趣味性も強いステーションワゴン、小さめ車ならお得に買える
ホンダ シャトル
SUVの進撃は止まらない! 日に日にSUVが各メーカーからどんどん登場している今、ステーションワゴンやセダンといった背が低めの車種は、もはや実用性だけでなく趣味的要素も組み合わさって選ばれるような立ち位置になりつつありますよね。
そのこともあってか、特にラインナップでステーションワゴンが充実している輸入車では、お値段が結構高めなこともしばしば。そこで今回おすすめしたいのは、ちょっと小さめサイズのステーションワゴンなのです。
ワゴンならではの使い勝手はありつつも、持て余さないちょうどいいボディサイズに、車両価格もあまり高くならない小さめステーションワゴンは、もしや荷物も載せられる車選びのスイートスポットかも、と思うほど、魅力的車種がいっぱいです。
その中から、特におすすめしたい3台をご紹介していきます。
最新小さめステーションワゴン おすすめ3選はこれだ!
■トヨタ カローラツーリング:人気のカローラに積載能力をプラス
トヨタ カローラツーリング
先行した5ドアハッチバックのカローラスポーツで大好評を博したシャープなデザインはそのままに、グッと伸ばされた車両後部によって余裕のある荷室を得たのがこちらのカローラツーリング。
ちょっと前までラインナップされていた、いかにもベーシックカーという雰囲気が満載だった旧型のカローラと同じ車名を引き継ぐのがちょっと不思議に思えるほどに、もはや攻撃的ともいえそうなシャープなスタイリングはカローラツーリングの大きな魅力ですね。
もちろん最大の魅力は、その余裕ある荷室容量でしょう。カローラスポーツはかなりルックス重視のフォルムということもあって荷室は特に高さで厳しいという指摘を受けることもあるようですが、フィールダーでは滑らかな曲線で後方まで伸ばされたルーフラインによって高さもしっかり確保。
5人乗りでも392Lでゴルフバッグが4個収納可能、後席を畳めば最大で802Lまで広がる荷室容量は、自転車まで載せられるほどのフラットな床面が実現されています。
トヨタ カローラツーリング 荷室
また、新型カローラシリーズで定評のあるパワートレインのバリエーションの幅広さはツーリングでもそのまま。
1.8リッターと排気量アップしてパンチ力アップを果たしたベースのガソリン仕様、同じく1.8リッターに拡大されてさらなる実用燃費の向上を果たしたハイブリッド、なんと6速MTとの組み合わせとなる新たに設定された1.2リッターターボ仕様と、それぞれの個性が魅力的すぎて選ぶのに悩んでしまいますね。
また、カローラツーリングでは極端な廉価グレードが設定されておらず、全車で「トヨタセーフティセンス」が標準装備となる点が大きな注目ポイント。高性能で定評のあるトヨタの被害軽減ブレーキが備わる点は、今時の新車では当然となってきた自動ブレーキの中でも安心感がありますね。
トヨタ カローラツーリング
先代となるカローラフィールダーでは日本仕様専用の5ナンバーボディとなっていたのですが、新型のカローラツーリングではついに3ナンバー化がされています。
しかし、ワイドな設計の海外仕様に対して国内仕様ではサイドミラー取り付け位置を専用としたり、全長も切り詰めるなど、国内の道路事情に対する配慮もしっかり感じられるカローラツーリングは、魅力がどんどん増えたのに対して普段の使い勝手は5ナンバー車同等に優れており、小さめステーションワゴンとして非常に充実したパッケージとなっています。
トヨタ カローラツーリングのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,495mm×1,745mm×1,460mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,640mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,370kg | |
燃費 | WLTCモード:29.0km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンハイブリッド 1,797cc | |
エンジン最高出力 | 72kW(98PS)/5,200rpm | |
エンジン最大トルク | 142N・m(14.5kgf・m)/3,600rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 53kW(72PS) | |
モーター最大トルク | 163N・m(16.6kgf・m) | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 2,410,000円(消費税抜き) |
