ルノー ルーテシアとはどんな車?
ルノーのルーテシアというモデルは、クリオという名前でフランスで発売されています。日本ではルーテシアという名前で販売されていますが、1990年の初代が発売されてから、全世界で1500万台を販売している、超人気車なのです。
欧州のBセグメントでは、2013年以来販売トップに立っているモデルです。新型では、およそ6年半ぶりのモデルチェンジとなり、5代目のモデルとして発売されます。
■ルーテシアの概要
本国では、クリオという名前で販売されていますが、ルーテシアと言う名前で日本で販売されていたのは2006年からです。クリオとしては3代目のモデルになりますが、日本では3ドアと5ドアのハッチバックが導入されました。
当初日本に導入されたのは、1.6Lのガソリンエンジンの1種類のみとなっています。5速MTと4速ATの組み合わせで販売されていました。2010年3月からは、マイナーチェンジされたモデルが販売。横滑り防止機能が設定されるなど、さらに安全に運転できるようになっています。
クリオという名称が商標登録されていた関係で、クリオという名前で輸入されているモデルと、日本でも正式に導入されたルーテシアという名前が混在しています。本国で人気のモデルだけに、魅力がたっぷりのモデルとなっているのが特徴。
■現行モデルのルーテシアの内装
ルーテシアの内装は、落ち着いたカラーコーディネートにより、色調が抑え目になっています。エントリーモデルということながらも、それほどチープ感がない内装がポイントとなっています。黒やグレーを基調としたデザインになっており、誰でも乗りやすい内装です。
日本で人気のスポーティ仕様のルーテシアRSになると、赤のアクセントがあり、独自デザインになっているのが特徴。アルミ製のペダルや、スポーツシートなどドライバーをやる気にさせる内装がポイントとなっています。
ルテーシアが持っている実用性はそのままに、スポーティなデザインとシートが装備され、スポーツ走行がしやすいデザインとなっているのが人気の理由です。
新型ルーテシアもシックで落ち着いたデザインに
3月開催のジュネーブモーターショー2019にて発表されるクリオ(日本名:ルーテシア)新型
これまでのルーテシアも、落ち着いたデザインとなっていましたが、2019年3月に発表の新型のルーテシアではさらに質感の向上を目指しています。ダッシュボードやドアトリム、さらにはセンターコンソールなどにソフトコーティング素材を使用しているのが特徴。
またパーキングブレーキは電動化されることで、運転席周辺のスペースがさらに拡大しています。ステアリングホイールも、エアバッグが小型化しているので、よりコンパクトなデザインになっているのがポイントです。
高めの位置にあるセンターコンソールには、シフトレバーが設置されています。ダッシュボード中央には、Bセグメント車で最大級の9.3インチのマルチメディアモニターを装備しています。
シートはサポートが大きく張り出しているので、座り心地も良さそうです。これまでのシートよりもドライバーをサポートすることができそうなデザインとなっています。
マルチメディアモニターは、ドライバーの方向に向けてレイアウトされているので、操作がしやすくなっているのがポイント。マルチセンシング、ナビ、インフォティンメントの役割をはたしています。
新型ルテーシアでは、デジタル化されたデジタルコックピットを採用しているのも特徴です。メーター部分にあるスクリーンに、ドライバーに見やすく情報を提供することができます。センターコンソールに置くだけで、スマホの充電が可能です。ワイヤレスでスマートフォンを充電することが可能なのも、利便性が良いので嬉しい機能です。
ホイールベースが長くなっているので、リアシートのスペースが向上しています。コンパクトカーでありながらも、後席のスペースが向上していることは、同乗者の快適性を向上させるので、ルーテシアの魅力をさらにアップさせることでしょう。
グローブボックスが大型化されていることや、391リッターというクラス最大のラゲッジスペース容量も利便性を向上しているポイントです。
新型ルーテシアの外装・エクステリア
ルーテシアの外装は、従来のモデルから流線形の独特のデザインとなっていました。コンパクトカーとしてのかわいいさと、存在感を両立したデザインになっているのが特徴です。
新型の外装では、官能的なフォルムはそのままにダイナミックなデザインになっているのがポイントです。フロントグリルが大型化されており、大型のインテークを備えているのも特徴的。
ボディサイズは、全長が14mmコンパクトになり、全高は30mm低くなっています。より空力性能や運動性能を向上させるのに、ボディサイズの変更が良い影響を与えています。ヘッドライトやテールランプにLEDランプが標準で装備されているのも、一つのポイントです。
