日産のNV200バネットとは?
日産NV200バネット
日産 NV200バネットは日本国内2009年5月に発売されました。一部海外でも発売されています。
バンのタイプとワゴンタイプが発売されています。
4年おき程度に改良やラインナップの刷新を行っており、2018年にはバンに4WD仕様が追加されました。
他にも、日産のNV200バネットは、タクシーとして使用されたこともあるほか、NV200バネットをベースにしたEVカー、e-NV200(イー エヌブイ 200)も発売されています。
日産 NV200バネットの基本スペック
日産 NV200バネット バン
NV200バネットはバンとワゴンで車両スペックが一部異なり、バンには後に4WDが追加ラインナップされました。また、バンにはMTも設定されています。
低床設計のため4WD化する際にはエンジンから後輪に駆動力を伝えるプロペラシャフトが必要になりますが、これもうまくクリアしています。
小型のリヤデフを採用し、サスペンションも独立懸架のマルチリンクを採用することで低床設計を可能な限り維持して4WD化しています。
乗車定員:バン‥2/5人、ワゴン‥5/7人
エンジン:HR16DE型直列4気筒DOHC1.6Lガソリン
K9K型直列4気筒1.5L ディーゼル
駆動方式:FF/4WD※4WDはバン・4速AT車のみ
最高出力:HR16DE型‥80kW (109PS) /6,000rpm
K9K型‥63kW (86PS) /3,750rpm
最大トルク:HR16DE型‥152N·m (15.5kgf·m) /4,400rpm
K9K型‥200N·m (20.4kgf·m) /2,000rpm
トランスミッション:5MT/4AT
サスペンション フロント:ストラット式
サスペンション リヤ:2WD‥リーフリジッド式/4WD‥マルチリンク式
全長:2WD‥4,400mm/4WD‥4,410mm
全幅:1,695mm
全高:2WDバン‥1,855mm/2WDワゴン‥1,850mm/4WDバン‥1,885mm
ホイールベース:2,725mm
車両重量:バン‥1,200-1,370kg/ワゴン‥1,310-1,350kg
最大積載量‥400kg(4人乗車時)/600kg(2人乗車時)
プラットフォーム:BプラットフォームNV
■日産 NV200バネット 7人乗りワゴン仕様も。荷室は?
基本的に商用車としてラインナップされているNV200バネットには5ナンバー登録の乗用ワゴングレードが存在します。
パワートレーンは共通ですがワゴンにもバン同様の2列シートの5人乗り、ワゴンだけに設定される3列シートの7人乗りがあります。
バンとワゴンの違いは非常に多く、基本的にはワゴンはより乗用車として快適性を向上する改良が施されています。
具体的にはサスペンションセッティングとスタビライザーの装備によりソフトで快適な乗り心地を実現し、シート類もより快適なものへ変更されています。
また制震遮音材も追加されドアを閉める音や車内の静粛性も一般的なミニバンレベルに改良されています。
価格帯も手ごろで欧州的なデザインと狭い日本の交通事情にマッチしたボディサイズと広大な室内空間により、一味違うミニバンとしても人気です。
特にキャンピング仕様などに改造するケースも多く、ミドルサイズのキャンパーベースとしても優秀な車両です。
日産NV200バネット タクシー仕様について
NV200といえばタクシーというイメージを持たれることが多いと思います。
その理由は日産が長きにわたって販売してきた「セドリックタクシー」などのセダンタイプのタクシー専用車を置き換える形で「NV200タクシー」などとして正式にタクシー専用車としてラインナップされたことと、世界的にも有名なニューヨークのイエローキャブと呼ばれるタクシーの車種に採用されたことが挙げられます。
世界的にも「タクシー専用車」という形で商品化される車は少なく、ミニバンタイプのボディと取り回しの良さ、高い耐久性と燃費性能などがタクシーとして要求されるスペックを充足しています。
一次的にロンドンタクシーへの導入も検討され、規定に準拠するためにオーバーフェンダーを装備し特殊な等速ジョイントを採用することで最小回転半径を3.8mまで縮小し、丸目ヘッドランプの独自の意
匠に改造されたプロトタイプが製作されました。
しかしその後に電気自動車として1回の充電で50km以上走行できる性能を備えることが要件となり、コスト面の問題で日産はロンドンタクシーへの導入から撤退となりました。
■ニューヨークのタクシー「イエローキャブ」にも採用
ニューヨークの有名なタクシー「イエローキャブ」の次世代標準車種として一時は10年間の独占契約とも言われた日産NV200NYタクシー仕様は、日本仕様とは異なる大きく拡大されたボディを持っています。
