タイミングチェーンの寿命はなんと、30万キロ!
精密機械である自動車の部品の中にあって、まず故障しないと言われている部品、それがタイミングチェーンです。
但し、粗悪なオイルを使ったり、エンジンオイル交換を長らくしないでいると壊れる事もあります。
従来のタイミングベルトの場合、寿命が国産車の場合は約10万キロとされていました。しかし外国車(外車)ではさらに短く、5万キロ以下で交換が必要になるケースもあった様です。
しかし、最近のタイミングチェーンの寿命はなんと30万キロにまで伸びています。
もともと、タイミングチェーン採用の車が多かったのですが、音がうるさい事と、コストの都合で1980年代以降に製造された車にはゴム製のタイミングベルトが多く採用されるようになりました。しかし、現在技術の進歩により、タイミングチェーンの音は小さくなっています。
そして、タイミングベルトに比べて格段に高い耐久性が見直され、現在ではほとんどの車種でタイミングベルトに代わり、タイミングチェーンが採用されています。
タイミングチェーンの不具合、どうやって気付く?異音はあるの?
タイミングベルトの場合は劣化すると、エンジンルーム内からキュルキュル異音がして、劣化に気づくことが出来たのですが、タイミングチェーンの場合も、不具合が起こると異音が発生します。
エンジンを始動して、前方から(エンジンルーム内から)「カラカラ」、「ガラガラ」、「ジャラジャラ」といった音がする際には、タイミングチェーンの不具合の可能性が高い(タイミングチェーンが伸びてしまっている)です。
そのときは一度すぐに確認してみることをおすすめします。
■タイミングチェーンの不具合の原因とは?
・粗悪なエンジンオイルを使用した場合
・誤って、適合しない種類のエンジンオイルを入れた場合
・エンジンオイルを全く交換しなかった場合
・レース走行、スポーツ走行など、エンジンに高い負荷の掛かる走り方をした場合
以上の場合に、タイミングチェーンに不具合が生じる可能性が高くなります。
特にエンジンオイルは指定された規格の物を使うように注意してください。
■タイミングチェーンが伸びてしまうとどうなるの?
タイミングチェーンが伸びてしまうと、カムの位置がズレてしまうという事態が生じます。それが原因でアイドリングが出来ない、燃費が悪化するという症状が現われます。そのままで走行を続けるとエンジン故障の原因となります。
また、車種によってはエンジン警告灯が点灯します。そうなると、車検に通らなくなります。当然ながら車検に通らない車を公道で走らせる事は出来ませんので、早急に対応する必要があります。
■伸びてしまったタイミングチェーン、調整可能?
整備工場に持ち込んだ際に、タイミングチェーンが伸びてしまっていることが明らかになった場合、基本的にタイミングチェーンを調整、もしくは交換で対処します。
タイミングチェーンのデメリットは?
タイミングベルトと比べて、長寿命のタイミングチェーンですが、デメリットを上げるなら、交換する際の料金が高いということです。
料金が高い理由は、タイミングベルトに比べてタイミングチェーン自体が高価であるという事ももちろんですが、それ以上に交換作業に手間がかかる事が理由として挙げられます。
タイミングベルトは、エンジンの外側に付いており、交換は比較的容易ですが、タイミングチェーンを交換するにはエンジン内部にあります。
その為、交換の際にはエンジンのカバーを開ける必要があり(車種によってはオイルパンを取り外する必要もあり)、交換部品もタイミングチェーン以外に、チェーンガイド、テンショナー、ヘッドカバー、ガスケット、プラグホールパッキン、そしてエンジンのオイルも交換することになります。
タイミングベルトであれば、交換時に一緒に取り替えるのはタイミングテンショナーくらいですので、いかにより多くの手間がかかるかという事が解っていただけると思います。
タイミングベルトの交換であれば、車種によって異なりますが、費用は3万円前後で交換可能です。これに対してタイミングチェーンの交換費用は国産車の場合、相場は10万円~20万円程の様です。
ですが、オイル交換さえ怠らなければタイミングチェーンは30万kmもつと言われていますので、タクシーなどの営業車を除いてはほぼほぼ交換する場面はないと思われます。
■中古車を買うのだけど、タイミングチェーン式の方が良い?
タイミングチェーンの方がタイミングベルトより長持ちするのは事実ですが、タイミングベルト式の車でも"タイベル(タイミングベルト)交換済み"と書いてあればひとまず安心です。
車両に備え付けの定期点検簿でオイル交換がきちんと行われて来たかも合わせて確認しましょう。
■タイミングチェーン式の車に乗ってるんだけど、ウォーターポンプも交換不要?
車の水温警告灯が点灯したり、車の下に冷却水(クーラント液)が滴り落ちているのに気づいたりしたときは、ウォーターポンプの不具合の可能性があります。
ウォーターポンプの役目は、エンジンのオーバーヒートを防ぐという極めて重要な物ですので、放置するとエンジン自体の載せ替えが必要な事態に発展する場合もあります。すぐに最寄の整備工場で対応してもらいましょう。
■トヨタを始め、ホンダ、スバルなども続々採用。
耐久性に優れた現在のタイミングチェーンは、普通自動車だけでなく、最近では、ダイハツ タントなど一部の軽自動車でも採用されています。
オイル交換をきちんと行って長持ちさせよう
タイミングチェーンはきちんとオイル交換を行っていれば、従来のタイミングベルトより長持ちすることは間違いないようです。
オイル交換をきちんと行っている場合の寿命は30万kmと言われていますので、個人で所有している車の場合において、タイミングチェーンはほとんどの場合、交換不要と考えて良さそうです。
その反面、もしも交換が必要な事態に発展すると、高額な修理費用は免れませんので、日頃行えるメンテナンスとして、エンジンオイル交換だけはおこないましょう。
オイル交換の目安は?
最終的には、オイルランプが点灯する事態になりますが、その時点ではすでに不具合が生じている可能性が高い為、エンジンオイル交換の時期は(走行距離は)常に気にする様にしましょう。エンジンオイルは5,000kmまたは6ヶ月で行うのが理想です。
高速道路の利用が多い方、砂地やほこりの多い場所を走行する事が多い方は交換時期を早めた方が良いかも知れません。
また、エンジンオイルはそれ自体が劣化しますので、「ガレージの中に入れっぱなしで普段は車に乗らないよ」と言う方も、こまめにオイル交換は必ず行うようにしましょう。
まとめ
今回はタイミングチェーンの重要性と、タイミングベルトとの違いをお話ししてきました。こまめにオイル交換して安心のカーライフを!