厳しい経営状況の日産。新車を連続投入で巻き返しだ!
日産 アリア
長い歴史のある名門自動車メーカーながら、さまざまな要因が絡み合ってやや将来の雲行きが怪しまれている、日産。
今後は、全世界での車種数を20%削減し、より「売れる」車に集中することを発表していますが、我々日本のユーザーが気になるのは、日本でニューモデルはいつ出るの?!というところではないでしょうか。
ここのところ、三菱自動車との合弁会社による軽自動車を除けば、2020年のキックスまで3年近くも新型車投入や既存車のフルモデルチェンジがなかった日産。キックスも、実は海外向けには2016年から販売されており、世界的に見ると新鮮味の薄い車です。
ラインナップ全体を通した、基本設計やプラットフォームの古さは、かなり急速に日産の販売現場を直撃しており、ユーザーとしても販売現場としても、早急な新型車の投入が待ち望まれています。
日産 フェアレディZ プロトタイプ
そんな声を意識してか、2019年度決算に関するオンライン記者会見のクロージングとして、今後投入予定の新型車を一挙12台もシルエットで大公開するという異例の動画を公開した日産。
「NISSAN NEXT: A to Z」と銘打たれたその動画からは、日本向けの車も複数、チラリと登場しています。
まずはそんな異例の動画をご覧ください。
■既にシルエット公開済!発表された12車種をまず確認
その動画がこちら。スピード感のある、かなりかっこいい仕上がりですよね。
AからZまで、登場する車名のイニシャルとともに順に登場するシルエットは、ディテールは分かりませんが、全車から日産車らしいデザインの片鱗が見てとれますね。
動画終盤で明かされる車名としては、Aから順番にアリア、アルマーダ、フロンティア、キックス、マグナイト、ナバラ、ノート、パスファインダー、キャシュカイ、ローグ、テラ、Zの12車種となっています。
このうち、大型SUVのアルマーダやパスファインダー、中型SUVのキャシュカイ、小型SUVのマグナイト、ピックアップトラックのフロンティアやナバラは、海外市場向けの新型車となっており、日本市場への投入予定はなさそう。また、キックスに関しては既に市場投入済で、大人気となっていますよね。
それら以外の、今後の国内投入が見込まれている車種について、詳しく見ていきましょう。
日本向けの車種投入予定は?! これら車種に注目せよ!
■2020〜2021 投入予定の日産車:日産 アリア
日産 アリア
日産のもつ電気自動車関連の経験と、SUV開発の強みを組み合わせた、渾身の電動SUVが「アリア」です。
既にプロトタイプが公開済、木村拓哉さんを起用した広告も多数オンエアされているなど、メディア露出としては多いのですが、実は2020年内には発売されない、かなり先の新型車を先行公開しているのです。
日産 アリア
アリアの発売予定は2021年中頃を予定しているとのこと。既に詳細なスペックはかなり公表されていますので、特徴をサラッとご紹介しましょう。
特徴的なクーペSUV風のデザインは、日産デザインの新たな方向性を示唆するものとのこと。日産デザインのシグネチャーでもあるVモーショングリルがLEDライトによる表現に変わっているなど、新機軸を感じさせる新鮮なデザインが採用されていますね。
実はアリアの登場から、日産は新たにより平面的なデザインになった日産エンブレムを採用しており、件のアリアのCMなどでもそのシャープな新デザインを見ることができます。
日産 アリア
先行するハッチバックEVのリーフと異なる点としては、電池容量が2種類であることは共通ながら、駆動方式も2種類用意される点でしょう。SUVらしい四輪駆動を実現すべく前後2モーター式となる四輪駆動システムは、四輪それぞれの駆動を緻密に制御する特別なシステム「e-4ORCE(イー・フォース)」。
車体の揺れを制御で吸収させたり、コーナリング時の安定性を向上させたりと、細かなトルク制御が可能なモーターならではの機能満載のe-4ORCEは、異次元の乗り心地を実現している模様。早く体感してみたいものですね。
日産 アリア インテリア
もちろん、スカイラインで実用化されている同一車線内ハンズオフドライブを可能とした「プロパイロット2.0」や、リーフでも好評のプロパイロット パーキングを進化させ、車外からの操作で駐車できる「プロパイロット リモート パーキング」など、先進の運転支援技術も勢揃い。
日産の新たな反撃の旗艦として、2021年の登場が待たれます。
日産 アリアのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,595mm×1,850mm×1,655mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,775mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | ー | |
航続距離(社内測定参考値) | WLTCモード:最大580km | |
モーター種類 | ー | |
モーター最高出力 | 290kW | |
モーター最大トルク | 600N・m | |
駆動方式 | 全輪駆動(AWD) |
■2020〜2021 投入予定の日産車:日産 エクストレイル
日産 ローグ
同じくSUVながら、より普及価格帯での登場が期待される新型エクストレイル。
NISSAN NEXTの動画では、現行エクストレイルと兄弟車に当たる北米向けSUV「ローグ(ROGUE)」として、Rのイニシャルで登場していたモデルですが、動画の公開後、米国にて現地仕様が公開されました。
細かな装備の差異はあれど、大筋では新型ローグと新型エクストレイルは共通仕様で登場すると見られており、ローグを見れば新型エクストレイルが分かるかもしれません。
日産 ローグ
特徴的なのは、現行型のスマートな印象からググッと先鋭化が進んだエクステリアデザインと、もはやプレミアムと呼べそうなほどグレードアップしたインテリアデザインが挙げられるでしょう。