■ホンダ シャトル:5ナンバーでも驚きの広さ、意外とスポーティ
ホンダ シャトル
先ほどのカローラツーリングが、セダンのカローラと共通のフロントエンドを持つのに対し、こちらのホンダ シャトルは、同社の人気コンパクトカーであるフィットの息吹を感じるワンモーションフォルムが特徴的。
実際にシャトルのベースは先代フィットとなっており、ドア形状などにもその名残を感じさせるものの、車両前後の表情などはフィットよりもグッと高級感を感じさせる仕上がりになっており、上級に据えられていることがわかりますね。
先ほどご紹介したカローラツーリングが3ナンバーボディなのに対し、5ナンバーサイズを維持しているシャトル。しかし、なんと荷室容量ではシャトルが逆転勝利しており、定員乗車時で570L、後席格納時ではなんと1,141Lという、もはやミニバンを思わせるような大容量スペースが確保されています。
これは実車を見るとすぐわかるポイントなのですが、シャトルの荷室床面は地面から54cmと相当に低く設計されているため。カローラよりも10cm弱高く設定された全高と合わさって、荷室高が相当に高くなっています。それでいて立体駐車場にも対応できる1,545mmの全高が維持されている点は、SUVでは真似できませんね。
ホンダ シャトル 荷室
ホンダ車でもうお馴染みのセンタータンクレイアウトによる高い室内高は、コンパクトカーのフィットでもうれしいポイントでしたが、ステーションワゴンのシャトルでも大いに輝く特徴となっていますね。
リヤシート座面を持ち上げる「チップアップ」が可能など、フィットなどと共通のシートアレンジの豊富さもあり、どんな荷物でもどんとこい!と言える大容量は、ファミリーカーとして使うのにもぴったりです。
パワートレインは、こちらも先代フィットと共通の「スポーツハイブリッド i-DCD」と1.5リッター ガソリンエンジンの二本立て。この中でも特におすすめしたいのが、ハイブリッド仕様の方です。
まだまだ日本車では採用が珍しいデュアルクラッチトランスミッションにモーターを内蔵することで、コンパクトなシステムと低燃費を実現した同ハイブリッドは、システム最高出力で137PSとコンパクトなサイズには十分なハイパワー。
専用仕立てのサスペンションと合わせ、意外なほどキビキビと走れてしまう点は、実用車といえどもホンダらしいDNAを感じられる部分かもしれませんね。
ホンダ シャトル
全グレードで先進安全機能パッケージの「ホンダセンシング」が標準装備される点はうれしいところではありますが、アダプティブクルーズコントロールが先ほどご紹介したカローラツーリングのように全車速追従機能付ではないなど、登場年度の古さもやや感じられるようになってきたシャトル。
それでも最廉価グレードで180.84万円からという車両価格、さらにご紹介したとんでもない広さの荷室を思い出せば、まだまだ第一線級の競争力のある一台と言えるでしょう。
ホンダ シャトルのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,440mm×1,695mm×1,545mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,530mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,230kg | |
燃費 | WLTCモード:24.80km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンハイブリッド 1,496cc | |
エンジン最高出力 | 81kW(110PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 134N・m(13.7kgf・m)/5,000rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 22kW(29.5PS)/1,313-2,000rpm | |
モーター最大トルク | 160N・m(16.3kgf・m)/0-1,313rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 7速DCT | |
新車価格 | 2,199,000円(消費税抜き) |
■ルノー メガーヌ スポーツツアラー:さすが外車!のデザイン
ルノー メガーヌ スポーツツアラー(海外仕様車)
ちょっと毛色を変えて輸入車からのご紹介となりますが、こちらのルノー メガーヌ スポーツツアラーもおすすめしたい小さめワゴンです。
