車のボディをキズや汚れから守る!ガラスコーティングとは?
カーコーティングの中でも硬いガラス質の皮膜でボディを多い、効果が高いと言われている「ガラスコーティング」。
本記事ではボディをキズや汚れから守る「ガラスコーティング」とは何か?といった疑問や、ポリマーコーティングやワックスとの比較、メリット・デメリット、さらにおすすめのガラスコーティング剤をご紹介します。
ガラスコーティングとはなんだろう。
■走っているだけで、塗装がうけるダメージ3つ
まず最初に、走っているだけで車がうけていると塗装へのダメージ3つをご紹介します。
〈要因1〉糞害
酸性の鳥の糞が塗装に付着してしまうと、たとえコーティング処理されていても塗装膜まで浸透し、酸化・腐食してしまうことがあります。
〈要因2〉イオンデポジット
ボディに付着した水滴が蒸発する際に、雨の汚れや水道水のカルキなどが塗装に固着してできる白い輪状のシミ。
〈要因3〉ウォータースポット
ボディ上にある水滴がレンズ効果となり、虫眼鏡のように日光を集めて塗装を傷めてしまいます。
1つ目は鳥などが落とすフンです。フンには酸性が含まれるため塗装を酸化し、最悪の場合は腐食させてしまいます。
2つ目のイオンデポジットとは、家庭のお風呂場にも発生するいわゆる水染み・水アカです。汚れが含まれた水が乾燥し、水酸化ナトリウムやカルシウムのみが残るとできる白い輪状のシミがイオンデポジットです。イオンデポジットを放置すると、紫外線による化学変化によって「クレーター」という塗装面を侵食する原因になる場合があります。
3つ目のウォータースポットとは、車についた水滴がレンズの役割を果たし、太陽光を凝集して塗装を焼いてしまうことです。
■コーティングの有無で大きな違い!
こうしたダメージに効果を発揮するのがコーティングです。
車の塗装は1番上にクリア層とよばれる層を塗ることで光沢を出していますが、そのさらに上にコーティングをすることでダメージからボディを保護する働きがあります。
水の撥水性、親水性とは?
コーティングの次に理解しておきたいのが、親水性と撥水性の違いです。
■撥水性(疎水性)
撥水性とは、水をはじく性質のことです。雨などが降った際に水が丸い粒状になって流れ落ちていきます。疎水性とも呼ばれ、撥水性が強くなればなるほど(水滴が丸くなればばなるほど)高撥水性、超撥水性と名前が変化します。
撥水性のメリットは、見た目にもコーティングがかかっていることが分かりやすいことです。
■親水性とは?
親水性とは水が付着した際に、平たく広がる性質のことです。漢字からも分かるように、撥水性とは反対の意味を持っています。親水性が強くなればなるほど(水滴が平たくなればなるほど)高親水性、超親水性と名前が変化します。
親水性のメリットは、水が平たくなり太陽光の凝集を行わなくなるためにウォータースポットができにくくなることです。
コーティングとは?コーティングの大分類4つ
次にコーティングの大まかな4つの種類をご紹介します。
1. 油脂系コーティング
1つめが油脂系コーティングです。油脂系コーティングには油脂が含まれており、ボディに油脂を塗ることで水をはじく効果があります。
施工は簡単なのですが、雨で流れたり熱で溶けてしまうことが多く劣化も早いのが特徴です。
・ワックス
・一部のポリマーコーティング
が油脂系コーティングに分類されます。
2. 樹脂系コーティング
2つめの樹脂系コーティングは、プラスチックやレジンに代表される高分子化合物を塗ることでコーティングをします。施工は比較的簡単ですが、耐久性は短く、価格もガラスコーティングに比べると安いのが特徴です。
・ポリマーコーティング
・フッ素コーティング
・ガラス系の一部のコーティング
が樹脂系コーティングに分類されます。
3. ガラス系コーティング
ガラス系コーティングは、ガラスコーティングの繊維にほかの成分を混ぜたコーティングです。ガラスコーティングと名前が似ていますが、別のものです。効果は
・ガラス系コーティング
が分類されます。
4. ガラスコーティング
ガラスコーティングは、シランやシラザンと呼ばれる成分を原料としたコーティング剤です。空気中の水分と反応することでシリカという成分が硬い皮膜を作り出します。ガラスの主成分がコーティングに含まれるため、ガラスコーティングとよばれます。
・ガラスコーティング
が分類されます。
【定義】ガラスコーティングと他のコーティング方法の定義は?
さきほどの分類の中でも一般的な方法である、ガラスコーティング、ポリマーコーティング、ワックスの定義について深掘りをしていきたいと思います。
■ガラスコーティング(ガラス加工)とは
ガラスコーティングとは「塗装の上にガラス質のコーティングを施すことで、キズや汚れからボディを保護する皮膜を定着させる」施工方法のことです。
現在ある施工方法の中で最も最新の技術ですが、その分施工費が高額です。
■ポリマーコーティング(ポリマー加工)とは
ポリマーコーティングとは「塗装の上にシリコンやフッ素を含むコーティングを施すことでキズや汚れからボディを保護する皮膜を定着させる」施工方法のことです。
車の手入れはワックスが主流だった1980年台に登場し、現在は比較的安価に行えるようになった施工方法です。
ポリマーコーティングという名前の由来は?
