジンになっています。
スバル XVのWLTC モードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(WLTCモード) |
---|---|---|
1.6i EyeSight | 4WD | 13.3km/L |
1.6i-L EyeSight | 4WD | 13.3km/L |
2.0e-L EyeSight | 4WD | 15.0km/L |
2.0e-S EyeSight | 4WD | 15.0km/L |
Advance | 4WD | 15.0km/L |
スバル XVの実燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 実燃費 |
---|---|---|
1.6i EyeSight 1.6i-L EyeSight |
4WD | 11.6km/L |
2.0e-L EyeSight 2.0e-S EyeSight Advance |
4WD | 15.0km/L |
運転の仕方などでも実燃費は変わりますが、XVのカタログ燃費と実燃費の差は平均程度といえます。XVとプリウスαの燃費も比較してみると、プリウスαの方が燃費がかなり良いことがわかりました。
プリウスα燃費向上のコツ
プリウスα燃費向上のコツ