基本的な外装としては、ほとんど大きな変更がないのが特徴です。変更になっている点は、ヘッドライトテールライト、また前後のバンパーのデザイン。マイナーチェンジに近いのではと感じさせるほど、大きな変化がありません。
■ボディカラーもシックに
新しいルーテシアで選択できるボディカラーは、先代と同じように落ち着いた色合いとなっています。鮮やかでありながらも、シックな色合いになっているのが、ルーテシアのデザインとマッチしています。
新型では、新色のバレンシアオレンジとセラドンブルーを加えて、全10色のボディカラーを選択可能。エクステリアカスタマイズパックとして、赤、オレンジ、黒が選択できます。
ルーテシアのパワーユニット
ルーテシアに搭載されるのは、ルノーの主力エンジンである1.2Lターボです。ユーロ6に適合したエンジンで、パワフルに走るには十分なパワーを出しています。最高出力は118psとなっており、また最大トルクは20.9kgmとなっています。
ダウンサイジングターボを搭載しているので、排気量が小さくても必要なパワーを出すことが可能です。価格が抑えられた0.9L3気筒ターボエンジンが搭載された「S MT」が限定販売されていました。
1.2Lターボエンジンに組み合わされるのは、6段デュアルクラッチトランスミッションで、ギアの変速が良く理解できるギア構成になっています。小排気量のエンジンと組み合わせると、どこで変速しているのかがはっきりと理解できるシフトフィールを提供します。
ダウンサイジングターボは、大排気量のようにあり溢れるほどのパワーはありませんが、心地よく走ることができます。シャシーはルノー日産三菱アライアンスが開発した「CMF-B」プラットフォームを採用。
これまでも高速では良好な直進性を見せ、コーナリングでは自然なフィールを見せていたので、コンパクトカーとして十分な性能でした。新しいシャシーになって、さらに走行性能が向上することが期待されますので、発売後が楽しみになります。
スポーティなRSに搭載されるパワーユニットは、従来のモデルと比較するとさらにパワフルです。1.6Lながらも最大出力は200馬力となっており、ハイパワーを小さな排気量から出しています。
ルノーが長年F1で培った技術が、コンパクトなエンジンから生み出されるエンジンパワーの理由となっています。RSの場合には1300kgに満たない車には、充分なパワーですが、スポーツ走行にはぴったりのエンジンです。
燃費の面では、従来のモデルではJC08モードでは17.4km/Lとなっています。またRSになるとおおむね11~12km/Lほどの燃費になるようです。コンパクトカーとしては標準的な燃費でしょう。
次期ルーテシアは技術進化が確実!
新型ルーテシアでは、さらに先進技術が搭載されることがポイントとなります。スマートコックピットで、最新のコネクティビティ技術が反映されています。
マルチメディアモニターが装備されているので、ドライバーも気軽に操作することが可能。全ての機能が集約しているので、ドライバーには嬉しい機能です。
また新型のルーテシアには、先進の運転支援システムが搭載されることも決まっています。ルノーとしては、先進の運転支援システムが小型車の自動運転につながるとしています。それで、新型のルーテシアにどのような運転支援システムが搭載されるのか楽しみです。
予想されているのは、ステアリングから手を放しても良いほどの自動運転ではなく、日産セレナの「プロパイロット」のような、半自動運転の技術になると予想されています。ルーテシアがコンパクトカーであることを考えると、半自動運転になることが妥当と言えるでしょう。
■ハイブリット版も登場か?
新しいルーテシアでは、ハイブリッド版が登場することが予想されています。2019年3月時点で発表されているのは、ルノーグループが新開発したハイブリッド技術の「E-Tech」が搭載される最初のモデルとなります。
どのような技術になるのかは、ジュネーブモーターショー2019で発表される予定です。48ボルトのマイルドハイブリッドが搭載されると予想されています。コンパクトカーにハイブリッド技術が搭載されて、どのくらいの燃費になるのか今後のニュースにも注目できるでしょう。
人気のコンパクトカーは売れる理由あり
これまでルーテシアは、クリオという名前でフランスでも、欧州でも売れ続けてきました。コンパクトで積載性も良く、きびきび走るというコンパクトカーの要求を満たしているのが販売台数の多さにつながっているのでしょう。
新型にモデルチェンジされることになりますが、外装の面では大きな変化がないとしても、内装の質感アップや、ハイブリッド技術、自動運転など注目の装備が追加されることが分かっています。どのようなモデルになるのか、今後のニュースにも注目していきましょう。