知ってる?インジェクターの役割・構造とは
■インジェクターの役割
インジェクターとは燃料の噴射を行う部品です。フューエルインジェクターという名称が一般的で、それを略したのがインジェクターになります。
ご存じのとおり車が動く動力を生み出しているのはエンジンで、エンジン内部の燃焼室内における燃料と空気から構成される混合気がスパークプラグの着火によるものです。この混合気燃料を送り出す役割を果たすのがインジェクターとなっています。
インジェクター先端のバルブ部分から燃料が噴出されるようになっています。
これはインジェクター内部の燃料に対して圧力が掛けられており(この圧力は燃圧と呼ばれています)、バルブが開閉を繰り返すことが燃料を噴出することができるようになっているのです。このインジェクター先端のバルブ部分は電子信号に反応して開閉するようになっています。
エンジン毎に使用されるインジェクターの本数ですが、ポート噴射式と呼ばれるものでは1気筒につきインジェクターが1本使われ、デュアルインジェクターと呼ばれるものでは1気筒につき2本のインジェクターが使用されます。
ちなみに、シリンダー内に直接燃料を噴射する直噴式も1気筒に付き1本のインジェクターが使われる設計です。
■インジェクターの種類・構造
燃料を噴出することがインジェクターの主な役割ですが、インジェクターにも種類があり、ソレノイドフューエルインジェクターとピエゾフューエルインジェクターの2種類に分けられます(以下ではフューエルを省略)。
ソレノイドインジェクター
ソレノイドインジェクターはバルブの開閉に電磁石を利用することで燃料を噴射する構造となっているインジェクターです。ソレノイドコイルと呼ばれるインジェクター内のコイルが通電されて磁化するとプランジャーコアがコイルに引き寄せられる形となります。
これによってバルブボディ先端を閉じていたプランジャー先端にあるニードルがプランジャーと共に引き寄せられ、ニードルが埋めていた隙間から燃料が噴射されるという仕組みです。ソレノイドインジェクターはガソリンエンジンで多く使われています。
ピエゾインジェクター
ピエゾインジェクターはピエゾ素子を用いて燃料噴射を行うインジェクターになります。ピエゾインジェクターにおけるピエゾ素子の役割は増幅モジュールにあるコントロールバルブの開閉作業です。
ニードルがインジェクターの先端にあることはソレイドインジェクターと同じですが、ピエゾインジェクターの場合にはニードル先端と後端の燃圧の違いを利用してバルブを開閉しています(後端の燃圧が下がるとバルブが開く)。
ディーゼルエンジンでの採用事例が多いです。ソレノイドインジェクターよりも精度が高く作られています。
インジェクターの価格
■2万円がひとつの目安
インジェクターの価格は、1本あたり2万円はかかると言われることが多いです。車種によって違いはあると思いますが、目安としてはそれくらいを考えておくと良いでしょう。
例えばモノタロウの検索システムを使って調べてみると、品番JF02-13-250のマツダ純正インジェクター(新品)が1本で税別15,400円となっています。(2018年現在)
ヤフオクのようなインターネットオークションでは中古品の販売もされています。事例を1つ紹介しますと、RB26DETTエンジン(スカイラインGTR BNR32 BCNR33 BNR34に搭載されたエンジン)向けのNISMOインジェクターが6本セットで税抜29,980円です。(2018年現在)
■購入の際には品番を確認しよう
インジェクターの交換を自身でされている方や自身でやってみたいという方の場合、まずは交換したい車に使われているインジェクターの品番を調べてください。
ディーラーでそのまま注文する手段もありますが、場合によってはオークションサイトやモノタロウのようなネット販売でも同じ製品が安い価格で販売されている可能性があります。例え業者に依頼する場合でも交換部品の相場を知っておくことは、整備費用の正当性を確認するためにも把握しておくべきです。
インジェクターの交換時期
インジェクターには交換時期は定められていません。そのため問題が無ければ交換する必要なありません。エンジン出力やトルクの低下、エンジンストールといったトラブルが発生した場合には、インジェクターに問題が発生している可能性も考えられます。車を運転しているときにそのような現象が発生した場合には、インジェクターの可能性もあると覚えておきましょう。
まとめ
今回はインジェクターについて、その役割や構造及びその価格などについて紹介しました。最近の車はほとんどがインジェクターを使用しています。ですので、基本的な仕組みについて理解しておくと、いつかキャブレターについて学ぶ際にも違いがよくわかることでしょう。
普段から目にすることはほとんどありませんが、壊れると高くつきますので、その点も覚えておいてください。