ダイナモとは?
ダイナモは旧車と呼ばれる古い自動車に搭載されている電装系部品です。
発電機としての役割を担っています。
自動車にはバッテリーが搭載されていて、そこから電力を得て各種電装部品が機能するわけですが、バッテリー自体には発電機能が搭載されていません。つまり、バッテリーの電力を使い切ったら自動車は動かなくなります。
このような事態を防ぐために、ダイナモのような発電機能を持った部品が発電を行ってバッテリー上がりを防ぐ役割を果たしているのです。
■ダイナモとは、今の車で言うところのオルタネーター
デンソーのオルタネーター
先ほどの説明を読んでいただければ一部の方はわかるかと思いますが、つまりダイナモというのは今の車で言うところのオルタネーターに該当する部品です。端的に言えば、発電するという目的ではダイナモとオルタネーターは同じ役割を持つ部品になります。
よく言われることとして、オルタネーターが普及し始めたのは1960年代、つまりそれ以降の車はほとんどオルタネーターが使われていると言って良いでしょう。
しかし、ダイナモに置き換えられる形でオルタネーターが普及したことから予想がつくように、これらには明確な性能差があるのです。
ダイナモとオルタネーターの違いとは?
■ダイナモは直流、オルタネーターは交流
ダイナモとオルタネーターの違いの1つは電流の種類が異なる点です。
ダイナモでは直流電流(DC:Direct Current)が、そしてオルタネーターでは三相交流となっています。実際にはオルタネーターに整流器が搭載されているので直流電流が流されていますが、直流と交流という違いがこれらの決定的な違いです。
ホンダの家庭用発電機。
■ダイナモが機能するプロセス
参考にさせていただきました!
ダイナモの動力源となっているのはエンジンです。そのため、エンジンがかかるとダイナモも作動するようになっています。そしてダイナモが作動すると直流電流が生み出されるというわけです。
■オルタネーターが機能するプロセス
エンジンが始動すると、エンジンを動力源としているオルタネーターが動き始めます。オルタネーターが機能すると発電が行われて交流電流を発生させ、この交流電流はオルタネーターの構成部品の1つである整流器(シリコンダイオードとも呼ばれる)によって直流電流へと変換されるのです。
自動車が直流電流となっている理由
自動車が直流電流となっている理由はバッテリーに充電することのできる電流が直流であるということが大きいです。
また、電流の流れが一方方向である直流電流は行き来する交流電流と比べても構造的・重量的にメリットが大きいということも関係しています。
オルタネーターが採用されるようになった理由

■電力供給を安定させるため
オルタネーターが採用されるようになった理由の1つは電力供給を安定させるためです。ダイナモでもオルタネーターでも発電を行うことに変わりはないので役割は同じですが、低回転時の発電量という観点で比較するとオルタネーターのほうが優れています。
今日の自動車に当てはめて考えてみると、運転中に使用する電力の量が圧倒的に増えていますので、低回転時(アイドリング中なども当てはまる)でもより発電するオルタネーターを使うほうが合理的です。
まとめ
デンソーのオルタネーター
ダイナモがどのような役割を果たす部品であるかについて紹介しました。
基本的にはオルタネーターと同じ役割を持つ部品です。ただし、直流電流が流れているのか交流電流が流れているのかという大きな違いはあります。
自動車においてダイナモは旧車の中の旧車で使われるくらいの古い技術となりましたが、置き換えられた部品と新たに採用される部品をこうして比較すると、歴史を学んでいるかのようで実に興味深いです。こういう点も自動車部品や構造を知ることは有意義なものではないでしょうか。