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車やバイクのDCTって何?仕組みや役割、メリット・デメリットを解説

車やバイクのDCTって何?仕組みや役割、メリット・デメリットを解説

車やバイクでよく聞くDCT(デュアル クラッチ トランスミッション)ですが、その仕組みや役割は意外とわかりにくいもの。このDCTは欧州車に導入されているケースが多いのですが、BMWから発売されているモデルに関して言えば、今はほとんど日本仕様からは消えています。その実情と理由についても合わせて考えていきます。

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そもそもDCTとは?

ZFとポルシェが共同開発した新型8速DCT

DCTとは、デュアル クラッチ トランスミッションの略です。

その名の通りですが、クラッチを2つ持っていることが特徴です。

この特徴がどう生かされているのかというと、変速時です。変速時に、あらかじめ変速先のクラッチを繋いでおいて、変速元のクラッチを切るのとほとんど同時に変速するというものなのですが、これによってエンジンは回っているのに駆動の役に立っていない状態を可能な限り削減出来るという効果を生んでいます。

このDCTですが、駆動効率が非常に良くなったのですが、その反面構造が複雑で機械そのものも重く大きくなるというデメリットがあります。

もし、このシステムを簡素化したりすると、高温多湿の環境においては熱がこもってしまい、故障の可能性をあげてしまったりします。

さらに、渋滞の多いエリアでは動きがギクシャクする、というデメリットが課題になっていました。

そこで、そのデメリット解消すべく「トルクコンバーター付きDCT(略称:トルコン付きDCT)」と呼ばれる、作動時のギクシャク感を解消するDCTをホンダが作りましたが、大抵のメーカーでは、実用車であればトルコンつきAT、そして、高性能車であればDCTを備え付けるというように、使い分けをされて製造されています。

DCTはどんな仕組み?

DCTの仕組みに関しては、6速のエンジンを例えとしてご説明していきます。

前提として、自転車を例にとると、自転車を走り出そうとする際には、一番低いギアから走り出し(1速)、スピードが上がってきたら次に2速、3速と徐々に重いギアへと変速を行っていきます。そのイメージを持っていてください。

DCTは、1・3・5速の奇数ギアと、2・4・6速の偶数のギアの2つのギアで構成されています。奇数ギアは、インナーメインシャフトというものに繋がっていて、偶数ギアはアウターメインシャフトといものに繋がっています。この他にカウンターシャフトというものがあるのですが、これは、クランクから伝わった動力を最終的に駆動輪にパワーを伝える役割になっています。

エンジンスタート後に発進する際には、自動的に1速が選択されます。その後、1速で走っている最中に、あらかじめ次のギア(2速)を準備して、回転数を合わせておきます。

その後、ある一定の速度や回転数になると、1速のクラッチを切って2速に切り替えます。2速に入ると同時に、奇数ギア内で隣り合わせになっている1速と3速のギアが始動し、車の速度やエンジンの回転数に応じて、クラッチを切り替える準備をしておきます。

このような形で次々とシフトチェンジンを行っていくというのがDCTの仕組みです。奇数ギアの1・3・5速と、偶数ギアの2・4・6速を交互に使用していくので、一部車種を除いたほとんどの車両では、1段ずつギアが切り替わっていきます。

トランスミッションって…?

そもそもトランスミッションとは、自動車における「変速機」で、車の走行スピードやギアの回転数に合わせたギアを調節し、快適な走行と燃費性能を維持するためのものです。

具体的に言うならば、いつまでも1速のままの低いギアで走行していては速度が出ずに燃費も悪くなってしまいますしその逆に、6速の状態で発進しようとしても、車はほとんど動かずにマニュアル(MT)車であればエンストを起こしてしまいます。

このように、車のエンジンの性能を最大限に活かすにはシフトチェンジを行うトランスミッションの存在が必要不可欠になります。

このトランスミッションによって走行速度とエンジン回転数を最適化することができます。

MT車には、クラッチペダルというものが存在しており、クラッチを切ってギアをつなぎシフトチェンジをする必要があります。この、「半クラ」を使う分、MT車の運転ハードルは高いと思われています。

その反面、オートマチック(AT)車にはこの変装を行う際のクラッチペダルがありません。アクセルペダルとブレーキペダルを操作するだけで、勝手にシフトチェンジをしてくれる、エンストと無縁な運転が可能です。

さらに、CVTと呼ばれるトランスミッションも存在します。CVTとは「Continuously Variable Transmission」という英語の頭文字を取ったもので、「無段変速機」または、「連続可変トランスミッション」と呼ばれています。

基本的には、AT車のシステムと似ているのですが、若干異なる部分があります。

従来のオートマチックトランスミッションは、Dレンジに入れておけば、アクセルの踏み具合とスピードのよって、ギヤが自動的に1速から4速へと自動で変更してくれます。

ただ、CVTはギヤが存在せず、2つの滑車(プーリー)の幅を変えることより、ベルトやチェーンを通じて動力を伝えるという仕組みになっています。CVTには、「ベルト式」、「チェーン式」、「トロイダル」など複数のタイプに分かれてるのが特徴です。

ATと異なり、ギヤを変更するという仕組みそのものがないので、スムーズな加速走行が出来るという点が魅力です。

DCTのメリット・デメリット

従来のトランスミッションと比較した際の、DCTのメリットとデメリットをあげてみます。

DCTのメリット

DCTのメリットは以下の通りです。

・駆動効率が向上
・変速時のショックの減少
・加速と燃費の性能向上

一般的なATであれば、トルクコンバーターと呼ばれる装置によって、加速や変速をスムーズに行えるようにサポートしていますが、その構造上どうしても滑りが発生してしまうため、MT車よりも伝達効率の悪さから燃費が悪いと言われてきました。それに、アクセルを踏み込んでから加速が始まるまでの間にタイムラグも生じてしまっていました。

このように従来のAT車では、どうしてもMTに勝てなかった変速時のスピード感を、デュアルクラッチを採用することにより、トルク抜けを最小限に抑えてスムーズに行えるようになったという点がメリットと言えます。

DCTのデメリット

DCTのデメリットは以下の通りです。

・コスト高
・クラッチ操作時の違和感

DCTは、MTが人力で行う変速アクションを機械によって行うよう設定されているので、部品数が多くなることで、総じて重量も重くなり、その分コストも高くなってしまいます。

また、発進時にはクラッチ操作が入るのでMT車のようなギクシャク感を感じることもあります。渋滞時などの発進では、CVTのように、スムーズな加速感を得られず違和感を感じてしまうかもしれません。

さらに、AT車のようにブレーキを離すと徐々に加速するクリープ現象はありませんので、微細なコントロールに苦労するかもしれません。そのため、渋滞で少しずつ進む際や、駐車をする際はAT車に乗りなれていると苦労するかもしれません。

まとめ

DCTをはじめとした、車のトランスミッションの仕組みをおわかり頂けたでしょうか?
車の運転手法が技術の進歩によってより安全でより幅広くなってきています。

車を選ぶ際には、ご自身の運転のカーライフの好みに応じて最適なものを選択してみてください。

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