マクラーレンとは
マクラーレン・グループは、1963年に設立されたレースチーム、ブルース・マクラーレン・モーターレーシングに端を発する複合企業です。
マクラーレンは現在まで世界最高峰のF1世界選手権をはじめとした様々な自動車レースに参戦しており、その華々しい活躍が有名です。
そのマクラーレン・グループ内で市販車部門を担当している、マクラーレン・オートモーティブ。現在、マクラーレン・オートモーティブでは、主にスーパーカーを主体とした市販車の開発及び製造を行っています。
マクラーレン セナ MSO
マクラーレン・セナという車
マクラーレン セナ
オートモーティブが2017年12月に、満を持して発表したのがマクラーレン・セナです。スポーツカーやスーパーカーなどのロードモデルを中心に製造・販売している同社ですが、主力となるシリーズはいずれも3,000万円ほどと同種の車を販売するメーカーよりも比較的リーズナブルでした。
しかしセナという名を冠していること、加えて限定500台ということも相まって価格はなんと1億円を超えています。このマクラーレン・セナは、主力となるマクラーレンのアルティメットシリーズの名作です。
アルティメットシリーズは、同社のスポーツカーの中でも最もスポーツ性が高いという位置づけのシリーズにあり、公道とサーキットのどちらでも優れた性能を発揮するモデルです。
■マクラーレン・セナの実力
マクラーレン セナ
世界限定500台で価格は約1億円であるにも関わらず、発表から年が明けて2018年の日本初披露の際には既に完売となっており、マクラーレン・セナはとんでもない人気を誇る車です。
なお最後の1台に至っては、チャリティーオークションに出品されなんと約3億円で落札されました。そんなマクラーレン・セナの実力は、公道およびサーキットどちらでもその高い能力を示すことができますがその真価は後者で発揮されます。
最高出力は800馬力であり、ゼロから時速100kmまでの加速は2.7秒、最高速度は時速340kmと、もはや新幹線と同様の速度です。これだけ速ければ心配になるのが制御面ですが、非常にレスポンスが良くまさにサーキットに特化されたマシンと言える出来映えです。
微かな操作にも敏感に反応する構造であり、ハンドルを少し切るだけで前輪の向きが変わるため、全体の方向を変更するまでの時間も非常に短縮できます。繊細な操作、激しいコーナリングをものともしないコントロール性能が必要となるレーシングカーにはうってつけです。
リアタイヤが滑り始めてからでも、カウンターを当てれば十分に間に合うという驚異的な性能を誇ります。これらの反応の良さ、俊敏性に関してはマクラーレン社が得意とする軽量設計の恩恵が大きいです。
乾燥重量は1,198kgと非常に軽量であり、主要部品がカーボン製であることが一役買っています。フロントのフェンダーは1mm以下の厚みであり、660gとこちらも軽量です。軽量設計に加えて、空力部品による空気制御もそのスピード感に拍車をかけています。
フルブレーキングの際、リアウィングが25度まで浮き上がって空気抵抗をわざわざ作り出すという仕組みです。空気の流れすらもブレーキとして流用し、浮上しそうになる後輪をその空気抵抗で地面に押さえつけてブレーキ能力を最大化します。
超高速走行時におけるフルブレーキングでは、身体が浮き上がってしまうほどの減速力を誇ります。
マクラーレン セナのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,744mm×2,153mm×1,195mm | |
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ホイールベース | - | |
最大乗車定員 | 2名 | |
車両重量 | 1,314kg | |
燃費 | - | |
エンジン種類 | V型8気筒ツインターボ | |
最高出力 | 800PS | |
最大トルク | 800N・m | |
駆動方式 | MR | |
トランスミッション | 7速SSG |
情報は2020年5月現在の公式サイトより
■マクラーレン・セナGTR
マクラーレン・セナ GTR
