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エンジンに不可欠なインタークーラーとは? またその仕組み・効果

エンジンに不可欠なインタークーラーとは? またその仕組み・効果

聞いたことはあってもどういったものなのかわからないインタークーラー。この記事ではインタークーラーについて説明したのち、ターボ車との関係性、仕組みや効果について触れます。また、前置きタイプ(社外インタークーラー)について触れたのち、洗浄方法についても触れます。さらにラジエーターについても説明します。

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インタークーラーとは? 水冷式・空冷式について

インタークーラーとは、過給機が搭載されている車に装備されている冷却装置のことです。ターボチャージャーやスーパーチャージャーなどの過給機で加圧された空気は、エンジンに送られるのですが、温度が高くなってしまいがちです。その空気をエンジンに入る前に冷却しないと、燃費が悪くなったり、エンジンのパワーが低下してしまいます。そこで吸気温度を下げるため、インタークーラーが必要となるわけです。インタークーラーには、水冷式と空冷式の2種類があります。

冷却式

冷却式インタークーラーは、エンジンの冷却水を利用したものです。そのため外から見ることはできません。

空冷式

空冷式インタークーラーは、主にバンパーの奥に設置されています。走行中に車が受ける風を利用して、冷却を行います。現在ではこちらが主流です。

ターボ車との関係性は

インタークーラーはターボ車にとって必要不可欠です。ターボ車では、吸気温度が30℃変わると、約12%もパワーが違ってきます。過給機から送られてきた空気は、フルブーストの状態で、約150~200℃にまで温度が上昇するのです。例えば、外気温が20℃から150℃まで上昇した場合、空気の体積は約1.5倍も膨張してしまいます。そのときのブースト圧が0.5barだとすると、過給してもしなくても同じ空気密度となり、送られる酸素量も同じになってしまいます。これでは過給した意味がありません。

そこでインタークーラーを使って温度を下げます。150℃を80℃まで下げれば、約28%も空気の体積が小さくなるため、その分出力をパワーアップさせることができるのです。また吸気温度が高くなると、ガソリンエンジンではプレイグニッションという現象が起こる可能性があります。これはエンジンの点火前に燃焼が始まってしまう現象です。この現象が発生するとエンジンが破損してしまいます。それゆえ、インタークーラーを使って吸気温度を下げておく必要があるわけです。

インタークーラーの仕組みとその効果とは?

ここでインタークーラーの仕組みと効果についてまとめておきましょう。

仕組みと構造

インタークーラーは過給機(ターボ)のある車に搭載されている冷却機であることは前述しました。コンプレッサーから入ってきた空気をインタークーラーで冷やし、タービンに送る仕組みです。このインタークーラーの構造は、冷却水を冷やす「ラジエーター」によく似ています。どちらも冷やすことが目的で作られているので、同じような構造になるのです。

またインタークーラーは熱交換器なので、インタークーラー自体も熱を持ちます。常に空気を冷却できるように、インタークーラー自体も冷やしてあげる必要があります。そのため、インタークーラーは走行風が当たりやすい場所に設置されます。車のエンジンの構造によって、設置個所も変わってきます。

どういった効果があるのか

こちらも前述しましたが、インタークーラーの役割はエンジンに送られる空気の冷却です。ターボチャージャーでは空気を圧縮してエンジンに送り込みます。空気は圧縮されることで非常に強い熱を持ってしまいます。その熱を持った空気を冷やすためにインタークーラーが設置されるのです。

「わざわざ装置を増やして構造を複雑にしなくても、エンジンの機構自体を熱に耐えられるようにすればいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、空気を冷却しないままエンジンに送り込むと、ノッキングという現象が起こりやすくなり、出力の低下や燃費の悪化を招いてしまいます。エンジン本来の性能を発揮させるためにも、インタークーラーは必要なのです。

前置きタイプとはなに?

実はインタークーラーは人気のカスタムパーツでもあります。冷やせば冷やすほどパワーを出すことができるので、ブーストアップやタービン交換とセットでカスタムする方も多いようです。ここでは前置きインタークーラーを始めとした改造について紹介します。

前置きタイプとは社外インタークーラーのこと

定番のカスタムといえば、前置きインタークーラーです。前置きインタークーラーは車の前に設置されるタイプのインタークーラーです。インタークーラーを前に置くことで、走行中に風がたくさん当たり、冷却効率が大幅に向上します。冷却効率としては最高クラスです。しかし、一般的にラジエーターの前に設置することが多いので、エンジンの水温管理には気を使う必要があります。ラジエーターのサイズアップも検討してもいいでしょう。

