コンパクトカーとは
ホンダ・フィット
正確にいえばコンパクトカーには明確な定義がないため、小型乗用車や普通乗用車のように「このサイズや排気量ならコンパクトカーである」と断言できるものではありません。
しかし一般的に使われている基準でいえば、「小型乗用車(5ナンバー)に属する車」「エンジンの排気量が1,500cc以下」「全長4.2メートル以下」などがコンパクトカーの基準の目安といえるでしょう。
小型乗用車は「全長×全幅×全高=4.7メートル×1.7メートル×2.0メートル以下」「総排気量660ccを超えており、2,000cc以下であること」を満たす車であり、それ以外の車は「普通自動車」に分類されます。
このことから、コンパクトカーは「小型乗用車の中でもエンジンの排気量が比較的少なく、ボディサイズの小さい車」と表現できます。
コンパクトカーを選ぶメリット
スズキ ジムニーシエラ
ここでは、コンパクトカーを選ぶメリットについて解説します。
■本体価格が比較的安価に設定されている
コンパクトカーは市場に出回っている普通乗用車の中でも本体価格が比較的安価に設定されているため、新車でも購入しやすいというメリットがあります。
一見すると軽自動車とそれほど価格が変わらないように見える場合もありますが、軽自動車の装備をコンパクトカーの基本グレードと同等に揃えようとすると結局は同程度の価格になることが多いです。
そのため、基本性能が優れているコンパクトカーを選んだ方がお得になる可能性が高いといえます。
■税金を安く抑えられる
コンパクトカーは排気量が少ないモデルが多いため、自動車税を安く抑えられるのもメリットのひとつといえます。
自動車税は排気量に応じてランク分けがされており、1リットル以下で25,000円、1リットル~1.5リットルで30,500円など、ランクが1つ上がるごとに価格が上がっていきます。そのため、排気量の少ないコンパクトカーは税金が安くなりやすいといえるでしょう。
■燃費性能が良い
一般的に、排気量が少ないエンジンほど燃費性能は高くなる傾向にあります。軽自動車やハイブリッド車に比べると燃費は劣る場合もありますが、普通乗用車の中ではコンパクトカーが低燃費を実現しやすいモデルです。
また、ボディサイズが小さく車体が軽いほど車体が受ける抵抗が減少して燃費性能が向上するため、コンパクトカーはその点でも有利といえるでしょう。燃費が良い車はガソリン代にかかるコストを大きく削減できるため、高燃費の車と比べて年間の支出を大きく抑えられます。
コンパクトカーを選ぶデメリット
トヨタ ライズ
メリットがある一方で、コンパクトカーにはいくつかのデメリットもあります。メリットとデメリットを知った上で、購入するかどうか検討することが大切です。
■室内空間が狭く感じられる場合がある
最近のコンパクトカーには室内空間を広く確保しているモデルも増えてきましたが、大型SUVやミニバンなどに比べると手狭に感じられることも少なくありません。体格の大きな方が長時間乗車すると窮屈になる場合もあるため、日頃から乗車の機会が多い場合は注意が必要です。
また、ファミリーでレジャーに出かける機会が多いと、ラゲッジスペースが物足りなく感じられる場合もあるでしょう。多くの荷物を積み込まなければならないのであれば、十分なラゲッジスペースが確保されているかどうか調べておくことも重要です。
■悪路の走破性は高くない
コンパクトカーは排気量がそれほど多くないため、発揮できるパワーにも限界があります。高速道路を長時間走行したり、定員いっぱいに乗車した状態で傾斜の厳しい道路を進んだりするとパワー不足を感じるかもしれません。
また、車体の軽量化をはかるためにブレーキの踏み心地や足回りの装備を犠牲にしている部分もあるため、あらゆる装備に上質な性能を求めるのであればコンパクトカーでは不十分な可能性もあります。
おすすめのコンパクトカー5選を紹介
ここからは、国内メーカーが販売しているおすすめのコンパクトカーを5種類ご紹介します。