ポリマーという言葉は日本語で「重合体」を意味します。複数のモノマー「単量体」が組み合わさることでできているため、ポリマー(重合体)と呼ばれます。
車に用いられるポリマーコーティング(ポリマー加工)という言葉は、有機化合物にフッ素やシリコンを含んだ「重合体」である高分子化合物をコーティングするためにポリマーコーティングと呼ばれています。
■ワックスとは
ワックスがけは以前から用いられてきた車のお手入れ方法で、「車の艶出しのためにボディにワックスを塗ること」を意味します。
ワックスは植物性の油脂を塗ることで水をはじき、艶をもたらします。普及品は、ろうそくの原料であるパラフィンを主成分とし、高級品には「カルナバロウ「というブラジル原産のヤシの木の一種から採取される天然ワックスが用いられます。
以前からあるお手入れ方法で、価格も安く手軽に行えるのが特長です。
ガラスコーティングのメリット、デメリットは?
こちらでは、先ほどご紹介したワックス、ポリマーコーティング、ガラスコーティングのメリットとデメリットをご紹介します。
お手入れ方法 | 素材 | 艶(ツヤ) | 耐久期間 | イオンデポジット | 価格 | 所要時間 | 再塗布の簡単さ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ガラスコーティング | 無機質化合物 | 深い艶 | ◯ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ |
ポリマーコーティング | 有機質化合物 | 2つの中間の艶 | △ | △ | △ | △ | ◯ |
ワックス | 油脂 | 濡れたような艶 | ☓ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
■ガラスコーティングのメリット&デメリット
メリット
メリットはその耐久期間の長さです。コーティング剤や施工業者、保管方法にも左右されますが耐久期間は3年程と言われています。ワックスと違い熱に強く、1度ガラスコーティングをすれば後は「水で流すだけでコーティング上の汚れが取れる」と言われています。
デメリット
デメリットは、専門業者に依頼をするため施工料金が高額になることです。車種や内容にもよりますが相場は乗用車で約6〜10万円と言われています。また、ガラスコーティングは化学結合による皮膜の安定に1〜2週間が必要なため、施工期間中は車が使えなくなってしまいます。利用者の負担を減らす為に、一部の専門業者では遠赤外線を用いて乾燥を行うことで工期の短縮を図っています。
■ポリマーコーティングのメリット&デメリット
メリット
ポリマーコーティングは専門業者に頼んだ場合でも、価格が2万〜5万円とガラスコーティングと比較して安く、工期も1日からと短いのがメリットです。市販製品も多くあり、DIYでコーティング加工が可能です。また皮膜が柔らかいため、簡単に再塗布ができることもメリットです。
デメリット
デメリットは、耐久期間がガラスコーティングに劣り3ヶ月〜6ヶ月ほどと短く、皮膜が弱くキズがつきやすいのが特徴です。ワックスと同じく油分があるため定期的に洗車を行い、劣化した部分を除去する必要があります。
■ワックスのメリット&デメリット
ワックスがけ
メリット
ワックスのメリットは「濡れたような艶」と形容されるその艶感です。また市販品も価格が安いものが多く、施工にも時間がかからず誰でも気軽に挑戦できるのが大きなメリットです。失敗してもすぐに洗い流せるため、ワックスの光沢ある艶に魅力を感じる人にはおすすめです。
デメリット
ワックスのデメリットは耐久期間が非常に短く、熱に弱く太陽熱などで簡単に溶け出したり、雨で流れてしまいます。。溶けでたワックスがフロントガラスに流れるとベトつきが取りにくくなるなど、天候に気を使う必要があります。また、ワックス自体に研磨剤が含まれるものは、研磨剤によって塗装の上にあるクリア被膜を傷つけてしまうおそれがあります。
ガラスコーティング剤とガラスコーティング剤の見分け方
基本的には専門業者での施工がおすすめですが、どうしてもご自身でガラスコーティングをされたい方もいらっしゃると思います。そんな方の為に、ガラスコーティング剤とガラス系コーティング剤の見分け方、おすすめのガラスコーティング剤、ガラス系コーティング剤をご紹介します。
■ガラスコーティング剤とガラス系コーティング剤の見分け方
ガラスコーティング剤とガラス系コーティング剤は名前も似ており、混同してしまいます。しかし、ガラスコーティング剤とガラス系コーティング剤は効果も違うことはご紹介したとおりです。
店頭に並んでいる、
・ガラス繊維系ポリマー
・ガラス系コーティング
・ガラス系ポリマー
といった商品はガラスコーティング剤ではありません。
ガラスコーティング剤は無機溶剤で空気に触れると固まってしまうためビンに入っており、入り口も大きいのが特徴です。逆に、ガラス系コーティング剤はプラスチックなどに入っています。