軽SUVの特徴
スズキ ハスラー
SUVのスタイルや走破性に魅力を感じていても、普通自動車のSUVは値段が高く購入しにくいと感じている方もおられるかもしれません。コンパクトSUVのラインナップが増えてくると、普通自動車も選択肢に入ってきますが、軽自動車の小回りのよさは魅力です。
購入しやすい価格でアウトドアも楽しむことができ、狭い道でもスイスイと走行できるので軽自動車のSUVは人気を集めています。軽自動車でも室内空間が広く、アウトドアに使いやすいので多くのメリットがあるといえるでしょう。その一方で考えておくとよいデメリットもあります。
■軽SUVのメリット
軽SUVのメリットは、コンパクトでも広い車内です。大きさに制限はありますが、規格いっぱいまで広げられた車体で荷物もたくさん積載できます。また軽自動車の取り回しのしやすさも魅力です。
コンパクトでも広い車内空間
ダイハツ タフト
軽自動車のSUVは、軽自動車規格があるのでコンパクトな車体です。しかしシートアレンジが豊富なモデルも多く、大きな荷物を積み込みできるようにアレンジできます。自転車やキャンプ道具など様々な荷物を積載できるので、日常の買い物からアウトドアまで楽しめます。
例えば、助手席までフラットに倒せる車であれば、キャンプ道具で長尺物があっても積載しやすいです。またフラットにしたときに凹凸が少ないシートアレンジができるのであれば、快適に車中泊できます。
維持費が安い
三菱 eKクロス
軽自動車なので維持費が安いことは大きなメリットです。軽自動車は普通自動車と比較して保険や自動車税などの費用が安くなっているので、維持しやすいでしょう。普通自動車では、排気量が大きくなったり車両重量が重くなったりすると維持費が高くなります。
しかし軽自動車は安めの金額に抑えられているので、車検時や毎年の税金も抑えることができます。SUVの楽しさを味わいたくても、維持費は抑えておきたい方にぴったりです。
本格的な走破性
スズキ ハスラー
軽SUVといっても走破性に劣るわけではありません。例えばジムニーであれば、街乗りがメインの普通自動車SUVとは比べ物にならないほどの走破性を誇ります。特に砂地や雪道では車両重量が軽いことを活かしてスタックを避けることができるなど、高い走破性を見せてくれます。
ハスラーでも最低地上高の高さやグリップコントロールを搭載しており、滑りやすい路面でも最適な駆動力の配分を行ってくれるので安心です。悪路でも簡単に走破できる機能があります。
■軽SUVのデメリット
軽SUVのデメリットを見ていきます。基本的にデメリットが少ないとはいえ、他の軽自動車と比較すると燃費に劣ります。
燃費は劣る
スズキ ハスラー
燃費は他の軽自動車と比較すると劣ってしまいます。全体として大きなデメリットになるほどではないものの、ターボモデルの4WDであれば、低燃費を重視したモデルよりも燃費は悪くなります。車両重量が重くなってしまうなどの要因があるので、燃費が劣るのは仕方がないといえるでしょう。
価格は高めになる
三菱 eKクロス
軽自動車の安全装備も充実しているので軽自動車の価格自体が上昇しています。軽自動車SUVは、装備や機能が充実しているので価格も高めになっています。普通自動車SUVと比較すると安価に手に入れられるものの、車体価格が200万前後になるモデルもあるので低価格とは言い難いです。
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■スズキ ジムニー
スズキ ジムニー
1970年から発売されている軽4WDの代表車種です。オフロードの走破性は普通自動車の4WDと遜色ないほどで、ラダーフレームに本格的な4WDシステムを搭載しています。国内だけでなく、世界中から支持を集めているモデルです。モデルチェンジをしてからも人気は衰えることを知らず、生産が追い付かないほどです。
パートタイム4WDやリジッドアクスル式サスペンションなど、悪路でも安定した走行性能を発揮できる装備があります。
タフに使えるモデル
スズキ ジムニー
ジムニーに搭載されているエンジンは最高出力64PS、最大トルク96Nmの直列3気筒ターボエンジンです。スズキの軽自動車の標準エンジンであるR06Aターボエンジンが搭載されています。通常のエンジンとは異なり、縦置きレイアウトで搭載されています。
インタークーラーをフロントグリル部分に配置して、効率よく冷却できるようにしていること、タービンが小型化されてエンジンが軽量化されていることが特徴です。オフロード性能を考慮した吸気口レイアウトを採用するなど、タフに使えるエンジンとなっています。
安全装備も搭載している
スズキ ジムニー 衝突軽減ブレーキ