ところがこの独占契約が地元タクシー団体からの反感を招き、NY市が管轄するタクシー&リムジン委員会を訴えました。
これにより車種まで独占することは権限の逸脱であるとして、契約を無効とする判決を受けてしまいます。
NV200NYタクシー仕様がまったく導入されなくなった訳ではありませんが、全体の中ではまだまだ少数派というレベルの納車にとどまっています。
実際にはトヨタのプリウスα(現地名プリウスV)やカムリハイブリッドなどが人気で日産は想定よりも大幅に納入実績を落とす形となりました。
車中泊に最適なキャンピング仕様やカスタムをご紹介
近年のアウトドアブームとも相まってNV200バネットはキャンピングカーとしても人気です。
正確にはキャンピング仕様として日産から販売されていないので、キャンピング仕様のベース車両として人気です。
キャンピングカーというのは車内にベッドがあって寝ることができたり、シンクが設置されており大型の車ではトイレやキッチンなども装備しています。
NV200バネットの場合はバンでもキャラバンやハイエースクラスと比べると室内空間は相対的には広くありません。
最大積載量も限られています。
基本的には車中泊のためのベッドを設置するとあまり容量に余裕はありません。
キャンピングカーの架装メーカーによりルーフを改造して、開閉タイプにすることでベッドを屋根上に設置して有効空間を拡大する場合もあります。
このように予めキャンピングカーとして完成された改造車を購入することもできますが、費用は高めです。
NV200バネットはスクエアな室内空間も特徴のひとつですので、DIYにてベースパネルを敷き込んでベッドを作成したり、タンクを積んで水道にするなど気軽に改造していくことが出来るのもこの車の魅力と言えます。
日産 NV200バネット 燃費について
NV200バネットは燃費性能も比較的良好です。
配送やタクシーなどビジネスで使用する車は特に燃費性能がコストに直結してきます。
ミニバンは一般的には車両重量も重く、走行抵抗も大きいことから燃費は悪化しがちです。
しかしNV200バネットはFFレイアウトを基本として乗用車的な設計がベースとなっていることから、車両重量も軽量で燃費性能の向上に非常に貢献しています。
また日産の電気自動車リーフのコンポーネンツを移植したe-NV200バネットも市販され、こちらは100%電気自動車として優れた経済性を実現しています。
満充電時の最大走行可能距離は約190kmとなります。
標準的なガソリンエンジン車の基本スペック
型式:HR16DE(直列4気筒)
総排気量 1,597cc
最高出力 80kW(109PS)/6000rpm
最大トルク 152N・m(15.5kgf・m)/4400rpm
使用燃料・燃料タンク容量 :無鉛レギュラーガソリン・55L
燃料消費率JC08モード(国土交通省審査値): 12.8km/L ~14.0km/L"
日産NV200バネット 新車価格
NV200の主なグレードの新車価格は下記の通りです。
グレード名 駆動方式 新車価格 ※メーカー希望小売価格
1.6 DX MT FF 173.4万円
1.6 DX AT FF 183.1万円
1.6 DX ルートバン MT FF 173.4万円
1.6プレミアムGX AT 218.1万円
1.6DX AT 4WD 244.4万円
※2019年8月現在
日産 NV200バネット 中古車価格
また中古車価格に関するデータは下記の通りとなります。
価格相場情報 平均価格:123.8万円
価格帯:19.8万円~398 万円
※車情報サイトResponse 中古車情報ページより(2019年8月現在)
かなり価格に開きがありますが、これは安いものはバングレードで走行距離がかない伸びたものが多いようです。
一方で400万円近い価格になっているものは基本的にキャンピング仕様となります。
頑丈な車ですが使用状況やメンテナンスコンディションにより故障の割合も大幅に変化します。
中古車を購入する際はメンテナンス状況を見極めて慎重に購入する必要があると思います。
まとめ
一度は規模が縮小したミドルクラスの商用バンとして世界中のタクシーや乗用ミニバンとして非常に人気の高い車になりました。
キャンピングカー仕様だけでなくバイクなどを運ぶトランポとしての用途にもサイズが良く、使用者の思い思いのカスタマイズや使い方が出来るのが大きなメリットです。
ハイエースやキャラバンは意外と高額で改造する場合の費用もかなりかかりますが、NV200バネットのサイズであれば気軽にDIYで仕様を変えていくことも経済的な負担が少なく、マルチに楽しめる一台かと思います。