トップへ戻る

【居眠り運転】タクシー、バス、トラック事業者の睡眠不足チェックが必須に

【居眠り運転】タクシー、バス、トラック事業者の睡眠不足チェックが必須に

国土交通省は居眠り運転の事故防止のために、タクシー、高速バス、トラックなど事業者を対象にした旅客自動車運送事業運輸規則と貨物自動車運送事業輸送安全規則を2018年6月1日から改正します。本記事ではその内容をご紹介します。

[PR]本ページはプロモーションが含まれています
⏳この記事は約3~4分で読めます。


  • カービュー査定

乗務員が睡眠不足の場合は運転はさせてはいけない決まりに

国土交通省は旅客自動車運送事業運輸規則と貨物自動車運送事業輸送安全規則を2018年6月1日から改正します。本記事では今回改正される規則についての詳細をご紹介します。

今回の改正の対象となるのはタクシー、バス、高速バスなどを運営する旅客自動者運送事業者、長距離トラックなどを運営する貨物自動車運送事業者です。

なぜ睡眠不足が問題になったのか?

こうした睡眠不足などに関する規則の変更はこれまでの事故などが影響しています。

例えば、2012年4月の「関越自動車道高速バス居眠り運転事故」では時速90〜100kmで防音壁に衝突し、乗客46人全員が死傷する事故が起きました。当時の運転手は「居眠りをしていた」と証言しており、運転手の過密スケジュールや居眠り運転、が問題になっていました。

また2016年1月の「軽井沢スキーバス転落事故」の原因は睡眠不足ではありませんが、通常と違う運行ルートで速度を出しすぎた結果、乗員・乗客41人が死傷し、依然として改善されない運転手の過密スケジュールや事業者のずさんな運行管理が露呈する結果となりました。

事業者向けの法律改正、なにが変わった?

睡眠不足の運転手に運転させてはいけない決まりに

今回の改正では、事業者が乗務員を事業用自動車に乗せてはいけない理由として「睡眠不足」が追加されます。下記では例として旅客自動車運送事業運輸規則の第21条5項をご紹介していますが、「睡眠不足」は文章中に明確に表現はされていませんでした。

(改正前)第21条 5項
旅客自動車運送事業者は、乗務員の健康状態の把握に努め、疾病、疲労、その他の理由により安全な運転をし、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない。

改正後は、「睡眠不足」という単語が文中に追加され、睡眠不足によって安全な運転ができない乗務員は事業用自動車に乗務させてはならないと明言されています。

(改正後)第21条 5項
旅客自動車運送事業者は、乗務員の健康状態の把握に努め、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をし、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない。

点呼で「睡眠不足を確認」が必須に

また、事業者には乗務員の事業用自動車に乗る前に「点呼」が定められていますが、「睡眠不足」が点呼の確認内容として追加されました。ちなみに点呼は対面、電話などその他の方法で行われています。

下記では例として旅客自動車運送事業運輸規則の第24条3項をご紹介していますが、「睡眠不足」は文章中に明確に表現はされていませんでした。

(改正前)第24条 3項
疾病、疲労、その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無

改正後は、「睡眠不足」という単語が文中に追加され、点呼で睡眠不足によって安全な運転ができない恐れの有無を確認しなければならないとなっています。

(改正後)第24条 3項
疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無

運転者も「睡眠不足の報告」が尊守事項に

また、運転手の尊守事項にも運転前、運転中に睡眠不足を感じた際はすぐに事業者に申し出ることが追記されました。

第50条
3の2
疾病、疲労、睡眠不足、天災その他の理由により安全な運転をすることができないおそれがあるときは、その旨を当該旅客自動車運送事業者に申し出ること。
3の3
事業用自動車の運行中疾病、疲労、睡眠不足、天災その他の理由により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、その旨を当該旅客自動車運送事業者に申し出ること。

まとめ

本記事では、睡眠不足を防ぐために2018年6月1日から施行される旅客自動車運送業者と貨物自動車運送業者の規則改正についてご紹介しました。

事業者に対する規則に「睡眠不足」が明記されることで、同様の事故が防げられるよう期待したいですね。

  • カービュー査定

関連するキーワード


交通ルール・マナー

関連する投稿


駐車違反の反則金はいくら?標識がなくても駐車禁止の場所は?

駐車違反の反則金はいくら?標識がなくても駐車禁止の場所は?

