電気自動車「日産 リーフ」の真実を検証!使い勝手は?価格は?
日産 リーフ e+
近年、エコカーの代表格の座はだんだんと電気自動車へとシフトしてきています。世界中の各メーカーから電気自動車がラインナップされはじめ、様々な車を選びやすくなってきていることもあり、販売台数がどんどん伸びていますね。
しかし、そんな量産電気自動車として、先代と現行型の2世代合わせて世界累計45万台の販売台数という高い人気を誇るのが日産 リーフです。
初代では独特のスタイリングでも先進性をアピールしていましたが、現行型ではより他の日産車との調和も意識された内外装に進化し、電気自動車としてだけでなく家の電源として利用する「蓄電池利用」もアピールされるなど、話題のリーフ。
しかし、実際に愛車にしようと考えた際は、ガソリンエンジン車との使い勝手の違いがあるんじゃないかと身構えてしまい、なかなか候補に挙げられない方もいらっしゃるのでは。
そこで、リーフの使い勝手や装備内容まで、最新情報を詳しくまとめてみました。一緒に確認していきましょう。
■【リーフの真実】航続距離は大丈夫?
日産 リーフ e+ メーターパネル
「リーフって遠くまで乗っていけないんじゃない?」という先入観は、リーフに対する最も大きな誤解のひとつかもしれません。
最新型のリーフでは、バッテリー容量別に40kWhと62kWhという2種類が用意されていますが、一充電走行距離は、より容量の少ない40kWhバッテリー搭載車であってもWLTCモードで322km、大容量の62kWhバッテリーを搭載する「e+」では458kmと、街乗りだけでなく遠出にも積極的に使いたくなる航続距離を誇ります。
これは、回生協調ブレーキで減速時のエネルギーを賢く回収したり、加速をマイルドにしブレーキ時の回生を積極的に行ってエコ運転をサポートするエコモードによるものだけでなく、既に2世代もの大ヒット電気自動車を開発している日産ならではの効率的なパワートレインによる成果です。
日産 リーフ e+ バッテリー
また、そんな大容量になると充電時間も気になるところですが、充電量80%までの急速充電時間は40kWhバッテリー搭載車で40分、62kWhバッテリー搭載車で60分と、お買い物中に終わってしまいそうな時間に抑えられています。
そのため、今や実測値でも300km以上を狙っていける航続距離で遠くまでお出かけし、目的地で充電。帰りも快適かつ「ゼロ・エミッション」の先進的ドライブを楽しむなんてことが、リーフでも可能になっているのです。
電気自動車で航続距離を気にしなければならない時代は、既に終わりを告げたのかもしれませんね。
■【リーフの真実】充電スポットはたくさんあるの?
日産 リーフ e+ 充電ポート
ご自宅や出先の設備で、充電プラグを差し込むだけで簡単に充電できるリーフ。普通充電と急速充電に広く対応しているので、近年ますます増えている充電スポットを効率よく利用することができます。
やや情報が古くなりますが、2019年9月末のゼンリン調べデータでは、国内の充電器設置数は、急速充電器が7,800基、普通充電器が22,500基の、合わせて30,300基にもなるとのことです。
普段あまり気になりませんが、そういえばショッピングモールの駐車場や地下駐車場などに、電気自動車用の充電スタンドが立っている場面はますますよく見る光景になっていますね。
また、高速道路のサービスエリアなどでも充電スポットが用意されており、高速を降りずにロングドライブも可能。
エントリーグレードであるS以外には車載のナビゲーションシステムが標準装備されており、充電スポットを簡単に探せる点も含めて、過度の心配は不要という印象を受けます。
■【リーフの真実】室内は広いの?
日産 リーフ インテリア(ブラック 本革)
スペース効率に優れたハッチバックボディと、ボンネット内にギュッと凝縮されたEVパワートレインによって、室内が広々と快適なのもリーフの特徴。5人がしっかりと座ることができます。
また、室内の使い勝手において、ガソリンエンジン車と差がない点は注目に値します。室内の居住性もそうですが、荷室の広さと使いやすさは特筆もの。
しっかりとした深さがあるので天地方向に余裕があるほか、スクエアで出っ張りの少ない構造になっているので、ベビーカーやゴルフバッグなどのかさばる荷物でも楽々積めてしまう荷室です。
後席を前倒しすればさらにスペースが広がるので、いざという時にも頼りになりそう。
■【リーフの真実】安全装備は充実してるの?
日産 リーフ e+ ダッシュボード
もちろん日産車ですので、安全装備に関してもリーフはぬかりがありません。
前方の車両や歩行者との衝突回避操作をサポートする「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」や、車線逸脱しそうな時にハンドル操作をアシストしてくれる「インテリジェント LI(車線逸脱防止支援システム)/LDW(車線逸脱警報)」など、近年では必須の予防安全機能はもれなくチェック済み。
また、万が一の事故時にも、床下に設置されたバッテリーなどの高電圧システムが遮断されるなど、電気自動車ならではの安全装備も備えます。
■【リーフの真実】先進装備はどう?
