自動運転、レベルってなに?
「自動運転車」。
車に関心が薄い人などは言葉だけを聞くと、「運転手(人)が何もしなくても車が走ってくれるの?」と、某映画のような車をイメージしてしまうのではないでしょうか。
「自動運転」とひとえに言っても、レベル0~5と区分けされておりそのイメージに該当するレベルは3以降となっています。
こちらの記事にて、自動運転レベルの0~5までの違いや特徴などを説明していきます。
■自動運転はアメリカの自動車エンジニア団体が定義している!
自動運転の定義については、世界的にアメリカのSAEの定義が使われています。SAEとは、Society of Automotive Engineersの略で、日本語ではアメリカ自動車技術者協会、またはアメリカ自動車技術会と訳されています。
その名の通り、アメリカの自動車エンジニアが結成した団体で、古くから自動運転についても研究してきました。そのSAEが定義した自動運転の段階が、レベル0からレベル5まで別れているのです。
■「自動運転」はレベル3から!
SAEは自動運転をレベル0からレベル5までの6段階に分類しています。
後述しますが、世界初の「レベル3」の条件付自動運転を達成したホンダ レジェントが2021年3月に発売され、自動車の歴史で一つのエポックとなりました。
それでは、具体的にレベル0からレベル5の区分けについて見ていきましょう。
自動運転、レベル0からレベル5とは?
■レベル0 ドライバーがすべてを操作
レベル0とは、自動車側のシステムが運転に介入することなく、ドライバーがすべての運転タスクの実施をする場合を指します。
■【運転支援】レベル1 システムがステアリング操作、加減速のどちらかをサポート
システムが
・車線の逸脱を検知するとステアリングを補正
・先行車との距離を一定に保つために自動でスピード調整をするACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)
など、ステアリング補正やスピード調整のどちらかをサポートし、ドライバーがもう一方をコントロールする技術を備えたクルマを指します。
レベル1は「運転支援技術」と呼ばれ、「自動運転」とは呼びません。
■【運転支援】レベル2 システムがステアリング操作、加減速のどちらもサポート
TESLA モデルS
システムが
・車線の逸脱を検知するとステアリングを補正
・先行車との距離を一定に保つために自動でスピード調整をするACC
など、ステアリング補正やスピード調整のどちらもサポートする技術を備えたクルマを指します。
レベル1と同様にレベル2も「運転支援技術」と呼ばれ、正確には「自動運転」とは呼びません。しかし、現在レベル2も便宜上「自動運転レベル2」と呼ばれていることがあります。
テスラ社のモデルSをはじめ、多くのメーカーの新車に搭載されています。
■【自動運転】レベル3 特定の場所でシステムが全てを操作、緊急時はドライバーが操作
ホンダ レジェンド ホンダセンシング・エリート搭載モデル
レベル3からが、いわゆる自動運転と呼ばれるレベルとなります。
システムが高速道路など特定の場所に限り、交通状況を認知して運転に関わる全ての操作を行います。ドライバーが緊急時やシステムが作動困難になった場合は対応を行います。
現在のところ、世界で唯一の「レベル3」搭載の「自動運転車」は、ホンダ レジェンドとなっています。
■【自動運転】レベル4 特定の場所でシステムが全てを操作
Audi コンセプトカー エレーヌ
システムが高速道路など特定の場所に限り交通状況を認知して、運転に関わる全ての操作を行います。システムが緊急時の対応も行います。
どのメーカーも市販段階には至っておらず、コンセプトカーやテスト走行の段階にとどまります。(2021年現在)
■【完全自動運転】レベル5 場所の限定なくシステムが全てを操作
Audi コンセプトカー AICON(アイコン)
システムが場所の制限なく交通状況を認知して、運転に関わるあらゆる操作を行います。システムが緊急時の対応も行います。
レベル5に達するとドライバーが運転を行う必要が完全になくなるため、メーカーはアクセルやハンドルを排除したクルマのデザインを行うことができるようになります。
こちらも同じくどのメーカーも市販段階にはいたっておらず、コンセプトカーの発表にとどまっています。
自動運転をめぐる法規制
しかしながら、日本が加盟しているジュネーブ条約ではまだまだ行動での自動運転が認められておらずその法改正も含めて対応が求められています。
一方ドイツでは、レベル3の自動運転を搭載するAudi A8の発売に合わせてたウィーン条約が改正されました。
日本も自動運転の普及のために早急な法改正がのぞまれています。
【自動運転最新情報】
■世界初の「レベル3」自動運転車、レジェンドが2021年3月に登場!
ホンダ レジェンド ホンダセンシング・エリート搭載モデル
2021年3月に、世界初の市販自動運転「レベル3」搭載車であるホンダ レジェンドが発表されました。ホンダのレベル3 自動運転技術は、「Honda SENSING Elite(ホンダセンシング・エリート)」と呼ばれています。
ただ、レジェンドのレベル3自動運転の適用範囲は、非常に限られています。
具体的には、高速道路本線上を走行中、渋滞に遭遇して30km/hまで速度が落ちると自動的にレベル3自動運転のシステムが作動します。そして、システムが解除されるのは、時速50km/hに達した時。つまり、ホンダのレベル3自動運転は、高速道路の渋滞時にのみ作動するシステムとなります。
しかし、レベル3の自動運転中は、ドライバーは運転操作から開放され、好きなことが出来るようになります。DVDを見てもよいですし、通常、停止しないと操作できないカーナビも、走行中に操作できるようになります。
《写真提供 ホンダ》視覚/聴覚/触覚を使い、段階的を[分で確実に伝えられるように配慮されている
まとめ
「自動運転」とはSAEが定義した6段階のレベルの中で、レベル3〜5を示すことをご理解頂けたでしょうか?
自動運転レベル5に該当する完全自動運転車のテストは、現在世界各国で行われています。
完全な自動運転であるレベル5が実現する日が待ち遠しいですね!
自動運転に関するFAQ
■自動運転のレベルって、なに?
自動運転の段階を示すのが「レベル」となります。レベルはレベル0からレベル5まで、6段階あります。いわゆる自動運転と言われるのは「レベル3」からとなり、限定的な自動運転が可能となります。
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■自動運転とアイサイトとかは何が違うの?
アイサイト等の技術は、「運転支援システム」と呼ばれます。自動で前のクルマについていったり、自動で車線をキープしてくれたりして、一見、自動運転のように見えますが、それらのシステムあくまでも運転者の監視のもとに使用するという前提があります。
一方、自動運転と呼ばれるレベル3は、限定した条件下はありますが、完全に運転をクルマに任せられるという違いがあります。