本格オフローダーではありますが、安全装備も充実させています。上級グレードの「XC」にはスズキの予防安全技術である「スズキセーフティサポート」を採用し、単眼カメラとレーザーレーダーを組み合わせた衝突被害軽減ブレーキの「デュアルセンサーブレーキサポート」や車線逸脱警報機能など、ドライバーの事故を防止する機能が搭載。「XL」「XG」にはオプションで装着可能です。
またスズキセーフティサポート搭載の4AT車には、前方に障害物がある状態でアクセルペダルを強く踏み込みされたときに、エンジン出力を制御する誤発進抑制機能も搭載されます。「ヒルホールドコントロール」は坂道発進のときに車体が後方に進まないようにブレーキを作動させます。
オリジナリティと上の車格に劣らない性能
スズキ ジムニー
コンパクトでありながらも本格4WDということは、ほかの車では模倣できない悪路走破性を見せてくれる要因となっています。本格4WDは大型のモデルが多いですが、コンパクトで軽量でありながらも、サブトランスファーがついていて、いざというときには大型のSUVを引っ張れるほどの性能を持っているのはジムニーのよさです。
インテリアは比較的シンプルですが、先代よりも質が向上しており、まとまったデザインです。オフロードを走破するという車の性格上、シンプルで機能的なインテリアは好感が持てます。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,725mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,250mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 1040kg | |
燃費 | WLTCモード:13.2km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列3気筒インタークーラーターボ | |
最高出力 | 47kW(64PS) /6,000rpm | |
最大トルク | 96N・m (9.8kg・m)/3,500rpm | |
駆動方式 | パートタイム4WD | |
トランスミッション | 4AT |
2021年1月現在 メーカー公式サイトより
■三菱 eKクロス
三菱 eKクロス
SUVらしいエクステリアになっているeKクロスですが、ハスラーやタフトなどと異なり、最低地上高は155mmと高くはありません。雪道や悪路での走破性はそれほど高くないのが特徴です。グリップコントロールは搭載しているので、路面状況が悪いところで電子制御によって安定して走行できます。
SUVらしさを味わいながらも、安定した走行性能を楽しみたい方には、SUVライクな車のよさが活きるでしょう。重心が低いことからハンドリングもよく、舗装路での走行性能はハイトワゴンと変わりません。
マイパイロットが搭載
三菱 eKクロス
マイパイロットが上位グレードで選択でき、高速道路で快適に走行できます。先行者との車間距離を維持するために追従してくれるので、ドライバーの疲労を軽減できます。ロングドライブを頻繁にする方であれば、疲労感の違いが顕著にでるでしょう。
手元のステアリングスイッチで設定を行い、マルチインフォメーションディスプレイに動作状況が表示されます。軽くステアリングを握っているだけで、安定して走行してくれる機能です。軽自動車なので加速が必要なときにはレスポンスが悪い状況があるものの、十分快適に走行できるでしょう。
ターボモデルなら力強くスムーズに走行
三菱 eKクロス
eKクロスには、ターボエンジンを搭載したモデルとNAモデルがありますが、力強い走りができるのはターボエンジンモデルです。街乗りではNAでも足りると感じるほどですが、高速道路や長距離運転では少ないアクセル開度でもスイスイと走れるターボエンジンが有利です。
高速道路や幹線道路に合流するときには、速度を高める必要があります。力があるターボエンジンの方が本線の流れに合わせやすいので、運転しやすいと感じることでしょう。NAエンジンと同様にマイルドハイブリッドを搭載し、軽快に走行できます。
上質感のあるデザイン
三菱 eKクロス
eKクロスは三菱の車に共通している「ダイナミックシールド」のデザインを採用しており、デリカD:5に似ているデザインです。SUV風のデザインを採用し、力強さを感じられるスタイルです。
インテリアは水平基調のすっきりとしたデザインです。機能性も十分にあり、合成皮革とソフトパッドが採用されるなど高級感があるプレミアムインテリアパッケージもオプションで追加できます。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,640mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,495mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 860kg | |
