サイドミラーとは
サイドミラーはドアミラーのことであり、バックミラーと同様に車体に取りつけられているミラーです。サイドミラーは、車の斜め後ろを確認するための物で、広い範囲が映り、後方車との距離感をつかむことで安全な運転を行うために必須です。巻き込み確認や車庫入れなどの後方確認といった、車を運転する上で非常によく使う重要なパーツであるため、運転者に合った調整をする必要があります。
また、車庫入れが苦手だという方もサイドミラーの調整でうまくできるようになることは大いにあり得ます。これを機にしっかりと調節するようにしましょう。
■サイドミラーの位置を変えるには
事故を防ぐ、車庫入れ時に周囲確認をするときに使用するサイドミラーは、その使用頻度の高さは言うまでもないでしょう。角度や位置を正しく調整しておく必要があります。しかし、重要なことはわかるけど、そんな細かい設定のやり方は教わっていないという人も多いのではないでしょうか。サイドミラーの調整方法を以下に紹介します。
車種にはよりますが、大体は十字の操作ボタンがあるかと思います。これを使って、サイドミラーの左右前後の角度を調整します。
次に、調整の目安です。サイドミラーを調節するにあたり、正しい位置とはどのような角度を指すのでしょうか?
助手席側のサイドミラーを調整する際の上下比は、地面がミラーの下半分~2/3程度映るくらいが目安と言われています。左右比は、車体の1/4程度が映り込むように合わせます。目安としては、後部座席の取っ手部分が少し映る程度です。
運転席側のサイドミラーを調節する際の上下比は、ミラー下部の1/3から1/4に地面が映り込むように合わせるのが良いとされています。
左右比は、車体がわずか程度に映り込むように、目安としては、運転席の取っ手部分が、サイドミラー下部にわずかに映る程度です。
■サイドミラーの死角は?
事故を防ぐためには、運転中の周囲の状況を常に把握しなければなりません。いかに、正確に把握できるかということです。サイドミラーからは、周囲すべての状況を把握できるわけではなく、死角と言われる見えない部分もあります。
これは、車種や、車体の大きさによって異なります。ピラーというのは、車のフロントガラスと窓の間にある柱のことを指します。
ピラーが作る死角は主に前方の左右と後方の左右です。
ピラーの陰になる範囲は意外と広く、左折時などに目視確認をしたにも関わらず、自転車やバイクが見えず、事故に繋がってしまうこともあります。また、左右ともに後部座席ドア付近は死角となり得ます。
電子ドアミラーとは
最近では、鏡の反射を利用したサイドミラーから、より正確に情報を得られる電子ドアミラーと呼ばれるものが現れています。これは、サイドミラーの位置に、デジタルアウターミラーと呼ばれる小型カメラを設置するのです。
映し出された映像は、運転席前面の両側にある5インチのディスプレイに表示されます。これにより、死角により視えない部分が減り、体を大きく動かして死角を代償することを抑えつつ、周囲の状況を把握しながら運転することができます。
■電子ドアミラーのメリットデメリットは
電子ドアミラーですが、大変優秀だということは何となく想像できたのではないでしょうか。ここでは、その良し悪しを知っていただきたいと思います。
【メリット】◇雨などの気候の変化に強い
サイドミラーそのものが、雨や暗闇など周囲の気候状況に左右されやすい面があります。ガラスが、水滴や気温で曇ることもあり、見づらいこともしばしば感じるところだと思います。 しかし、電子ドアミラーでは、カメラ部分に水滴が付着しにくい構造となっていて、専用のヒーターが付いているため画面が曇りにくい特徴があります。カメラで写している画像を明るく処理することで、夜道でも周囲をはっきり確認することができます。
【メリット】◇視界良好
デジタルアウターミラーはサイドミラーより小型であり、情報を得たい部分を得るための設置をすることで視界が広がります。
【メリット】◇連動機能
これまでのサイドミラーは普通の鏡であったため、後方を映すだけでした。
しかしデジタルアウターミラーには、「ウィンカー連動機能」と「リバース連動機能」が搭載されています。
ウィンカー連動機能とは車線変更する場合、ウィンカーと同時にカメラに映し出されるため、より正確に周囲の状況を教えてくれるのです。
車線変更の危険性を軽減してくれます。
次にリバース連動機能です。これは、もうすでに多くの車種に取り入れられているかもしれません。リバースギアに切り替えると同時に、カメラが車の後方を鮮明に映し出します。窓から身を乗り出さなくても、スムーズにリバースすることができます。
運転の技術を高めてくれる、支えてくれるそんな魅力がある電子ドアミラー。では、デメリットになりうる部分はないのでしょうか?掘り下げていきます。
【デメリット】◇性能が高すぎて、周りのものを鮮明に映しすぎる
デジタルアウターミラーのデメリットは、搭載カメラの性能が高すぎて後方の車からハイビームを受けた時に、画面が一瞬真っ白になってしまうことです。
周囲の状況も正確に教えてくれる分、光の状況も鮮明に教えてくれるようです。とはいえ、従来のサイドミラー越しでも、ハイビームが反射すると嫌に感じるものだとは思います。
【デメリット】◇違和感
サイドミラーを十分に使用している運転者にとって、その習慣がなくなるというのは違和感がつきまとうと思います。
とはいえ、車内モニターが運転席の両側に備え付けられているため、サイドミラーを確認する要領でモニターを確認していくことができます。企業側も違和感の少ない構造で考えています。
【デメリット】◇故障したときの対処方法
サイドミラーは、カバーを変えることやミラーを変えることが主なトラブル対処でしたが、電子ドアミラーとなると電子機器であるため、故障の際の対処が少し大変になるかと思います。
しかしメーカーもそのための対策は行なっており、カメラが故障した場合は画面が青色に切り替わることで、ドライバーに故障を知らせるほか、車に搭載されている通信機能により販売店に電子ドアミラー故障の情報が届くようになっています。修理までも円滑に行える仕組みができているのです。
【デメリット】◇価格が高い?