■トヨタ ライズ
トヨタ ライズ
トヨタの「ライズ」は街乗りに活躍するコンパクトカーで、元々はダイハツが開発した「ロッキー」のOEM車です。
小さなボディサイズであるにも関わらず存在感が際立つエクステリアが施されており、コンパクトカーでも369リットルの大容量のラゲッジスペースが確保されているのは特筆すべき魅力といえるでしょう。日々の通勤や買い物だけでなく、レジャーの機会が多い方にもおすすめの一台です。
歩行者や対向車と衝突の可能性がある場合に自動的にブレーキを作動させて衝突を回避する機能や、アクセルを踏み間違えて急加速したときに誤発進を防ぐ機能など、安全装備も充実しているので安心して走行できます。
■ホンダ フィット
ホンダ フィット e:HEV
ホンダの「フィット」は2001年から販売されており、2020年にはモデルチェンジされた4代目が登場しています。日本国内の道路事情に合った走行性能が特徴的で、「心地よい視界」「リラックスできる座り心地」「快適な乗り心地」「使いやすいユーティリティー」の4つの心地よさを追求した作りが魅力です。
ガソリン車とハイブリッド車の両方がラインナップされており、シンプルなエントリータイプから街乗りに便利なクロスオーバータイプ、質感や機能を重視したタイプなど、用途に合わせた5種類のグレードからお好みの一台を選べるのも嬉しいポイントといえるでしょう。
■日産 ノート
日産 ノート
日産「ノート」は洗練されたデザインと豊富なカラー展開が特徴で、最上級グレードでは12種類ものボディカラーからお好みの一色を選べます。ツートンカラーなどもラインナップされているため、個性を発揮しやすい一台といえるでしょう。
静音性とパワフルな走行性能を実現する日産の「e-POWER」というシステムを搭載しており、ドライバーに負担をかけずに快適なドライブを実現できるモデルです。先行車を自動的に追跡する「プロパイロット」も用意されているため、高速道路で自動的に車間距離を保てるのも利便性の高いモデルです。
■スズキ ジムニーシエラ
スズキ ジムニーシエラ
スズキのジムニーシエラは軽自動車にあたる「ジムニー」のサイズをひと回り大きく仕上げており、排気量を増加した小型乗用車です。伝統的に続くジムニーの本格派の4WDの悪路走破性やパワフルな走行性能はそのままに、安定性が高く乗り心地の良さが増しています。
リヤシートが可動式になっており倒すと最大352リットルもの荷物を積み込めるため、ゴルフや登山、サーフィンなどさまざまなレジャーに活躍する一台です。自動ブレーキや誤発進抑制機能などのさまざまな安全設備をまとめた「スズキセーフティーサポート」も上位グレードには標準搭載されているため、安全面でも安心できるモデルといえるでしょう。
■マツダ マツダ2
マツダ マツダ2
マツダの「マツダ2」は「シンプルなエレガンス」をコンセプトに、モダンかつ滑らかでスタイリッシュなデザインに仕上げたコンパクトカーです。インテリアにも細部までこだわっており、光と影を上手く利用した上質に過ごせる空間を実現しています。
ドライバーにとって理想的なドライビングポジションについて研究を重ねたマツダならではのペダルレイアウトや、コクピットデザインで運転の快適性を高めています。さらにブレーキの自動制御や夜間の視認性を高めるためのアダプティブ・LED・ヘッドライトなど、さまざまな安全装備が選択できます。
まとめ
トヨタライズ Z 2WD
コンパクトカーのメリットやデメリット、国内メーカーのおすすめのコンパクトカーなどについてお伝えしてきました。比較的購入しやすく税金も抑えられる可能性が高いコンパクトカーですが、レジャーなどで頻繁に荷物を積み込む方や、悪路を走る頻度が高い方には向かない可能性もあります。
街乗りなどであれば小回りが利いて使い勝手の良い面も大きいため、自身のライフスタイルをよく考慮した上で、それぞれの車種が持つ独自性も比較しながら最適な一台を選択することをおすすめします。