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車のサブスク最新動向 | KINTO(トヨタ)、Hondaマンスリーオーナー(ホンダ)、ClickMobi(日産)

車のサブスク最新動向 | KINTO(トヨタ)、Hondaマンスリーオーナー(ホンダ)、ClickMobi(日産)

新型コロナウイルスや世界情勢の変化を受けた半導体不足や、Mobility as a Service (MaaS) の普及で車の利用方法が変化し、注目を集め始めた車のサブスクリプションサービス。自動車メーカー各社も独自のサブスクリプションを提供し始めるなど注目を集めています。 今回は大手自動車メーカーのサブスクリプションサービス「KINTO(キント | トヨタ)」「Hondaマンスリーオーナー(ホンダ)」「ClickMobi(クリックモビ | 日産)」について、それぞれの特徴を分析していきます。

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⏳この記事は約3~4分で読めます。


各サブスクリプションサービス内容まとめ

車のサブスクリプションはひと昔でいう「リース契約」のようなものになります。ただし単に「車本体」のみを契約するリースとは違い、保険料、車検、点検、消耗品の交換などがセットになっている場合が多く、より手軽に車を所有できるようになっています。

それぞれサービス内容が微妙に異なるため確認していきましょう。

サービス名 KINTO Honda
マンスリーオーナー
ClickMobi
車の種類 新車 ※中古車 新車
契約期間 ・初期費用フリープラン:3年、5年、7年
・解約金フリープラン:3年
1〜11ヶ月 3、5、7年
再契約 ・初期費用フリープラン:不可
・解約金フリープラン:可能
12ヶ月以降は不可 可能
買取 不可 可能 可能
※すでに同サービスを利用している人が乗車している場合がある

KINTOとClickMobiはグレードやオプションを選んだ新車で納車されますが、Hondaマンスリーオーナーはすでに使用された車、いわゆる中古車が納車され、中には10年落ちなど年式が古い車種も存在します。その代わり自分で乗りたい1台を選んで契約するため、意図しない車が納車されることはありません。

KINTOとClickMobiの契約期間は3、5、7年となっており、Hondaマンスリーオーナーは名前の通り、「月単位」での契約になります。逆に1年を超える再契約はできず、もう一度契約を結び直す必要があります。また、HondaマンスリーオーナーとClickMobiはサブスクリプションで契約した車が気に入った場合はそのまま買い取ることも可能ですが、KINTOは買取できません。

なお、KINTOは東京・愛知限定で、中古車をサブスクできる「KINTO ONE」を展開しています。

「KINTO」「Hondaマンスリーオーナー」「ClickMobi」の訪問ユーザー数
調査期間:2022年12月〜2023年2月
デバイス:PC、スマートフォン

では、各サービスサイトの集客状況を分析していきます。なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」を使用します。

まずサイト訪問者数をみていくと、KINTOが113万人と、2位のClickMobiの9.4万人と比較しても10倍以上の数となっています。

KINTOのサービス開始が2019年1月となっており、2020年1月開始のHondaマンスリーオーナー、同年3月開始のClickMobiと比べると約1年早いことを加味しても、KINTOが依然多くのシェアを獲得していると言えそうです。

KINTO(キント)に依頼する

各社サービスはどのような人が利用している?

ユーザー数ではKINTOのシェアが目立つ結果となりましたが、どのような人が各サービスを利用しているのでしょうか?

Hondaマンスリーオーナーは女性からの関心も

「KINTO」「Hondaマンスリーオーナー」「ClickMobi」の訪問ユーザーの性別
調査期間:2022年12月〜2023年2月
デバイス:PC、スマートフォン

車は男性の関心が高いイメージがありますが、どのサービスもやはり男性の割合が高くなっています。その中でもHondaマンスリーオーナーについては、女性の割合が33.7%と他2つサービスよりも10%以上高い結果となりました。

一方で各メーカー本体の公式サイト訪問ユーザーを見てみると、ホンダは3社中最も女性割合が低くなっています。ホンダはサブスクサービスによって、従来のポジショニングとの差別化を図っているのかもしれません。

トヨタ、ホンダ、日産公式HPの訪問ユーザーの性別
調査期間:2022年12月〜2023年2月
デバイス:PC、スマートフォン

Hondaマンスリーオーナーが20代・60代の関心を得ている

「KINTO」「Hondaマンスリーオーナー」「ClickMobi」の訪問ユーザーの年代
調査期間:2022年12月〜2023年2月
デバイス:PC、スマートフォン