燃費 | WLTCモード:21.0km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列3気筒 | |
最高出力 | 38kW(52PS) /6,400rpm | |
最大トルク | 60N・m (6.1kgf・m) /3,600rpm | |
電動機種類 | 交流同期電動機 | |
最高出力 | 2.0kW(2.7PS) /1,200rpm | |
最大トルク | 40N・m (4.1kgf・m) /100rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動 | |
トランスミッション | CVT |
■スズキ ハスラー
スズキ ハスラー
軽自動車のSUV市場に流行をもたらしたのが2014年から発売されている初代ハスラーです。それまでもKeiのようなSUVライクな車はあったものの、アクティブに使える内装や外装、またパッケージのよさから大きな人気を集めたモデルになりました。
2020年にモデルチェンジされてからも、同じ方向性でデザインされており、車体設計や細かなデザインは異なりますが、同じコンセプトの車となっています。ホイールベースが延長されていること、またデザインが刷新されていることから、後席のスペースが広くなっており、実用性も増しているのが特徴です。
シートアレンジが豊富で使いやすい
スズキ ハスラー
ハスラーの特徴として、シートアレンジが豊富なことがあります。後部座席はもちろんですが、助手席までフラットにでき、長尺物でも、凹凸も少ないこともあり、楽に積載できます。後部座席は左右別々にリクライニングさせられるので、荷室に置いた荷物の大きさに合わせて調整できるのも特徴。
リヤシート背面とラゲッジフロアは防汚仕上げになっているほか、取り外して洗えるラゲッジアンダーボックスもあるので、アウトドアで汚れた荷物も収納ができます。また運転席と助手席にはシートヒーターがあるので、冬でも快適に乗車できます。
デザインとカラーが魅力的
スズキ ハスラー
Aピラーが立っており、ロングルーフになっている個性的なデザインを採用しています。モデルチェンジしてからも先代からのフロントマスクのデザインは継承されており、アウトドアらしいデザインになっています。初代もアクティブさが強調されたスタイルでしたが、2代目になるとアウトドアに出かけるために使いやすいデザインにされました。
ジムニーほど本格的でもなく、ワゴンRよりもアウトドアに使いやすいデザインになっています。インテリアはわくわくさせるように工夫されています。リッド付のインパネアッパーボックスはテーブルになりますし、助手席を倒すと停車時に使えるテーブルやシート下には収納スペースが用意されているのも特徴。アクティブに使える機能性と、ポップな色使いがアウトドアにぴったりです。
本格的な走破性
スズキ ハスラー
どのような路面状況でも安定して走行できる機能が備わっているのもハスラーの特徴です。4WD車には、通常走行では前輪に駆動力を配分し、滑りやすい路面になると前後輪に最適なトルク配分になるシステムが搭載されています。最低地上高の高さや、アプローチアングルとデパーチャーアングルの確保と合わせて荒れた路面でも余裕の走行性を見せてくれます。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,680mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,460mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 820kg | |
燃費 | WLTCモード:25.0km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列3気筒 | |
最高出力 | 36kW(49PS) /6,500rpm | |
最大トルク | 58N・m (5.9kg・m) /5,000rpm | |
電動機種類 | 直流同期電動機 | |
最高出力 | 1.9kW(2.6PS) /1,200rpm | |
最大トルク | 40N・m (4.1kg・m) /100rpm | |
駆動方式 | 前2輪駆動 | |
トランスミッション | CVT |
2021年1月現在 メーカー公式サイトより
■ダイハツ タフト
ダイハツ タフト
ハスラーのライバル車種になり、似たようなパッケージの車です。ハイトワゴンでありながらもSUVテイストを強調したデザインで、高めの最低地上高と悪路での走破性が高い走行モードで、荒れた路面でも走りやすくなっています。
しかしハスラーとはキャラクターが異なり、スカイルーフトップで開放感があるなど違った魅力を備えているモデルです。ハイトワゴンの利便性と合わせて、アクティブに使いやすくなっているのが特徴です。