人とくるまのテクノロジー展とは?
《写真提供:response》超小型と変速機機能付き、2種のeアクスルをジヤトコが世界初展示…人とくるまのテクノロジー展2023
「人とくるまのテクノロジー展」とは、自動車業界の関係者に向けた自動車技術に特化した展示会です。主催は「公益社団法人自動車技術会」で、自動車関連の技術展としては国内最大級で、横浜と名古屋で開催されています。
日本におけるモーターショーといえば、「JAPAN MOBILITY SHOW(旧 東京モーターショー)」やカスタムカーの祭典「東京オートサロン」が有名ですが、自動車業界の関係者にとっては「人とくるまのテクノロジー展」も、引けを取らないほどメジャーな展示会です。
初めて開催したのは1992年で、30年以上にわたって、業界技術者の交流の場、さらには業界の枠を超えた最新技術を持ち寄る場として発展してきました。このため、自動車業界の”これから”に触れるには、うってつけのイベントです。
昨年の「人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA」の来場者数は合計で6万3,810名に達し、出展社数は499社、世界初公開の技術が13件、日本初公開の展示が21件もありました。
人とくるまのテクノロジー展の開催概要
《写真提供:response》《写真提供 JSAE》 人とくるまのテクノロジー展
開催展名
人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA
開催日時
■横浜会場:2024/5/22(水)~5/24(金)
・22日(水) 10:00~18:00
・23日(木) 10:00~18:00
・24日(金) 9:00~16:00
■人とくるまのテクノロジー展 2024 ONLINE STAGE 1(オンライン会場)
2024/5/15(水) 10:00~6/5(水) 17:00
世界に向けて最新技術・製品を発信ー自動車技術のための国内最大の技術展
会場
パシフィコ横浜 展示ホール・ノース
住所
〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1
アクセス方法
■電車でお越しの方
・みなとみらい線「みなとみらい駅」から徒歩5分
・根岸線・ブルーライン「桜木町駅」から徒歩12分
■車でお越しの方
首都高速神奈川1号横羽線「みなとみらいランプ」より約2分
主催者
公益社団法人自動車技術会
■チケット購入方法
「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」は無料で入場・参加できます。ただし、来場前の事前登録が必要で、当日登録の受付はありません。入場証は印刷して手元に用意の上で入場します。
来場登録は、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」の公式ホームページから行えます。
登録後、マイページにログインし、「入場証」をA4サイズでカラー印刷します。当日は、会場内にある来場受付で「入場証」を四つ折りにして、会場設置の専用フォルダへ入れ、「入場証」として提示し、入場するという流れです。
世界に向けて最新技術・製品を発信ー自動車技術のための国内最大の技術展
人とくるまのテクノロジー展2023で注目された技術をピックアップ
■ジェイテクト JTEKT Ultra Compact Diff(JUCD)
《写真提供:response》《写真提供:ジェイテクト》 ジェイテクト ブースイメージ
ジェイテクト社は「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」で、電動化技術および安全・快適先端技術を出展しました。
注目は「JTEKT Ultra Compact Diff.(JUCD)」で、電気自動車(BEV)の電動ユニット「eAxle」内に搭載することで、自動車の旋回時などで左右輪間の回転差を吸収する装置です。従来品と比べて小型化・軽量化を実現させており、より高耐久で走行安定性を増しています。
■パナソニック インダストリー 高熱伝導性 多層基板用フィルム R-2400
《写真提供:response》《写真提供 パナソニック》 パナソニック インダストリー(イメージ)
パナソニック インダストリーが「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」で発表したのは、高熱伝導性 多層基板用フィルム「R-2400」です。
業界初となる高熱伝導率2.7W/m・Kを実現し、UL定格温度150度認定を取得しており、高温環境下での使用が可能な技術です。
■リョービ 車両軽量化技術
《写真提供:response》《写真提供:リョービ》 リョービ(ブースイメージ)
世界的なダイカストトップメーカーでもあるリョウビが「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」で発表したのは、自動車の燃費に大きな影響を与える車両軽量化技術です。
主力事業のダイカストでは、より軽量で耐久性に優れたアルミダイカスト製品を出展。
さらに、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みや、ボディ・シャシー部品のアルミダイカストへの提案など、軽量化への提案をしています。
