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日産のe-POWERって何?仕組みや燃費、ライバルとも比較!

日産のe-POWERって何?仕組みや燃費、ライバルとも比較!

「電気のパワーを充電いらずで」そんな宣伝をよく目にしますが、それってつまりどういうこと?とお思いの方も多いのでは。実はe-POWERは、これまでのハイブリッド車とも、日産 リーフなどに代表される純粋な電気自動車とも違う、「第三の選択肢」なのです。ガソリン車の使い勝手そのままにエコドライブできる未来のパワートレイン、e-POWERについてご説明します。

⏳この記事は約3~4分で読めます。


車の電動化を押進する日産ならではの「最適解」がe-POWER

日産 キックス

日産 キックス

温室効果ガスの排出元の一部として槍玉にあげられ、どんどん肩身が狭くなってきているのが、ガソリンエンジンなどの内燃機関。特に近年は、新興国でモータリゼーションがどんどんと進行していることもあり、自動車からの排出ガスを減らす・なくすことは世界的な急務になっています。

しかし、走行時の排出ガスがゼロである「ゼロ・エミッション」の車、電気自動車や燃料電池自動車は、まだラインナップが数えるほどしかないほか、航続距離が短く電気自動車では充電に数十分以上かかるなど、ガソリン車同等の使い勝手が実現できていないものが大多数。

自動車ユーザー全員が電気自動車に移行してしまうと、現在の充電インフラではパンクしてしまうのではという心配もあります。

次世代エコカーの本命が電気自動車か燃料電池自動車かはともかく、そんな車に老若男女が完全移行できるようになるまでの間は、ハイブリッド車などのエコカーが「つなぎ」として必要ですよね。

そんな現状において、電気自動車開発の強みと、ガソリン車同様の使い勝手を高次元で両立させた、理想的とも言えるエコカーが存在します。日産の「e-POWER」搭載車たちです。

e-POWERの仕組みと魅力について、詳しくご説明していきます。

e-POWERの仕組みについて解説!どうやって動くの?

日産 e-POWER カットモデル

日産 e-POWER カットモデル

e-POWERは、「シリーズハイブリッド方式」に分類されるパワートレインです。この方式は、一般的なハイブリッド車と同じようにガソリンエンジンとモーターが車に搭載されるのですが、ガソリンエンジンを発電専用として使う点が特徴です。

この方式は、鉄道車両や船舶用いられる、発電専用のディーゼルエンジンなどで得た電力でモーターを動かす方式とも似ているのですが、鉄道や船舶では発電機で発電した電力をそのまま駆動に使うのに対し、シリーズハイブリッド方式ではバッテリーが搭載され、随時充放電が可能な点が特徴。状況に応じてエンジンを止め、電気自動車として走ることもできます。

日産 セレナ e-POWER マナーモードボタン(左)とチャージモードボタン(右)

日産 セレナ e-POWER マナーモードボタン(左)とチャージモードボタン(右)

セレナとキックスに搭載されるe-POWERでは、強制的にバッテリーに充電を行うチャージモードと、エンジン始動をなるべくさせずにEV走行をするマナーモードがスイッチで起動できるので、使い道に応じてより静かな走りが可能な点も、バッテリーを搭載したシリーズハイブリッド方式ならではのメリットです。

シリーズハイブリッド方法のガソリンエンジン車に対する利点としては、走行状況によらずにエンジンの最も効率の良い回転数を自由に利用できることや、エンジンを使わない間は電気自動車同様の静かな走行が可能なこと挙げられます。

電気自動車に対しては、バッテリー搭載量を多くしなくても長距離を航続距離を長くできるので、車両の軽量化ができる点やスペース効率が上がる点などが挙げられます。

e-POWERの魅力1. 充電がいらない!

日産 ノート e-POWER メダリスト

日産 ノート e-POWER メダリスト

日産の電気自動車といえば、累計45万台以上の販売実績を誇る「リーフ」が有名ですね。

リーフのWLTCモードによる一充電走行距離は、より大容量の62kWhバッテリー搭載車では458km、リーズナブルな40kWhバッテリー搭載車でも322kmとされており、普段使いに充分すぎる走行可能レンジが実現されています。

しかし、リーフを使った遠出で300km先の目的地に到達した後、帰りはどうしましょう?