マクラーレン・セナの発表から約2年後の2019年9月、新たなセナのモデルが発売されました。825馬力を誇る究極のサーキット専用車、マクラーレン・セナGTRです。
その名のごとく同社のスーパーカーであるマクラーレン・セナをベースに開発された車であり、公道での走行に関しては破棄されサーキットに特化した仕様となっています。
あらゆる要素を徹底的に洗い出し、サーキットでの走行に適した機能や仕様のみを強化したマクラーレン史上最速のラップ記録を期待して作られたモデルです。
フェンダーのワイド化やウィングの見直しによる空力効率アップなど、空力性能を追求したことで得られた1,000kgを超えるダウンフォースがその具体箇所として挙げられます。
最適化されたエアロダイナミクス性能による安定したコーナリング、ピッチング感度を抑えることによってのブレーキの安定性向上なども外せません。
カーボンファイバー製のモノケージは軽量かつ剛性が高いため、ロードモデルから同様に採用されました。軽量のボディに4.0リットルV8ツインターボを搭載し、825もの馬力をたたき出します。通常のロードモデルの最大馬力より、25馬力も向上しています。
世界限定で75台という希少価値を誇り、価格は1億5,000万円以上となっているものの2019年の発売日を待たずして新車が完売しました。
アイルトン・セナの生涯
アイルトン・セナ
日本では音速の貴公子という異名を持つ、F1界のかつてのスーパースターがアイルトン・セナです。34歳という若さでこの世を去ったセナは、80年代初頭から90年代前半にかけてF1ドライバー四天王の一人とされたほどの数々の輝かしい経歴を残しました。
1960年にブラジルのサンパウロで誕生し、4歳の誕生日にレーシングカートをプレゼントされて以来、彼はずっとカーレースの虜となります。13歳になる頃には既に国際的なレースで頭角を現し、17歳には南アメリカ・カート選手権を制覇します。
翌年にはイタリアのカートメーカーと契約、世界カート選手権では2位の座につきました。
1981年にはフォーミュラ・フォード1600のイギリス選手権で優勝を飾り、翌年にはフォーミュラ・フォード2000のイギリス選手権とヨーロッパ選手権で優勝、その後はイギリスF3選手権を経て、ついに1984年にF1世界選手権にデビューします。
F1のチャンピオンになる悲願を達成するべく移籍したマクラーレンで、 1988年、1990年、1991年の3度、ワールドチャンピオンとなりました。
しかし、1994年にイタリアで開かれたF1サンマリノGPにおいてレース中に事故に見舞われ、その4時間後に短い生涯を閉じました。
セナは、没後20年以上経った現在でも、そのカリスマ的な速さと人柄から圧倒的人気を誇り、史上最高のF1ドライバーの一人として多くの人の記憶に残っています。
アイルトン・セナについてもっと詳しく知りたい方はこちら
マクラーレン・セナの中古車情報
マクラーレン セナ MSO
マクラーレン・セナは、世界に500台しか流通しなかったためその希少価値は他の車と比べて段違いです。
車に限らず限定品となるとどうしてもプレミア的な価値がついてしまうため、熾烈な争いになることは言うまでもありません。
それも日本だけでなく世界中で500台となるため、入手は中古車に絞るしかないでしょう。ごく稀に市場に新車が出回ることがありましたが、1億8000万円近くの額となりました。通常で考えれば、中古車で入手するのが一番です。
それでも手放すオーナーがなかなか存在しないため、年中気を張って中古市場を見張っておく必要があります。セナモデルに限らず、マクラーレン社の製品は全体的に中古車市場の品数が少ないです。長期戦となること、常に網を張って待つことを念頭に置いてください。
まとめ
マクラーレン セナ MSO
世界500台限定のマクラーレン・セナは、公道とサーキットの両方で走行可能なスーパーカーです。
その性能だけでなくセナ本人の人気も相まって、たとえ中古車とは言え在庫は常に不足している状態となっています。入手しにくいマクラーレン社の車種の中でも、とびきり難度が高いですがこまめに市場をチェックすることから始めましょう。