■トヨタ紡織 仮眠誘導システム搭載車室空間
《写真提供:response》《写真提供:トヨタ紡織》 MaaSライドシェア空間コンセプトシート「MX Prime」
自動車内装品と自動車用フィルターを主力とするトヨタ紡織は、「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」で、自動運転レベル4を想定した車室空間「MXプライム」を初出展しました。
短時間で快適な仮眠へと誘導するシステムを搭載しているほか、パーソナル音響やリフレッシュ機能など、移動時間を快適にする技術が満載です。
■アイシン 回生協調ブレーキシステム(アドヴィックス)
《写真提供:response》《写真提供:アイシン》 アイシン ブースイメージ
自動車用部品の大手メーカー アイシンは「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」において、自社グループの株式会社アドヴィックスによる「回生協調ブレーキ」を出展しました。
減速しながら電力を回収する「回生協調ブレーキ」は重要度を増しており、EV車には欠かせない技術になっています。アイシン(アドヴィックス)は豊富な生産実績を強みに、高効率で高精度な回生協調ブレーキシステムを、さまざまな大きさの車両向けにそろえています。
■リケンテクノス 合成樹脂
《写真提供:response》《写真提供 リケンテクノス》 バイオマス由来のコンパウンド:リケンテクノス RIKEBIO
ゴム特性を有する熱可塑性エラストマーや導電・静電コンパウンドなど、さまざまな特性を持った高機能コンパウンドを製造している合成樹脂サプライヤーのリケンテクノスは、「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」において、サステナブル(Sustainable)な社会を目指した環境技術を提案しました。
コンパウンド製品やフィルム製品を紹介するパネル展示で、より環境に配慮した素材への転換、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みと実現性を伝えています。
■SUBARU クロストレックテクノロジー
《写真提供:response》《写真提供 SUBARU》 スバル・クロストレック
SUBARUは「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」において、「安心と愉しさを提供する」をブースコンセプトに、新型SUV「スバル クロストレック」に搭載されたテクノロジーを展示しました。
エルゴノミクス(人間工学)に基づいたシート設計、医学的アプローチを加えて造り上げられた快適な乗り心地に関する技術を紹介しています。さらにスバルオリジナルの「アイサイト」による予防安全技術を、実車およびパネルや動画で紹介しています。
■ボルグワーナー バッテリー冷却プレート
《写真提供:response》《写真提供 ボルグワーナー》 ボルグワーナーが人とくるまのテクノロジー展2023に展示予定の、押し出し成型アルミニウム形材のバッテリー冷却プレート
アメリカの自動車部品メーカー ボルグワーナー社は、「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」において、バッテリー冷却プレートを日本で初めて展示しました。
新開発のバッテリー冷却プレートは、押し出し成型によるアルミニウム形材で、円筒形バッテリーセルの列間に沿ってピッタリ密着するよう設計。設置面積を多くすることで高い熱伝導率を実現しています。
■日立Astemo 協調行動自動運転技術
《写真提供:response》《画像提供 日立アステモ》 日立アステモのブースイメージ(人とくるまのテクノロジー2023)
ニッシン、ケーヒン、ショーワなどのブランドでも知られる日立アステモは、自動運転や電動化技術を得意としており、「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」では、先進運転支援システムや先進シャシーシステムを提案しました。
展示では、自動運転における安全性を向上させる統合制御システムとして、狭い道でのすれ違いを安全かつスムーズに行う「協調行動自動運転技術」を映像で紹介しています。
■日産自動車 e-4ORCE
《写真提供:response》《写真提供:日産自動車》 日産自動車 ブースイメージ
日産自動車は、「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」において、電動駆動四輪制御技術「e-4ORCE」を紹介しました。
e-4ORCEは、日産がこれまで培ってきた4WD制御技術や電動化技術を結集させた新しい駆動システムで、状況に合わせて4輪の駆動力を自在にコントロールし、質の高い走りを提供します。
まとめ
《写真提供:response》パナソニックインダストリーブース
今回は「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」について、開催概要や昨年注目された技術をピックアップしました。
オンライン会場も用意されていますが、間近で先進技術を見るまたとない機会でもあります。実際に会場へ足を運んでみるのはいかがでしょうか。