クーペとは
日産370Z(フェアレディZ)プロジェクト・クラブスポーツ23
クーペとは「車の形状を表す言葉」で、走行性を重視したスポーティーなつくりが特徴的な車です。2ドアタイプが主流であり、車高は低くスタイリッシュで流麗なデザインが特徴的な車種が多く見られます。
大人数が乗ることは想定されておらず、一般的には2人乗りか4人乗りで前方席のみが設けられており、エンジンルームが広く取られているのが特徴です。
■クーペの名前の由来
クーペの名前の由来はフランス語の「coupé(クペ)」であり、かつては「切られた」という語源から「車両の後ろ側が切り落とされた2人乗りの箱馬車」を指していました。
そこから転じて車の形を表す「クーペ」と呼ばれるようになったといわれています。
クーペとセダンの違いとは?
ホンダ NSX タイプR 予想CG
クーペとセダンの大きな違いは「ドアの数」と「重視しているポイント」の2点です。一般的にクーペは2ドア、セダンは4ドアが主流となっており、一部例外はあるもののドアの数を見ると簡単に見分けが付きます。
また、クーペはデザイン性や操縦のしやすさを重視して設計されているのに対し、セダンは安全性や居住性、丈夫さを重視して設計されているという違いがあります。
■セダンの特徴
セダンは居住性の高いつくりが特徴的で、走行時の静音性が高く快適なドライブが可能な車種が多い傾向にあります。室内空間も広めに取られているため、長距離の走行でも窮屈にならずに過ごせるでしょう。
また、ボディが頑丈に作られており、重心も低めなのでSUVやミニバンに比べると風に煽られにくいというメリットもあります。
さらに、「トランクが外部から確認できない」というのもSUVなどには見られない特徴のひとつで、盗難防止などにも役立ちます。
■2ドア以外に4ドアのクーペもある!
メルセデスAMG GT 4ドアクーペ 53 4MATIC+
クーペは2ドアが主流ではありますが、最近では「4ドアクーペ」と呼ばれるタイプの車も登場しています。
「4ドアクーペ」とはいっても厳密にはセダンの車高を低く設計して、前後の窓柱を倒したタイプのセダンのことを指していることから、厳密には「クーペに似ているデザインの4ドアセダン」と表すのが近いといえるでしょう。
そのため、4ドアクーペと4ドアセダンは広義には同じものであるともいえますが、実際には各メーカーの表記は明確に分けられています。4ドアセダンは走行性、4ドアクーペはデザイン性に重点を置いて開発されているイメージです。
クーペに乗るメリット
メルセデスベンツ Eクラスクーペ(E300)
ここでは、クーペを選ぶメリットについてご紹介します。
■高い走行性能
クーペは車高が低めに設計されている車種が多いので、走行時の重心が低くなり安定的に走行しやすいというメリットがあります。横転しにくいことからコーナーをスムーズに曲がれる操縦性の高さも魅力といえるでしょう。
また、現行のクーペは高級SUVのスポーツ仕様として設定される車種も多いため、各メーカーの最新技術が搭載されており、さらに走行性を高めるためのさまざまな工夫が凝らされています。
■洗練されたデザイン
車高が低く流れるようなボディラインなど、クーペは洗練されたエクステリアが特徴的で、デザイン性の高さを持ち味としています。
メーカー各社も美しさを強調するデザインを押し出しており、「格好良く見える車」というのがクーペにとっては何より大きなメリットといえるでしょう。
おすすめのクーペ4選を紹介
ここからは、国内で販売されているおすすめのクーペを4種類ご紹介します。
■トヨタ 86
トヨタ 86 GTブラックリミテッド
「86」は発売元はトヨタですが、スバルと共同開発しているモデルであり、トヨタがコンセプトやデザイン、スバルが詳細設計を担当して2012年から販売を開始しています。当初人気を博したのは中高年層がメインでしたが、少しずつ年齢層がシフトし、いまでは若者に人気の車種となりました。
6速マニュアル車も用意されますが、オートマチックトランスミッションには「6-Speed Sport Direct Shift」を採用しており、世界最速レベルの変速レスポンスを実現するAT車となっています。また、走行シーンに合わせて走行できるように「SNOW」「SPORT」などさまざまなモードが用意されています。
■ホンダ NSX
ホンダ NSX(2020年モデル)
ホンダの「NSX」は本田技研工業が開発・販売を手掛けるスポーツカーで、共同開発にF1エンジンメーカーのコスワースを招いています。ツインターボエンジンと3基のモーターを併用する「SPORT HYBRID SH-AWD」を採用したことにより、パワフルかつスムーズな加速を実現しているハイパフォーマンスな一台です。
クーペの持ち味である走行性や操縦性の高さを最大限に発揮しつつ、「スペースフレーム構造」による衝突安全性の確保や7つのエアバッグの実装など、安全面に対する予防策も万全に整えられています。
■日産 GT-R
日産GT-R R35 50thアニバーサリー
日産の「GT-R」は、同社が特許を取得している独自のレイアウト「独立型トランスアクスル4WD」を採用しており、重量の嵩む四輪駆動車ながら、それぞれのタイヤにかかる荷重を最適化。
車の重量をタイヤのグリップ力に活かし切るというコンセプト通りに、V6ツインターボエンジンの強烈なパワーを路面にしっかり伝える駆動性能が特徴的です。
■日産 フェアレディZ
日産・フェアレディZ Version ST
日産のフェアレディZは1969年に販売が開始されたクーペで、世界でも人気のある車種のひとつです。日本車が世界に浸透していなかった頃に日産自動車の知名度を向上させた車種とも評されており、世界でも広く認知されているクラシックカーといえるでしょう。
フェアレディはスポーツカーとしての走行性を日々磨き続けており、デザインや性能は今日も進化し続けています。エンジンは日産が独自に開発した技術で低燃費かつ高出力を実現し、エコにも配慮された設計が特徴です。
まとめ
日産GT-R R35 2020年モデル コックピット
クーペとセダンの違いや特徴、おすすめのクーペなどについてお伝えしてきました。クーペは2ドアタイプが主流でセダンは4ドアという違いがあるものの、中には「4ドアクーペ」と呼ばれるデザイン性を重視したセダンもあります。
走行性やデザインを重視するのか、頑丈さや安定性を重視するのかなどの目的によって、どちらを購入するか決めると良いでしょう。国内でも多くのメーカーが最新技術を用いたクーペを開発しているので、性能を比較しながらお気に入りの一台をぜひ見つけてみてください。