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車にとって大切な部品、カムシャフトとは? 詳しい構造や交換費用を徹底解説!

車にとって大切な部品、カムシャフトとは? 詳しい構造や交換費用を徹底解説!

カムシャフトという部品を知っていますか。近頃はこのカムシャフトがついていない車もあるようですが、実はエンジンの部品の大半に使われている重要な部品なのです。このページでは、そもそもカムシャフトとは何なのか、万が一交換が必要になった際にどれくらい費用がかかるのかまで詳しく説明していきます。また、カムシャフトの形式やカムシャフトがない場合の代わりとなる構造について一緒に解説していきます。

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カムシャフトとはそもそも何?

カムシャフトとはほぼ全てのエンジンに必要な部品です。しかし、最近ではカムシャフトの付いていないエンジンもあります。カムシャフトとは一体何なのか。それを理解するためにカムシャフトの「カム」と「シャフト」のそれぞれの意味を見ていきましょう。

カムシャフトの詳しい構造

まず「カム」ですが、これはしずく型の部品で、回転することで対象物を押し上げる働きをします。1回転につき1回だけ、周期的に運動を促すことができます。

「シャフト」は棒という意味の言葉です。シャフトにカムを通して組み合わせます。シャフトが回転することで、カムが機能します。つまり、常にシャフトはカムと一体化している状態です。例えば、直列4気筒エンジンの場合、4気筒分のカムを使うため、ひとつのシャフトに4つカムを組み合わせることになります。このようにカムとシャフトが組み合わされたものがカムシャフトと呼ばれるのです。

カムシャフトにはエンジンのバルブを開閉する役割があります。形状的にぴったりなのです。時代によってエンジンの機構は変わっていきます。

しかし、どんな機構になったとしても、カムシャフトは必需品です。「吸気」「圧縮」「爆発膨張」「排気」というサイクルを繰り返します。バルブ機構は吸気や排気のタイミングで、それぞれのバルブを開こうとします。カムシャフトはそのときに、バルブを押し上げたり、押し下げたりするのです。

カムシャフト交換には高い費用がかかる?

カムシャフトを交換する際には、高額な費用が発生するといわれています。カムシャフトを交換する人は、故障など理由の他に、レースでスピードを上げるためという理由で取り換えを行います。一体どれらいの費用になるのか、見ていきましょう。

車種ごとに違う費用

レース用のカムシャフトの場合、10~20万円以上は軽くかかってしまうでしょう。これから車種ごとの交換費用の目安を見ていきます。工賃に深く関わる作業時間は「自動車整備標準作業点数表」を参考にします。1時間あたりの作業料金に関しては、ディーラーが8000円、その他が6000円として計算しましょう。

エンジンが右バング、左バングに分かれている場合は片方のみも可能?

右バングと左バングにエンジンが分かれている場合、どちらかひとつを交換することは可能です。具体的な交換料金の目安は以下のようになります。

・右バング 作業点数6  ディーラー48000円 その他36000円

・左バング 作業点数6  ディーラー48000円 その他36000円

車種によっては2万円前後で交換できるものもあります。カムシャフトを交換するついでにシリンダーヘットのオーバーホールを行うと経済的でしょう。「一度交換したら全て大丈夫」というわけでもなく、セッティングなどの作業があとで必要になる場合があります。そのときのために、よりよい整備会社を見つけておきましょう。

カムシャフトの形式

カムシャフトには主に2つの形式があります。

シングルカム

シングルカムの正式名称は「シングル・オーバー・ヘッドカム」といいます。SOHCという略し方をされる場合もあります。以前のカムシャフトはエンジン横に設置されていました。しかし、シングルカムはエンジンの上に設置されていることから、「オーバーヘッド」という言葉が付いているのです。

シングルカムが広まった理由は、プッシュロッドを介さないという特徴があったからです。プッシュロットを介さないことにより、バルブ機構の重量を減らすことができたのです。シングルカムは1960年代以降、流行することになりました。

しかし、シングルカムにも弱点があります。それは1本のカムシャフトで吸気バルブと排気バルブの両方を動かすため、どうしてもパワーが足りないという点です。これにより、1970年代以降はあとで紹介するツインカムに居場所を奪われてしまうことになります。