街乗りでは問題なくても、遠出してしまうと、「行き先に充電施設がなかったらどうしよう」「充電スポットに先客がいる!」「今の充電が完了したら次の人に譲って、次の充電スポットでおかわりして…」などと、様々なことに気を遣いながらのドライブとなりかねないことが、残念ながら現在の電気自動車の実情ではないかと思います。

そこで輝くのがe-POWER。普段は電気自動車譲りのモーター駆動でパワフルな走りを実現しつつ、ガソリンスタンドでレギュラーガソリンを給油しておけば、長距離のお出かけでも充電切れになる心配はありません。

e-POWERがガソリンを利用することで助かる点は、給油の早さ。キックスとノート e-POWERで41L、セレナ e-POWERで55Lの燃料タンク内をほぼ使い切ってしまっても、給油は数分で終了することでしょう。

電気自動車では「ちょっとしたコーヒー休憩の30分で〇〇km分の充電が可能」というような宣伝も見られますが、e-POWERならコーヒーを買いに行く暇もなく給油できる点は、気持ちにも余裕が生まれそうですね。

e-POWERの魅力2. モーター駆動の機敏な走り!

日産 キックス エンジンルーム

日産 キックス エンジンルーム

ノート、セレナ、キックスに搭載されているe-POWERでは、リーフに搭載されているものと同じ型式の「EM57型」モーターを駆動用に使用していることからも分かるとおり、電気自動車らしい瞬発力、ゼロ発進からの力強さはe-POWERでも健在です。

ノート e-POWERとリーフで比較してみると、モーターの最高出力はリーフが110kW(150PS)なのに対してノート e-POWERでは80kW(109PS)、最大トルクはリーフが320N・mなのに対してノート e-POWERでは254N・mと、どちらもスペックダウンしているのですが、最軽量仕様同士で車両重量を比べると、リーフ Sは1,490kg、ノート e-POWER Xは1,220kgと、200kg以上もノートが軽量なのです。

そのためノート e-POWERやは、スペックダウンを微塵も感じさせない、気持ちの良い加速性能を実現しています。

また、車重の増加に伴ってそれぞれ出力がアップされたキックスやセレナ e-POWERの余裕も魅力的。特にセレナでは、多人数乗車した際も扱いやすいスムーズな出力特性にチューニングされており、ご家族でのお出かけにもぴったりです。

e-POWERの魅力3. お値段もやさしい!

日産 キックス インテリア

日産 キックス インテリア

e-POWER大ヒットの理由は、ここまでの高性能かつ低燃費パワートレインであるのに、お値段がリーズナブルなことも大きいのではないでしょうか。いくら低燃費でも、車両価格が高すぎてはなかなか手が出せませんよね。

その点、ノート e-POWERではエントリーグレードのe-POWER Xで205.92万円と、ライバルのハイブリッド車はおろかガソリン車も見えてくるような低価格に設定されています。

この低価格は、リーフのモーターなどの構成部品を有効活用している節約の成果でもあるのですが、e-POWERが、リーフのように電気自動車用のシャーシを用いることなく、既存のガソリンエンジン車に搭載可能なコンパクトなシステムであることも役立っていると思われます。

ノートもセレナも、e-POWERはモデルライフ途中で追加されたものですし、キックスは先行して海外でガソリンエンジン車の販売実績のある車でした。そのため、お値段は控えめで、装備はしっかり充実させることができるものと思われます。

魅力的なe-POWER、搭載車種は?

日産 キックス

日産 キックス

e-POWERがどんなパワートレインなのか、どんな点が魅力的なのかお分かりいただけたでしょうか。

こんな魅力的な車があるなんて、今すぐに買いたい!とお思いのあなたに捧ぐ、e-POWER搭載車のまとめをご覧ください。徐々に車種バリエーションが増えており、人気のSUVももちろんラインナップされていますよ。

【e-POWER第一弾!】日産 ノート e-POWER

日産 ノート e-POWER(右)、ノート e-POWER NISMO(左)

日産 ノート e-POWER(右)、ノート e-POWER NISMO(左)

2012年発売とかなりの長寿モデルとなっている現行ノート。しかし、2016年にe-POWERが搭載されるなど改良を受けた結果、2017年から3年連続でコンパクトカー販売台数1位を獲得しているなど、まだまだ現役の勢いがある車です。

e-POWERのシステムとしては、ラインナップ中で最も車重か軽いこともあり、最も低めなスペック。しかしコンパクトカーとしては充分以上の余裕のトルクで、街中でもスイスイ運転できます。