当記事では駐車禁止違反(駐禁)について、違反をしてしまった際の反則金・罰金、違反点数などの罰則内容から、駐車禁止のステッカーを貼られてしまった場合にどうすればいいのか等の対処方法、駐禁の反則金の支払いについてや、違反をしてしまった場合はすぐに出頭すべきか否か等をまとめて掲載しています。(※情報は執筆時点のものです)


免許停止(免停)とは?免停になる違反点数や免停期間、講習に関する疑問を解決

免許停止(免停)とは?免停になる違反点数や免停期間、講習に関する疑問を解決

交通違反や交通事故によって違反点数が加算され、一定の点数を超えると免許停止(免停)になります。免停となる点数や免停期間、免停講習はどのようなことをするのかなど、免停に関する疑問をわかりやすく紹介します。


【初心者マーク】貼り付け位置・掲示義務ルールを解説! 1年過ぎても貼っていいの?

【初心者マーク】貼り付け位置・掲示義務ルールを解説! 1年過ぎても貼っていいの?

初心者マークを貼る場所、みなさんは知っていますか?免許交付1年以上で初心者マークをはってもいいのか、さらにマグネット式、吸盤式、はってはがせる初心者マークが買える場所など、気になる初心者マークの疑問についてご説明します。


ひき逃げを起こした場合の罰金・罰則|被害にあった場合は?

ひき逃げを起こした場合の罰金・罰則|被害にあった場合は?

もしもひき逃げ事故を起こしてしまった際に、どのように対処すべきでしょうか。さらには、被害に遭ってしまった方、事故を目撃した方もその場で適切な処置をする事が求められます。今回は、ひき逃げを起こしてしまった側、巻き込まれてしまった側、それぞれがどのように対処し、処置をしていくべきかを解説しています。


高齢者マーク(もみじマーク)って何歳から必要になる?装着は義務?

高齢者マーク(もみじマーク)って何歳から必要になる?装着は義務?

70歳からドライバーが着けるとされいる「高齢者マーク」、正式名称を「高齢運転者標識」といいますが、高齢者マークの装着は義務なのか任意なのかという疑問から、つけずに運転した場合に違反となるのかや、高齢者マークをつけている車に幅寄せをした場合の罰則、貼る場所やどこで販売しているかについて等をまとめて掲載しています。


最新の投稿


梅雨時期の子供との車移動で7割以上が困った経験を持つが、対策したのは半数以下【ナイル調査】

梅雨時期の子供との車移動で7割以上が困った経験を持つが、対策したのは半数以下【ナイル調査】

ナイル株式会社は、同社が運営する個人向けカーリースサービス「おトクにマイカー 定額カルモくん」にて、子供と車に乗る機会のある全国の男女を対象に、梅雨時期の車移動で困った経験と対策、そこにかけられる予算についてインターネット調査を実施し、結果を公開しました。


バイクウェア高価買取!ストスト(STST)の買取サービス徹底解説

バイクウェア高価買取!ストスト(STST)の買取サービス徹底解説

ストスト(STST)は、中古ゴルフウェアの買取や販売で知られる実績ある専門店ですが、バイクウェアやヘルメットの買取にも力を入れています。全国対応の宅配買取サービスを展開しており、査定料・送料・キャンセル料はすべて無料。1点からでも申込みが可能で、実店舗でも直接買取の相談ができます。大切なバイクウェアやヘルメットを、バイク専門のスタッフが市場相場をもとに丁寧に査定してくれるので、安心して任せられます。そこで本記事では、ストストのサービス内容や他社との比較、高価買取のコツまで、すべて解説します。バイクウェアやヘルメットの売却を検討している方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてくださいね。


ライドシェアは高所得者ほど前向き?性別・年収・ライフステージ別に意向【フォーイット調査】

ライドシェアは高所得者ほど前向き?性別・年収・ライフステージ別に意向【フォーイット調査】

株式会社フォーイットは、全国の20代~60代までの男女を対象にライドシェアに関するアンケートを実施し、結果を公開しました。


ジープ新型「レネゲード」発表!人気のコンパクトSUVに初のマイルドハイブリッドモデル

ジープ新型「レネゲード」発表!人気のコンパクトSUVに初のマイルドハイブリッドモデル

2025年6⽉5⽇、Stellantisジャパン株式会社は、本格SUVブランド「ジープ」初のマイルドハイブリッドモデル「レネゲード イーハイブリッド(Renegade e-Hybrid)」を発表しました。同年7月5日より、全国のジープ正規ディーラーにて販売開始されます。


約3割が将来的に運転免許証の返納をすることを検討!返納時期は70~74歳が最多【NEXER調査】

約3割が将来的に運転免許証の返納をすることを検討!返納時期は70~74歳が最多【NEXER調査】

株式会社NEXERは、合宿免許in静岡と共同で、事前調査で「運転免許証を取得した」と回答した全国の男女を対象に「運転免許証返納」についてアンケートを実施し、結果を公開しました。