しかし、シングルカムが未だにエンジンに搭載されている場合もあります。それはシングルカムにはツインカムには無い特徴があるからです。まずシングルカムは部品数が少ないため重量とコストが少なくて済みます。

そのため、車体トップの重量を軽くでき、重心も下げることができます。旋回性についてはシングルカムのほうが優れていることもあるのです。それゆえ、シングルカムがスポーツカーに採用されることもあります。効率性ではツインカムには敵いませんが、他のメリットがあるので、そちらを重要視する場合はシングルカムが選択されるのです。

ツインカム

それではツインカムについても見ていきましょう。

ツインカムのメリット

ツインカムとはカムシャフトが2つ独立して備わっているタイプのものです。「ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト」が正式名称です。DOHCと略されます。このカムシャフトもエンジンの上に搭載されることが多いため「ダブル・オーバーヘッドカム」と呼ばれます。バルブの数が増えるので、その分エンジンのパワーも上がる、非常に効率的なカムシャフトです。

ツインカムを搭載したエンジンには、吸気側と排気側と、2つのカムシャフトが付いています。これにより、カムシャフトとバルブの間に生じる時間差を少なくすることができます。

前述したシングルカムの場合、吸気と排気をひとつのカムシャフトで補う構造でした。これではエンジンの回転数を上げたときに、バルブがそれに追従しにくくなってしまいます。

ツインカムの場合は、2本のカムシャフトによって吸気効率が上がり、同量の排気量でもパワーが段違いなものになっています。吸気側と排気側にそれぞれに独立したカムシャフトが付いているということは、バルブの面積を広く確保できるということであり、その分大量の吸気と排気が可能になるからです。

ツインカムはバルブの開閉も正確になるので、最大出力自体も向上します。高回転、高出力が実現できます。

またシングルカムと異なり、ロッカーアームを介在させる必要がありません。それゆえ、バルブの角度を比較的自由に設定することができます。つまり燃焼室の形状など、他のパーツの設計がしやすくなるということにもつながります。

ツインカムのデメリット

ツインカムは部品が多いので、どうしてもコストがかさみます。また部品数が多いということは、その分重量も大きくなるということです。燃費の面でも、シングルカムに比べて、ツインカムのほうが悪くなってしまいます。

最近はカムシャフトがない場合もある?

ここまでカムシャフトについていろいろと解説をしてきましたが、最近ではカムシャフトの付いていない「カムレスエンジン」というエンジンも登場しています。

カムレス構造

カムレス構造とは、文字通りカムの付いていないエンジン構造のことをいいます。カムがないのなら、どうやってバルブを動かしているのでしょうか。カムレス構造ではアクチュエーターを利用してバルブを動かします。アクチュエーターとは油圧と空気圧をうまく使った仕組みのことです。

アクチュエーターの上半分に空気を送り込むことによって、バルブが押し下げられます。バルブはストッパーのところまで下がっていきます。このストッパーの位置は油圧のよって自由にコントロールできるのです。またストッパーは油圧のよって支えられているので、安定性も抜群です。振動も少なくなるでしょう。そしてアクチュエーターの上半分から空気を抜くことによって、バルブを押し上げることができます。

このように、空気を入れたり出したりすることでバルブの位置を調整するのがカムレス構造です。バルブに開閉時間やタイミング、位置を自由に設定できるのです。

カムレス構造では電子制御で自由にコントロールできるため、従来よりも臨機応変に対応できるようになりました。

また気筒を休止させることも容易です。気筒休止とは、あまり負荷がない状態の時にエンジンの一部を停止させて燃料を節約する仕組みです。

従来でしたら気筒休止ができるのは複雑な構造をしているものに限られていました。エンジンを小型化できるのも大きなメリットでしょう。エンジンの上にカムシャフトがないため、高さを抑えることができるのです。まさに画期的な構造であるといえるでしょう。

まとめ

カムシャフトについてご理解はいただけましたでしょうか。カムシャフトは時代とともに進化しており、ついにはカムシャフトがないエンジンまで登場するようになりました。またこの先、どういった進化をしていくのか楽しみです。

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