スポーティなNISMOや高級感のあるAUTECHなど、バリエーション展開が多い点も特徴的。お好みの仕様がきっと見つかります。

日産 ノート e-POWERのスペック

【日産 ノート e-POWER X】スペック表
ボディサイズ(全長×全幅×全高)4,100mm×1,695mm×1,520mm
ホイールベース2,600mm
最大乗車定員5名
車両重量1,220kg
燃費JC08モード:34.0km/L
エンジン種類直列3気筒 1,198cc
エンジン最高出力58kW(79PS)/5,400rpm
エンジン最大トルク103N・m(10.5kgf・m)/3,600-5,200rpm
モーター種類交流同期電動機
モーター最高出力80kW(109PS)/3,008-10,000rpm
モーター最大トルク254N・m(25.9kgf・m)/0-3,008rpm
駆動方式前輪駆動(FF)
トランスミッション-
新車価格2,059,200円(消費税込)
(2020年9月現在 日産公式サイトより)

【大人数移動にも相性良し】日産 セレナ e-POWER

日産 セレナ e-POWER ハイウェイスター

日産 セレナ e-POWER ハイウェイスター

発進から力強いe-POWERは、7人乗れるミニバンとも相性がいいパワートレイン。セレナ e-POWERでは、より大柄な車体や大人数乗車の機会もあることから、ノート e-POWER比でモーター出力が大幅にパワーアップされており、それでいて室内の広さは余裕たっぷり。

ノートでは選べない、プロパイロットが選択可能になる点もセレナ e-POWERの特徴でしょう。ご家族揃っての長距離ドライブにも積極的に行きたくなるような、アクティブさが魅力的です。

日産 セレナ e-POWERのスペック

【日産 セレナ e-POWER X】スペック表
ボディサイズ(全長×全幅×全高)4,685mm×1,695mm×1,865mm
ホイールベース2,860mm
最大乗車定員7名
車両重量1,740kg
燃費WLTCモード:18.0km/L(JC08モード:26.0km/L)
エンジン種類直列3気筒 1,198cc
エンジン最高出力62kW(84PS)/6,000rpm
エンジン最大トルク103N・m(10.5kgf・m)/3,200-5,200rpm
モーター種類交流同期電動機
モーター最高出力100kW(136PS)
モーター最大トルク320N・m(32.6kgf・m)
駆動方式前輪駆動(FF)
トランスミッション-
新車価格2,997,500円(消費税込)
(2020年9月現在 日産公式サイトより)

【遂に出たSUVのe-POWER】日産 キックス

日産 キックス

日産 キックス

近年大流行しているSUVについに投入されたe-POWER車が、2020年6月に発売されたキックス。こちらはe-POWER搭載グレードのみのラインナップとなる点が他の2台とは異なる部分ですね。

海外ではガソリン車として2016年から発売されていましたが、タイにてe-POWER搭載車として販売され、続いて日本にも投入されました。

すでに生産終了してしまったジュークよりもSUV感の強いボディをまとうキックスは、室内の余裕でもジュークに圧勝。現時点では前輪駆動しか選べませんが、都会派SUVでキビキビ走りたいあなたにおすすめです。

日産 キックスのスペック

【日産 キックス X】スペック表
ボディサイズ(全長×全幅×全高)4,290mm×1,760mm×1,610mm
ホイールベース2,620mm
最大乗車定員5名
車両重量1,350kg
燃費WLTCモード:21.6km/L(JC08モード:30.0km/L)
エンジン種類直列3気筒 1,198cc
エンジン最高出力60kW(82PS)/6,000rpm
エンジン最大トルク103N・m(10.5kgf・m)/3,600-5,200rpm
モーター種類交流同期電動機
モーター最高出力95kW(129PS)/4,000-8,992rpm
モーター最大トルク260N・m(26.5kgf・m)/500-3,008rpm
駆動方式前輪駆動(FF)
トランスミッション-
新車価格2,759,900円(消費税込)
(2020年9月現在 日産公式サイトより)

e-POWERとライバルを徹底比較

日産 ノート e-POWER vs ホンダ フィット e:HEV

ホンダ フィット e:HEV エンジンルーム

ホンダ フィット e:HEV エンジンルーム

新型フィットから採用が始まったホンダの新ブランド「e:HEV」は、e-POWERと構成が似ており、普段はモーターでタイヤを駆動し、状況に応じてエンジンで発電するのですが、エンジン駆動の方が効率が良くなる高速域ではエンジンで駆動することもできるという、e-POWERと既存のハイブリッド車とのいいとこ取りといった印象のシステムです。