次に、各サブスクサービスがどのような年代に関心を得ているのかみていきましょう。

どのサービスにも共通しているのは40代、50代に山の高い部分があること。一方で傾向が異なるのがHondaマンスリーオーナーで、20代にも高い山があります。価格と契約期間が関係しているのかもしれません。

Hondaマンスリーオーナーは、最安値が29,800円と他のサービスよりもお得になっています。他サービスにも同額程度の車は存在しますが、契約年数などの条件を追加していくと、追加料金により価格が高くなってしまうことがあります。対して、Hondaマンスリーオーナーは初めの表示から価格が上がることはありません。

1ヶ月単位で契約を更新できる手軽さも含めて、Hondaマンスリーオーナーは移り変わるトレンドに敏感、かつ可処分所得が上の年代より少なく、ライフステージの変化により金銭的な不安の多い20代の趣向にマッチしているのかもしれません。

もう一つHondaマンスリーオーナーで特徴的なのが、他の2サービスで割合が低くなっている60代においても、関心を維持していること。

Hondaマンスリーオーナーは契約期間が短いため、年齢を重ねて車が乗れなくなってもすぐに解約できたり、ホンダの安全運転支援機能の「Honda SENSING」搭載車種や、車椅子が乗れる福祉車両を選ぶことができるなど、さまざまなライフスタイルの変化に柔軟に対応できることが好まれているのかもしれません。

ClickMobiは特に「子供あり」の割合が高い

「KINTO」「Hondaマンスリーオーナー」「ClickMobi」の訪問ユーザーの未既婚
調査期間:2022年12月〜2023年2月
デバイス:PC、スマートフォン

サイト接触者の未既婚属性をみると、どのサービスも既婚者の割合が高くなっています。結婚をして車を所有したい、もしくはセカンドカーを所有したいというニーズを満たしているのかもしれません。

「KINTO」「Hondaマンスリーオーナー」「ClickMobi」の訪問ユーザーの子供の有無
調査期間:2022年12月〜2023年2月
デバイス:PC、スマートフォン

子供有無をみると、特にClickMobiは70%近くが子供ありと、子供をもつ家庭の割合が高くなっています。

車のサブスクリプションサービスでは車を契約満了の際に現状回復をして返却する必要があり、極端に汚れていたり、傷がある場合は現状回復費用を支払わなくてはいけません。

ClickMobiは、返却時の原状回復費用を30万円(税込)までカバーしてくれる特典があります。万が一、子どもが車を傷をつけてしまったり、車内を汚してしまった際も補填してくれる安心感が、子供あり世帯の関心を得ている可能性があります。

高収入世帯でもニーズを維持しているKINTO

「KINTO」「Hondaマンスリーオーナー」「ClickMobi」の訪問ユーザーの世帯年収
調査期間:2022年12月〜2023年2月
デバイス:PC、スマートフォン

世帯年収はHondaマンスリーオーナーが400万円未満の世帯から高い関心を得ています。理由として、前述のように若い世代から高い関心があることと、低価格の車にも対応していることが考えられます。

また世帯年収でもう一つ特徴的なのが、KINTOが800〜1000万円代の層からも関心を得ていること。需要をキープできている理由として考えられるのが「クラウン」「ハリヤー」といったステータスが高めの車も選ぶことができるからなのかもしれません。

また、2023年3月はWeb上で取り扱いがなくLINEアカウントで取り扱いを問い合わせる必要がありますが、大型SUVとして人気の「ランドクルーザープラド」や、車の走りを意識したマニュアル車の「GRヤリス RZ"High performance"(マニュアル車)」といった、趣味性の高い車も選択できるようです。

車を「移動手段」だけではなく、ステータスや趣味として利用したい層の関心も惹きつけている可能性があります。

KINTO(キント)に依頼する

まとめ

今回は主要自動車メーカーのサブスクリプションサービスについて分析しました。

先行サービスでもあるKINTOがサービス開始から順調に認知を拡大しており、ユーザー数では突出しているものの、ユーザー層をみるとそれぞれ特色が出ていて、それぞれのサービス特徴に合わせた関心を得ていることがわかりました。

車のサブスクリプションサービスは、自動車メーカー以外にガソリンスタンドのENEOS、COSMOといった他業種も参入しており競争は熾烈を極めています。

自動車メーカーが運営している利点を活かして、既存のユーザー層を囲い込みつつも更なる層を獲得できるかが、今後の成功の鍵になるのかもしれません。

分析概要

KINTO(キント)に依頼する

今回の調査にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

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