デジタルアウターミラーは、レクサスESに搭載されています。
このレクサスESの価格、アメリカでは3万9,500ドルで、日本円にすると約440万円です。しかしながら、レクサス自体安価な車種ではありません。
電子ドアミラーだから、この値段とは言い切れない気がします。ちなみに、後付けの電子ドアミラーは、商品のみの価格で、約2万円程度~となっています。
■ついにミラーレスが解禁!!
2016年6月18日、国土交通省は道路運送車両の保安基準を一部改正しました。内容としては、バックミラーに代わる電子ミラーを認可するために、「カメラモニタリングシステム」の基準整備を発表しました。これにより、自動車各メーカーは、バックミラーがない自動車を設計・製造することが可能となりました。
■スマート・ルームミラーとは
「スマート・ルームミラー」は、リアガラス内部に装着されたカメラで撮影した後方の映像を、ルームミラーに内蔵された液晶モニターで確認できるものです。通常のルームミラーではピラーなどで視界が遮られることもあれば、後席に乗っている人たちの姿や、トランクに積んだ荷物によって見えないことがあったかと思います。
スマート・ルームミラーは、リアガラス内部にカメラを取り付けます。カメラからの情報は、スマート・ルームミラーで確認することができます。ルームミラーの下部にあるスイッチを押すことでルームミラーと後方カメラ画像を切り替えることができるため、従来のルームミラーとして使用することももちろんできます。
サイドミラーにカメラが搭載できる!
ここまで、述べたように電子ドアミラーの優秀さは伝わったかと思います。少し触れましたが、サイドミラーに後付けとして搭載することもできるのです。 今では、サイドミラーもしくは、車体外側にカメラを後付けすることで、サイドミラーの死角に対応することができます。夜間や雨天時も周囲が見やすくなり、安全運転を助けます。
サイドミラーに水滴がつかない方法
とはいえ、すぐに電子ドアミラーには代えられない人も多いかと思います。ここでは、従来のサイドミラーを、より快適に使用するための方法をご紹介します。
■撥水加工のやり方は
準備するものは、ソフト99(SOFT99) ガラコミラーコートZEROなどといった商品です。 こちらを、サイドミラーのミラー部分に吹きかけることで、水滴がミラーに残らないようになるという優れものです。
ミラーに吹きかけるのですが、周りのカバー部分などにかからないように注意する必要があります。また、吹きかけたあとは、ミラーを布で拭き取ったりしないようにしましょう。
サイドミラーの修理は
サイドミラーが壊れた状況によっても対応は変わります。全損ならばサイドミラーを丸ごと交換しなければならならず、自分の手で修理するのは負担が大きいです。一部損の場合は、簡単に自分の手で修理することも可能です。
■サイドミラーに保険を使う?
車両保険では、車本体だけではなく、サイドミラーやカーナビ等も含まれます。車両保険には「一般条件」と「車対車」という2種類の条件があります。
ちなみに、車両保険を車対車で契約している人は、保険金の支払い対象外のため出来ません。
サイドミラーの修理では、自己負担のほうがお得です。理由としては、保険適用により等級ランクが下がること、事故有係数適用期間という割引率の低いグループに属することが挙げられます。
■サイドミラーは自分で交換できる
サイドミラーは自分で修理するには、比較的行いやすいです。
塗装が剥がれることや、カバーがへこんでしまった場合には、カバーを交換すれば済みます。なので、車両を購入したディーラーから直接取り寄せるか、通販で購入したものを自分で付け替えるのです。
車両の種類にもよりますが、片方のカバーで約8000円前後です。
ミラーのみならば、単体で2000~4000円前後となっています。
表面の補修の場合、コンパウンド費用は約1000~4000円となります。
手間はかかりますが、それを気にしないのならば、自分で修理した方がやはり安く済みます。
まとめ
最新のサイドミラー情報を扱いつつ、サイドミラーの重要性についても紹介してきました。
サイドミラーは、運転するには必ず使用するものだと思います。周囲の状況を正確に把握することが安全運転には必要だからです。
サイドミラーが、万が一破損したりした場合には、自分で取り換えるという選択肢も増えたでしょう。
サイドミラーは、カメラ化していることについても説明してきました。
最近のサイドミラーは電子ドアミラーに変わりました。それにより、より正確に周囲の状況を確認できます。
デジタルアウターミラーは従来のサイドミラーがあった場所に小型カメラを設置し、映像は運転席の両サイドのモニターから確認できます。画質だけでなく、連動機能も大きな機能です。
デメリットも、メリットに比べれば大きくはないと感じます。
今後はデジタルアウターミラーが主流になっていくでしょう。
それに伴い、性能も向上していくと考えられます。