e:HEVは現在フィット、アコード、インサイト、ステップワゴン、CR-Vで選択可能となっており、コンパクトカーからミニバン、SUVにセダンまで、幅広い車型で選択可能な点はe-POWERを上回る魅力ですね。

e-POWERを初めて搭載したノートと、直接のライバルにあたる新型フィットを例にとって比べてみましょう。

フィット e:HEVの走り味は、ノート e-POWERほどに電気自動車感を感じさせる加速感とはなっていない様子。ガソリンエンジン車やハイブリッド車から乗り換えても違和感のない、「心地いい」を重要視しているフィットならではの特徴かもしれません。

ホンダ フィット e:HEV

ホンダ フィット e:HEV

燃費性能や装備内容では、2020年デビューのフィットと比べるとノートはどうしても古さが見え隠れしてしまいます。フィット e:HEVではWLTCモード燃費で最高29.4km/L(JC08モード燃費で38.6km/L)と、すでにかなりの低燃費であるノート e-POWERのJC08モード燃費 34.0km/Lを軽々と上回っています。

その他、ノートでは選択できない渋滞追従機能付クルーズコントロールなど、現代的な装備が全グレードで標準装備されていたりする点もフィットの有利な点。

これでいて価格的にはe-POWERとガチンコ勝負を仕掛けられているのですから、フィットに対抗するには現行型ノートではなく、まもなくの登場も噂される次期型ノートに期待といったところでしょうか。

日産 キックス vs トヨタ ヤリスクロス ハイブリッド

トヨタ ヤリスクロス(プロトタイプ) ハイブリッド仕様 エンジンルーム

トヨタ ヤリスクロス(プロトタイプ) ハイブリッド仕様 エンジンルーム

欧州などでは「トヨタのハイブリッド車はセルフチャージング(自分で充電ができる)のため充電要らずです」といった宣伝文句が使われることもあるTHS(トヨタ・ハイブリッド・システム)。エンジンの力を、タイヤの駆動と発電とに振り分けられることから、「シリーズパラレルハイブリッド方式」に分類されます。

モーターが一度減速機を通るのみでタイヤを駆動するe-POWERに比べて、THS IIでは、プラネタリーギアを用いた非常に複雑な動力分割機構を備えるのが特徴。エンジンの力を適切に振り分けてくれるので、ハイブリッド車を世に広めたプリウスでもわかる通り、普段通りの運転でも低燃費を実現することができます。

今最も話題のSUVの1台、ヤリスクロスのハイブリッド仕様では、4WD車でもWLTCモード燃費で28.7km/L(JC08モード燃費で29.0km/L)、2WD車では30.8km/L(同31.3km/L)という低燃費を誇ります。

トヨタ ヤリスクロス(プロトタイプ) ハイブリッド

トヨタ ヤリスクロス(プロトタイプ) ハイブリッド

これは、こちらも2020年発売で人気のe-POWER搭載SUV、キックスは歯が立たない部分。キックスのWLTCモード燃費は21.6km/L(JC08モード燃費で30.0km/L)と、単体で見ればSUVとしては望外に良いカタログ燃費値なのですが、ヤリスクロスと比べてしまうとやや見劣りしてしまいます。

しかしキックスは、e-POWERならではのモーター駆動によって、THS搭載車と比べてレスポンスに優れるほか、低速域からのパンチ力という独自の魅力を持ちます。街中でこそ強みのあるe-POWERですので、実燃費としては、お車の利用シーンによってもどちらが優位か変わってきそうですね。

キックスもヤリスクロスは、どちらも人気のSUVだけあって全体的な完成度が高く、ノートと違いキックスはプロパイロットも全車標準装備しているなど、最新車らしい先進装備でも優劣つけがたい印象です。

まとめ

日産 キックス

日産 キックス

e-POWERの魅力についてご紹介してきました。

なんといっても電気自動車の魅力はその加速力とレスポンス。乗った人が口を揃えていうそんな特徴を、充電を気にすることなくリーズナブルなお値段で体感できるe-POWERは、人気が出て当然ですよね。

ガソリン車と比べてやや高くなる価格も、未来を感じる乗り心地を体感するためのプレミアムと思えば納得できるかも。

登場当時は最先端だった燃費性能や走行性能も、やや新登場のライバルたちに追い越されてしまった部分も見え隠れし始めました。これからのe-POWERの進化にも注目していきたいところです。

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