またインタークーラーを前に設置すると、バンパーのダクトからインタークーラーが見えるようになります。それがビジュアル的にすごくかっこいいのです。性能面だけでなく、ドレスアップの面でも活躍してくれるのが、前置きインタークーラーの特徴です。

純正インタークーラーVS社外インタークーラー

インタークーラーのもうひとつの定番カスタムが、純正流用です。これはサイズやパイプ経が同じで、なおかつより容量の大きい車種のインタークーラーを装着してしまおうというカスタムです。このカスタムは、特別な改造が不要な、いわゆるポン付けであることが多いです。中古品を購入すれば、社外品よりもコストパフォーマンスが良くなります。お手軽にインタークーラーを強化したい方は、純正流用について調べてみるのもいいでしょう。

また純正品から社外品に交換すると、運転時のフィーリングや重量が変わってしまうことがあります。社外品の場合、ほとんどが前置きインタークーラーとなるので、運転の際、フロントの重さの変化によって曲がりにくくなってしまうことがあるのです。十分注意しましょう。前置きインタークーラーにもたくさんのメリットがありますが、あまりリスクを取りたくないという人たちにとっては、純正流用のほうがいいのかもしれません。

インタークーラーを洗浄するにあたって

インタークーラーはエンジンへと送られる空気の通り道です。ですので、エンジンから出たブローバイガスによって、少しずつ汚れていきます。ブローバイガスには、オイルや不純物が含まれています。それらがインタークーラーに詰まると冷却効率が下がり、最悪の場合、ノッキングによるエンジンブローという事態にもなりかねません。ハードに使っているようであれば、メンテナンスをしましょう。

必要なものと洗浄方法

インタークーラーを掃除する際は、中に詰まっているブローバイガスを溶かす必要があります。錆が発生する原因にもなるので、水を流し込むことはやめましょう。ホースや高圧洗浄機の使用はフィンを潰してしまうので、こちらもNGです。インタークーラーの洗浄は、パーツ洗浄剤やホワイトガソリンを使います。これらの液体は揮発性が非常に高いので、火気には十分注意しましょう。洗い落した液体の色が綺麗になったあと、しっかりと乾かしたら洗浄は完了です。

またインタークーラーは、エンジンの中に空気を送り込むものですので、洗浄したあとは万全の状態にしてから装着してください。中にゴミや液体が残っていると、エンジンが壊れる原因になりかねません。インタークーラーの洗浄は、中と外、どちらを綺麗にするとしても、フィンを壊さないように注意しましょう。インタークーラーを外したあとは、車体のパイプをテープでふさぎ、ゴミが入ってくるのを防いでください。

インタークーラーとラジエーターは何が違う?

最後に、インタークーラーとラジエーターの違いを詳しく見ていきましょう。

ラジエーターとは?

ラジエーターとはエンジンの冷却水(LLC)を適温状態まで冷やす部品です。それによって、エンジンのオーバーヒートを防いでいます。具体的に仕組みを見ていきましょう。ラジエーターの中は冷却水で満たされています。車が走行中は、ウォーターポンプの働きによって、冷却水がラジエーターの中を常に動いています。冷却水で満たされたパイプは、エンジン内部を通ってラジエーターに接続されており、冷却水はラジエーターとパイプの中を循環している状態です。

冷却水はエンジンの中を通る際に、エンジンの熱を奪っていきます。このときラジエーターは、ファンや走行時に受ける風によって熱が奪われ続けているため、熱くなって戻ってきた冷却水を冷やすことができるのです。温度を失った冷却水は、ポンプの作用で再びラジエーター外に送り出され、エンジンの熱を奪ってラジエーター内に戻ってきます。この繰り返しによって、車はオーバーヒートを避けることができているのです。ラジエーターがないと、車はすぐにオーバーヒートしてしまうため、非常に重要な部品であるといえるでしょう。

ラジエーターと違う点

インタークーラーはラジエーターと似た形状の部品です。しかし、ラジエーターが冷却水を冷やすのに対して、インタークーラーは空気を冷まします。ターボチャージャーでは、空気はコンプレッサーで圧縮され、燃焼室へ送られます。このとき圧縮された空気は、コンプレッサーの圧力によって、かなりの高温になっています。この温度の上がり過ぎた空気を冷まして、効率よく燃焼できるようにするのがインタークーラーの役割です。

まとめ

インタークーラーはあまり目立ちませんが、ターボにとって必要不可欠な存在です。インタークーラーがあることによって、エンジンが本来のパワー以上のものを発揮できるのです。普段からメンテナンスを心がけ、異常を見逃さないようにしておきましょう。

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