680psの「S」が復活。V8 PHEVと専用シャシーでスポーツ性能を強化
《画像提供:Response》〈Photo by Bentley〉ベントレー『フライングスパー』改良新型
ベントレーは2026年6月2日(現地英国時間)、4ドアラグジュアリーセダン「フライングスパー」の改良新型を欧州で発表しました。新型はすでに注文受付を開始しており、英国クルー工場で2026年9月に生産を開始。顧客への納車は2026年第4四半期初めから始まる予定です。
今回の改良で大きく変わったのは、フロントまわりの表情。新型フライングスパーは、ベントレーのセダンとして1962年以来となるシングルフロントヘッドランプを採用しました。従来の4灯式イメージから一転し、最新の「コンチネンタル GT」ファミリーと呼応する、よりクリーンでモダンなデザインへと生まれ変わっています。
《画像提供:Response》〈Photo by Bentley〉ベントレー『フライングスパー』改良新型
フロントグリルはバンパーと一体化するように再設計され、フロントフェンダーのサイドベントも整理されました。リアまわりではトランクリッドやテールランプを刷新し、ナンバープレートまわりもボディ同色の仕立てに変更。堂々としたセダンらしさを残しながら、面構成をすっきりと見せる方向へ進化しています。
ラインアップは、標準モデル、快適性を重視した「アズール」、ドライバー志向の「S」、さらにパフォーマンスを高めた「スピード」、最上級のクラフトマンシップを追求する「マリナー」という5モデル構成です。いずれもフライングスパーらしい後席の上質さと、ドライバーが自らステアリングを握りたくなる性能の両立を狙っています。
なかでも注目は、復活した「フライングスパー S」です。パワートレインには、4.0リッターV8エンジンと電気モーターを組み合わせた高性能プラグインハイブリッドを搭載。システム最高出力は680ps、最大トルクは930N・mを発揮します。
この数値は、歴代の「S」バッジを掲げるフライングスパーとして最もパワフルなものです。0-100km/h加速は3.7秒、最高速度は308km/hに到達。超高級セダンでありながら、スーパースポーツ級の加速性能を備えています。
《画像提供:Response》〈Photo by Bentley〉ベントレー『フライングスパー』改良新型
走りを支えるシャシーも専用に仕立てられました。「フライングスパー S」には、ベントレー・パフォーマンス・アクティブシャシーを採用。アクティブAWD、電子制御LSD、トルクベクタリング、48Vアクティブロール制御の「ベントレー・ダイナミックライド」、さらにオールホイールステアリングを組み合わせ、車格を感じさせない俊敏なハンドリングを狙っています。
さらに、スポーツエキゾーストシステムも採用されます。PHEVでありながら、V8エンジンならではの力強いサウンドを引き出すことで、静粛性だけに寄らない「運転するベントレー」としてのキャラクターを明確にしました。
エクステリアでは、Sモデルにブラックライン仕様を標準装備。通常はクローム仕上げとなる外装パーツをブラックで引き締め、グロスブラックのボディキットやミラーキャップ、専用22インチホイールを組み合わせます。ヘッドランプやテールランプにもダークティント処理が施され、落ち着きのあるラグジュアリーにスポーティな緊張感を加えています。
《画像提供:Response》〈Photo by Bentley〉ベントレー『フライングスパー』改良新型
インテリアでは、5種類のシートスタイルを設定。Sモデルには専用の「S」エンブレム入りシートやフルーテッドキルティング、スエード調素材のDinamica、ピアノブラックのベニアなどが用意されます。ドライバー向けの専用メーターグラフィックも採用され、視覚面でもスポーツモデルであることを印象づけます。
《画像提供:Response》〈Photo by Bentley〉ベントレー『フライングスパー』改良新型
一方で、フライングスパーらしい後席の快適性も大きな柱です。リアシートの乗員はタッチスクリーンリモートを使って空調、シートヒーター、ベンチレーション、マッサージ機能などを操作可能。オプションのウェルネスシートを選べば、長距離移動時の疲労を抑えるポスチャルアジャストやシートオートクライメートも利用できます。
また、ビスポーク部門「マリナー」による新たな選択肢も拡充されました。80色以上のボディカラー、新色「ダークティール」、新しいサテン仕上げ、豊富なレザーやウッドベニアに加え、金属インレイやレーザーエッチングなど、顧客ごとの細かな要望に応える仕様が用意されています。
新型フライングスパーは、単なるフェイスリフトではなく、ベントレーの最新デザイン言語と電動化パフォーマンスを融合させた大幅な進化を遂げました。
1962年以来のシングルヘッドランプという大胆な変化、680psのSモデル復活、そしてPHEV時代の超高級セダンとしての完成度向上により、ベントレーの4ドアフラッグシップはさらに存在感を高めることになりそうです。