現行型エクストレイルは発売から7年が経過していることもあり、やや古さも感じる内外装デザインとなっていますので、今年後半〜来年にかけて新型エクストレイルが日本に投入された際には、一気に大人気SUVへと返り咲きそうな予感がしますね。
日産 ローグ インテリア
新型エクストレイルに関して、公式な発表はないものの噂されていることは、新たによりハイパワー化した新開発のe-POWERを搭載するのではないかということ。
キックスなどに搭載されるe-POWERは、やや燃費性能などでライバルの後塵を拝する結果となっているので、より効率が向上した、走らせても楽しいe-POWERの登場が待たれています。
また、e-POWER搭載の暁には、先述したアリアの四輪駆動システム「e-4ORCE」の、普及価格帯車種への展開先としてエクストレイルが選ばれる可能性もありますので、期待が高まります。
新型エクストレイルは、2021年の国内投入が予想されています。
日産 ローグのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 183.0インチ×72.4インチ×66.9インチ | |
---|---|---|
ボディサイズ(メートル法換算、参考値) | 4,648.2mm×1,838.96mm×1,699.26mm | |
ホイールベース | 106.5インチ | |
ホイールベース(メートル法換算、参考値) | 2,705.1mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | ー | |
燃費 | ー | |
エンジン種類 | 直列4気筒 2.5L | |
エンジン最高出力 | 181hp/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 181lb-ft/3,600rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF)/全輪駆動(AWD) | |
トランスミッション | CVT |
■2020〜2021 投入予定の日産車:日産 ノート
日産 ノート 新型モデル予想CG
実はまだコンセプトカーの登場やプロトタイプの登場がなく、一般ユーザーに知られていないことですが、ノートの新型登場も控えています。動画でのシルエット公開は、かなりの大ニュースだったのです。
現行ノートは、モデルライフ途中での大幅フェイスリフトやe-POWERの追加によって人気が再燃し、3年連続コンパクトカーNo.1の販売実績を獲得したりするなどしていますが、実は登場は2012年とかなりの長寿モデル。
途中追加したe-POWERも、後続のライバル車に燃費で大幅に追い抜かれてしまうなどしていますので、新型で大きくレベルアップして見返したいところでしょう。
日産 ノート(現行仕様) e-POWER
まだ公式情報ではありませんが、新型ノートは、アリアで示されたよりシンプルな線によるデザインを踏襲する模様。
フロントグリルと一体化した薄いヘッドライトや、そのヘッドライト下部につくL字型のシグネチャーランプで「Vモーション」を表現する点、車体幅いっぱいに広がる一文字のテールランプなど、アリアを彷彿とさせる表情が与えられるとの噂です。
パワートレインも、現時点では予想の域を出ませんが、おそらく現行同様、e-POWERをメインに据えた電動化重視のラインナップとなるはず。エクストレイル同様、出力や効率が向上した新しいe-POWERの投入にも期待がかかりますね。
投入時期は、今年夏かとも予想されていましたが不発。2020年後半から、2021年にかけての投入となる模様です。
■2020〜2021 投入予定の日産車:日産 フェアレディZ
日産 フェアレディZ プロトタイプ
こちらもローグと同じく、動画公開後にプロトタイプが発表されている、フェアレディZ。デザインに関しては「ほぼ完成 」とされているので、このシャープなデザインのまま登場することが予想されています。
初代フェアレディZであるS30型やZ32型など、歴代のフェアレディZの息吹をそこここに感じさせる内外装の意匠は、開発陣の「Z」に対する愛を感じる仕上がり。
V6ツインターボと6MTという、古典的なパワートレインを残してくれている点も、日産はスポーツカー好きのことを忘れていなかったんだ!と喜びたくなるものがあります。
日産 フェアレディZ プロトタイプ
フェアレディZは、現在動力性能面での開発をメインに続行中とのこと。詳しくは発表されていませんが、順当に開発が進んでも2021年末以降の正式発表となりそうです。
トヨタ スープラという、同じく日本のスポーツクーペ界を引っ張ってきたライバルが先に復活している今、後から発売されるからには負けられない戦いとなりますので、ぜひ究極のドライバーズカーとなるような運動性能を持って発売してほしいところですね。
日産 フェアレディZ プロトタイプのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,382mm×1,850mm×1,310mm | |
---|---|---|
最大乗車定員 | 2名 | |
エンジン種類 | V型6気筒ツインターボ | |
駆動方式 | 後輪駆動(FR) | |
トランスミッション | 6速MT |
まとめ
日産 アリア
日産の、今後発表が予定されている車種について、公式から発表されたシルエットとわかっている情報を元にご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。
ここ数年は、軽自動車以外ではマイナーチェンジや特別仕様車ばかりで新鮮味の薄かった日産のラインナップも、ついに反撃の時が来たようです。今年、来年、それ以降の日産に、引き続き注目しましょう。