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暖機運転って必要なの?現代の車に必要な暖機運転の方法とは?

暖機運転って必要なの?現代の車に必要な暖機運転の方法とは?

寒冷地では、車を発進させる前にエンジンを暖める暖機運転をしている人もいます。以前では寒冷地での運転に必要とされていた暖機運転ですが、今でも必要でしょうか?暖機運転の意味や目的、どのようなケースで暖機運転が必要か解説します。

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暖機運転とは?

《写真提供:response》アイドリングストップ

そもそも暖機運転とは、機械の温度が温まっていない状態で負荷の低い運転をすることです。アイドリング状態で暖機運転をして、エンジンの温度が上がるのを待つことが多いです。

暖機運転をすることで、エンジンが本来の性能を発揮できるようにするのが目的となっていました。5分から10分ほどアイドリングを行い、エンジンの温度を上げていたのです。しかしエンジンの性能も向上した今では、暖機運転はほとんど必要ありません。

暖機運転が必要だった理由

《写真提供:response》ハイブリッド用1.5リットル・ダイナミックフォースエンジン

暖機運転が必要だった理由は、昔の車はキャブレーターを使用していたこと、また金属加工精度の低さでした。

キャブレターを使用していた時代に必要だった

暖機運転が必要だった理由は、1980年代までは主流だったキャブレターを使用したエンジンでは、エンジンの始動が難しい冷間時には、手動で燃料と空気の比率を変える必要があったからです。チョークレバーを使って、燃料が濃い混合気を噴射してエンジンがかかりやすくし、エンジンがしっかりと温まるのを待つのが暖機運転でした。

しかしその後、自動車のエンジンにおける燃料供給システムは電子制御によるインジェクターに変化していきます。電子制御で燃料を噴射するようになると、チョークを使用しなくても冷気に合わせて燃料噴射してくれるようになっています。

パーツ間のクリアランスの問題

燃料噴射装置以外の理由では、ひと昔前の車ではエンジンが適温にならなければ本来のパフォーマンスが発揮できない精度だったからです。エンジンなどの金属部が冷えていると、パーツ間のクリアランスが広くなってしまいますし、エンジンオイルも必要な部分に行き渡りにくくなります。

現代のエンジンは精度が向上しているので、エンジンが冷えている状態でも適度なクリアランスが確保されています。またエンジンオイルも粘度が低いものを使用しているので、冷えている状態でもしっかりとパーツ間にオイルが入ります。

現代の車でも、エンジンや各部品が冷えている状態ではオイルも冷えているのには変わりません。エンジンやパーツが温まらなければベストな状態ではありませんが、問題なく走行できるだけの精度はあるのです。

暖機運転は二酸化炭素を排出してしまう

《写真提供:response》森(イメージ)

現代の車では暖機運転は推奨されていない理由に、二酸化炭素の排出があります。暖機運転をした場合には、アイドリングを行う時間が発生するので、どうしても二酸化炭素の排出量が多くなります。

エンジンをかけたときから電子制御によって適切な燃料の濃度が確保されているので、暖機運転の必要性が薄れているだけでなく、長時間の暖機運転は環境への悪影響も増してしまいます。

仮に、暖機運転を10分間行ってから走行した場合には、暖機運転をしなかった場合と比較して燃費が25%も悪化するという調査結果もあります。

近年に長時間暖機運転をする人は少ないものの、長時間のアイドリングは燃費の悪化を招くのは間違いありません。

アイドリングが禁止されている地域もある

駐車中にアイドリングをすることは、大気汚染や騒音の問題を引き起こすとして、禁止されているエリアもあります。

東京都や埼玉県、神奈川県などでは環境保全の観点で駐・停車時のアイドリングストップを義務付ける条例が定められています。

たとえ暖機運転のためであっても、これらの地域では長時間のアイドリングは控えるべきでしょう。

積雪があった場合には、車内を暖めたり、フロントガラスの凍結を解除するのにアイドリングが必要なこともあります。しかし凍結防止カバーなどを利用するなどして、アイドリングを最小限に抑えておきましょう。

コンディションを保つためには「暖機走行」

《写真提供:response》マツダ3 セダン(1.8 SKYACTIV-D)

車の精度の向上から、暖機運転は必要ではなくなりました。しかしエンジンをよい状態に保つためには「暖機走行」は欠かせません。

エンジンの温度を向上させるために、走行しながら暖機運転をするのが「暖機走行」。エンジンが冷えている状態で、いきなり負荷が高い運転をするとエンジンの不調にもつながります。

運動のときでも、いきなり高負荷の運動をするのではなく、ウォーミングアップをするように、エンジンも低回転で走行するようにします。

「急」がつかない運転をするようにしておき、エンジンが温まるのを待ちましょう。無駄な暖機運転をしなくても、暖機運転をするだけでもエンジンのコンディションを維持できます。

暖機運転が必要なケースとは?

《写真提供:response》エンジン オイル交換

車の使用環境によって、暖機運転の必要度が異なります。毎日使っている車と久しぶりに車を使った場合に分けてみてみましょう。

毎日乗っている車

暖機運転の目的は、ガソリンがしっかりと気化してエンジンのかかりがよくなり、オイルを循環させることです。昔の車であれば燃料の噴射がうまくできないこともありましたが、現代の車では電子制御されているので暖機運転の必要はありません。

オイルが冷えていたり、下部にたまっていますが、近年のオイルは性能も高くなっています。エンジンを始動させると、薄い膜があるので金属の摩耗を防いでくれるので、少しの暖機走行で問題ありません。

久しぶりに車を使う場合

久しぶりに車を運転する場合には、オイルの膜が薄くなっています。始動させたときには金属パーツ間のオイルの膜が少ないことを考慮して、少しの暖機運転があるとよいでしょう。

しかしエンジンの回転数が落ち着く1分程度で問題ありません。エンジンの精度やオイルの高性能化が進んでいるので、少しの暖機運転で問題なく走行できる状態になります。

走行を始めたときも、暖機走行を行ってゆっくりと走行するようにします。エンジンやミッションなど各部分の温度が向上すれば、通常通り運転して問題ないでしょう。

番外編:大型車

トラックなどの大型車の場合には、暖機運転が必要です。というのも、エンジンの温度の他に大型車の場合には空気ブレーキが採用されているからです。

エアタンクの空気を排出してしまっているなら、エンジンを始動させて十分な空気圧になってから走行しなければブレーキが利かないという状態になります。近年の大型車の場合には、空気圧が不足していると駐車ブレーキも解除できません。

いずれにしても、大型車の場合には空気圧が十分になければ安全に走行できないという理由で暖機運転が必要です。

まとめ:現代の車は暖機走行で十分

現代の車では、以前のように暖機運転は必要ありません。エンジンの精度向上やオイルの高性能化によって低温状態でも問題なくエンジンを始動させることが可能だからです。

しかし低温状態では、パーツ各部の温度は上昇していません。走行を始めたときには、暖機走行をするようにして、急発進や急加速を避けるようにします。

エンジンを労わりながら走行するなら、よいコンディションを維持することができるでしょう。

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