ハッチバック車のメガーヌとカローラスポーツはキャラクター的にもダイレクトに競合するライバル、それら車種を延長した仕上がりというメガーヌ スポーツツアラーの成り立ちは、カローラツーリングとも共通するもの。
しかし、国内仕様向けにボディを縮小させているカローラツーリングに対して、メガーヌ スポーツツアラーはやや大きめのボディサイズとなっています。といってもより大型の高級ステーションワゴンよりは明確に小さめで、全長は約4.6mとまだまだ扱いやすい範囲。駐車場への収まり方なども、特に気にすることなく普段使いが可能でしょう。
現在日本に導入されているのはGTグレードのみで、搭載するエンジンは1.6リッター 直列4気筒ターボの一本のみ。7速ATとの組み合わせになるこちらは、ターボらしく205PSというハイパワーが魅力的。
さらに、本格スポーツカーや高級車を思わせる四輪操舵システム「4 CONTROL」も装備されており、低速域での小回りと高速域でのスタビリティを両立。実用的なワゴンボディながら、ドライバーの意思次第で快速ツアラーにも変身してくれそうです。
(参考)ルノー メガーヌ GT インテリア
残念ながら画像でご紹介ができないのですが、他にご紹介している2台よりも大きめのボディサイズを活かしてか、荷室容量ではメガーヌ スポーツツアラーが大幅にリード。定員乗車時で580L、荷室からのイージーフォールディングハンドルの操作で後席を格納すればなんと1,695Lという、もはやちょっとした部屋のようなスペースが出現します。
この広さは、数値上ではなんとカローラツーリングの倍という大きさ。全長を削ったカローラの使い勝手の良さもうれしいところではありますが、駐車場スペースに余裕があって、少しでも大きな荷室が欲しい方なら、メガーヌの方をおすすめせざるを得なくなりますね。
もちろん、荷室が広いだけがメガーヌ スポーツツアラーの取り柄ではなく、洗練の内外装デザインが大きな魅力の一つ。
ルノーの新たなシグネチャーデザインであるC字型のLEDラインを取り入れたヘッドライトや、車両幅いっぱいに広がるテールライトなどは、目新しさがありつつも下品でないという、絶妙なセンスの仕上がりですね。
ルノー メガーヌ スポーツツアラー(海外仕様車)
あまり予防安全装備が充実している印象のないフランス車ではありますが、メガーヌ スポーツツアラーではエマージェンシーブレーキサポートや、ステアリング操作を車任せにして駐車が可能なイージーパーキングアシストなど、最新機能も余すことなく搭載しているのは、今時の車として選びやすいポイントですね。
本国仕様ではプラグインハイブリッドなどの追加が2020年になされたこともあり、国内への導入があるかどうかも気になるところ。しかし、電動化は車両価格も上げてしまいがちですので、現行のリーズナブルな価格でターボエンジンの鋭い加速を味わっておくのも、欧州車の楽しみ方の一つといえそうです。
ルノー メガーヌ スポーツツアラーのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,635mm×1,815mm×1,450mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,710mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,480kg | |
燃費 | - | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンターボ 1,618cc | |
エンジン最高出力 | 151kW(205PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 280N・m(28.6kg・m)/2,400rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 7速AT | |
新車価格 | 2,199,000円(消費税抜き) |
まとめ
日産 ウイングロード
小さめステーションワゴンのおすすめ車をチェックしてきました。
ここに挙げた3台の中でも、よりハッチバック寄りで身軽なカローラツーリング、5ナンバーボディでの驚異的な室内容量を誇るミニバン的要素もあるシャトル、正統派欧州ステーションワゴンといった印象のメガーヌ スポーツツアラーと、その個性は三車三様。
とはいえ、どの車もSUVに比べればシックでエレガントなフォルムとなっている点は共通ですよね。お好みの性能を持つステーションワゴンを探してみれば、現在SUVにお乗りの方でもつい乗り換えたくなってしまうかもしれませんよ。