日産 リーフ プロパイロット パーキング イメージ
やっぱり、日産の先進装備といえば、車が前走車との車間距離やハンドル操作をアシストしてくれる「プロパイロット」が話題ですよね。リーフにも、もちろん設定されています。
それだけでなく、リーフには「プロパイロット パーキング」という、指先の操作だけで駐車スペースに自動で駐車してくれる先進機能も設定。
これまでの同等の機能では、ドライバーによるシフト操作やブレーキ操作が必要だった場合が多いのですが、リーフのプロパイロット パーキングでは、駐車スペースをドライバーが指定する以外、ハンドルもアクセルとブレーキの操作だけでなく、シフト操作やパーキングブレーキまで全て車におまかせできます。
■【リーフの真実】でも、お値段が高いんじゃない?
日産 リーフ
2020年9月現在の税抜きの新車価格では、エントリグレードのSでも3,024,000円、長距離もガンガン走れるe+の豪華グレード、e+ Gでは4,544,000円と、5人乗りのハッチバック車として考えるとやや割高感もあるリーフ。
しかし、リーフは「ゼロ・エミッション」の次世代エコカーなので、補助金がかなりしっかりいただけてしまう点を考慮すれば、結構現実的な価格、むしろガソリンエンジン車の燃料費が削減できることを思えば、かなり魅力的な価格になってきます。
具体的には、国の補助金「クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」を活用すると、最大42万円の補助金が支給されます。また、お住まいの地域によっては自治体からの補助金が数十万円支給される場合もあり、東京都の例でいえば30万円が支給されます。
その他、エコカー減税でも免税対象になっているので、諸費用もグンとお得に。
補助金の分を新車価格から差し引くだけでも、ガソリンエンジンのライバル車と同等の競争力のある価格になるので、気になった方は実際にお近くの日産販売店で詳しく問い合わせてみては。
日産 リーフのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,480mm×1,790mm×1,565mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,700mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,670kg | |
交流電力量消費率 | WLTCモード:161Wh/km | |
一充電走行距離 | WLTCモード:458km | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 160kW(218PS)/4,600-5,800rpm | |
モーター最大トルク | 340N・m(34.7kgf・m)/500-4,000rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | - | |
新車価格 | 4,010,000円(消費税抜き) |
大容量バッテリーの「リーフ e+」自動車評論家はこう見た!
日産 リーフ e+
ここまで日産 リーフの電気自動車ならではの魅力と、普段使いできる使い勝手の良さをお伝えしてきましたが、自動車評価のプロたちはリーフをどのように評価するのでしょうか。
特に2019年に追加されたばかりの大容量バッテリー搭載仕様、「リーフ e+」についての評価をまとめてみました。
充電回数が減ったことで、今回のドライブは今までの3回のドライブと感覚がまるで違うものになった。「BEVでも根性さえあればロングドライブくらい簡単!!」というハードボイルド、言い換えればやせ我慢の美学はもはや必要なくなった。EVビジネスをきっちり回していくには、充電設備の回転率を上げるためにチャージの時間を大幅に短縮しなければ話にならないし、台数が増えればチャージポイントも現状ではとても足りない。クルマ単体でもコストを劇的に落とし、耐久性も上げなければいけない。
だが、BEVの普及を阻む第一要因であった航続距離問題は、このリーフe+くらいのレンジを境に急速に解消していくのではないかという予感めいたものを覚えた。
e+は制御も異なり、同じモーターを使いながら、最高出力は150馬力から218馬力、最大トルクは32.6kg-mから34.7kg-mに向上した。
そのためにe+の加速は力強い。50km/h前後で走行中にアクセルペダルを素早く踏み増すと、モーターの特性で駆動力が瞬時に高まり、発進加速でもないのにホイールスピンが発生した。この加速性能は、ガソリンエンジンに当てはめると3.5~4リットル並みだ。しかもほぼ無音で速度を急激に高めるから、独特の迫力を生み出す。
また一般的にモーターが加速を続けると、やがて速度上昇が伸び悩むが、e+はこの限界速度が高い。法定速度の範囲内で、伸び悩みを感じることはない。
ただし車両重量は40kWh仕様よりも160kg重く、試乗したe+ Gは1680kgに達する。カーブを曲がる時などはボディの重さを意識させ、走行安定性も下がりやすい。62kWh仕様では、挙動変化を40kWh仕様に比べて少し穏やかな方向へ補正したが、それでもボディの重さなどにより不安は残る。
やはり、大容量バッテリーによる航続距離への気持ちの余裕は相当なもののようですね。WLTCモードの一充電走行距離である458kmを使い切ることはなくとも、街乗りでも充電頻度が減ることはかなりのメリットのようです。
また、バッテリー容量が増したことでモーターもよりハイパワーが出せるようになっている点も、e+の特徴。電気自動車らしいキビキビとした走りに磨きがかかっている様子です。
ただし、増加したバッテリー分の重量と、やや高められた車高による重心位置の変化には注意が必要ともされていますね。ここはぜひご自分で試乗して確かめていただきたいところです。
まとめ
日産 リーフ
この記事を通して、リーフなら普段使いも楽勝でできることが伝わりましたでしょうか。電気自動車としての魅力がありつつ、実用性も兼ね備えているとなると、世界中で人気になる理由がわかる気がしますね。
日産では、長くても数十分という短期間の試乗ではなく、半日じっくりと体感できる試乗を受け付けていますので、お近くの販売店でぜひリーフの魅力を体感してみてください。